吉田美保子のsomeoriノート

Saturday, 4 February 2017

わださまからの手紙

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わださまから、私が織った布をいろいろ使って合切袋を作ってもらえないかとの打診のお手紙を受け取り、私ははたと考えました。わださま、デザインと縫製は、外注になること、分かっておられるかなあ〜。それって結構おおごとなんだけど。了解なのだろうか。

これは、聞くしかありません。私は返事を書きました。お伝えしたのは、

わださまが、私が織った布を使って作った合切袋を持ちたいと思ってくださること、とてもうれしいということ。
布の提供は喜んでさせていただくということ。
しかし、私自身が形にすることは不可能なので、デザイン縫製をしてくれる人を頼まなければならないこと。
それは簡単なことではないということ。
ご存知の方はおいでですか?

最後の質問は、ずっと以前(10年以上前だと思う)、わださまから、ベストにする布が欲しいと言われ、織った覚えがあるのです。その仕立ては、わださまのお知り合いの方がなさったはず。その時、余った布を使って、何かを作り(忘れた)、それはご友人にお福分けなさったということを、後からお手紙で教えてくださった記憶あり。(「お福分け」とは、わださまからのお手紙で初めて知った言葉です。なぜかとてもよく覚えています。)

しばらくして、お返事がきて、以前、お仕覆などを仕立ててくれた方は二人いたがお二人とも西の彼方へ行ってしまわれ、現在は仕立てを頼める方はない、とのこと。

そうですか。それでは、私、お一人だけ、心積りがあります。すごく丁寧でセンス良く、いい仕事してくださる方。そのお方に打診してみましょう。

*写真は、わださまからのお手紙。ご自身は「楽描き」とおっしゃいます。パステル画かな。そのカラーコピーを便箋として使うなんて、さすが。

Thursday, 2 February 2017

only only 、わださま、スタート!

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さあ、新たなる only only のはじまりはじまり〜。今回は、ちょっと特別。only only としては初めてのコラボレーション作品を作ります。主人公は「わださま」です。

わださまは、私の染織人生に、大きな大きな、光る石を投げ込んでくれた方です。大昔、私がまだ勤めながら機織りしていた頃に、ひょんなことから、青田五良著「上賀茂織之概念」をくださった方なのです。もう15年以上は前の話。18年くらいかな?
私は、その本に貼ってある、青田が織った端切れを復元するということを課題に卒業研究をして、放送大学を卒業しました。
その後も、細々とご縁は続き、何回か私の展示会にお越し下さったり、祖母の訃報には、お線香を送ってくださったり。。。。ただ、ここのところは、もう何年もお会いはしてなく、お手紙のみのおつきあいとなっていました。

そのわださまから、手紙が来ました。去年の10月のことです。それは、私が「美しいキモノ」の秋号に載ったのをみてくださって、笑顔が良かったと褒めてくださっていた内容でした。

それに続き、「美しいキモノ誌に載っていた、おしゃれ小物をみていたら、ヨシダさんの織られたいろ取りどりの端切れを用いて縫い合わせ、おしゃれな男(私?)の合財袋が仕立てられないかと考えました。いかがでしょうか?出来ませんかね?ぜひ共、作って戴きたいと思います。」とあります。

ご本人による達者な図入り。

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まあ、どうしましょう?

Thursday,19 January 2017

めとさま、登場!

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ご覧ください!こちら「めとさま」でございます。ふわっと透明な風をまとい、久しぶりに我が家にお出でくださいました。

なんと、美しいんでしょう。ほおっと見惚れてしまいました。たおやかで、芯が強くて、前向きで。写真から伝わってくるではないですか。道をみつけ、しっかり歩きはじめた、そんな感じします。

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お召しいただいているのは、only only「colored wind」。その制作行程は、こちらにまとまってます。

そして、巻いていただいている鮮やかなオレンジ色のショールは!そうです。先の「清正公の陣羽織展」で制作した陣羽織ショールです。めとさま、似合うなあ。

着物の着方も独特で、襦袢無しで、シャツの上に着物を着て、下はサルエルパンツだそうです。カッコいいなあ。なにより、めとさまの独自のおしゃれを完結してらっしゃるのに、感服です。

透明な風は、季節により場所により、いろんな色を含んで、吹いている。周りはその風に吹かれ、日々暮らしてる。そんな感じしました。

めとさま、ご来訪、ありがとうございました。

Wednesday, 4 January 2017

きおさまの赤いショール

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深紅のショール、実は2枚、作りました。どこまで深くするか悩み、解決せず、だったら2枚作って選んでいただこうと。(案ずるより織るが早し)

経糸は同じです。深く赤く染めた上に、鮮やかな赤のブラッシング。

緯糸が、一枚目は深紅のみで、真綿紬糸の2種類の太さを染めて、細い方は2本取りにします。
二枚目は、緯糸は細めの真綿紬糸3本取りにしますが、そのうち一本を、濃い紫みの茶色にします。微妙な違いですけどね。真綿紬糸は、絹の中でも空気をより含んでふんわり軽い表情になります。それにあったかいね。

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織り上がったら、きおさまにメール。

「よかったら2枚とも実物お送りしますので、選んでください」と申し上げる。

きおさまとは、もうずっとお付き合いさせていただいているので、安心してお互いに最適と思われる方法を探れます。(掲載した写真、上2枚が深紅のみ、下2枚が茶色入り)

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結果、きおさま、一枚目の赤いショールをお選びになりました。うふふ。ただもっと明るくてもよかったとのことで、私も考えることも多々です。

きおさま、ひと月前にお納めしたショールとの風合いの違いを面白がってくださってます。

最大の違いは、緯糸で、前回が木綿、今回が絹(真綿紬糸)。大きさの違いは、今回の方が20cm長い。色の違いは、前回が経糸がピンクに赤いブラッシングカラーズ。緯はアカネ染め。今回は経糸が深紅に染めた上に鮮やかな赤のブラッシングカラーズ。緯は酸性染料で深紅。

きおさま、両方ともヘビロテ間違いなしとおっしゃってくださって、心から安堵しました。

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「きおさま2」の、only only ストーリーはこれでおしまいです。どうもありがとうございました。

染織吉田は、お着物や帯だけでなく、ショールなども承っております。ご依頼はこちらから!→(ただ、ものずごーく時間がかかることもあります。案外早いこともあります。)

今、こっそり進行中なのは、「合切袋」です。男性物よ、おほほ。仕立ては、最強のお方に依頼しています。また報告します!楽しみにお待ちください。

Tuesday, 3 January 2017

きおさま、織ってます。

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きおさまのショール、経糸をしっかり深紅に染めて、機こしらえをしました。試し織りをします。そうしましたら、思ったほど、深くないのです。もっと赤くしたい。もっと強くしたい。

きおさま、とても華がある方なのです。ゴージャスな感じもお持ちです。おとなしいショールはきっとお望みでないと思うのです。

うーむ、ではどうするか?

よし、ここはやはりブラッシングカラーズだ。深紅の経糸の上に、鮮やかな赤をブラッシングで染めよう。それで早速、染料を調合します。ねらいをきっちり定めて。

ブラッシングの試しを蒸してみて、やっと納得いきまして、本番を染め、織ります。

*写真は本番織ってるところ。

Friday,30 December 2016

きおさま、染めて、織る

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きおさまの2枚目の赤いショール、まず染めに取りかかります。さあどうしましょう?経糸の種類は同じ糸です。1枚目の経糸の先染めは実はピンクです。その上にブラッシングカラーズで真っ赤にしています。そこにアカネ染めの緯糸が入るので、濃い朱色に見えるのです。

同じにする?それもつまらないかな?それに、同じをめざしても同じにはならない。そのことはきおさま、ご了解ずみ。

それだったら、どのポイントを目標にするかだ。そこでお伺いメールする。

「朱色と真っ赤と深紅だったら、どの色を目標にしますか?そこに近づけるよう出来る限りの努力をします。」

返信には、「深紅」とあった。そっか、深紅ね。

よっしゃ、そこをめざして染めましょう。今回は経糸も、しっかり深紅にしよう。そうすれば、一枚目のとの違いも顕著だしね。さあ、がんばりましょう。

*上の写真は、手伝いにきてくれたmoyuさん。小管巻きをしてくれています。

Monday,26 December 2016

only only きおさまの赤いショール

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さて、新たなonly only は、お久しぶりの「きおさま」です。きおさまとは、曜変天目を仰いで作った、「Little Cosmos」(リトル・コスモス)以来です。

今年、10月終わりに「清正公の陣羽織ー吉田美保子展」の案内状をさし上げました。きおさまは関東の方なので、お越しいただくには難しいだろうなって思いながらも。そうしましたら、メールくださいました。お書きいただいていることには、

「案内状に写っている赤いショールがとても欲しいのですが、いただけないでしょうか?でも展示会に出展されるので無理でしょうね。それでしたら作って下さい。と言ってもヨシダさん予約で一杯でしょうね。」

まあ、なんとありがたい。

そして展示会後にご連絡するとお返事しました。(ヨシダ、予約、複数いただいてますが、糸とか機とか、他の承ってるものとか、いろんなタイミングがありまして、前後します。それに何と言っても、きおさまにもお着物のご注文、いただいていてお待たせしてます、、、、)

約1ヶ月後、展示会は終わりまして、なんと首尾よく(?)、件のショールは売れませんでした。実は自信作だったのでショック(笑)。

早速きおさまにメールして、このショールについて、使った糸、染料、それによって得られた結果、サイズなど、詳しく詳しく説明して、写真も何カットもお送りしました。

お返事が来て、「長さが、着物を着た時のショールとしては少々短いと思います。新しく作っていただけますか?こちらは洋服用にいただこうと思います。」

え?作り直すのはいいけれど、こっちもいるの?同じようなの2枚になるけど?

作り直す旨をメールすると、とりあえず今あるものが欲しいので、振込先を教えてくれと。まあ、本当なの?

それで、またメールします。

一枚目の特徴と、二枚目の予想を説明します。それによってどんな差異がでるのか、お伝えしたい。

一枚目の緯糸は手紡ぎ木綿のアカネ染め。かっちり下準備してあるので、植物繊維である木綿に植物染料であるアカネが濃く染まっている。その糸を二本取りで入れてます。経糸にはブラッシングカラーズの刷毛目も見え隠れ。しっかりした布味が特徴。

二枚目は、経糸は同じ種類の絹を使うけど、緯糸は変えて真綿紬にする。染めは酸性染料。こちらは絹100%。絹の中でも空気をはらむ手引き糸や紬糸を使っているので、柔らかくホッコリします。

2枚ともになさいますか?

とメールしましたら、説明を読んでますます両方とも欲しくなったと。まあ!それで、一枚お送りしたあと、二枚目に取り組むことにいたしました。

Sunday,18 December 2016

あおさま!

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さあ、お待たせしました。こちら、どなたかお分かりですか?

そうです。

じゃーん!

あおさまです!

あおさま、「my first kimono」をお召しで、熊本で開催した拙個展「清正公の陣羽織」にお越しくださったのです!

すっごくお似合いで、心から安堵しました。

いやはや、感無量です。地震が起こった今年4月中旬、私は、あおさまとメールでこのお着物についてのやり取りをしていました。それからいろいろありました。わが故郷はどうなってしまうのだろう?熊本が心配でなりませんでした。心を強くもって来られたのは、このお着物に取り組んでいたおかげです。

それが、7ヶ月後、こんなに立派になって!熊本に連れて来てもらって!ひょー!

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「碧」という色について、いろいろ悩みながら進めてきましたが、この日、このお姿を拝見して、ああこれでよかったと思えました。あおさまの、気品があってボーダレスな自由な感じとよく添っていると思います。

あおさま、着姿を見せてくださって、本当にどうもありがとうございました。それも熊本で!個展という晴れ舞台で!前日には天草を旅行され、熊本を楽しんでくださったのもとてもうれしかったです。

Monday, 3 October 2016

my first kimono

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あおさまの only only、完成しました!湯のしに出して、仮絵羽もやってもらって、やっとやっと完成です。

あおさまのお顔を思い出しながら、最終チェック。撮影。糸見本を作って、お手紙を書きます。そして、お着物の名前を考えます。

うーん。

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my first kimono とご提案させていただきました。

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一枚めのきものをとご注文いただいたからのなのですが、もう一つの理由は、あおさまの初々しさを隠し持った感じからです。だから first という言葉を使いたかった。

少女が新しい世界を見つけた時の、ドキドキ、わくわく、戸惑い、どんどん入り込んでいく感じ。あおさまから、そんな印象を受けていました。

あおさま、普段は、いわゆるバリキャリといわれるビジネスウーマンでいらっしゃると思うのだけど、素がピュアな方だなと。そのギャップがまたかっこいいです。

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あおさま、お着物、受け取りにお越しくださいました。ふわっと羽織ってみられ、パッとお顔が明るくなられたのが、うれしかったです。

実は、11月の後半に、あおさまと再会できる予定があります。たぶん、このお着物、お召しでいらっしゃると思うんだよな〜。きゃーん、楽しみ。いやーん。どきどき。

ブログのあおさまストーリー、それまで中締めとさせていただきます。再会を楽しみに!

Sunday, 2 October 2016

蒸し、水元、張り手

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あおさまの only only、織り上がりましたよ。(ブログ上では時間を短縮しています。日々、同じように織ってきましたので、ネタがありません〜〜。安定していることはいいことですが、話題にはこと欠きますなあ。)

さあ、仕上げです。仕上げの作業は緊張の連続。絶対失敗が許されません。なぜなら、やり直しが効かないからです。

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まず、蒸します。布を不織布で巻いて、筒蒸しします。蒸すことによって、ブラッシングカラーズの染料が繊維にしっかり定着します。

それから、水元。布をぬるま湯に入れて、振り洗いします。余計な染料分や糊分を取ります。

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そして張り手で張って、伸子を打っていきます。絵羽だからね、4枚に分かれてます。せまい所に工夫して干します。

ここまで行くと、ちょっとやれやれ。どっこいしょ。

*写真はすべて、張っているところ。一番上の写真、濡れていることと、アングルのせいで、すごくビビッドに撮れています。乾くとぐっと落ちついた色味になります。

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