吉田美保子の some ori ノート

「日下田正とエセル・メーレ」展に行った、2

2017.01.28

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陶芸美術館で、「日下田正とエセル・メーレ」展を見た後、まずはとにかくと思って、日下田藍染工房へ向かいました。予約も問い合わせも何もしていないけど、とにかく。
そこは美術館から歩いて5分ほどの、江戸時代から連綿と続く、今もせっせと仕事をする場所でした。多分、紺屋さんの典型ではないかと思うけど、玄関入るとすぐに大きな染め場があって、向かいはご家族の居住スペースと思うのよね。奥に抜けると、中庭。そう、干場です。干場を囲むように、型場や洗い場。それから、ギャラリースペースもありました。
ちょうどお昼の時分どきで、どうぞご自由にご覧くださいって感じになっていた。ギャラリーを覗くと、そこに織り機があった。わあ、ここで織ってるんだ!
ほどなく、織り手の方が戻ってこられ、色々お話を聞くことができた。藍染の益子木綿でショールを織っていらっしゃった。隣の大きな機は飾り布かな。売ってる物の値段の安さに驚いていると「うちの先生は、商売には頓着がないから。。」などとおっしゃりながらも、深い信頼と尊敬が感じられた。
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ギャラリーを出てると、干場で作業中の染め師の男性一人。これまた、色々丁寧に教えていただく。「うちの母ちゃんも、織ってるんだよ、松本の森島千冴子さんというところで、修行して。」と。まあ、森島先生って、私が着尺を習った高野久仁子さんのお師匠さんです。私、お会いしたことはないけど、孫弟子のつもりです。などの話で盛り上がる。
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そうこうしてたら、そのおじさまが、「あ、先生。こちら、神奈川県からいらした、とても熱心なかた」と。なんと、日下田正さんご本人が、出先から戻ってこられたのです。

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