吉田美保子の some ori ノート

見惚れました

2014.12.19

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大好きなブログ「神奈川絵美のえみごのみ」の神奈川絵美さんから、メッセージいただいた。
「久しぶりにシスレーを着たので、写真を送ります」と。おっ!やった!
   注)シスレーとは、この写真で絵美さんがお召しのお着物のことです。本名「シスレーの居る風景」。二人でキャッチボールしながら、糸から選んで、染めて織って、作りました。ONLY ONLY の走りです。
私は、その写真を一目見て、惚れてしまった。
「なんて、お似合いなんだろ!このシスレーの幸せ者めっ!」
同時にいろいろ思い出した。「シスレーの居る風景」に取り組んでいたころのこと。走馬灯ってやつですね。もうずいぶんの昔のような気がする。
今、絵美さんのブログの、カテゴリー「シスレーの居る風景」を見せていただいたら、2008年から2010年ですよ!若かったなあ、、、。絵美さんも私も、初々しいような感じするね。私もお誂えさせていただく経験がまだ浅く、手探りでもがきながら進んで行ったものね。
それがこうやって、大事にしてもらって、クリスマス時期の都会の街に連れて行ってもらって、いろいろ出会いが会って、、、幸せだなあ、、、、
じーんとした。きゅんとした。
「神奈川絵美のえみごのみ」は以下のリンクから。すてきなブログよ。ぜひご覧あれ。
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*写真は、絵美さんが送ってくださったもの。ね、光があるでしょう?絵美さんとシスレーが、輝きあってる。

試し、クリア

2014.12.19

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もまさまの帯、自分としては納得のいく設計図と試し織りができたので、早速、写真を撮って、画像を添付してメールを送った。「こういう風に考えて試しまで進めました。もし実物をご覧になりたければ、すぐに郵送します」と書いた。
もまさまから、相変わらず、素早い簡潔な返信が来た。
内容はただ一点、タイコの柄の出方の確認だった。「こういう風に出ます」と返信したら、それで決まった。もうそれ以上は何も言われず、試しを送ってとも言われず。
うわー、なんだかかえって、ドキドキするよ。任されてる。この信頼にお応えせねば!
*写真はもまさまの帯の緯糸を染めているところ。キビソ糸です。表情豊かで、適度に整っていて、いい糸だわん。綛が太くて、染めムラが出やすいので、低温からじっくり時間をかけて染めました。酸性染料です。

もまさま、試し織りまでこぎつける

2014.12.17

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もまさまの帯、経糸の準備と平行して、どんな帯にするのかを、紙に落とし込んでみる。何回も。「あ!これいい。」って思えるまで。
それで、紙を、帯の形にして、もまさまのお着物の写真の上に載せてみる。ちょうど、帯を締めているような感じにして。
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前柄も同様に。
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よし、と思ったら、実際に織ってみる。この時、データを正確に取っておく。本番では、その通りなのか、増やすのか、減らすのか。
そして試し織りの写真を撮って、パソコンに取り込んで、この帯と合わせる予定の、もまさまのお着物の画像と並べてみる。うん、うん。いいんじゃないの。引き立てあってる。

もまさま、実作業開始

2014.12.16

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もまさまの ONLY ONLY、傾向と対策は確立できた。さあ、実作業開始。
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八寸帯で大切なことは、色柄ももちろんだけど、それを支える布なんです。固さと風合い。仕立てないので、帯の布地だけで、パリッとしてなっきゃなりませんので。おタイコも、芯なしで、いい形を保たなきゃなりませんのでね。糸の選択とその後の精練が大問題です。
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実は私、この八寸帯の、糸の選択には、もうずーーっと苦心惨憺してます。なかなか「これだ!」という確信持てず。毎回、毎回、糸や精練を変え、微調整。
今回はこれで勝負をかけます。
経糸を張るまでの、長い長いモロモロの作業、ここに書くの、省略します。
*写真はおととい、日曜日の朝。我が投票所の裏の非常階段。

もまさまの帯、妄想を構想へ

2014.12.11

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もまさまの帯、方針と対策は分かってきた。目指す風合いは頭に入ってる。経糸を作ってしまおう。細かい話しはそれからだ。
もまさまは、無地もいいけど、それだとちょっと詰まらないかなってずっとおっしゃってた。たぶん、無地っぽいもの、お好きなんだろう。全くの無地ではないけど、無地場が効いてて、その無地場が深みや面白みがあるようにするのが是だな。
では、無地場の深みを出すために、経糸は、出来るだけ、多種多様の糸を使おう。糸の表情を豊かに出そう。それが織りの醍醐味だ。八寸帯だから、ある程度の張りがいる。太さと種類が決まってくる。
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色柄は、ブラッシングカラーズで行きましょうか。もまさまが、すでに一本お求めくださった私の帯は、ブラッシングで、白場が多く、軽快な感じなもの。
これからお作りする二本目は、それとは違った印象にするといいだろう。無地っぽくとなれば、全面にブラシするか?だとすると、ラブ・ロスコシリーズから発展させるか、、、、
などなどなどなど、妄想は続きます。妄想を構想にするのには、実物の糸を触るのが一番。糸棚の中から最適な糸を選り出します。
*写真は近所。散歩の途中。

もまさまの帯、作戦を練る

2014.12.09

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もまさまからのご注文で、最大のキモは、添付された二枚の写真のお着物に合う帯であること。これに尽きる。
実物のお着物を観た訳ではないのが怖いようにも思ったが、写真の状態はとてもいい。きれいに撮れた写真だ。色や質感も良く出てるし、写真のままを実物と思ってよさそうだ。
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そこで、私は以前、とあるお客様がお話くださったことを思い出した。その方も、バリバリのビジネスパーソン。第一線で、陣頭指揮をとりつつ、着物ライフも謳歌してらっしゃるすてきな方。
その方曰く、ネットで着物をや帯を買うとき、手持ちのものに合うか否かを見極める方法を発見したと。それは、パソコンに取り込んで、同じ画面に映してみるというもの。
例えば、ネットショップで気になる帯を見つけたとする。そしたら、その帯の写真を抜き出し、モニターに貼付ける。そして、手持ちの着物の写真を撮ってパソコンに取り込み、同時にモニターに貼付ける。その画面上で、合うかどうかを判断する。
撮影は違う条件下だけど、映し出す条件は同じだから、分かるのだと。
この話しを伺って、私は妙に納得した。なるほどー!
多忙を極める方々は、時間の使い方がうまいなあ。人生の楽しみ方も、ダイナミック。
もまさまの帯を作るにあたって、この方法は、最適だと確信した。
*写真はうちの近所。朝。

もまさまのお望み

2014.12.07

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しばらくメールが途絶えていたある日、久しぶりに、もまさまからメールが来ました。帯のご注文が確定しました。お問い合わせからご注文への格上げが突然だったので、ビックリ。ある日突然ってのも、もまさまのノリです。
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お望みは以下の3点のみ。
写真添付されている2枚の着物に合うこと。
袷用であること。
茶系であること。
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すっきりされてるなあ。きっとご本人も、すっきり爽やかな方なんだろう。この3点は、メールのやり取りの当初から、イメージ的に、また例え話的に、投げかけられてたキーワード。そうか、焦点はこの3点に絞り込めばいいんだ。
もう少しお伺いすると、八寸をご希望で、無地でもいいのだけど、全くの無地だとつまらなく感じてらっしゃることと、あまり厚手でない方がお好みだと言うことが分かった。
シンプルなご希望だ。シンプルになればなるほど難しいことを、肝に銘ぜよ、私よ。
*写真は那須高原の朝。ってウソぴょーん。うちから歩いて5分のとこ。今朝も寒かったね。

福田喜重の世界、ディオールの世界

2014.12.06

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青空がきれいな空気が冷たい朝、ちょいと銀座までお出かけしてきました。
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まず、「福田喜重の世界展」を拝見しに、銀座もとじさんに伺いました。今日はギャラリートークで、人間国宝、福田喜重先生のお話を直にお聞きできるというありがたい機会でした。
福田喜重先生の作品は、とてもとても美しい正統派の日本刺繍で、ひれ伏したいほど、いいお着物、素晴らしい帯、感服しきりです。
お話の中で心に残ったのは、正倉院御物とクリスマスツリーの意外な共通点でした。両者とも、補色で成り立ってると。そっか、クリスマスは赤と緑だもんね。正倉院の時代も大陸からの文化だから、補色が多いのだとか。それに引き換え、平安以降の日本の文化は、気の文化、水蒸気の文化で、あいまいな色、ぼかしの世界だとか。
なるほどー。福田先生の世界は、水蒸気が立ち上る幽玄な世界を、染めと刺繍で現したものなんだ。まさにその通りだと思った。
「福田喜重の世界」展は、銀座もとじさんにて、12月7日まで。
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それから、「エスプリディオール ディオールの世界」展に行きました。ディオールブランドに興味がある訳ではないのだけど、あちこちで評判だったので、こりゃー観とかなくちゃと思って。
で、一歩入るなり、クラクラしました。今日の午前は晴天で、寒いけど太陽さんさんの元から、いきなり、暗幕に仕切られた別世界に迷い込んでしまったものですから。
心をどこに置いたら分からないまま観て回って、ますますクラクラ。すごいレベルの、すごい量のエネルギーです。うわーー。
その上、急いで帰らなくちゃと思って、サクサク観ようと思ったら、そのエネルギーにあてられて、軽くめまい。地下1階から地上3階までの展示を、階段の手すりにつかまりながら行き来しました。そうしないとへたり込みそうだった。
会場もものすごく美しかった。すみずみまで構築されてる。すごい。これが一流ブランドの力か。
「ディオールの世界」展は、銀座のアップルストアの隣りのビルにて、1月4日まで。入場無料。すごいから、まだの方は観てビックリなさるといいかもよ。
*写真はすべて、ディオール展にて。一番上の写真は、フランスからやって来て、製造の実演されてるところ。なんかね、最後の晩餐を想った。神々しかった。

もまさまとのやり取り

2014.12.05

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もまさまは、遠く、ここから約850kmにお住まいです。ご注文を考えて下さってる方とは、一度お会いするのが一番いいと思いながらも、簡単にじゃあいつお会いしましょうって言う訳には、いきません。
しかし、もまさまはバリバリのキャリアウーマン(私の想像ですが、、)。東京や横浜には、ご出張などで時々いらっしゃってるご様子。その機会に足を伸ばしていただけないかと画策しました。
もまさまも乗り気で、横浜駅や青山方面からの来方をお伝えしたりしました。4月には、一度日にちまで内定したのですが、急なご用事で流れてしまい、、、、
お会いすることはなりませんでしたが、その間のメールの端々で、どんなものをお望みなのか、うっすら分かってきました。
何度か出てきたキーワードがあるのです。「茶系」で「無地に近い感じ」で「手持ちの着物に会う」こと。
もまさまからのメールは相変わらず、簡潔であっさりしたものですが、どこどこでヨシダの作品を観たというのを、印象深く覚えて下さっていて、ご縁を感じるって書いてくださってます。
ありがたいなあ、、、私の織ったものは、数も出来ないし、そんなに出回ってる訳ではないので、その数少ないいくつかの機会に居合わせて下さったのは、やはりご縁があるのでしょう。とてもうれしいです。
*写真はうちの近所。朝日さしこむよそんちのガレージ。もまさまのお望みの茶色はこんな色?はたまた?

ONLY ONLY、もまさまです!

2014.12.03

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さあ、完全注文制作 ONLY ONLY ストーリー、次なる章のはじまりはじまり〜。
このお方を仮に、もまさまと呼ばせていただきましょう。
もまさまと私の出会いは(リアルもまさまとは、いまだ出会えてませんが、、、)もうずいぶん前の話しになります。ある日、メールボックスに一通のメールが届きました。サイトのお問い合わせ欄から送られてきた、未知の方からのです。
ふむふむ。
なんと、この方、私の帯を以前に求めて下さったと!それが、お手持ちの無地の紬にぴったりとのこと。お気に召していただいてるご様子にとても安堵した。よかったよ〜。
手放した子たちが、元気で愛されて活躍していることを知ることほど、うれしいことはない。特に、もまさまのように、私の知らない所で、縁を結んで下さってた時は格別!!!!「おまえ、たっしゃだったのかい!」
この時のメールは、簡潔な、行き届いた文章で、短いけど印象に残るものだった。いくつかの質問事項にお答えするため、私も、必要にして充分であるよう配慮して、返信をした。
そうしたら、簡潔で的確な返信がすぐに来た。
この簡潔で的確で素早いってのは、もまさまとのお付き合いで、その後ずっと続いた。出来るキャリアウーマンだってことが、ヒシヒシ伝わる。ああ、見習わなくちゃ、、、
*写真はうちの近所。散歩の途中。

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