吉田美保子の some ori ノート

あおさま!

2016.12.18

PB200136.JPG
さあ、お待たせしました。こちら、どなたかお分かりですか?
そうです。
じゃーん!
あおさまです!
あおさま、「my first kimono」をお召しで、熊本で開催した拙個展「清正公の陣羽織」にお越しくださったのです!
すっごくお似合いで、心から安堵しました。
いやはや、感無量です。地震が起こった今年4月中旬、私は、あおさまとメールでこのお着物についてのやり取りをしていました。それからいろいろありました。わが故郷はどうなってしまうのだろう?熊本が心配でなりませんでした。心を強くもって来られたのは、このお着物に取り組んでいたおかげです。
それが、7ヶ月後、こんなに立派になって!熊本に連れて来てもらって!ひょー!
119_161120.jpg
「碧」という色について、いろいろ悩みながら進めてきましたが、この日、このお姿を拝見して、ああこれでよかったと思えました。あおさまの、気品があってボーダレスな自由な感じとよく添っていると思います。
あおさま、着姿を見せてくださって、本当にどうもありがとうございました。それも熊本で!個展という晴れ舞台で!前日には天草を旅行され、熊本を楽しんでくださったのもとてもうれしかったです。

my first kimono

2016.10.03

DSC_2565.JPG
あおさまの only only、完成しました!湯のしに出して、仮絵羽もやってもらって、やっとやっと完成です。
あおさまのお顔を思い出しながら、最終チェック。撮影。糸見本を作って、お手紙を書きます。そして、お着物の名前を考えます。
うーん。
DSC_2611.JPG
my first kimono とご提案させていただきました。
DSC_2691.JPG
一枚めのきものをとご注文いただいたからのなのですが、もう一つの理由は、あおさまの初々しさを隠し持った感じからです。だから first という言葉を使いたかった。
少女が新しい世界を見つけた時の、ドキドキ、わくわく、戸惑い、どんどん入り込んでいく感じ。あおさまから、そんな印象を受けていました。
あおさま、普段は、いわゆるバリキャリといわれるビジネスウーマンでいらっしゃると思うのだけど、素がピュアな方だなと。そのギャップがまたかっこいいです。
IMG_0265.JPG
あおさま、お着物、受け取りにお越しくださいました。ふわっと羽織ってみられ、パッとお顔が明るくなられたのが、うれしかったです。
実は、11月の後半に、あおさまと再会できる予定があります。たぶん、このお着物、お召しでいらっしゃると思うんだよな〜。きゃーん、楽しみ。いやーん。どきどき。
ブログのあおさまストーリー、それまで中締めとさせていただきます。再会を楽しみに!

蒸し、水元、張り手

2016.10.02

IMG_9975.JPG
あおさまの only only、織り上がりましたよ。(ブログ上では時間を短縮しています。日々、同じように織ってきましたので、ネタがありません〜〜。安定していることはいいことですが、話題にはこと欠きますなあ。)
さあ、仕上げです。仕上げの作業は緊張の連続。絶対失敗が許されません。なぜなら、やり直しが効かないからです。
IMG_9989.JPG
まず、蒸します。布を不織布で巻いて、筒蒸しします。蒸すことによって、ブラッシングカラーズの染料が繊維にしっかり定着します。
それから、水元。布をぬるま湯に入れて、振り洗いします。余計な染料分や糊分を取ります。
IMG_9997.JPG
そして張り手で張って、伸子を打っていきます。絵羽だからね、4枚に分かれてます。せまい所に工夫して干します。
ここまで行くと、ちょっとやれやれ。どっこいしょ。
*写真はすべて、張っているところ。一番上の写真、濡れていることと、アングルのせいで、すごくビビッドに撮れています。乾くとぐっと落ちついた色味になります。

織ってます

2016.09.30

IMG_9867.JPG
あおさまのonly onlyのお着物、進んでいます。あおさま、お背が高くていらっしゃるので、ちょっと長めに設定してます。全長で3丈6尺。約13.6m。織っても織っても、先は長い。
IMG_9877.JPG
緯糸は16種類です。次の一越、どの糸を入れるかは、即興のところあります。色味と糸の種類、太さで大まかな決まりを作って、決まりの中では即興で杼を選びます。コントロール下の即興って言うか。
絵羽のお着物を織るときは、成果が分かりやすいのがいい。今日は袖分織ったぞとか、分かるのがいい。達成感がある。

織ってたら

2016.09.29

IMG_9646.JPG
座繰り糸を経糸にして着物を織っていると、どうしても杼が糸をすくってしまって、目が飛んでしまうことがあります。糸に節があるから糸同士がくっつきやすく、どんなに気をつけていても、飛ぶ時は飛びます。いい糸の証拠でもあると言えると思います。機械で作ったすーっとした糸だったら、めったにないことだからね。
絵羽を織っているときは、自分が今、着物のどの部分を織っているか正確に分かるので、その目飛びがどこにでるのかももちろん分かります。
目立つ所だったら、問答無用で、織った糸をほどいて織り直しますが、例えば、仕立ての段階で折り込まれて、見えない場所にくるって分かっている場合は、さあ、どうする?
あおさまのお顔がちらついて、そのまま織り進むなんて出来ないねー。戻りますよーー。
写真の待ち針のところ、目飛び2ヶ所発見。もどんべよー。

織ります

2016.09.28

IMG_9623.JPG
さあ、織りましょう、織りましょう。小管はこのように、全部巻いて、種類ごとに分けています。入れていく割合も決定済み。こうしておくと、安心して織れます。もちろん即興もありです。それも含め、準備万端です。
IMG_9921.JPG
こんな感じ。
IMG_9904.JPG
みなぎってます。

染料を調合

2016.09.26

IMG_0237.JPG
あおさまのonly only、設計図が納得いったら、ブラッシンングの染料を調合します。多めに作り、よっしゃと思ったら、それを四等分して保管します。ブラッシングするのは、下前、右の後ろ見頃、上前、左の後ろ見頃、下衽、上衽の順で、6回です。染料を一つのバケツで作っておくと、刷毛についた水で薄まり、色に違いが出るのを怖れて、分けて保管します。
IMG_0242.jpg
さあ、下前を染めるよ!
IMG_0245.JPG
行きます。

設計図をつめる

2016.09.25

IMG_0293.JPG
あおさまのonly only、では実際どう織るか。絵羽ですので、設計図もパーツごとに作ります。パーツパーツで、細かく落とし込みます。
見頃や袖や衿衽の長さで、今までやってきた考え方ではどうしてもクリアでない部分があって、悩みに悩んで、どうしようもなく、仕立師さんにSOSを出しました。そうしましたら、とても丁寧かつ、実践的なお返事をすぐにいただけて、積年の悩みが氷解。あー、なるほどーー。
お誂えの際の、裁切りの考え方、やっと腑に落ちました。どうもありがとうございます!
着物は本当に難しいです。特に絵羽は、着物のことを本当に分かってないとできないです。がんばります!

最後の打ち合わせ

2016.09.24

IMG_0259.JPG
あおさま、試し織り第4弾を観に、4回めのご来訪くださいました。私は、着物の完成予想図を、着姿と絵羽の状態で描いておきました。絵にして、感覚的なこと、デザイン的なこと、私的にも整理します。あおさまにご説明もしやすいしね。
その日はまだ夏の暑い日でした。あおさま、夏休み帰りで、こんがり焼けて、羽田から我が家へ直行してくださいました。わー、ひまわりみたいな明るい笑顔です。
あおさま、試し織り第4弾をご覧になるなり、「これでお願いします」と。あら、すんなり。決断力おありだわ。
そうですか、ではこれで行きましょう。
私は、もしかしたら、全身ブラッシングを望まれる可能性もあるなと思っていたのだけど、全体がクラインブルーだとキツすぎるというのは、ご自分でもおっしゃってたし、裾模様だけというのは、いい選択だと思います。着物らしさもあるし。
では、本番、入ります。ガンガン行きまっせー。

最終調整

2016.09.22

aosama.JPG
試し織り第3段のブラッシングカラーズの織り布、私としては、色味的には、もう一歩と思っていた。碧になり切れていない、青の領域から出ていない色だなあと。
まあしかし、この布は、あおさまに郵送でみていただこう。もしかしたら、ブラッシングカラーズ自体が、NGになるかもしれないし。話しはそれからだ。
郵便を受けとったあおさま、ブラッシングカラーズに対しては快く思って下さったようでよかった。色については、私と同じご意見。
お、とうとう出そろいましたね。ではこれで行きますか!
さあ、それでは、最終の試しです。試しというか調整。本番の素材を落とし込んで行きます。ブラッシングカラーズの染料は3種類、ウルトラマリンとパープルとマゼンダ。これで、「碧」を調合します。
緯糸も、よくよく計算を入れて、本番に使う17種類の糸を決めて、その割合を決めて、入れ方を決める。
着物全体のデザインも決めて、その最大の面積分を実際にブラッシングで染めてみる。
それから、決めた通りの糸使いで織ってみて、蒸して、水元して、仕上げる。
それが、上の写真。
この最終試し織りを観に、あおさま、我が家にお越しくださいました。4回めの来訪です。

ブラッシングカラーズ

2016.09.20

IMG_0210.jpg
ふたつめのソリューションは、ブラッシングカラーズです。経糸に刷毛で染料を直接すり込みます。もちろん、綾織りとの合わせ技もできます。
とにかく、試してみましょうと言うことになり、この日のミーティングは解散しました。
それで、とりあえず、ちょっとだけ、やってみた。綾織りも一部、入ってます。(上の写真)
行けそうだったので、大きな面積でやってみた。綾織り、もっと入ってます。(下の写真)
IMG_0148.JPG
あおさまに、今回のご注文いただいた当初から、「ブラッシングカラーズでは?」と、ちらりとは頭にあったのだけど、あえてご提案はしなかった。
あおさまは、「大胆なのはオッケー」「着物の決まりに添ってなくてもオッケー」とのことだったから、ブラッシングカラーズも、大アリだった。のびのび大胆に染めたの、お似合いになりそう。
それでもご提案すらしなかったわけは、あおさま、このお着物が一枚めだということだった。初心者と言ってらした。それなら、はじめての着物は、コーディネートしやすく、どこにでも着ていける系の着物の方がいいのではないかなど考えた。無難路線と言われても、仕方ない発想だ。

ではどうするか?

2016.09.18

IMG_9258.jpg
あおさま、第二弾の布を見に、我が家にお越しくださいました。3回目の来訪です。遠くからありがたいことです。
あおさま、第一弾、第二弾とも、好きだと言われながらも、鮮やかなクラインブルーをどこかに一部だけでも入れられないかとおっしゃいます。
そうですね。ソリューションはいくつか考えられます。ひとつは、綾織りを入れること。平織は、経糸と緯糸が一本置きですが、綾織りで、経を一本、緯を三本見えるようにします。緯にクラインブルーを使えば、その糸が目に入るという訳です。
ただ、この織り方をすると、欠点がふたつあります。一つは、布としての強度がほんの少々下がります。平織、強いですからね。もうひとつは、布に裏表が出来るので、将来、着物を仕立て直すことになったとき、ひっくり返せないってことです。
そして、もうひとつのソリューションは、、、(つづきはまたね〜。ストーリーは佳境ですよ。)
*写真は試し織りに使った糸。この中から厳選して本番にのぞみます。

第二弾の布

2016.09.16

IMG_0108.JPG
さあ、試し織り第二弾が織り上がりましたよ。湯通しして、アイロンかけて、本番とほぼ同じ条件にします。手前が第二弾、向こう側が第一弾です。微妙ですが、手応えあるね。違う色味が見て取れると思います。
IMG_0111.JPG
アングル変えるとこんな感じ。左が第二弾、右が第一弾です。
IMG_0127.JPG
第一弾のとき、あおさまが、このピンクの糸、気に留められました。これね、ちょっと入れたくなって入れた糸。強すぎるかなって思ったのだけどね。
あおさま、これ、お好きな色とのこと。そっか、しかしなあ。なんせ、強いよ。入れたとしてもせいぜい、見せ場のところに合計で5越くらい?
でもね、お好きならば、入れましょう。もっともっと入れましょう。そのためにはトーンダウンすればいい。綛に戻して、絣にして、一部ピンクを残して、あとの部分を濃い碧に染めます。そうするキツすぎずにピンクを入れられます。
写真のうしろに写っている2本の小管が、ピンクと碧のだんだら染めです。あおさまのお着物の隠し味になりますよ。

試し織り第二弾

2016.09.15

IMG_9458.JPG
試し織り第二弾をするために、新たに緯糸を染めます。もっと碧く!これらの糸は、そのまま本番に使います。ぐんま200の生繭座繰り糸と、真綿紬糸。真綿は2種類。ベースに入れる細目と、アクセントに入れる太目。
それから、筬を入れ替えます。一羽粗いめに入れ直します。そうすると、ほんの少々ではあるけれど、緯糸が打ち込めるので、気持ち、緯糸が目立ちます。一羽粗くするか、二羽にするか、思い切って三羽にするか、悩みました。粗すぎるの怖いんです。きものって、自分の全体重が掛かったり、着付けの時、こん身の力でひっぱるので、丈夫さはマスト。まずは一羽だけにしておこう。
準備ができたら、早速織ります。お、たしかに手応えある。しかし、第一弾と劇的には変らんねー。

試し織り第一弾

2016.09.12

IMG_9232.jpg
あおさまのonly only、試し織りの第一弾は、たたき台のつもりで、どんどん、次々糸を変えて、織りました。途中、あ、グレーに寄りすぎたな、とか、もっと紫をいれてみよう、とか、あ、入れすぎた、とか、ショッキングピンクを入れてみたらどうだろう、とか、とか、とか。とにかく、いろいろ試しました。
IMG_9278.JPG
その試し織り第一弾を観に、あおさま、はるばるお越しくださいました。何とこの春から転勤になられたのです。それまでは、同じ沿線上だったのになあ。やっぱ出来る仕事人は引っ張りだこだなあ。
お久しぶりのあおさま、あいかわらず、自分の空気をまとってるって感じですてきです。
試し織りをちょっと胸元にあててもらいましたら、紫みがつよいところがピタっと似合われます。やっぱ、「青」じゃだめなのね。「碧」じゃないとね。
あおさま、一部でいいのでもっと強いクラインブルーを入れられないかとおっしゃいます。
そうですね、やってみましょう。緯糸を何種類か新たに染めて、筬目もひとつ落としましょう。
試し織り第二弾をお見せするスケジュールを組んでこの日はお開きとなりました。

試し織り、始動

2016.09.11

IMG_9211.JPG
あおさまのお着物、試し織りをはじめます。今回は、経をたててから詰めて行きましょうってことだから、試し織りはガッツリするよ。
海の感じを出すのだから、色数は多い方がいい。碧をたくさん、染めましょう。糸の種類は、座繰り糸と真綿糸を両方用意して、混ぜながら織ろう。どちらかというと、座繰りをちょっと多め。スタイリッシュな感じにしたいから。
1回めの試し織りをしたら、あおさまに見ていただいて、改善点を探って、2回めの試し織りをする。その後は繰り返し。お互い納得するまで。って段取りになっとります。GO!

綜絖通し

2016.09.05

DSC_2315.JPG
あおさまの経糸が決まってから、私は、帯を織り、着物を織り、大麻の布を織りました。その間、水面下で、あおさまのお着物の準備をちゃくちゃくと進めていました。
DSC_2321.JPG
写真は綜絖通し。別に、準備の中で綜絖通しが一番重要ってことではないです。たんたんとやる作業です。もちろんすごく大事にかわりはないですが。
たまたま写真を撮ったので載せます。動画も撮ったのよ〜。編集もしたのよ〜。見てね〜。

あおさま、見本をご覧になる

2016.09.01

IMG_8654.JPG
あおさまの糸、こんな感じです。下に写っている糸が経糸。上に乗ってる糸が、あおさまお気に入りの「試し染めB」です。
いくらなんでもBでは鮮やかすぎる、、、ではどうすればいいのか?悩みに悩んだ結果、経糸のトーンを落としました。
ご実家にお送りした見本をご覧になったあおさまから、ストライクゾーンに入っているとのお返事いただき、完成形で碧を感じられればよいとのことに落ち着きました。
最終的にさまざまな碧の入れ具合はどうやって決めるのだとのご質問がきましたので、それはもう試し織りを重ねて、すり合わせましょうと答えました。土台を作って、その上で試行錯誤を重ねましょう。

経糸、染まった

2016.08.28

IMG_5406.JPG
あおさまの経糸、染まりました。いろいろ悩みましたが、これで行きましょう。鮮やかなクラインブルーの土台になることと、着物としての落ち着いた感じを両方考えておさえたつもりです。
IMG_5419.jpg
完成はこんな感じか。糸見本もつけて、あおさまに見ていただきましょう。
IMG_5429.jpg
これ去年の暮れの話しです。染めの様子はメールで、クリスマスホリデー中の、遠ーく地球の反対側にいらっしゃるあおさまにご報告。
完成予想図と糸見本は、お正月に帰省されるというあおさまのご実家にお送りしてみていただきました。
バリバリビジネスウーマンでいらっしゃるあおさま、どこにいらっしゃるのか、神出鬼没〜、面白い〜。
私はずっと関東の片隅の仕事場におりまして、メールや郵便で繋がらせていただいております。

経糸の染め

2016.08.25

IMG_5362.JPG
あおさまの経糸、まず染める前に、しっかり洗って、油分や汚れを落とします。糸の様子もチェックしながら。
IMG_5393.JPG
ほら、こんなにふっくら。さすが、ぐんま200の生繭座繰り糸です。
IMG_5351.jpg
染めは、酸性染料です。ねらう色は、クラインブルーの土台となる色。碧の引き立て役となる色です。
IMG_5375.JPG
これでどうだ。乾けば3割減くらいの鮮やかさになっちゃうんだけど。

Bでなく

2016.08.20

IMG_5293.JPG
あおさまの経糸の色は、メールでやり取りして、「B」で行くのはやめました。「B」はあまりにも強すぎるように私には思えました。全身クラインブルーという着物は、人にも街にもなじまないのではないか。(へたをすると浮くし、もっとへたをするとケバくなる。)
あおさまも、「B」が好きだけど、全身「B」にしたい訳ではなく、感じられればとおっしゃいます。では、少し、トーンを落として、落ち着いたブルーを経糸にしましょう。クラインブルーは別の方法で入れましょう。それで行くしかないね。
糸は、とてもいいのが手に入った。「ぐんま200生繭座繰り糸」。
これ、群馬県で作ってる「ぐんま200」という品種の繭を、乾燥させず生のまま、手で引いた糸です。あおさま、民芸風はNGとのことだったので、ちょっと細目にしました。スタイリッシュな感じになります。
つやつやでふかふか。コシもあるのよ。うふふ。うっとり。
さあ染めよう。

断然、B

2016.08.17

IMG_4782.jpg
あおさまのonly only、経糸の見本で染めた糸を、厚紙に巻いて、カラーチップを作って、AからEまで記号を振って、郵送して見ていただいた。
直感でどれがお好きですか?
すぐに返事のメールが来て、
断然、Bです。
と。
一瞬ギクリ。あちゃーーー、、、よりによってBですか。それも「断然」、、、、、。
実はこの染め見本、違いが出るように、少々極端に染めている。しかしBだけは、「少々」極端でなく、「とっても」極端に染めたのだ。
どういうことかと言うと、Bの糸は、染料を2種類しか混ぜていない。赤みのある青を染めるために、青に少々の赤を混ぜただけだ。他の染め見本は、少々の黒とか、茶色とか、補色成分を持つ色とかを混ぜて染めている。
それが何が問題かというと、2色を混合するだけでは、単調な感じになって、色に深さが出ないのだ。
単調な色って、どんな色かと言えば、、、そうだなあ、、、例えば、地方の市立中学の、部活動のユニホームの色。判別されやすいことが価値だ。地方の中学校でも、私立だと、ユニホームは学校の宣伝にもなるから、吟味した、凝った色だと思う。
(変なたとえで失礼。地方の市立中学校の部活動のみなさん、ごめんなさい。)
着物に限らず、また衣服に限らず、人間が作ったものはモノは、たいてい何でも色がつけてある。作った人が、使う人の用途や希望に合わせ、色をつけるのだ。鮮やかに見える色も、たいてい少々の補色などで、色を殺してある。その方が、なじむのだ。草木染めは鮮やかな色が染まる植物でも、いろんな成分がまじっているから、一種類の染料でなじむ色になるのだ。
さあ、困った。どうしよう。

経糸の色見本

2016.08.16

IMG_4808.jpg
あおさまとのメールのやり取りはつづき、ひとつの合意点まで行き着いた。それは、経糸は無地で行こうってことだ。
たて縞はあまりお好きでないとのことだし、海がモチーフなら、緯糸で表現するのがいい。経が無地だと、表現の幅が無限大なのもいい。たて縞の経糸をたてると、変更の余地が少ないからね。
よし、では、さっそく試しに染めてみよう。酸性染料で染めてみよう。
今のところ、あおさまが、色のご希望としめして下さったのは、クラインブルーの粉(たぶん顔料の粉)と、牛革の切れ端だ。絹糸でこの色が出せるのか?出たとして、着物としてどうなのか?碧いスーツの写真も拝見しているが、これは、色的には好きだが、今回求めるものではないという、逆の見本としてだ。
それで、染料を少しずつ変えて、5種類の色を染めてみた。

スケッチ

2016.08.09

IMG_9584.jpg
あおさまとメールのやり取りを続ける。実際にお召しになったところのイメージが欲しいとのことだったので、写真があるものは写真を、ないものはスケッチをしてスキャンを添付してメールする。
あおさまからは、「正直言うと完成予想図が描けない」というお返事がきた。私は、なんと正直な方だろうと思った。申し訳ない。
実を言うと、私だって完全に分かっているわけではぜんぜんない。経験と知識と想像力を総動員して、着姿を思い描く。それは雲をつかむような感じ。手を振り回して、必死につかむけど、てのひらを開いてみたら、そこには何もない。その繰り返し。
それでもどうにか、紙に落とすけど、さらに難しいのは、あおさまにお伝えすること。うまく伝わるスケッチもできないし、言葉で説明することもなんか、ウソっぽくなるようで、難しい。
あー、私ってこんなに表現力がないんだと落ち込む日々。

あおさまとバッタリ

2016.08.06

RIMG1482.JPG
昨年の9月の終わりの日曜日、伝統工芸展を拝見しに三越本店へ行きました。こういう展覧会に行くのは、私としては勉強であり、またこう言ってはなんですが、偵察でもあります。
染織のコーナーをひとつひとつ観ていましたら、目の端に、いかにも展示会を楽しんでいる風の、ご機嫌良さげな女の人が写りました。その方、ものすごくおしゃれ。休日らしいカジュアルな恰好で、楽そうなのだけど、完璧だわ〜。
あ!あれは、あおさまだ!
あーいい感じだなー。好きだから見にきたって感じ。自分の目的が偵察なのがちょっと恥ずかしくなりました。
お一人で、ご自分のペースで見ていらっしゃるようなので、声をかけるのをとまどっていましたら、向こうも気づかれましたのでご挨拶。
しばらく一緒に観て回りました。これから織る、まだデザインも未定のお着物のことがお互い念頭にあるのは言うまでもありません。意思疎通の絶好のチャンスです。
展示されている着物に、「こういうのは着物ばかり目立ちます」とか「出番が多いのはこういうのかな」などなど言いたい放題。あおさまはたて縞よりよこ段の方がお好き、民芸的な土っぽさはNGなど分かったのは収穫でした。
*写真は碧い着物を探しまくって見つけた、吉永さゆりさん。すてきだけど、やっぱちょっと衣装チックと思うのよね〜。

メールと郵便

2016.08.04

IMG_9550.JPG
第1回ミーティングでは、デザイン的なことは具体的には決まらなかった。決まっていることは、「碧い色を生かすこと」と「袷(あわせ)のお着物にする」ってことのみ。
もうちょっとすりあわせたいなあ。話しは分かるし、創作意欲はわくのだけど、ピントが全く絞れない。
あおさまとは、飛び飛びでメールのやり取りがつづいた。
あおさまからは、私の旧作をもしも、碧い色に変えたとするとどうなるかって質問がきた。だから、それぞれの作品の糸や染料や、どういうシチュエーションでお召しいただいているかなどお伝えする。
あと、参考になりそうなお着物姿の写真を貼付で送ったり。「ああ、これこれ、こういうの」ってのを見つけたかったのだけど、見つからず。
そうこうしているうちに、あおさまからイブ・クラインの碧い粉と、碧い牛革の端布が郵送されてきた。(上の写真)
ドキッとするほど、鮮やかなクライン・ブルー。これは自然の色ではないな。いや、もしかしたら、岩石など自然由来の色なのかもしれないが、普通は自然にはない色だ。それすなわち、着物の色にしにくいってことだ。
牛革のほうは、クライン・ブルーよりは落ち着いているけれど、単体で見るとそうとう強い。もしこのままだったら、仲居さんのお着物のケありだね。または、外国の学校の制服の色という感じもする。
それから、あおさまが碧いスーツをお召しになったところの写メもいただいた。ほら、海外派遣スポーツ選手団のようだという話しが出てた分です。たしかにそう言えなくないが、さすが、碧、お似合いね。でもこのままでは着物にならないし、あおさまもそれを求めていらっしゃる訳ではないのも了解済み。
さあ、どうする?

第1回ミーティング

2016.07.29

スクリーンショット 2016-07-30 8.48.55.png
昨年の8月1日は、とても暑い日でした。午後2時、あおさまとご友人のSさま、我が家にお出で下さいました。
はじめまして!
あおさまは、すらっと背が高い、カッコいい、出来るタイプのお方でした。暑い休日だから、ラフな恰好で、それが何気ない感じでおしゃれです。
エアコン入れようとしたら、入れない方がお好きとのこと。では季節を楽しみましょう。
今日は、どんなお着物にするか、具体的には決まらないと思います。大まかなお話になるでしょう。
あおさまが、思い描いているのは、碧い海。ベリーズのブルーホール。
新しくでてきたキーワードは、イヴ・クライン。クラインブルー。
うっわー、ますます着物と縁遠い感じだなあ。。。こりゃ、大変。どうしよう。接点、みつけるぞ。
あおさまとご友人Sさま、いろいろ考えて下さってまして、碧い着物は下手すれば、「売れない演歌歌手」みたいになりそうって危惧されてました。おー、言い得て妙。
それから、あおさま、このクラインブルーの色の、パンツスーツをお持ちだそうで、それをお召しになると、「スポーツ選手団の海外派遣の制服」みたいだそう。そっか、そうかもね。あおさま、スポーツウーマンタイプでもあるからね。
私としての心配は、濃い色の着物で、無地っぽくすると、「旅館の仲居さん」みたいになりはしないかってこと。せっかくonly only なのに、それではもったいない。
個性的なのはオッケーで、絣や飛び柄もオッケー。では、ブラッシングカラーズも範疇ね。
あおさま、次の年のお誕生日で、生誕半世紀だそうです。では、それを目標に作りましょう。2016年の10月です。
スクリーンショット 2016-07-29 22.48.25.png
あおさまとSさまは、これから花火に行かれるそう。花火も大好きとのこと。好きがしっかり確立しているあおさま、とってもカッコイイのです。

あおさま、メールのやり取り

2016.07.27

スクリーンショット 2016-07-26 21.39.55.png
あおさまとメールのやり取りを何回かした。私は、過去の自作を紹介して、この部分がもし碧だったらこんな風になりますなど、説明した。お互いピンとはきていない状態だと思う。
そんな中、あおさまが、「これから一枚目を買おうとしている初心者なのに生意気かと思いましたが、こだわりの選りすぐりの着物を持ちたいので、相談をはじめさせていただけないでしょうか?」とメールをくださった。
生意気なんて、そんなそんな。そんなこと全くありません。私としては、ご注文の早い時期に一度お会いできるのは、大変にありがたいこと。意思疎通の一助になります。
それで、去年の8月1日土曜日の午後、ご来訪いただくということになりました。あおさまは、我が家と同じ沿線上にお住まいなので、お越しいただくこと自体は、そんなにハードル高くありません。
この日はちょうど、関西在住のあおさまのご友人が上京中ということで、ご一緒なさることになりました。このご友人、すばらしいんです。着物好き、着物通、知識もあって、あおさまの親身にアドバイスされたり、着物一式を貸されていたり、、、いやあ、こういう方がいて下さると、これから着物を着たいって方のハードル、ぐぐっと下がりますよね。
ご友人も、あおさまが着物に目覚められたのをとてもよろこんで、心から応援してらっしゃるようです。うらやましいなあ、あおさま。
*写真は、ブルーホールの画像検索。スクショです。

あおさまにお返事

2016.07.25

1322028518_3.jpg
「すてきだと思いますよ。」
あおさまからのメールに、まずはそうお返事した。ブルーホールの画像を見ていたら、こんな色の着物を着たいって気持ち、分かる気がした。
たしかに、ウルトラマリンの着物ってみない。特に織りの着物では全く記憶にない。どこに着ていくのとか、格はどうなのとか、ウザいことは考え出したら、きりがない。
気になるのは、あおさまにとって、一枚目の着物となるってことだ。一枚目なら、もう少し合わせやすくどこにでも来て出掛けられる方が、普通はおすすめだ。淡い色の方が着やすいと思う。
しかし、簡潔なキリッとした文章から、「普通は」とか「一般的には」とか、そういうものを求めていらっしゃるわけではないんだろうなってことも伝わってきた。
それで、
「好き」「この色の着物を着たい」ってことを第一に考えていいと思いますよ。
とお返事した。
もしも絵羽仕立てにするのであれば、白や薄いグレーのベースに、碧を入れるってのも考えられる。そうすると、ちょっと正式っぽくもなる。可能性はいろいろなのだ。
*写真はネットで見つけたファインドトラベルさんのサイトからお借りしました。

あおさま、スタート

2016.07.24

04272.jpg
さあ、新しい only only をはじめましょう。今回の主人公は、「あおさま」です。あおさまの「あお」は「碧」。青でも蒼でもありません。深く美しい海の碧です。
あおさまが、はじめてメールをくださったのは、1年とちょっと前の、6月の14日のことでした。
そこには、ご自分が着物の初心者であること。色にこだわりがあること。ご友人のすすめで、紬がいいと思ってらっしゃることなどが、簡潔に書かれてました。
お好きな色は「碧」。「ウルトラマリン、あるいはそれに近い色」。イメージは、「ベリーズのブルーホール」とあります。
ほぉ、ベリーズ、、、、どこだっけ??カリブ海?ブルーホールって、えっと、、、、。早速検索する私。
うわあ!だーっと現れる、碧い画像にひきこまれる。地球上にこんな所があるなんて。
あおさまのメールは、「碧い海のような着物が欲しいのですが、紬の着物で、ウルトラマリンはどうなのでしょう、あり得るのでしょうか」「色を優先した場合、どういう着物が考えられるのでしょうか」とお聞きです。
*写真はブルーホール画像ギャラリーから拝借。これぞ碧だねえ。この目で見てみたいものだ。

カテゴリー