吉田美保子の some ori ノート

バルテュス、観ました。

2014.05.06

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先日、上野に、バルテュス展を観に行ってきた。バルテュスは、どうしても惹きつけられてしまう画家のひとり。会期後半は混むと思って、連休の合間の平日に行ってきました。
見終わって、ああ、この人は絵描きそのものだなあと思った。絵描きという職業じゃなくて、絵描きそのもの。全人生、全人格で絵描きなんだなあ。
ま、個人的には、有名な少女の絵より、少年時代のバルテュスが、飼い猫のミツの物語を描いた連載挿絵がストレートに心を打つなあ、などとも思った。
バルテュス、はじめから最後まで(幼少期から死ぬまで)、上手い。さすが。
で、数日後のさっき、アーリュブリュット(インサイダーアート/知的障がいがある人がつくるアートをさすことも多い)を取り上げたNHKの番組をネットで観たのだけど、あー、なんだか、ちょっとだけバルテュスに似てるぞーって思った。全身全霊でアートに向かってるところが。
バルテュスは、特にそのデビューの頃とか、すごく戦略的だし、確信犯的な絵だし、無垢のアートのアールブリュットとは、真反対のような感じだけど、作品から発するものは、なんだか似てたよ。ベクトルの向け先がはっきりしてて、そこに向かって、進んで進んで進んで、やり切るってところが。
すごいー。とにかくやり切らないことには、話しが始まらんな。
バルテュス展は、上野の東京都立美術館にて、6月22日まで。その後、京都に巡回とのこと。
NHKの番組は、news web。今なら、ここの真ん中辺に動画があります。
写真は、整経後の糸をはずして、静寂に戻った、私の整経機。天野志穂実さん撮影。

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