吉田美保子の some ori ノート

108通目のメルマガ【GO TO 岡谷号】

2023.01.26


(上の写真は、左から宮坂製糸所の高橋社長、私、安達さん、花井さん)

 

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↑(宮坂製糸所を見学。これは銀河シルクを引く機械)

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先日、約20年ぶりに長野県の岡谷市に行ってきました。目的地は宮坂製糸所さんです。

この旅のそもそもは、一昨年に「山鹿の蚕で着物と帯を作ってほしい」というONLY ONLYをいただいたことが始まりです。養蚕農家の花井雅美さんにお願いして、春繭をキープしてもらっていました。

その後、どんな着物と帯にするかをお客様と話し合い(都合3回お会いしました)、そのご希望を叶えるためには、どんな糸にしたらいいのか見えてきたので、いよいよ繭を宮坂さんに送って糸にすることになり、その様子を見学させていただきに行ったというわけです。

初めは一人でと思ってましたが、花井さんが一緒に行きたいと申し出られ、着物ライターの安達絵里子さんにお声がけするとすぐ調整されました。

現地在住の佐々木千玲さんに大変お世話になり、濃密な日程をスムーズに楽しく過ごすことができました。

 


↑(左端、佐々木さん)

《 目次 》

1.   蚕糸博物館と宮坂製糸さん

2.   花井さんの繭

3.   一部変更

4.   岡谷という町

 
↑(真ん中が宮坂会長)


(高林館長を囲んで)

1.   蚕糸博物館と宮坂製糸さん

宮坂製糸さんは、今は蚕糸博物館に併設されていて、入館者は誰でも見学できます。公の博物館に、民間の株式会社が併設されているなんてすごい。生きた展示とはこのことですね。
蚕糸博物館では高林館長さんが詳しく説明と実演をしてくださって、製糸の仕組みがやっと飲み込めた感じします。とてもありがたかったです。

私が宮坂さんを見学させていただくのは実は2回目です。
前回はまだ今の形態ではない頃で、古い木造の工場で、床をミシミシ言わせながら歩いた記憶があります。繭が糸になる現場をすぐ間近で見せてくださり本当に感動しました。
まだ独立して間がない頃で、知識も浅く無知同然だったのですが、その時受けた「これだ!」っていう感動が私の染織人生を支えてくれたように思います。

移転され、博物館とくっついて規模も大きくなられましたが、今も、絹糸を織る者にとってとても頼りになる存在であることは全く変わりありません。

今回、20年前にお世話になった現会長の宮坂前社長さんが、お元気そうなお姿で現役でいらっしゃったのも嬉しかったです。

2.   花井さんの繭

花井さんは今回、自分が育てた繭が、宮坂製糸さんでどう思われたかと、緊張の思いもあったといいます。
宮坂製糸所の皆さんは、長年に渡り、品種も多様な多くの繭を見て、触って、糸にしてきた方々ですから。

社長の高橋耕一さんは、花井さんの繭は白くて大きくて、繰りやすいと太鼓判を押されました。新鮮な桑葉をお腹いっぱい食べて元気に育ったのがわかると。

私の目から見ても、花井さんの繭は、ピカピカツヤツヤプリプリしていて、抜群に輝いてました。

これを、生かすのは私の責任。今度は私が緊張する番です。

 
↑(花井さんの繭を上州式で60中に製糸してもらう)


↑(製糸された糸。これから綛にします)


↑(花井さんの繭の銀河シルクが綛になった。左端は引いてくれた高橋栄子さん。2番目は綛にしてくれた方)

 

3.   一部変更

今回の製糸は、着物には上州式(という引き方)で60中(という太さ)、帯には銀河シルク(という引き方)で行くことは、お客さまとの打ち合わせで決まってました。

しかし私としては、お客様のご希望の、ふっくらした節や少々の凹凸が入った表情のある反物にするために、もう一捻りいると感じてました。
そこで、持参したサンプル布で説明しながら高橋さんに相談すると、いろいろと可能性を探ってくださり、繭の一部を300中くらいの太さで引いてみようとなりました。そして、なんとその場で早速それをやってくださいました。

同じ上州式の繰り方ですが、繭の粒数を増やし、接緒(せっちょ)のやり方を変えます。こうやって引いた糸を所々に織り込めば、お客様のお望みの、100%山鹿の蚕であることと、糸の表情のある織物であることという二つの希望を叶えることができます。


↑(節多めの太めの糸を引いてくださってます)

 

4.   岡谷という町

今回、大変お世話になった佐々木千玲さんは、元は、東京でバリバリ第一線で働いていた方です。
それが、地域おこし協力隊で岡谷に引っ越し、その後現地で起業され、地域の方々に頼りにされ活躍していらっしゃいます。

岡谷絹工房のみなさんと一緒に、絹製品を企画製造して、世に出していく。手織りは生産性は低く、世の中の流れは早く、なかなかハードル高いです。いろんなことを飲み込みながらコツコツ頑張っておられる姿に感動しました。

岡谷には、製糸の歴史と今も作り続けている現場あり、佐々木さんのように外から吹き込んでかき混ぜて新たなものを作り出すセンスとエンジンがあり、すごい可能性を感じるところでした。
ご苦労も多いでしょうが、きっと大丈夫と思いました。


↑(佐々木さんプロデュースのノート。表紙に宮坂製糸所さんで手引きした生糸を使っています)

 

〈今回お世話になった方々〉

宮坂製糸所

岡谷蚕糸博物館

TINTt(佐々木千玲さんの会社)

蚕糸博物館の高林館長(佐々木さんが取材執筆した記事でとても読み応えがありました)

花井雅美さんのお蚕ファーム

安達絵里子さんの婦人画報Web版での連載(会員登録が必要です・有料)


↑(諏訪湖のほとりで)

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きものと帯の注文制作

染織吉田 吉田美保子

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107通目のメルマガ【ことよろ号】

2023.01.11

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遅ればせながら、あけましておめでとうございます。今年もどうかよろしくお願いします。
今年が、みなさまにとって、健康で幸せないい一年でありますように。

私は元旦に帰省し、熊本でお正月を過ごしました。

お正月こそ着物を着るぞと、元日の朝に着物を着て、スーツケースを転がしながら駅まで歩き、電車を3本乗り継いで、羽田空港へ。飛行機で熊本空港へ。父に迎えに来てもらって我が家へ。

途中、着物の人は見なかったなぁ。
お正月に晴れ着を着なくなったのかな。それともおしゃれした人、車移動で目につかないだけかな。

私も帰りは洋服でした。

《 目次 》

1.   抱負

2.   20周年

3.   20000日目

4.   大竹伸朗展へ行った

1.   抱負

年末年始に、ポッドキャストやYouTubeなどで、特に若い人に多いのだけど、2023年の抱負を高らかに、でっかい夢を語っていて、すごくいいなと思った。

ミドルエイジになると、なかなか見果てぬ夢みたいなことは、口にしにくい。

が、いいじゃないか。
50代でもでっかい夢を語ろう。

よし!

2.   20周年

染織吉田は、今年の5月に創立20周年を迎えます。
もう20年もたったのかと、呆然とします。
お求めいただいているお客様方、お付き合いいただいているお店様や業者様、切磋琢磨できる仲間のおかげです。
本当にどうもありがとうございます。

いつかご恩返しができるよう、地道にしっかり作り続けようと思います。

3.   20000日目

1月10日は、私の生まれてこの方20000日目でした。
54年と9ヶ月と2日です。

2万日も生きていると、人生のベテランのようだけど、まだまだそんなことはありません。
やっと世の中の仕組みがほんのり分かってきた頃かな。

1万日目は、27歳と4ヶ月と17日でした。この頃はまだまだ泥の中を暗中模索してました。

3万日目は、82歳と1ヶ月と20日です。現役でノリノリでモノ作り、できてますよう。鍛えよう。

4.   大竹伸朗展へ行った

東京・竹橋の東京国立近代美術館で開催中の大竹伸朗展へ行ってきました。
私は昔からの、大竹ファンで、これは観なくちゃと意気込んで行ってきました。
その、圧倒的とも言える手数。過剰なほどの貼り重ね。積み重ね。湧き出すように作り続けてる。
やっぱいいのだわ。うまく説明できないけど。

大竹伸朗展は、東京国立近代美術館で、2月5日まで。その後、愛媛と富山に巡回。
https://www.momat.go.jp/am/exhibition/shinro-ohtake/

トークの様子が、YouTubeでアップされてて、それもとても面白かったです。
ただし2時間以上と長いので何かしながらがいいかもしれません。画面にスライドが映ったりするので、スマホより、タブレットやパソコンなど大きな画面がいいと思います。
私は大晦日に、織り機やテーブルにオイル塗り込んだり、換気扇掃除しながらチラチラ見つつ聴いてて、たいへん満足しました。

https://youtu.be/dvWfJdQ4xHI

(上、2枚の写真は、大竹伸朗展にて撮影。その他は帰省中に撮影。)

 

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きものと帯の注文制作

染織吉田 吉田美保子

メルマガ

106通目のメルマガ【今年もお世話になりました号】

2022.12.29

       

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(写真は、帯あげにもなるショールです。こちらにあります。)

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こんばんは。暮れの晩、いかがお過ごしですか?

明日は晦日(みそか)、晦(つごもり)という言い方もいいですね。

いいことも、よくなかったことも、、、
一年を振り返る時期ですね。

今年最後のメルマガ、お付き合いくだされば幸いです。

《 目次 》

1.   お年頃かな

2.   おかげさまで

3.   年賀状はパス

4.   帯あげにもなるショール

1.   お年頃かな

思い起こせば、今年は体の調子の悪い一年でした。めまいなどで寝込んでしまい、仕事に穴を開けたり、スケジュール変更をせざるを得なくなったり、各方面にご迷惑おかけしました。

一年中、ずっと薬を飲んでましたし、よく病院にも行きました。

こんなこと、初めてだなあ~~。

ま、お年頃ってことなんでしょう。そのうちきっと良くなると思ってます。

2.   おかげさまで

そういうわけだったのですが、取引先や仕事仲間にフォローしていただき、本当に救われました。仲間のありがたさが身に染みた、感謝してもしきれない一年でした。

作品の制作数は落ちましたが、ONLY ONLYや、展示会でのお買い上げなどで、売上もまあまあでした。

ダウンしている時にお金が入ってこないのはキツイことですが、奇跡的にその心配はなく過ごせました。

3.   年賀状はパス

本来なら、今頃は、遅ればせながら年賀状を投函し終わった頃なのですが、今年はどうしてもそんな気分にならず、勝手に欠礼させていただきます。

この一年は昨年の暮れに亡くなった叔母の弔いばかりしていました。人を悼む期間はそれぞれだと思いますので、忌明けを伸ばします。
あしからずご了承ください。

4.          帯あげにもなるショール

なんだかんだと調子悪そうなこと書きましたが、制作の方は、新しいチャレンジや発見なども入れながら進めています。とにかく糸と糸を出会わせれば布になるというのは、ものすごく面白いことです。

一楽織という組織で、ショールを織りました。着物に使う最高級の糸で織りましたのでとても贅沢です。大きさを帯あげサイズにしてます。綾織の柔らかさがあるので、帯あげとしても使いやすいと思います。

よかったら通販サイト、覗いてください。今年中のご注文で即日発送します。来年は11日からの発送です。

https://www.someoriyoshida.com/store

今年も本当にありがとうございました。皆様に支えられて織って生きてられていることを実感した一年でした。

いいものを織り続けるぞとの決心だけは固いですので、これに懲りず、来年もどうかよろしくお願いします。

あなた様と地球にとりまして、2023年が健康で明るい希望に満ちた一年でありますように。

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染織吉田 吉田美保子

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105通目のメルマガ【白からはじめる染しごと〜空の巻〜号】

2022.12.04

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*画像は、1枚目が、「白からはじめる染しごと」展の案内状から。

2~6枚目が、八寸帯「まずめ時」。7~11枚目が一楽織ショール。

 

 

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おはようございます。

あっという間に12月ですね。それに急に寒くなりました。
地球は回り、季節はめぐる。

当たり前のことですが、、、体と頭がついて行けません。困ったものです。

さて、12月は第3回となりました「白からはじめる染しごと」展です。

今回のテーマは「空」、ぜひお楽しみにお出かけください。

《 目次 》

1.   白からはじめる染しごと

2.   プロモーションビデオ

3.   私の空

4.          一楽織のショールも

1.   白からはじめる染しごと

「白からはじめる染しごと」展は、9人の染め仕事を生業にする作り手が、自分達が作ったものを自分達の手によってお客様に届けようと、自ら企画運営する展示会です。

月に一回zoomで会議をして、みんなで頭をひねり、意見を出し合い、何度かはリアルでも会って、準備してきました。

さあ本番です。我々の成果をご覧いただきたく、ぜひお運びいただけますよう、ご案内いたします。

「白からはじめる染しごと~空の巻~」

会期|  2022年12月10日(土)~12日(月)

時間|  10時~17時30分

出品品目|着物 帯 帯締め 小物(帯揚げ・ストール・バッグ・財布 etc.)

会 場 |イチマス田源 きものクリニック&呉服問屋ミュージアム
東京都中央区日本橋堀留町2-3-8 田源ビル2階

参加作家|小林知久佐(引き染め)、鷹取麻利子、鈴木和美、水橋さおり、大橋さやか、大地佐和子、桑原牧子(手描友禅)、中村航太(組紐)、吉田美保子(染め織り)

2.   プロモーションビデオ

白からはじめる染しごと展のプロモーションビデオを作りました。コーディネート勉強会をした1日をビデオに撮り、作品紹介ビデオとしてまとめました。

撮影と編集、がんばりました。ぜひご覧ください。
コロナ禍中、ウェブのビデオジャーナリズム講座で勉強しまして、つたないですが本気の作です。

3.   私の空

白からのテーマ作品、私は、まずめ時の空を帯にしました。夜が終わりそうで、でもまだ朝は始まってない。ちょうど境目。薄ぼんやりとした空が、だんだんと色彩を帯びていく。そんなイメージ。

4.          一楽織のショールも

「白から展」に向けてショールも織っております。一楽織りという組織です。

これ、初めての挑戦でして、何かに導かれるようにチャレンジしたのです。面白いストーリーがあるののですが、長くなるのでここでは割愛。「白から展」でお話ししますよ。お声かけて下さいね。

 

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きものと帯の注文制作

染織吉田 吉田美保子

 

お知らせ

104通目のメルマガ【戸田吉三郎号】

2022.11.14

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*上の写真は、対談の会場で撮影したもの。下の写真は、戸田吉三郎の画集と回顧展のフライヤー。

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おはようございます。

先日、銀座に、戸田吉三郎 回顧展 特別対談に行ってきました。

戸田吉三郎氏とは、2016年に88歳で亡くなった画家で、今ちょうど「画布と裸婦:戸田吉三郎が遺したもの」というタイトルで回顧展が企画されているのです。

対談の冒頭で、「戸田吉三郎という画家を知っている人はおそらく誰もいないでしょう」と切り出されてましたが、実は私、小学生の頃から知っているのです。

今日のメルマガでは、そのことを書きたいと思います。また染織から話が逸れてしまいますが、よかったらお付き合いください。

《 目次 》

1.   戸田吉三郎と画廊梵と私

2.   絵をめぐる話

3.   ただいま

___________

1.   戸田吉三郎と画廊梵と私

戸田吉三郎のことをなぜ私が知っていたかというと、叔父ちゃんと叔母とがやっていた画廊で、長年作品を扱っていたからです。特に、35~45年くらい前は、イチオシ作家だったと思います。

当時私は、熊本の田舎に住む小学生~高校生で、年に一度長い休みに梵に遊びに行くのを、何より楽しみにしていました。

夏などは画廊は比較的のんびりした時期で常設展をやっていて、おすすめの絵を10~15点くらい飾ってました。

そこに必ず戸田吉三郎の絵はありました。

先日の対談では、戸田吉三郎は、裸婦の画家と紹介されてましたが、梵では、母子や子どもを描いた絵も多かったです。
the 油絵って感じで、描きたいものだけを画面いっぱいにストレートに描いてあって、伝わってくるものがありました。

叔父ちゃんがポツポツと、アトリエを訪問した時のことなど話してくれました。その話を聞くのが好きでした。

戸田氏のアトリエは逗子で、東京に仕入れに行った帰りによく寄っていたようです。画家と話をして、作品を数点選ばせていただいていたのでしょう。

戸田家で大きなアイリッシュセッターを飼っているのに憧れて、その仔を譲っていただいてもいるです。アミーゴという名前で、長く画廊で可愛がられておりました。

___________

2.   絵をめぐる話

先日の対談は、森岡書店 店主の森岡督行さんと、 キュレーターの宮本武典さんによるものでした。

戸田吉三郎は自作の絵について何も語らなかったそうで、制作意図などはわからないのだけど、画家が亡くなって数年経った今、残された絵を囲み、それぞれが思ったことを自由に話をしている不思議。面白さ。解説などしなくても、それでいいんじゃないかというような話が出ました。

私は思った。それは、岐阜でも起こっているぞ。

叔父ちゃんが、40年前に惚れた戸田吉三郎の絵は、きっと今も、画廊梵からそう遠くない東海地方のどこかのお宅のリビングか、会社の応接室か、病院の待合室かに掛けられているに違いない。

買った人は、掛けっぱなしかもしれないし、時々掛け替えて、しばらくぶりにその絵を見たかもしれない。

そして、ああ、これ、あの時梵さんで、あんな話を聞かせれて、それにほだされて買っちゃったよな、10回目の結婚記念日だったな、月賦で払って結構大変だったっけ。この絵を見た小さかった息子があんなこと言ったな、、、、とか、、、、

そんな思いがふと頭をよぎるかもしれない。

今はもう、画家も叔父ちゃんも叔母も亡く、画廊も閉まったけれど、絵はあるし、思い出もあるし、絵を見ながら新しい話もできる。

___________

3.   ただいま

昨年末、急に叔母が亡くなって、私が画廊を閉めざるを得なくなり、ストックルームいっぱいの絵や陶器をどうしたらいいのだろうと頭を抱えることになりました。

作家さんに戻すのが一番いいだろうということになって、叔母の手書きの古い住所録から、電話番号を見つけて片っ端から電話をかけて行きました。

引っ越されたのか、亡くなったのか、繋がらない番号も結構ありました。お出になっても返却がスムーズにいかなかったり、、、

その中で、戸田吉三郎さん宅は、お電話かけたらすぐ奥様が出てくださり、叔母の逝去と梵の閉廊をいたんでくださり、かつ、作品の返却の申し出を喜んでくださり。。。

そして、なんと、遠いのに取りに来てくださったのです。夏の暑い日、ご子息と甥御さんと一緒に。車で、日帰りで。私はその時はもう関東に戻っていて、お会いできなかったのだけど。

後日、メールでお礼をいただき、「絵を並べてみますと、子どもが帰ったような不思議な思いです。」と書かれてました。
そうか、、、奥様は我が子を迎えに来てくれたのか。40年ぶりの「ただいま」だね。

 

*戸田吉三郎回顧展は、以下の2会場で開催されます。

東京銀座・森岡書店 11月15日(火)~20日(日)

神田神保町・文房堂ギャラリー 11月24日(木)~29日(火)

戸田吉三郎の公式サイト

回顧展情報

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きものと帯の注文制作

染織吉田 吉田美保子

メルマガ

103通目のメルマガ【さらば画廊梵号】

2022.11.05

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おはようございます。

秋も深まってまいりました。いかがお過ごしでいらっしゃいますか?

私は、10月下旬から11月頭まで、岐阜県可児市に行ってました。

昨年末に亡くなった叔母がやっていた画廊を、最後に二日間だけ開けて、おわかれ会をするためです。

企画から約半年、現地で1週間かけて準備した会でしたが、おかげさまで多くの方にお越しいただき、無事に閉じてまいりました。

なかなかハード、かつハートウォーミングな11日間で、心も体も乱高下激しく、戻ってきてもボーッとしております。

今日のメルマガはそのことを。
ちょっと染織からは離れますけど、書かないと次に進めない気がします。よかったらお付き合いください。

 

《 目次 》

1.   画廊梵

2.   掃除

3.   いざさらば

1.   画廊梵

叔母がやっていた画廊は、梵という名前で、岐阜県可児市で50年間続きました。この職種では老舗と言ってもいいのでは?

梵は、初めの12年間は別の場所でやっていて、そこを立退になって今の場所に新たに建てたのです。

ですから、12年の経験を踏まえ、叔母と、私は叔父ちゃんと呼んでましたが、彼女のパートナーが、いちから計画し、大借金をして作り上げた画廊なのです。

展示室部分は、天窓のほかは窓がなく、閉じられた空間で、絵と自分がしっかりと向き合えます。
箱としては、ごくシンプルでどんな作品でも受け止めます。
天窓からほんのり降り注ぐ自然光は、ソファーに座ったお客様を優しく包みます。
事務所からのドアはマジックミラーになっていて、展示室やエントランスの様子が垣間見られ、お客様が必要な時に出ていくことができます。
まさにキャッチフレーズの「人と絵の出逢い」を体現する場所でした。

「梵はいい画廊だったねえ」とおわかれ会に来てくださった多くのお客様に言っていただきました。
私も本当にそうだと思います。

2.   掃除

人がいなくなって一年近く経ちますし、その前もコロナ禍で2年ばかり開店休業のような状態でしたので、店は荒んでました。

それを、今回大掃除して、画廊として蘇らせ、おわかれ会を開催できたことは、本当によかったと思います。

掃除機をかけ、雑巾掛けをし、ウィンドウを拭き、玄関周りはデッキブラシをかけ、駐車場を掃き、庭のドクダミを抜き、玄関には花を生けてもらって、お客様をお迎えしました。

梵に浅からぬ縁のある、おわかれの会世話人の4人が黙々と愛情を注ぎました。

3.   いざさらば

今回、梵が長くお付き合いしていた作家さん方ともお会いすることができました。
みなさん、40年、50年と作り続けられていて、本当に感服しました。
染織吉田は、来年やっと20周年です。まだまだだなあ。

おわかれ会が終わって最後の片付けをし、いよいよ梵を立つという時、画廊に叔母の手遊びの絵と叔父ちゃんの写真が並んで掛けられたいるのを見て、涙があふれました。
幼い頃からここに何度も遊びに来たのに、もうそれはないのです。

叔母と叔父ちゃんが、生涯をかけて夢を見、懸命に働いた場所をあとにしました。

閉廊のご挨拶状を作って、関係があったみなさまに郵送しました。その文章を載せておきます。1000回くらい推敲した、ヨシダ、渾身の文章です。

___________

ありがとうございました。
画廊梵は、閉廊いたします。

梵は、可児の地に画廊を開き、今年で50年になります。
地元の皆さま、遠方の皆さまに愛していただき、
これまでやってくることができました。深くお礼申し上げます。

1972年、「人と絵の出逢い」をキャッチフレーズに、
当時の可児郡可児町子守り神社前に開廊しました。
1984年に警察署建設にともない現在の地に移転しました。

1992年、惜しまれながら河地正次が他界し、
あとを新井恵子が守ってまいりましたが、
恵子も2021年12月19日、80歳で亡くなりました。

これをもちまして梵はおわかれとさせていただきます。
長きにわたり、どうもありがとうございました。

 

新井恵子は、昨年暮れに急に体調をくずし、わずか半日の入院で
旅立ちました。直前まで電話で元気な声を聞かせていたので、
誰もが茫然自失でした。

美しいものやおしゃれが大好きで、
何にでも興味津々の機知に富んだ人でした。
皆さまのおかげでしっかりと生ききったと思います。
本当にお世話になりました。
故人に代わり、心より感謝申し上げます。

 

このままではあまりに寂しいと、「画廊梵 おわかれの会」を
二日間だけ開くことになりました。

梵さんが好きな人
梵さんを好きな人
梵さんが世話になった人
梵さんに世話になった人

そんな人たちが集まって
梵さんの話をしたいと思います。

とき  2022年10月29日(土)、30日(日) 10時から17時
ところ 画廊梵
                岐阜県可児市中恵土2299の1

会場には、梵の開廊当初から個展と児童造形活動塾で、
絵画鑑賞や創作の面白さを多くの方に伝えてきた下総しげおと、
恵子の姪で幼いころから梵に遊びに来るのを楽しみに育ち、
染織の道に進んだ吉田美保子が、作品を並べます。

なにぶん店主不在ですので、不手際だらけの開催になりそうです。
正次と恵子に免じ、どうかお許しください。

梵にご縁がある方でも、失礼ながらこの案内が届かない方も
いらっしゃると思います。お心当たりの方がおられましたら、
お声がけをお願いします。

お香典、お供物、ご供花など遠慮させていただきます。
普段着のまま、手ぶらで、梵の話をしに来てください。

おわかれの会 世話人 一同
親族 一同

 

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どうかよろしくお願いします。

きものと帯の注文制作

染織吉田 吉田美保子

メルマガ

102通目のメルマガ【地球とシャトリューズ号】

2022.10.17

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*画像は、「シャルトリューズ」の検索ページのスクリーンショット。

    

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おはようございます。

すっかり秋になりました。いかがお過ごしでいらっしゃいますか?

空模様が安定せず、空を見上げて思案顔することが多いこの頃です。

曇りは曇りで好きですけどね。

冬物の洋服や、羽毛布団を出しましたけど、雨が続いて干せなかったりは困りものです。

今日はどうなるのかなあ?

《 目次 》

1.   なずさま物語、最終章

2.   二子玉

3.   シャルトリューズ

1.   なずさま物語、最終章

完全注文制作ONLY ONLY、なずさまの地球のようなお着物、お納めして参りました。

喜んでいただけ、本当に良かった。

ブログにまとめましたので、ぜひご覧ください。動画とお着物の写真もたくさん載せております。

https://www.someoriyoshida.com/category/only-only-注文制作/nazu

2.   二子玉

お着物の受け渡しに、久しぶりに二子玉に行ってきました。(二子玉は、関東民は「にこたま」と呼びます。正式名称は、「二子玉川=ふたこたまがわ」です。)

なずさまと私は、共に東急田園都市線沿いに居住していますので、お互いに出やすい場所なのです。

昼下がりに、高島屋の6階のお寿司屋さんで、着物談義をしながら、お寿司をつまみ、ビールをいただくという、なんとも大人の休日を楽しんで参りました。

お仕立ては、ネットで見つけた採寸から丁寧なお仕立て屋さんに頼む予定で、デビューは来春になりそうとのこと。

なずさまと二人、いろんなお話に花が咲き、満ち足りた、とても良い1日でした。

3.   シャルトリューズ

なずさまの着物の写真をSNSに載せましたら、「美しい色合い。素晴らしいですね。シャルトリューズ!」ってコメントをもらいました。

シャルトリューズ?

はて?

検索しましたら、あああ!これかー!

緑色のお酒。フランス産でリキュールの女王と言われているらしい。おしゃれだわ~。

画像検索しますと、確かに、なずさまの地球色の着物だわ。面白いな~。

 

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きものと帯の注文制作

染織吉田 吉田美保子

メルマガ

なずさま物語8

2022.10.13

さて、なずさま物語の最終章です。

上の動画は、完成してすぐの時に撮りました。一仕事終わった安堵感が出てますね。3分です。ぜひご覧ください。

  

なずさまには、つい先日お会いして、お納めいたしました。 

ドキドキのご対面。なずさまのお顔がパッと明るくなって、ホッとしました。よかった。

なずさまの地球がここに完成したと思うと感無量です。

あ、完成はしてないね。これから仕立てたり、取り合わせをして、なずさまが完成されていくんだね。

八掛どうしようかなって話題になりました。楽しい悩みですね。

なずさまとの対話、糸との対話、織や染という具体的な作業との対話、一つ一つ取り組んで、やっと形になりました。

着物を作るのは、やはり長い道のりですので、無事にお渡しして、喜んでいただけ、肩の荷がおりました。心底安堵しています。

これから、このこが、なずさまと共にどんなに成長していくだろうと思うと、ジーン。がんばれよ〜

いい人生(着物生)をな。なずさまと一緒なら大丈夫。太鼓判です。

101通目のメルマガ【ヨガ1000回号】

2022.09.29

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*写真は、いつの日だったかの、東海道線の車内から。次の「白からはじめる染しごと」展のテーマが「空」なので、最近よく見上げています。

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おはようございます。

前回、このメルマガが100号を迎えたことを書きましたら、あちこちからお祝いのお言葉をいただきました。

たんたんと続けているだけですのに恐縮です。おかげさまです。

そんなこんなしておりましたら、通っているヨガスタジオから、累計1000回、受講したという知らせが!

2016年の12月からですから今月で5年と10ヶ月。平均1ヶ月に14回通っていることですね。週に3回。通えない時もあるのですが、まあ大体こんなペースで通ってます。

体に不調が出ることもありますが、それも最小限で食い止められてるとしたら、ヨガのおかげです。

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《 目次 》

1.   なずさま物語6、7

2.   ヨガ

3.   まためまい

4.   コーヒーとビール

1.   なずさま物語6、7

完全注文制作ONLY ONLY、なずさまの地球のようなお着物、完成しました!

なかなかいい感じに仕上がりまして、ホッとしています。

まだなずさまにお納めしてませんので、みなさまにお披露目ももうしばらくお待ちくださいね。

ブログに連載しているなずさま物語は、6話目と7話目を更新しました。動画も撮ってます。ぜひご覧ください。

https://www.someoriyoshida.com/category/only-only-注文制作/nazu

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2.   ヨガ

ヨガは体質にあっていたのか、当たり前な感じで続いています。

閉じこもって仕事しているので、外に出るいい機会にもなっています。

はじめのうちは、できないポーズがどんどんできるようになって面白かったですが、もうずっと頭打ちでぜんぜん進歩しません。
それどころか、鳩のポーズとかできてたのに、コロナの緊急事態宣言の時にお休みになって、2ヶ月やらないでいたら、できなくなりました。

なんでも、日々の鍛錬ですね。肝に銘じます。

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3.   まためまい

ヨガ、実は9月の半ばは休んでて、近頃再開したばかりです。めまいを起こして、安静にしてました。

以前にめまいになった時もメルマガにも書きましたが、私、これ3回目です。

1回目は初めてのことでどうしていいかわからず、休日だったこともあって、救急病院へ行きました。2回目は出張直前だったので、病院に行って早く良くならないものか相談しました。

そして3回目、9月12日の寝起きにぐるぐる来ました。

人は学習するもので、これは急いで病院に行ってもどうなるものでもないと判断。YouTubeで検索して、耳鼻科や整体院の先生の発信をいろいろみて、情報収集。

自分でできるリハビリをしたり、市販薬を買ったり。あと、治るのに約2週間はかかることも分かったので、焦らず、無理しない生活をして、ゆっくり治すことにして、今は元通りになりました。

ネット検索ってすごいですね。それも最近は動画ですね。これ、なかった時にはどうしていたかって思います。私の感覚だとつい最近のツールですけど。

が、もちろん、ネットを根拠にした自己判断を過信しちゃだめと戒めてます。

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4.   コーヒーとビール

体調がちょっとでも悪いと、とたんに体が受け付けないものがありますね。私の場合は、コーヒーとビールです。

いつもは大好きなんですけど。

それが、また欲しくなると、体調完全復活ってことなんでしょうか。

久しぶりに、朝にコーヒー、夜にビール、美味しくいただいてます。

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きものと帯の注文制作

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なずさま物語7

2022.09.24

さてさて、なずさま物語も終盤です。

本日は、織っている時に起こってしまう数々のミスのうちから「目とび」についてお話しします。動画をご覧くださいね。約6分です。

手織り紬の最大の特徴は、風合いと布の表情だと考えます。

その風合いがどこから来るかというと、それは糸なんですね。座繰り糸や真綿紬糸を使い、さらに柔らかさとほっこり感を出すために撚りは甘く、、、、


そういう糸って実は大変、織りにくいんです。

毛羽が立つし、節が多いから。

それを織りやすくするのが糊。今回の糊付けが最適だったかどうかは、毎回データを取って検証します。
それと、織り手の糸に対する世話とたゆまぬ努力です。

ひゅー。今回もいい糸すぎて織りにくいよ。その分、風合いはプリプリ最高です! 

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