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《 目次 》
1. 資本主義
2. 着飾ること
3. 寂しい生活
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1. 資本主義
先日、東京、京橋のリクシル ギャラリーで開催中の、「織物以前 タパとフェルト」展を拝見してきました。レクチャーにも申し込んでいたので、とても面白い話も聞くことができました。
講師のお一人、福本繁樹先生によると、「資本主義経済の中からは、ものすごいものは出てこない」そうです。
他人よりも抜きん出て、もっと目立って、たくさん稼いで、、、、という資本主義的思想の中からは、本当にいいものは出来ないと。
資本主義の競争の中でもまれた方が、いいものが出来そうと思いがちですが、そうではないんですねえ。
なるほど、確かにそうかもしれません。圧倒的にすごいものというのは、別次元で作ってますよね。例えば、ピラミッドとかがわかりやすい例かと思いますが。ああいうものは、決して競争原理からはできませんよね。
資本主義どっぷりの中に生まれ育った私ですが、どうにかヒントをつかんで、少しだけでもいいから、別次元の何かを取り込んで行きたいです。心身ともに鍛えていけば、いつか近づけるかな?
ブログに、この日のことを書いてます。よかったら。
http://www.someoriyoshida.com/4250
2. 着飾ること
福本先生のお話でもうひとつ心に残ったことは、わが身を着飾る装いのことです。
人類は、原初の頃から着飾ってきました。衣服が発明される前は、肉体に入れ墨をして、自分を飾り立てました。男も女もです。戦いに出るときは、最高に飾り立て、勇敢さを表現し、自分を鼓舞しました。
私はふと、今年、問題になった、成人式の振袖も、その飾り立ての一例だなあなんて思いました。
着飾ることは、本能でしょうか?人類の文化そのものでしょうか?
とかなんとか言いながら、この日私は、ほぼすっぴんの上、寒さと多忙に負け、まったくお洒落でない、防寒第一簡単洋服でした。
講師の福本先生も、グレーの背広姿で、ご自分のスタイルなのでしょうが、着飾ってらしたとは言い難かったなあ。
着飾ることが、人類の根源的な文化なら、現代の文化レベルは、、、、どうなのだろうか?
3. 寂しい生活
資本主義とアートの関係を考えておりましたら、ふと、以前読んだ、稲垣えみ子さんの「寂しい生活」という本を思い出しました。
稲垣さんて、アフロヘアの元新聞記者さん。この本は、原発事故をきっかけに、稲垣さんが、節電に目覚め、家電をどんどん手放し、電気に頼る生き方に疑問を持つという内容です。
この本に、冷蔵庫ができる前は、食品の保存がほとんどできなかったから、作り置きができず、おかずを作りすぎたら、ご近所におすそ分けしていたと書いてありました。それが冷蔵庫ができ、いくらでも保存ができるようになり、我が家にため込むことになったと。
どんどん買い物をして、どんどんため込み、どうしようもなくなって捨てるのが現代社会だと。ここんとこ読んで、これでは循環がなく発展がないよなって思いました。
外に出して回した方がアートなのに。結合反応起こして何か始まるかもしれないから。
(ま、もしも現実でおすそ分け文化が復活したら、ちょっと面倒くさいかもしれませんけどね)
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染織吉田 吉田美保子
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