吉田美保子のsomeoriノート

Sunday,19 June 2016

草木染め、本番。

IMG_5013.JPG

試しでカテキュー(阿仙薬)で染めた、こうさまの大麻。では、媒染もしてみましょう。媒染剤はアルミにしよう。アルミって一番素直な、ストレートな色になると思っているのです。

いつもだったら、酢酸アルミを使うのだけど、今回は天然のアルミにしてみよう。こうさま、なるだけ自然のものを使った方がよろこばれると思うのよね。以前、ネパール産の天然アルミを分けていただいていたのだ。今こそ出番だ。

IMG_4984.jpg

媒染もいい感じなので、これで行きます。濃さと色の微調整は、粘ればできると踏んでいます。

さあ本番。とにかく肉体労働です。染めて、留め釜して、軽く洗って、媒染して、まあまあしっかり洗って、もう一度染めて、留め釜して、完全にしっかり洗うの繰り返し。

IMG_4986.JPG

大麻の糸、双糸、単糸、タイの手績みヘンプと三種類です。大量にあります。絹よりずっとかさばるし重い。上の写真は出番を待つ、タイヘンプ。

Friday,17 June 2016

カテキュー

IMG_4894.JPG

「草木染めで染める、茶色系の色はあんたに任せます。濃い色に染めて下さい。」

こうさまに言われた私、さあ、はりきって行こう!まず大前提は、草木染めに染まりにくい植物繊維である大麻に、濃い色を染めるってこと。

だったら、染まる力の強いエキス系の染料でしょうか。うーん。カテキューかな。

カテキューとは、熱帯で育つ植物で、江戸時代から、染料として、また漢方薬として、輸入されてきました。阿仙薬(あせんやく)とも呼ばれます。頼りになる、安定している染料と言えるでしょう。

実は私、このカテキュー、着物や帯の染めにはほとんど使いません。強すぎると思うし、今どきの色ではない気がするのです。しかし、今回は野武士です。強く濃い色を求めています。これは、今こそ出番かな。

早速一部を試しに染めてみます。あら、これは行けるかも。けっこう染まりがいいわ。繰り返しそめれば、濃さもクリアできそうね。

Wednesday,15 June 2016

草木染めの準備

IMG_4898.JPG

こうさまの大麻の作務衣、いよいよ染めです。半分は藍染めにするので、発送済み。半分は私が草木染めで染めます。

早速下準備をします。これをしないとね、麻や綿などの植物繊維は染まりが悪いのです。(ちなみに藍染めにはしなくてオッケー。藍染めは植物繊維と相性がいいので、そのままで染まります。)

まず糸を洗って、余計な汚れを取り除き、乾かします。それから、呉汁という大豆の汁に一晩浸けて、タンパク質を糸にしみ込ませます。よくしみ込むように、ラップをしています。

それを洗わないでしっかり絞って、干して、完全に乾かします。こういう作業中に、糸の素性が分かってきます。大麻の糸、久しぶりだから、まず仲良くならないと。よろしくね。

IMG_4922.JPG

さあ、準備が出来たら染めなのですが、どこを狙って染めましょう?こうさまからは、赤茶かえんじと伺ってます。しかし、それはおおざっぱな話しです。狙いの定め方が、今ひとつ、ピンと来てない私です。思うようにはなかなか行かない草木染めですが、それでもベクトルの向け先はガシッとつかみたい。あやふやのままでは染められません。

そこで電話。(only only のお客様にこんなに電話するのははじめてのこと。だいたいの方とはメールです。しかし電話も大歓迎です)

色のことをくどくど聞く私。よかったら、染めてみて、見本をお送りしましょうか?ご覧になりますか?

「いや、それはええねん。送ってこんでええ。あんたのことを信用してお任せします。濃い色が好きです。濃く染めて下さい。楽しみにしています。」


Tuesday,14 June 2016

縫い糸も!

IMG_4960.jpg

藍染め用に送り出す大麻糸を準備していたら(上の写真ね)、こうさまから電話。

なになに?

「作務衣にな、ベルトもいるんちゃうやろか?」

あー。なるほど、そうですね。別に織りますか?たしかに、別織り方が締まりのいいもの織れそうです。それも大麻ですね?

「それからな、仕立てる時に使う糸も大麻で行きたいんだけど。」

は?縫い糸もですか!ちょっと縫う方は分からないですけど。細くてすっとしている大麻糸を染めて、お分けすることはできますけど。ただそれだと、ミシンに掛かりませんよ。仕立ての方、オッケーされるかなあ?あと心配なのは強度です。それでもやってみられますか?

「お願いします。」

私はこうさまと話していて、そのポジティブさというか、、、(自分のネガティブさというか、、)なんか、声を上げて笑いたくなるような明るい気持ちになった。きっとこうさま、頭の中で、大麻の作務衣の構想がムクムクと湧いておられる。それをドンドン出しておられる。いいなー!モノ作りの原点だぜよ!

着物系の物作りの世界にいると、「あれはダメ。これもダメ」「これは季節に合わない」「年齢に合わない」「実用的でない」「着ていくところがない」「着ていった先で浮く」「格が合わない」とダメダメダメのダメだしの弾がびゅんびゅん飛んでくる。その中を、姿勢を低くして、かいくぐり、ほふく前進して、どうにかこうにか作ってる部分がある。正直いってある。

こうさま、自分の欲しいものだけに集中して、突き進んでる。いいなーーーー!そういうの好き!いくらでも付き合います。常識なんて、くそくらえだ!一緒に突き進みますよ。すべて大麻の野武士のような作務衣。

Monday,13 June 2016

大麻がやって来た

IMG_4758.JPG

こうさまにお送りした糸見本を元に、電話で打ち合わせ。

こうさまの希望は、ざっくり、野趣味のタイやネパールのヘンプ。それはよく理解できるのだけど、全部はムリです。着る物の布としての強度がでないと思います。特に経糸。
それで、イタリア産の紡績したヘンプを経のメインに。緯はタイヘンプをメインに。どこまで、タイヘンプの割合を上げられるか?これはやってみるしかない。

早速糸を手配。イタリアの大麻の糸はちゃんとした糸屋さんから来るのだけど、タイヘンプは、糸屋さんではなく、輸入屋さんから来るのだ。来るまで心配。来ても心配。

どーんと届く大麻の糸。突然に部屋中、すごいホコリ。麻ってこんなにホコリ出たっけ。絹との違いに目を白黒。新鮮だ。

糸が来たら、自慢の綛あげ機の出番です。これで、きちんと綾の取れた綛にします。特に藍染めは、こうさまのご友人に託すので、丁寧に、丁寧に。ひびろ糸(綛の乱れを防ぐ糸)を多めに入れます。

*写真は、タイヘンプを綛あげしているところ。

Thursday, 9 June 2016

こうさま、糸見本。

kousama.jpg

こうさまに見ていただく大麻の糸見本を用意して、ご注文内容を整理して紙に落として、これから郵送しますよとお電話しました。

IMG_4694.jpg

色は、赤茶色からえんじ色を草木染めで染めるということでいいですね?

「いや、それなんだけど、赤茶やえんじが好きなんだけど、藍色もええなあって思うようになってきてん。」

ああ、それでしたら、もちろん藍染めでもいいですよ。それに、藍染めか、赤茶、一色にするのではなく、両方使うこともできますよ。例えば、一本おきに入れると、色が混ざって無地っぽくなりますし、2本ずつ入れると細い縞になります。経糸は藍染め、緯糸は赤茶という風にもできます。もちろん逆もできます。もっと複雑に混ぜてもいいです。

ただ私は藍染めはハイドロ建てしかしないので、すくもで建てるのがお好みでしたら、紺屋さんに頼まなければならないけど。

「ああ、それがええように思うねえ。色は両方使うのがええと思う。すくも建ての藍染めは友だちがやっているから、そちらに頼めると思います。」

それでは、藍と赤茶の糸を使った場合の糸の入れ方をイメージしやすいように簡略図にしてお見せしましょう。それも郵送資料の仲間に入れました。

Wednesday, 8 June 2016

みるさま、完成。

P1170138.JPG


うふふ〜〜。緑がよろこぶこの季節、美しい緑の中で、みるさまと Spirit of Greenに再会してきました。

帯は締めていただいた時が完成です。みるさま、Spirit of Greenを、立派に完成させてくださいました。本当にどうもありがとうございます。

miru2.JPG

昨日は朝から雨で、けっこう強く降ってた時間もありました。私は、カメラの準備をしながら、きっと大丈夫、午後になったら雨は上がるって確信してました。だってお会いするのはみるさまですもの。みるさまのパワーが天にとどくはず。

ほーら、やっぱり晴れました。写真を撮るのにちょうどいい、明るい薄曇りの空。Spirit of Greenの緑が映えます。

miru3.JPG

タレが濃いグリーン。ちらっと見えるタイコ裏も濃いグリーン。手先は薄いグリーン。地はごくごく薄いペールグリーン。グリーンが幾重にも重なります。

mirusama.jpg

みるさまとお会いしたのは、東林間のバートンにて。お庭で写真をたくさん撮らせていただいて、さあそれでは、お茶でもいただきましょう。

Spirit of Greenのお仕立て秘話(?)もお聞きしました。熊本の田崎染工さんで仕立てられたので、地震の時は、この子は熊本にいたのです。あの揺れに耐えて、立派にみるさまの元に戻ってきました。強い子です。えらいぞ。

IMG_8758.JPG

楽しい時間はあっという間。またぜひお会いしましょうね。
こっそり見送っておりましたが、街に溶け込んでいく感じが、とてもすてきでした。

Monday, 6 June 2016

こうさまと電話

img045.jpg

大麻の糸を探している時期、私は何度かこうさまに電話をしました。意思確認というか、、気になってること、クリアにしておきたく。

まず、着にくくてもいいってのは、どの程度までの着にくさまでは、オッケーなのだろう?分厚くてもいいとのことだったけど、そうすると重くなる。重いのもオッケー?重いというのは、着物では大変嫌われるのだけど、、、、それにある程度はしなやかでないと、すべりが悪くて着るものとしては良くないと思うのだけど、、、などなどおずおずと話す私に、こうさま、

「どんなに重くてもいい。ははあ、あんた、そんな作務衣じゃガサゴソして、肌が赤くなるとか心配しているんやろ?それでええねん、むしろそれを望んでるや。野武士のような作務衣がええねん。」

うっわー、野武士かあ、、、、

あまり整ったツルツルした糸より、ラフな感じの糸が希望と、、、。では、今、手元に集まりつつある大麻糸のサンプルをお送りしますね、見てください。でも、ご希望されても織れない糸もありますよ。

それから再確認ですけど、私は反物までしかできませんよ。お仕立てはできませんし、着物だったらご紹介もできるけど、作務衣の仕立てはツテがないのだけど、大丈夫でしょうか?

こうさま、「それは自分が探すから、あんた心配せんでいいよ」とおっしゃる。本当かな?私、心配性なのです。

そして、お話をいただいてからずっと考えてきた、お見積もりを出さねば、、、大麻の作務衣なんて私としてもはじめてのことだから、ずっと悩んでた。布の大きさと糸の仕入れ値が見えてきたので、ここらで決めねばならない。
悩んだ末に、着尺一反と同じ金額を申し上げた。手間を考えれば、ギリギリの線だ。しかし、作務衣としては破格の値段だと思う。こうさまは、一瞬考えるような間を取られたが、

「思っていたより高いけど、欲しくなってしまっているから、お願いします。」とおっしゃった。

*写真は、栃木県鹿沼の大麻栽培家、大森さんの仕事場にて。麻挽きしたあと、乾燥させているところ。


Sunday, 5 June 2016

大麻の糸を求めて。

img037.jpg

さあ、こうさま。まずは、糸です。糸を見つけなければ、話しは始まりません。いったい、どうやって、求める糸を探し出しましょう?

いつもお願いしている絹糸屋さんには絹糸しか売ってないよ、当たり前ですが。麻、それも大麻限定。それも、織り糸。(手織りに適しない糸もあります。)それも、柔道着のような作務衣にする生地を織るのに最適な糸。さあどうする?

まずは、やはり大検索大会です。大麻の糸、検索で見つけられるもの、しらみつぶし。何店にかは電話して話しを聞いたり。んで、サンプル請求できるものはしまくり。もしくは最小ロットで買いまくり。

それから、織りをやってる人に会ったら、聞きまくり。オープンで、自分の経験、教えてくれるんだよね。頼りになる織り仲間たち。

IMG_8737.JPG

しかし、いまひとつ、ピンとこない日々。ある日、勤め人時代からお付き合いのある、月刊誌「染織情報α」の編集長、佐藤さんからお電話いただきました。

まあ!お久しぶりです!!

お話をお聞きすると、私が、2000年に、栃木県の大麻栽培農家の大森さんを訪ねた時に撮った写真を、次号に使ってもいいかとのこと。どうも私、過去に一度提供したことがあるみたい。

もちろん!!どうぞ、どうぞ。
しかし、佐藤さん、とっても奇遇です。私、今、毎日、大麻のことばかり考えて暮らしています。ところで、お顔の広いところで、大麻の織り糸を扱っている業者さん、ご存知ないですかね?

ああ、知ってますよ。ヨシダさんもご存知と思うけど、〇〇さんか、〇〇さんは?

おお!知っているけど、抜けてた。検索しても出て来なかった。

早速電話し、サンプル糸を取り寄せたのでした。

*ブログにはさらっと書いてますが、この間、ゆうに3ヶ月はたってます。昨夏は個展準備をしながら、大麻を探すアツい日々でした。

*上の写真は私が撮ったもの。下の写真は、月刊「染織情報α 2015年9月号」の当該ページ。左上の写真を提供しました。

Friday, 3 June 2016

大麻とは。

img032.jpg

こうさまから、大麻の作務衣を織る話しをいただいて、私が真っ先にしたかったのは、大麻についての勉強し直しでした。

大麻は、なんと言うか、、、、底知れぬ力を持った繊維なのです。麻薬成分があることばかりがクローズアップされがちで、今も取り締まられてるけど、それはたかだか100年くらいの話し。

私、勤め人をしていた頃、大変ありがたいことに、大麻を扱う機会もあり、ずいぶん勉強しました。だから、日本人が、精神的にも大麻を大事にしてきたことを知ってます。例えば、神社のしめ縄やヌサも大麻だし、鈴から下がってる太い縄もそう。あれ、人間が触って鈴を鳴らすでしょ。神との交信になるんだよね。

麻の葉の模様も、昔から赤ちゃんの産着に使われたりしますね。あれも、魔よけの意味もあり。麻のように、まっすぐすくすく育ちますようにって意味もあり。

それに何と言っても私、2000年の7月に、栃木県粟野町で麻の栽培をされている、大森さんを訪ねたことがあるのです。麻糸や麻布を扱っていらっしゃっる京都の青土さんと一緒に、大麻の刈り取りを見せてもらったのだ。すばらしい経験だった。ちなみに、ここ3日間のブログの写真はこのとき撮ったものです。

それで、その頃の資料をひっぱり出したり、新たに本を探したりして、読み込みました。
綿や絹は、あとから外国から入って来たもの。大麻は、もともと日本にありました。縄文時代から、我々とともにあり、生活に利用していました。

こうさまが、なぜ大麻の作務衣が欲しいのか。それ、何となくでいいから、つかんどきたいのよね。

前の10件3  4  5  6  7  8  9  10  11  12  13