吉田美保子のsomeoriノート

Thursday, 9 June 2016

こうさま、糸見本。

kousama.jpg

こうさまに見ていただく大麻の糸見本を用意して、ご注文内容を整理して紙に落として、これから郵送しますよとお電話しました。

IMG_4694.jpg

色は、赤茶色からえんじ色を草木染めで染めるということでいいですね?

「いや、それなんだけど、赤茶やえんじが好きなんだけど、藍色もええなあって思うようになってきてん。」

ああ、それでしたら、もちろん藍染めでもいいですよ。それに、藍染めか、赤茶、一色にするのではなく、両方使うこともできますよ。例えば、一本おきに入れると、色が混ざって無地っぽくなりますし、2本ずつ入れると細い縞になります。経糸は藍染め、緯糸は赤茶という風にもできます。もちろん逆もできます。もっと複雑に混ぜてもいいです。

ただ私は藍染めはハイドロ建てしかしないので、すくもで建てるのがお好みでしたら、紺屋さんに頼まなければならないけど。

「ああ、それがええように思うねえ。色は両方使うのがええと思う。すくも建ての藍染めは友だちがやっているから、そちらに頼めると思います。」

それでは、藍と赤茶の糸を使った場合の糸の入れ方をイメージしやすいように簡略図にしてお見せしましょう。それも郵送資料の仲間に入れました。

Wednesday, 8 June 2016

みるさま、完成。

P1170138.JPG


うふふ〜〜。緑がよろこぶこの季節、美しい緑の中で、みるさまと Spirit of Greenに再会してきました。

帯は締めていただいた時が完成です。みるさま、Spirit of Greenを、立派に完成させてくださいました。本当にどうもありがとうございます。

miru2.JPG

昨日は朝から雨で、けっこう強く降ってた時間もありました。私は、カメラの準備をしながら、きっと大丈夫、午後になったら雨は上がるって確信してました。だってお会いするのはみるさまですもの。みるさまのパワーが天にとどくはず。

ほーら、やっぱり晴れました。写真を撮るのにちょうどいい、明るい薄曇りの空。Spirit of Greenの緑が映えます。

miru3.JPG

タレが濃いグリーン。ちらっと見えるタイコ裏も濃いグリーン。手先は薄いグリーン。地はごくごく薄いペールグリーン。グリーンが幾重にも重なります。

mirusama.jpg

みるさまとお会いしたのは、東林間のバートンにて。お庭で写真をたくさん撮らせていただいて、さあそれでは、お茶でもいただきましょう。

Spirit of Greenのお仕立て秘話(?)もお聞きしました。熊本の田崎染工さんで仕立てられたので、地震の時は、この子は熊本にいたのです。あの揺れに耐えて、立派にみるさまの元に戻ってきました。強い子です。えらいぞ。

IMG_8758.JPG

楽しい時間はあっという間。またぜひお会いしましょうね。
こっそり見送っておりましたが、街に溶け込んでいく感じが、とてもすてきでした。

Monday, 6 June 2016

こうさまと電話

img045.jpg

大麻の糸を探している時期、私は何度かこうさまに電話をしました。意思確認というか、、気になってること、クリアにしておきたく。

まず、着にくくてもいいってのは、どの程度までの着にくさまでは、オッケーなのだろう?分厚くてもいいとのことだったけど、そうすると重くなる。重いのもオッケー?重いというのは、着物では大変嫌われるのだけど、、、、それにある程度はしなやかでないと、すべりが悪くて着るものとしては良くないと思うのだけど、、、などなどおずおずと話す私に、こうさま、

「どんなに重くてもいい。ははあ、あんた、そんな作務衣じゃガサゴソして、肌が赤くなるとか心配しているんやろ?それでええねん、むしろそれを望んでるや。野武士のような作務衣がええねん。」

うっわー、野武士かあ、、、、

あまり整ったツルツルした糸より、ラフな感じの糸が希望と、、、。では、今、手元に集まりつつある大麻糸のサンプルをお送りしますね、見てください。でも、ご希望されても織れない糸もありますよ。

それから再確認ですけど、私は反物までしかできませんよ。お仕立てはできませんし、着物だったらご紹介もできるけど、作務衣の仕立てはツテがないのだけど、大丈夫でしょうか?

こうさま、「それは自分が探すから、あんた心配せんでいいよ」とおっしゃる。本当かな?私、心配性なのです。

そして、お話をいただいてからずっと考えてきた、お見積もりを出さねば、、、大麻の作務衣なんて私としてもはじめてのことだから、ずっと悩んでた。布の大きさと糸の仕入れ値が見えてきたので、ここらで決めねばならない。
悩んだ末に、着尺一反と同じ金額を申し上げた。手間を考えれば、ギリギリの線だ。しかし、作務衣としては破格の値段だと思う。こうさまは、一瞬考えるような間を取られたが、

「思っていたより高いけど、欲しくなってしまっているから、お願いします。」とおっしゃった。

*写真は、栃木県鹿沼の大麻栽培家、大森さんの仕事場にて。麻挽きしたあと、乾燥させているところ。


Sunday, 5 June 2016

大麻の糸を求めて。

img037.jpg

さあ、こうさま。まずは、糸です。糸を見つけなければ、話しは始まりません。いったい、どうやって、求める糸を探し出しましょう?

いつもお願いしている絹糸屋さんには絹糸しか売ってないよ、当たり前ですが。麻、それも大麻限定。それも、織り糸。(手織りに適しない糸もあります。)それも、柔道着のような作務衣にする生地を織るのに最適な糸。さあどうする?

まずは、やはり大検索大会です。大麻の糸、検索で見つけられるもの、しらみつぶし。何店にかは電話して話しを聞いたり。んで、サンプル請求できるものはしまくり。もしくは最小ロットで買いまくり。

それから、織りをやってる人に会ったら、聞きまくり。オープンで、自分の経験、教えてくれるんだよね。頼りになる織り仲間たち。

IMG_8737.JPG

しかし、いまひとつ、ピンとこない日々。ある日、勤め人時代からお付き合いのある、月刊誌「染織情報α」の編集長、佐藤さんからお電話いただきました。

まあ!お久しぶりです!!

お話をお聞きすると、私が、2000年に、栃木県の大麻栽培農家の大森さんを訪ねた時に撮った写真を、次号に使ってもいいかとのこと。どうも私、過去に一度提供したことがあるみたい。

もちろん!!どうぞ、どうぞ。
しかし、佐藤さん、とっても奇遇です。私、今、毎日、大麻のことばかり考えて暮らしています。ところで、お顔の広いところで、大麻の織り糸を扱っている業者さん、ご存知ないですかね?

ああ、知ってますよ。ヨシダさんもご存知と思うけど、〇〇さんか、〇〇さんは?

おお!知っているけど、抜けてた。検索しても出て来なかった。

早速電話し、サンプル糸を取り寄せたのでした。

*ブログにはさらっと書いてますが、この間、ゆうに3ヶ月はたってます。昨夏は個展準備をしながら、大麻を探すアツい日々でした。

*上の写真は私が撮ったもの。下の写真は、月刊「染織情報α 2015年9月号」の当該ページ。左上の写真を提供しました。

Friday, 3 June 2016

大麻とは。

img032.jpg

こうさまから、大麻の作務衣を織る話しをいただいて、私が真っ先にしたかったのは、大麻についての勉強し直しでした。

大麻は、なんと言うか、、、、底知れぬ力を持った繊維なのです。麻薬成分があることばかりがクローズアップされがちで、今も取り締まられてるけど、それはたかだか100年くらいの話し。

私、勤め人をしていた頃、大変ありがたいことに、大麻を扱う機会もあり、ずいぶん勉強しました。だから、日本人が、精神的にも大麻を大事にしてきたことを知ってます。例えば、神社のしめ縄やヌサも大麻だし、鈴から下がってる太い縄もそう。あれ、人間が触って鈴を鳴らすでしょ。神との交信になるんだよね。

麻の葉の模様も、昔から赤ちゃんの産着に使われたりしますね。あれも、魔よけの意味もあり。麻のように、まっすぐすくすく育ちますようにって意味もあり。

それに何と言っても私、2000年の7月に、栃木県粟野町で麻の栽培をされている、大森さんを訪ねたことがあるのです。麻糸や麻布を扱っていらっしゃっる京都の青土さんと一緒に、大麻の刈り取りを見せてもらったのだ。すばらしい経験だった。ちなみに、ここ3日間のブログの写真はこのとき撮ったものです。

それで、その頃の資料をひっぱり出したり、新たに本を探したりして、読み込みました。
綿や絹は、あとから外国から入って来たもの。大麻は、もともと日本にありました。縄文時代から、我々とともにあり、生活に利用していました。

こうさまが、なぜ大麻の作務衣が欲しいのか。それ、何となくでいいから、つかんどきたいのよね。

Thursday, 2 June 2016

15年ぶり。電話のつづき

img030.jpg

「大麻の作務衣が欲しいんだけど、あんた、織ってくれんだろうか?」

うっ。

一瞬つまる私。

えっと、、、、、、大麻の糸を織るんですか?それはやってやれないことはないでしょうけど、、、。私、独立してからは、ほとんど絹ばかり織ってます。麻を織る経験値は、まったく延びておりません。

うーーーん。それでも、、、

すぐに頭に浮かんだのは、大麻の糸のみで織るより、絹か木綿を混ぜた方が、軽くて、しなやかで、着やすい生地が織れるってことだった。

素材をまぜることをグンボウっていうんですけどね、両方の長所を生かせるし、おすすめですよと、こうさまに、お伝えすると、、

「いや、大麻だけがいいんだ。着にくくてもかまへん。」

うーーんんん、、、私としては、はい、それじゃそうしましょう、とは言えません。着やすいってのは、身を包む布を織る身としては、至上命題なのだ。麻が大事ってことかな?

だったら、苧麻(ちょま)は?ラミーと言う扱いやすい麻もあります。大麻よりは軽くて、なじんで、着やすいと思うけど?
その提案にも、こうさまは、

「いや、大麻がいいねん。分厚くて、柔道着みたいなのを思っているのだけど。」

そっか、なーるほど。大麻がキーワードね。

しかし、柔道着、、、、はい、織りますとは即答しかねます。ちょっと調べてみます。

ちなみに織らせていただくとしたら、染めはいかがしましょうか?

「茶色というか、えんじ色というか、、、赤っぽい茶が好きなんだけど、、、」

化学染料でいいですか?その方が、ねらった色を出せますけど。

「いや、せっかくだから、草木染めで。」

ああ、やっぱり、、、、、。
植物繊維は草木染め、大変なんです。染まりにくいので下準備と染め重ねが、、、、、、。

とにかく、調べますから、時間をくださいとお願いし、その日は電話を切りました。


Wednesday, 1 June 2016

こうさま、スタート

img031.jpg

さあ、新たなonly only のはじまりです。今回の主人公を「こうさま」とお呼びさせていただきましょう。こうさま、男性です。

こうさまとの、出会いというか、再会なのですが、、、正しくはお会いしてはいないのですが、、、それは、今から、ちょうど1年前の、2015年5月31日、日曜日の夕方のことでした。

我が家の固定電話がなりました。

うちの電話がなるというのは、けっこうめずらしいことです。最近は、友だちも、お取り引き先さまも、携帯に電話くださいます。名刺には、固定電話の番号を載せてますが、サイトや年賀状などには載せてないので、商売上もあまり使っているとは言えません。
ですから、うちの固定電話に掛かってくるのは、営業目的か、はたまた間違い電話が多いのです。どうもどこかの工務店さんと番号、酷似しているようなのです。

電話を取った第一声の「もしもし」という声が男性でしたので、私はすっかり工務店さんへの間違い電話と思い込みました。次の言葉を待って、「お掛け間違いですよ」と言う気まんまんでした。それが、

「あー、ヨシダさんですか?私、もう15年ほど前になりますけど、大麻ののれんを織ってもらった、〇〇の〇〇です。」

!!!!!

一瞬声を失います。うっっわーー、心底ビックリです。走馬灯とはこのことか。いろんな思い出が駆け巡ります。15年前ってまだ勤めながら機織りしていた頃のことです。

あの時もビックリしたな。出張中に出会った私にいきなりご注文を下さった。条件は素材が「大麻」ってことと、大きさだけだった。とにかく、誠心誠意、織ったなあ。ビクビクしながらお納めしたら、すぐに、ヒノキのまな板贈ってくださった。そのまな板、いまでも愛用しています。

それから、こうさまとは、年賀状だけのお付き合いとなった。毎年、宛名面に、私の住所氏名をものすごい丁寧な達筆で書いて下さる。裏は印刷で、毎年同じ。他には何も書いてない。
10年くらい前、年末押し詰まってから、喪中ハガキが届いた。私はすでに年賀状を出してしまっていたから、重ねてお悔やみのハガキを書いた。そうしたら、明けてから、そのお礼ハガキを下さった。心が通い合ったような気がしてうれしかった。なんか、よく覚えてる。

そのこうさまが、今回は、こうおっしゃいます。

「大麻の作務衣が欲しいんだけど、あんた、織ってくれんだろうか?」


Thursday,26 May 2016

「夕方5時の私の空、2016年3月5日」

P1160836.JPG

かずさまの、only only、できました!かずさまには、昨日、無事にお納めしましたので、こちらでもご紹介させてください。

P1160877.JPG

お着物の名前を「夕方5時の私の空、2016年3月5日」と名付けさせていただきました。ちょっと長いけど、決定打のフレーズなのよね。

DSC_2100.JPG

3月5日に、かずさまから、「夕方5時の頃の空をふと見上げて、春の夕暮れの色、あんな感じがいいかな、とか思っています。曖昧すぎるかしら」というメールをいただいて、このお着物に息が吹き込まれました。ピントが合って、動き出した感じです。

P1160849.JPG

その日から、空を見上げる日々が続きました。空の写真もたくさん撮りました。それはね、すべて終わった今もです。つい見上げちゃうんだよなあ。

P1160863.JPG

見上げながら、いろんな気付きがありました。春浅い夕方の空は、ごくごく薄いグレーなんだけど、案外青みもあって、薄いピンクもまじっています。暮れ方の優しい色。清々しい感じもする。かずさまらしいなって思いました。

P1160854.JPG

実はね、昨日、かずさま、我が家までお越しくださって、3丈4尺、だーっと広げて観ていただいた時のひとこと。

「私が見た空の色より、私らしい色だわ」

わ、感激。

P1160851.JPG

このお着物は、かずさまがご自分で、作って、染められた糸が織り込んであることもキモのひとつ。

上の写真の真ん中辺り、ずり出しでとった糸が入ってます。だいだい色です。桜のアルミ媒染。色のトーンは違うけど、なじんだよね。藍の生葉染めの糸は、細い糸ですので目につきにくいけど、たくさん入ってます。溶けこんでる感じね。

織りはじめのところには、かずさまが、試し織りされた部分もくっついてます。まさに、かずさまと私、二人三脚で作った着物です。

P1160846.JPG

かずさまにとって、この春は、長年のお勤めを退職されたまさに節目の季節。これから、新しい世界を切り開かれる起点でもあります。その記念のお着物を織らせていただいたことは、私にとってもかけがえのない喜びでした。

P1160848.JPG

もうひとつ、とても大きなこと、起こりました。このお着物を織りはじめた4月14日、郷里熊本で、大きな地震が発生しました。遠くに住む私も大きな不安におそわれました。

DSC_2133.JPG

そんな中、私はこのお着物を織ることに没頭することで、支えられました。心を強く持って、できるだけのことをできたのは、かずさまとこのお着物のおかげと感謝しています。

DSC_2118.JPG

このお着物は、春の夕方のように、穏やかで静かなイメージです。かずさまのこれからの人生を、静かに輝かせてくれるものと信じております。

P1160934.JPG

使った糸の見本です。18種類の緯糸と経糸。指差ししているのが、かずさまが自分で染めた糸のうちでも、特にたくさん使った糸。

IMG_8562.JPG

お手紙を添えて、門出です。たっしゃでな。

*かずさまストーリーはこれにて中締めです。ブログを読んでくださっている方、お付き合いありがとうございました。いつか、着姿、拝見したいねー。

Wednesday,18 May 2016

かずさま、4回目のミーティング

IMG_8093.JPG

ブログ、なかなか追いつきませんが、ゴールデンウィーク終盤の5月6日、かずさま、4回目のミーティングに、我が家にお越しくださいました。実は、このミーティング、もともとは、4月26日に決まっていたのだけど、私が熊本に手伝いに帰ったため、延期してくださっていたのでした。

ミーティングと言っても、話し合うことはすでにありません。全て、決まってますのでね。かずさまは、ご自分で染めた糸をせっせと巻いてくださいます。私は、もくもくと織りつづけます。シーンとした中、それぞれの仕事の音しかしない、静かないい時間です。

あ、念のため。only only でご注文いただいた方、みなさまに、このかずさまのように、何回も我が家にお越しいただいている訳ではありません。遠方の方、忙しくて時間の取りにくい方、任せっきりの方がここちよい方、それぞれですので、お一人、お一人、その方のご都合やご希望に合わせます。これぞ、only only なのです。それに、会わなくても、メールや手紙で充分機能すると思っています。

かずさまの場合はね、退職されたばかりで、時間も作りやすいし、加えて、ご自分で染めた糸を織り込むってのが、大事なミッションとなったので、その糸を巻いていただいたと言うわけです。

思い起こせば、ちょうど一年前のゴールデンウィークに、かずさま、我が家にお越しくださって、今回のonly only のお話は始まったのでした。1年か〜。順調な方かな???

もし、only only に興味お持ちの方、お気軽にお問い合わせください。「まだ考え中だけど」な方もどうぞ、どうぞ。まずはお問い合わせをこちらから!→   

Sunday,15 May 2016

かずさま、織ってます。

IMG_7915.JPG

かずさまのonly only、進んでいます。織っているところを動画にとりましたので下に貼付けます。こうして見ると、客観的に見れますね。私、けっこう必死に織ってますねえ、、、、。もう少し楽に織った方がいいと思うのだけど、力の抜き方がわかりません。

もしアドバイスいただける方、おられましたら、ぜひお願いします。よろしくお願いします。(アドバイスはこちらから→

目標は、優しく強く、柔らかに丈夫に。

1分くらいです。見てね〜。

前の10件6  7  8  9  10  11  12  13  14  15  16