吉田美保子のsomeoriノート

Thursday,23 June 2016

ふのりを作る。藍はまだ。

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こうさまの大麻の作務衣、草木染めで、赤茶色に染める分は完了しました。藍染めの方の進行が気になります。3、4週間くらいで戻ってくるかと思ってましたが、気配もなく。

では、赤茶色の方の糊付けを先にやっちゃいましょう。糊はふのりにしましょう。化学の糊を否定しているわけではないけど、今回はできるだけ自然のものを使いたい。

上の写真は、ふのりをちぎって、水にふやかしているところです。

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こちらの写真は、ふのりを煮て、漉したところ。きれいに出来ました。

藍染めの糸は、待てど暮らせど戻ってきませんが、私は実はホクホクしていました。もうちょっと遅れてくれたほうがいい。準備万端になってしまったら、織らない訳にはいかなくなる。実は今は織りたくないのだ。

これ、今年の一月の話しです。なぜ、織りたくなかったのか。

そうです。冬だったからです。関東の冬はカラカラです。いくら加湿器をフル稼働させたとしても、冬の間は麻は織りたくなかった。少なくても春。ベストは梅雨。それまでひっぱりたかった。

目の詰んだしっかりした大麻の布を織るのに、湿度が必要です。

Tuesday,21 June 2016

染めの話し

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only only こうさまの大麻の作務衣、糸染めの段階です。今、このブログは、染めてた時のデータを見ながら書いてます。話せば長ーーいのですが、きゅっとまとめて書きますね。昨冬の話しです。

大麻の糸染め、苦労しました。草木染めに染まりにくい植物繊維であること、分厚い布にするために太い糸を使っているので嵩がはるってこと、タイヘンプは糸の状態も不均一だってこと、いやー一、ひと筋縄では行きませんでした。一ヶ月間で、都合、12回染めました。

まず、求める色は、赤茶からえんじ色です。選んだのは、強い染料であるカテキュー。アルミ系の媒染で定着させる。染めていてまず心配したのは、茶色は茶色でも、ちょっと黄色に振れた茶に染まるなってこと。

それで、3回目の染めから、染料に、様子を見ながら、スオウとアカネとラックダイを追加。赤みを持たせます。よしよし。

それから、「濃い色に染めてください」という、こうさまのご希望。どう答える?

染液を濃くして、何度も繰り返して染めるのは常套手段。もちろんやります。しかし、6回目の染めから、それだけでは足りないと気付く私。思うような濃さにまではならないのです。大麻の糸が、染めのタンクに入っている時は、濃く見えるのでホクホクなのだけど、乾かすと白っ茶けてきてガッカリ。はい「もう一度」、だけではらちがあかない。

糸が染料成分を吸う率をあげなければ。

それで、媒染剤を変えてみた。まず、極薄の鉄媒染。うっすら、黒みを帯びます。いい感じ。しかし、これを何回も繰り返すのはこわすぎ。黒くなってしまっては元も子もない。2回までにしよう。

よし、では次ぎは銅で媒染してみよう。あ、これもいいぞ。媒染剤が変ると、新たに染料が繊維に食いつく感じします。結合の量が増えるという感じ。これも繰り返す。

赤茶に染まった糸は、最終的には、藍染めの糸と合わせて布になります。藍染めの方も、しっかり濃い色に染めて下さっていることでしょう。それは手元にないから、シュミレーションで、乾かした赤茶の糸の横に、濃い藍色の別の糸を仮に置いてみて、合わせてみる。強い藍に負けない茶色まで持って行かねば。「よし!」って思えるまで。

もうこれ以上、染まらない(繊維に染料が入らない)って地点まで染めました。ヘトヘト。

Sunday,19 June 2016

草木染め、本番。

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試しでカテキュー(阿仙薬)で染めた、こうさまの大麻。では、媒染もしてみましょう。媒染剤はアルミにしよう。アルミって一番素直な、ストレートな色になると思っているのです。

いつもだったら、酢酸アルミを使うのだけど、今回は天然のアルミにしてみよう。こうさま、なるだけ自然のものを使った方がよろこばれると思うのよね。以前、ネパール産の天然アルミを分けていただいていたのだ。今こそ出番だ。

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媒染もいい感じなので、これで行きます。濃さと色の微調整は、粘ればできると踏んでいます。

さあ本番。とにかく肉体労働です。染めて、留め釜して、軽く洗って、媒染して、まあまあしっかり洗って、もう一度染めて、留め釜して、完全にしっかり洗うの繰り返し。

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大麻の糸、双糸、単糸、タイの手績みヘンプと三種類です。大量にあります。絹よりずっとかさばるし重い。上の写真は出番を待つ、タイヘンプ。

Friday,17 June 2016

カテキュー

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「草木染めで染める、茶色系の色はあんたに任せます。濃い色に染めて下さい。」

こうさまに言われた私、さあ、はりきって行こう!まず大前提は、草木染めに染まりにくい植物繊維である大麻に、濃い色を染めるってこと。

だったら、染まる力の強いエキス系の染料でしょうか。うーん。カテキューかな。

カテキューとは、熱帯で育つ植物で、江戸時代から、染料として、また漢方薬として、輸入されてきました。阿仙薬(あせんやく)とも呼ばれます。頼りになる、安定している染料と言えるでしょう。

実は私、このカテキュー、着物や帯の染めにはほとんど使いません。強すぎると思うし、今どきの色ではない気がするのです。しかし、今回は野武士です。強く濃い色を求めています。これは、今こそ出番かな。

早速一部を試しに染めてみます。あら、これは行けるかも。けっこう染まりがいいわ。繰り返しそめれば、濃さもクリアできそうね。

Wednesday,15 June 2016

草木染めの準備

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こうさまの大麻の作務衣、いよいよ染めです。半分は藍染めにするので、発送済み。半分は私が草木染めで染めます。

早速下準備をします。これをしないとね、麻や綿などの植物繊維は染まりが悪いのです。(ちなみに藍染めにはしなくてオッケー。藍染めは植物繊維と相性がいいので、そのままで染まります。)

まず糸を洗って、余計な汚れを取り除き、乾かします。それから、呉汁という大豆の汁に一晩浸けて、タンパク質を糸にしみ込ませます。よくしみ込むように、ラップをしています。

それを洗わないでしっかり絞って、干して、完全に乾かします。こういう作業中に、糸の素性が分かってきます。大麻の糸、久しぶりだから、まず仲良くならないと。よろしくね。

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さあ、準備が出来たら染めなのですが、どこを狙って染めましょう?こうさまからは、赤茶かえんじと伺ってます。しかし、それはおおざっぱな話しです。狙いの定め方が、今ひとつ、ピンと来てない私です。思うようにはなかなか行かない草木染めですが、それでもベクトルの向け先はガシッとつかみたい。あやふやのままでは染められません。

そこで電話。(only only のお客様にこんなに電話するのははじめてのこと。だいたいの方とはメールです。しかし電話も大歓迎です)

色のことをくどくど聞く私。よかったら、染めてみて、見本をお送りしましょうか?ご覧になりますか?

「いや、それはええねん。送ってこんでええ。あんたのことを信用してお任せします。濃い色が好きです。濃く染めて下さい。楽しみにしています。」


Tuesday,14 June 2016

縫い糸も!

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藍染め用に送り出す大麻糸を準備していたら(上の写真ね)、こうさまから電話。

なになに?

「作務衣にな、ベルトもいるんちゃうやろか?」

あー。なるほど、そうですね。別に織りますか?たしかに、別織り方が締まりのいいもの織れそうです。それも大麻ですね?

「それからな、仕立てる時に使う糸も大麻で行きたいんだけど。」

は?縫い糸もですか!ちょっと縫う方は分からないですけど。細くてすっとしている大麻糸を染めて、お分けすることはできますけど。ただそれだと、ミシンに掛かりませんよ。仕立ての方、オッケーされるかなあ?あと心配なのは強度です。それでもやってみられますか?

「お願いします。」

私はこうさまと話していて、そのポジティブさというか、、、(自分のネガティブさというか、、)なんか、声を上げて笑いたくなるような明るい気持ちになった。きっとこうさま、頭の中で、大麻の作務衣の構想がムクムクと湧いておられる。それをドンドン出しておられる。いいなー!モノ作りの原点だぜよ!

着物系の物作りの世界にいると、「あれはダメ。これもダメ」「これは季節に合わない」「年齢に合わない」「実用的でない」「着ていくところがない」「着ていった先で浮く」「格が合わない」とダメダメダメのダメだしの弾がびゅんびゅん飛んでくる。その中を、姿勢を低くして、かいくぐり、ほふく前進して、どうにかこうにか作ってる部分がある。正直いってある。

こうさま、自分の欲しいものだけに集中して、突き進んでる。いいなーーーー!そういうの好き!いくらでも付き合います。常識なんて、くそくらえだ!一緒に突き進みますよ。すべて大麻の野武士のような作務衣。

Monday,13 June 2016

大麻がやって来た

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こうさまにお送りした糸見本を元に、電話で打ち合わせ。

こうさまの希望は、ざっくり、野趣味のタイやネパールのヘンプ。それはよく理解できるのだけど、全部はムリです。着る物の布としての強度がでないと思います。特に経糸。
それで、イタリア産の紡績したヘンプを経のメインに。緯はタイヘンプをメインに。どこまで、タイヘンプの割合を上げられるか?これはやってみるしかない。

早速糸を手配。イタリアの大麻の糸はちゃんとした糸屋さんから来るのだけど、タイヘンプは、糸屋さんではなく、輸入屋さんから来るのだ。来るまで心配。来ても心配。

どーんと届く大麻の糸。突然に部屋中、すごいホコリ。麻ってこんなにホコリ出たっけ。絹との違いに目を白黒。新鮮だ。

糸が来たら、自慢の綛あげ機の出番です。これで、きちんと綾の取れた綛にします。特に藍染めは、こうさまのご友人に託すので、丁寧に、丁寧に。ひびろ糸(綛の乱れを防ぐ糸)を多めに入れます。

*写真は、タイヘンプを綛あげしているところ。

Thursday, 9 June 2016

こうさま、糸見本。

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こうさまに見ていただく大麻の糸見本を用意して、ご注文内容を整理して紙に落として、これから郵送しますよとお電話しました。

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色は、赤茶色からえんじ色を草木染めで染めるということでいいですね?

「いや、それなんだけど、赤茶やえんじが好きなんだけど、藍色もええなあって思うようになってきてん。」

ああ、それでしたら、もちろん藍染めでもいいですよ。それに、藍染めか、赤茶、一色にするのではなく、両方使うこともできますよ。例えば、一本おきに入れると、色が混ざって無地っぽくなりますし、2本ずつ入れると細い縞になります。経糸は藍染め、緯糸は赤茶という風にもできます。もちろん逆もできます。もっと複雑に混ぜてもいいです。

ただ私は藍染めはハイドロ建てしかしないので、すくもで建てるのがお好みでしたら、紺屋さんに頼まなければならないけど。

「ああ、それがええように思うねえ。色は両方使うのがええと思う。すくも建ての藍染めは友だちがやっているから、そちらに頼めると思います。」

それでは、藍と赤茶の糸を使った場合の糸の入れ方をイメージしやすいように簡略図にしてお見せしましょう。それも郵送資料の仲間に入れました。

Wednesday, 8 June 2016

みるさま、完成。

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うふふ〜〜。緑がよろこぶこの季節、美しい緑の中で、みるさまと Spirit of Greenに再会してきました。

帯は締めていただいた時が完成です。みるさま、Spirit of Greenを、立派に完成させてくださいました。本当にどうもありがとうございます。

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昨日は朝から雨で、けっこう強く降ってた時間もありました。私は、カメラの準備をしながら、きっと大丈夫、午後になったら雨は上がるって確信してました。だってお会いするのはみるさまですもの。みるさまのパワーが天にとどくはず。

ほーら、やっぱり晴れました。写真を撮るのにちょうどいい、明るい薄曇りの空。Spirit of Greenの緑が映えます。

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タレが濃いグリーン。ちらっと見えるタイコ裏も濃いグリーン。手先は薄いグリーン。地はごくごく薄いペールグリーン。グリーンが幾重にも重なります。

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みるさまとお会いしたのは、東林間のバートンにて。お庭で写真をたくさん撮らせていただいて、さあそれでは、お茶でもいただきましょう。

Spirit of Greenのお仕立て秘話(?)もお聞きしました。熊本の田崎染工さんで仕立てられたので、地震の時は、この子は熊本にいたのです。あの揺れに耐えて、立派にみるさまの元に戻ってきました。強い子です。えらいぞ。

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楽しい時間はあっという間。またぜひお会いしましょうね。
こっそり見送っておりましたが、街に溶け込んでいく感じが、とてもすてきでした。

Monday, 6 June 2016

こうさまと電話

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大麻の糸を探している時期、私は何度かこうさまに電話をしました。意思確認というか、、気になってること、クリアにしておきたく。

まず、着にくくてもいいってのは、どの程度までの着にくさまでは、オッケーなのだろう?分厚くてもいいとのことだったけど、そうすると重くなる。重いのもオッケー?重いというのは、着物では大変嫌われるのだけど、、、、それにある程度はしなやかでないと、すべりが悪くて着るものとしては良くないと思うのだけど、、、などなどおずおずと話す私に、こうさま、

「どんなに重くてもいい。ははあ、あんた、そんな作務衣じゃガサゴソして、肌が赤くなるとか心配しているんやろ?それでええねん、むしろそれを望んでるや。野武士のような作務衣がええねん。」

うっわー、野武士かあ、、、、

あまり整ったツルツルした糸より、ラフな感じの糸が希望と、、、。では、今、手元に集まりつつある大麻糸のサンプルをお送りしますね、見てください。でも、ご希望されても織れない糸もありますよ。

それから再確認ですけど、私は反物までしかできませんよ。お仕立てはできませんし、着物だったらご紹介もできるけど、作務衣の仕立てはツテがないのだけど、大丈夫でしょうか?

こうさま、「それは自分が探すから、あんた心配せんでいいよ」とおっしゃる。本当かな?私、心配性なのです。

そして、お話をいただいてからずっと考えてきた、お見積もりを出さねば、、、大麻の作務衣なんて私としてもはじめてのことだから、ずっと悩んでた。布の大きさと糸の仕入れ値が見えてきたので、ここらで決めねばならない。
悩んだ末に、着尺一反と同じ金額を申し上げた。手間を考えれば、ギリギリの線だ。しかし、作務衣としては破格の値段だと思う。こうさまは、一瞬考えるような間を取られたが、

「思っていたより高いけど、欲しくなってしまっているから、お願いします。」とおっしゃった。

*写真は、栃木県鹿沼の大麻栽培家、大森さんの仕事場にて。麻挽きしたあと、乾燥させているところ。


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