吉田美保子の some ori ノート

染め重ねる

2013.11.06

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めとさまのお着物、デザインを詰めて、糸も本番の一部を染めて、ご提案寸前まで行きましたが、ここで少々お時間いただく形になりました。あら、降ってわいたこの時間。これは神様がくださったのね。そこで、私、染め直しをすることにしました。
告白しましょう。
じ、じ、じつは、染めていた糸に、「自分として完全に完璧に納得」まで行ってなかった綛があったのです。
これからめとさまに見ていただいて、変更依頼が来るかもしれないので、あえて染め重ねをぜずに寸止めのところでとめておいたでした。詰めるのは、めとさまのご意見伺ってからと思ってました。
が、これは、私、間違ってました。自分としての、100%までやり切ってなかった。98で止めてました。猛省です。決定の責任を投げてた。とにかく、やるだけやって、やり切って、それで、投げなきゃ。100が来なけりゃ、めとさまだって、打ち返せないよね。
そこそこいい色までは行ってたけど、神様は見ておられる。
上の写真は染め重ねているところ。こっくり感が足りてなかった。染料配合しなおし。よっしゃ、この色だ。
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これは、染め重ねた糸たち。酸性染料で染めてた上に、茜を重ねて染めたのです。深くなったよねーー。酸性染料で深くすることもできるのだけど、めとさまのお着物には、一部であっても、日本で昔から愛された、植物染料を使いたかった。めとさまに、歴史に歌い込まれた色をお召しただきたいって気持ちもあり。茜は、日本の女を守る色だという、思いもあり。
P1070310.JPG
染め重ねた糸たち。見てたら、匂い立つような感じがしたよ。いい着物になる。めとさまがお召しになって、ご自宅近くで、散歩されたり、買い物されたり。何気なく、風景にとけ込んで。でもそこだけ、いい風吹いてるみたいな、、、

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