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おはようございます。
昨日は暖かい春の日でした。お住まいのあたりはいかがでしたか?
急に暑くなって、樹木や生き物が、一気に勢いを増したように感じます。
気配が濃くなったというか、、、、、
自然はすごいなあ。
それに引き換え、ダメ人間の私は、「あちー」と陽を避けて、タジタジとなっております。
今日のメルマガは、まだ暑さもそれほどでもなかった先週の月曜(桜満開の日)のお出かけのことを書いてます。
お付き合いください。
《 目次 》
1. ワイルドシルクミュージアム
2. 館長さん
3. 深川蚕(ふかがわさん)
4. イモムシ
1. ワイルドシルクミュージアム
東京の深川に、ワイルドシルクミュージアムという私設のミュージアムがあります。
存在はずっと知ってましたが、一体どんなミュージアムなのかも知らなかったし、開館日が週に二日のみなのもあって、未知の場所のままになっていました。
誘っていただいて初めて訪れたそこは、小さなビルの一階で、ミュージアム自体も可愛い感じで、小洒落た路面店の様相。
が、一歩踏み入れるとと、その小さな空間に、目一杯の展示物とともに、蚕への愛、豊富な知識、実行力、なんでもチャレンジしてみる精神が、ぎゅっと詰まっていました。
2. 館長さん
ワイルドシルクミュージアムの館長さんは、坪川佳子さんとおっしゃる、素敵な雰囲気の今どきのスマートな女性なのですが、淡々としていらっしゃる印象なのに、実は、濃くて、熱くて、広くて、大きく、深かった。
世の中にはすごい人がいるものだ。
3. 深川蚕(ふかがわさん)
野蚕(やさん・家蚕以外の蚕)の名前は、「@@蚕(さん)」とつけられていることが多いです。例えば「天蚕」「柞蚕」「ムガ蚕」「与那国蚕」「タサール蚕」「エリ蚕」「神樹蚕」など。
それらは、野生か、または人間が繭を利用するために、餌になる樹木に網などを張り飼育しているのがほとんどと思うのですが、なんと、坪川さんは自宅マンションの部屋で飼っていらっしゃるのです。
そして、なななんと、別種の野蚕同士を自分で交配して、何代も育て続け、新たな品種を作り、地名にちなみ「深川蚕」と名付けられたのです。
「エリ蚕」と「神樹蚕」のハイブリッドだそうで、彼らが吐く糸はきれいなオレンジ色。オレンジ色のふわふわした繭も見せていただきました。(エリ蚕は白、神樹蚕は薄茶の糸を吐きます。オレンジ色ではありません)
びっくり!すごすぎです。
4. イモムシ
坪川館長は、この日、ご自宅マンションから、深川蚕のイモムシ2頭を自転車に乗せて、連れてきてくださいました。
家蚕とは全く違って、ツンツンしているし、緑色です。
餌のネズミモチの葉をたくさん食べてるのか、ぷっくら健康そう。
ネズミモチの葉は、ご友人の造園家さんから分けてもらうほか、マンションの屋上で育てていらっしゃるとのこと。
深川蚕を育てているのはマンション室内だそうで、繭から蛾が出てきて飛びだすと、部屋に鱗粉が舞うそうです。
へーーーー!
私は家蚕のことはほんの少々でしたら机上の知見はあるのですが、蚕の種(卵のことを種と言います)の取ることは、とても難しく専門の業者が厳しく管理して行なっていると聞いているものですから、野蚕とはいえ、個人が交配させて、種を取って、孵化させて、幼虫を育て、繭にして、蛾にして、交配させて、、、を繰り返していることに心底驚きました。
人間てすごいなあ。蚕の可能性を広げているのは人間だな。思い込みを外さねばなあと思いました。
*ワイルドシルクミュージアムのサイト
https://wildsilk.jp/index.html
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きものと帯の注文制作
染織吉田 吉田美保子
完全注文制作ONLY ONLY、たたさまの帯、とうとう織りに辿り着きました。
今回は経糸と緯糸を、あえて同じにしました。今回は糸がとっても面白いので、その良さを出すには、同じにしようという判断です。バランスを見て変える時もあるのですが、今回は全てが同じです。直球勝負なのも、吉澤さんとたたさまのイメージです。
その糸を、小管に巻いて、杼にセットして、準備万端。姿勢をただし、同じ力で打ち込みを重ねていきます。
ただただ、淡々と。
完全注文制作ONLY ONLY、たたさまの八寸帯、デザインが決まりましたので、実物大の図面に落とし込んでいきます。織り縮み率を何%で計算するのかが考え所です。
染料も本番用に整えます。今回は悩みに悩んで、結局、ロイヤルブルー、レモンイエロー、エメラルドグリーン、イエローグリーン、ビリジアン、ライトグレーの6色にしました。全てがキリッと冴え渡るような、吉澤カラーです。
ここまできたら、後はもうやるしかない。いよいよ本番。計算して出た場所の経糸に、染料を含ませた筆や刷毛を下ろして染めていきます。
まずは、キーカラーのロイヤルブルーから。
たたさまが吉澤さんのお別れ会でもらわれたリボンの色です。この色が、おタイコから前帯部分までスックと貫きます。
そしてロイヤルブルーの周りを、吟味した色たちが楽しげに囲みます。
ブラッシングカラーズが終わって、しっかり乾いたら、巻き取ります。テンションを揃えてしっかり固く巻いていくのがミソです。
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*写真は楽しかった館林ツアーから。同行のお仲間が撮ってくださったものも混じってます。
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おはようございます。
先日、群馬県の館林(たてばやし)に行ってきました。天気は良かったのにすごい風で、さすが空っ風の本場を実感しました。
車に乗せてもらっての移動だったのですが、駐車場から建物に入るまでの短い間に吹き飛ばされそうに、、、。
髪の毛が乱れまくりで、この土地ではきっとヘアセットの技術が特化しているに違いないと思いました。
もし私が住んだら、ベリーショートにするかもです。
《 目次 》
1. たたさま、進んでます
2. 館林に行った
3. メノキさんのクラファン
4. 彫刻家の三輪さんと着付け師の吉澤さん
1. たたさま、進んでます
完全注文制作ONLY ONLY、たたさまの八寸帯、少しずつ進んでおります。
ブログに制作工程の物語を書いて、SNSにリンクしますと、ポツポツと感想などいただけ嬉しいです。
一話目を X(Twitter)に投稿しましたら、
「いい話だなぁ。誰かを想うための帯っていいですね。今後の流れが楽しみです。」
といただけ、我が意を得たりととても嬉しかったです。
誰かのために装ったり、誰かを想うために装ったり、そういうこと、着物だと結構あります。
着物は人と人との優しいつながりでもあるんだなあ。
たたさまの「お師匠さんを想う帯」、ただいま4話目まで進んでおります。ぜひご覧ください。
https://www.someoriyoshida.com/category/only-only-注文制作/たたさま
2. 館林に行った
館林でのお目当ては、群馬県立館林美術館で開催中の「ヒューマンビーイング」展でした。
とあるコミュニティで一緒の方が、この展示に参加されている盲目の彫刻家三輪途道(みわみちよ)さんが代表の一般社団法人メノキのメンバーで、お誘いくださったのです。
こんな機会でもないと、館林市なんて、行くことないだろうなと思って。久喜から東武線に乗り換えた途端に、なんだか空気が変わって旅気分になります。
北関東、なかなか縁がなく、訪ねたことは数えるほどなのですが、それでも層が分厚いというか、豊かで面白い土地柄だなと行くたび思います。
(北関東は外国の方も多く、エスニックなお店がたくさんあります。パキスタン料理のビリヤニをいただきました。美味しかった!)
3. メノキさんのクラファン
そのメノキさんが「みんなとつながる上毛かるた」の改良版を制作したいということで、クラウドファンディングをされています。
私、2月に少々ながら支援したのです。
そうしたら、【活動報告】がたびたびメールで届いて、なんだかとても嬉しいのです。
そのメールの文面が、とても優しく丁寧で、まっすぐで、かつ長すぎず読みやすい。
自分が応援した方々が、一生懸命活動されているという姿に触れられるのは、なんだかほっこり温かい気持ちになります。
この活動報告受け取るだけでも、クラファンしてよかったなあーって思うのです。
クラファンは、3/31までの開催のようです。ラジオも配信されていて、そちらもとても良いです。
https://camp-fire.jp/projects/view/734721?list=watched
4. 彫刻家の三輪さんと着付け師の吉澤さん
彫刻家の三輪途道さんのことは、お名前を知ったのもつい半年ほど前のことなのですが、作品を拝見したりビデオや人伝のお話などを聞いて、目のご病気でだんだんと見えなくなるという状況下で、また完全に失明されてからも彫刻を続け、新たな境地を切り拓いておられることに感銘を受けてます。
目が見えていた頃の作品、見えなくなってからの作品、どちらもいいのです。
一方で、たたさまの帯に取り組むことで、たたさまの師匠である吉澤暁子さんのことを思っています。吉澤さんは、活躍の真っ只中で、ご病気で亡くなられてしまったけど、生き生きと生き抜かれ、今なお多くの方に慕われ、輝いておられます。
お二方、それぞれの生き方、強さ、美しさに触れられて、身が引き締まります。憧れますし、ありがたいです。
染織吉田のメルマガ、《 some ori 通信 》124通目のメルマガ【館林号】をお読みいただき、どうもありがとうございました。
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きものと帯の注文制作
染織吉田 吉田美保子
完全注文制作ONLY ONLY、たたさまの帯、そろそろデザインを詰める時となりました。
まずはスケッチ。
今までに色々お話ししたことを反芻しながら、自由に描いていきます。私の過去作品で一番お好きだとおっしゃってくださったのの発展系や、吉澤さんをイメージしたカラーでまとめたもの、太子間道がお好きとおっしゃっていたのでそのイメージのもの。
なんでも自由に。可能性はどんどん広げようと思って。
それをたたさまにお見せしたら、速攻でお返事が来て、「吉澤先生のイメージのもので」とおっしゃいました。
では、吉澤さんが求めてくださった帯の色を再現してみよう。(吉澤さん、この帯を求めてくださいました。→⭐︎)
パソコン上で、吉澤カラー、白地ベース、たたさまがお好きなデザインで、色々やってみます。プリントアウトして、帯の形にしてみます。
うーん、もう一歩なんだよなあ、吉澤さんに辿り着かない。
ふと、我が家の壁に目が行きました。青い細めのリボンをひと結びして留めて飾っています。
これ、吉澤さんのお別れ会の時に、参加者に色別で配られてみんなが身につけていたのです。吉澤さんのお好きな色ばかり。リボンを身につけると言うのも着付けの先生らしく。吉澤さんを支えてこられた近しい方々のお心配りにもジーンとしたのでした。
私は濃い青色をいただき、お別れ会が終わっても手首に結んだまま新幹線に乗って、帰り着いてうちの壁に飾ったのでした。
たたさまはどうしていらっしゃるかな?
早速お尋ねすると、車のミラーに結んでいるとのこと。やはり身近に、大事にされてたんですね。お色は紫がかった青だそう。ロイヤルブルーといってもいいかも。吉澤さんドンピシャのお色です。
これだな、吉澤さんを想う帯にふさわしいモチーフは。このリボンをデザインの核にしよう。
今も吉澤さんと繋がっている。吉澤さんが作らせてくださる。
さらに色の調合を重ねて、試し織りをしてみました。
たたさまのONLY ONLY、経糸(たていと)の準備をしています。
整経から機(はた)に掛けるまでは、地道な作業の積み重ねです。
今回使った糸は、節や毛羽が多い面白みのある暴れん坊の糸です。こんな糸、手織りでもなかなか扱えないぞ。
無謀と思えることでも、一つ一つを丁寧にこなすことで、想定を超えた織物ができると思っています。
今回使っている糸は一種類なのですが、重さを測って太さに分けて木枠に巻き、整経の時は、太い糸同士、細い糸同士が並ばないように配置しています。全体的に整った印象になるし、小さなリズムになる。
こんなことは布になってしまえば分からないのですが、きっと、たたさまと吉澤さんは感じてくれるのではないかなって思っています。
「ヨシダさんが思う、吉澤先生を織ってほしい。」
難題ですが、たたさまのお気持ち、シカと受け止めます。
吉澤さんは抜群のセンスで、なんでもカッコよく着こなす方でした。「吉澤カラー」というのもお有りでした。
初めは、色から考えこんなものもいいなと、突っ走って試し織りまで行きましたが、ちょっと違ったみたい。
3人でズームで話したことをひとつひとつ反芻して、そうだ、今回、白地にしようと思いました。白地のものはあまり持っていないとおっしゃっていたので。
「なんで、白地を避けてきたかというと、着物や帯は、綺麗に着て、次の方に受け継いでもらうものと思っているから、白は汚れてそれができなくなる。でも、最近、大事にすれば白もいいなと思うようになってきた。やっと白を締める責任感を持てたように感じるというか、、、」と。
さすが、着物を広める立場の方です。
たたさまもすごいけど、たたさまが師匠と仰ぐ吉澤さんもすごい。愛情が受け継がれているなあ。
よし、今回、たたさまに、白地に吉澤さんカラーが飛ぶ帯をお作りしたい。糸の準備とデザインを並行して進めよう。
今回は群馬県の碓氷製糸さんから低張力で引き出した糸を取り寄せることにしました。使い辛く一筋縄ではいかない糸ですが、味があって面白みがあります。
動画で、糸の下準備をしているところ、ご覧ください。
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*写真は最近の東京散歩から。月に一回、神保町の漢方内科に通ってます。帰りにフラフラと、江戸や明治の香りを嗅ぎながら写真を撮っています。
*最後の写真はこれまた月に一回通っているパーソナルトレーニング。生まれて初めてベンチプレスを上げる私。
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123通目のメルマガ【たたさまスタート号】をお届けいたします。
こんばんは。いかがお過ごしですか?
暖かくなったと思えば、急に寒くなったり。雨が降ったり、風が吹いたり。体も心もびっくり状態ですね。
お体、大丈夫でしょうか?
もうすぐ3月、本格的な春もすぐそこ。楽しみに待ちましょう。
《 目次 》
1. たたさまスタート
2. 大地をまとう「自然布」講座
3. 大井川葛布さんのZOOM
1. たたさまスタート
完全注文制作ONLY ONLY、新たな物語をスタートさせています。
今回のヒロインは「たたさま」。たたさまの大事な人を想う帯を作ります。
誰かを想うために装う。着物の醍醐味と思います。それをお任せいただけるとは、なんとありがたいことでしょう。心して取り組みます。
伴走をお願いします。
ブログ《たたさま物語1》
https://www.someoriyoshida.com/12959
2. 大地をまとう「自然布」講座
宵衣堂の小野健太さんが講師のZOOMレクチャーを受けています。
このレクチャーは「大地をまとう 自然布」というタイトルで、さまざまな素材・技法について、小野さん独自の切り口で解説していくものです。
先日は第一回で、木綿にフォーカスした回だったのですが、めっぽう面白かったです。
知っているようで知らないことばかりで、引き込まれて視聴しました。
講義の要旨はあらかじめPDFで配布されますので、プリントアウトしておいて、それに書き込みをしながら受講できるようにしてくださってます。おかげで、木綿のことについては、相当飲みこめたぞと自信になりました。
準備万端整えて講義への臨んでくださっていることに感じ入りました。
この講座は全12回で、2か月1回の開催です。最終回は、2025年の12月。なんと、長丁場でしょう!その頃、世の中は、皆様は、私は、どうなっているでしょう?
講義で歴史の話も多く出ますが、2か月に一度、過去を学びながら、現在を見つめ、未来を見据える貴重で楽しみな時間になりそうです。
この講座は、今からでも申し込めるみたいですので、興味をお持ちの方にはおすすめです。
https://kuzufu.net/corner854803/pg5187897.html
12回一括でも一回ずつでも申し込めるようです。わからないことは大井川葛布さんにお問い合わせになるといいと思います。
https://kuzufu.net/corner854803/pg4414151.html
3. 大井川葛布さんのZOOM
今回私が受けている自然布レクチャーは、大井川葛布さんが主催する染織ZOOMレクチャーの一環です。
大井川葛布さんのZOOMレクチャーは、コロナ禍の外出自粛期間に始められたのではなかったと思うのですが、染織マニア(染織オタク?)に支持されて、いろんなシリーズが開催され続いています。
それぞれすごくマニアックなので、講義をする方も受ける方も、大概だなと思うのです。
始まってすぐは、ZOOMを使っての講義が根付くかなと思っていたけど、すっかり普通のことになりました。
こんな深い話、他では聞けないと思います。対面の講座などより、よっぽどピンポイントだと思うことも。
大井川葛布の村井親方、時代を切り拓いて、さらに深く、また裾野を広げていらっしゃいます。
なんでもそうかと思うのですが、長く続けていると、すごい人とかすごい動きとかに遭遇できてうれしくなります。
染織吉田のメルマガ、《 some ori 通信 》123通目のメルマガ【たたさまスタート号】をお読みいただき、どうもありがとうございました。
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きものと帯の注文制作
染織吉田 吉田美保子
さて、新しい物語のスタートさせるといたしましょう。
今回のヒロインはたたさまです。
たたさまと初めてお会いしたのは、2022年に京都のラソワさんで開催していただいた「吉田美保子展 ボンジュール」の会場で繋がったズームの画面越しでした。
ラソワ主宰の吉澤暁子さんと3人で、楽しく、ONLY ONLYのご相談をさせていただいたのです。
たたさまは、着物歴も長く、知識も経験も豊富で、あふれる着物愛が伝わってきました。
吉澤さんの着付けのお弟子さんですが、ご自身でも着付け教室を主宰され(この時は準備中でしたが)、たくさんの人に愛されるお人柄が伝わってきました。
吉澤さんもたたさまのことを「軸がしっかりしていて正くて強い人。」と評されてました。
基本的に任せていただけるとのことで、「ヨシダさんが思う、私に似合う帯を作ってほしい」とのこと、それは、自分で好みを言うと似た感じばかりになるからという理由でした。
急がないという言葉にゆっくり目に計画させていただくことにしました。
それからたった一年と数ヶ月後、、、、
なんたることか、、、、、青天の霹靂とでもいうのでしょうか、吉澤さんが逝去されてしまうという、まさに青空が落っこちてきてしまうようなことが起こりました。
たたさまも大変なお悲しみようで、すぐに連絡をくださり、このONLY ONLYを、
「ヨシダさんが思う吉澤先生を表現する帯に変更してほしい。そして私はこの帯を吉澤先生と思って、着物を着れる限り大切に大切に締め続けたい」とおっしゃいました。
それで、計画を変更して、私にとっての吉澤さんを探る旅に出ることになりました。
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染織吉田のメルマガ、《 some ori 通信 》にご登録いただき、ありがとうございます。
122通目のメルマガ【糸つむぎ号】をお届けいたします。
2024年が始まりました。
いかがお過ごしでいらっしゃいますか?
年明けから大変なことが続きますね。
このメルマガを読んでくださっている方の中にも、大変な目にあわれた方もいらっしゃるかもしれません。
まだまだお辛い状況と思います。心よりお見舞い申し上げます。
もう30年以上になりますが、能登半島をドライブしたことあります。
砂浜にハンドルを取られていたら地元の人が押してくれて助かったり。朝市でぶらぶら散歩したり。
宿のお膳の輪島塗りの素晴らしさに目を見張り、手に持つ感触や、唇が触れる柔らかさに驚いたり。
懐かしいいい思い出です。
多くの人が思いを寄せて、忘れずにいることが、復興につながると思っています。
2024年が、世界中のみんなにとって、平和で、健康で、優しい年でありますように。
《 目次 》
1. 吉倉ますみさん
2. 糸を紡ぐ
3. ずり出しの着物
4. ずり出しにチャレンジ
1. 吉倉ますみさん
松が取れない頃に、染織家の吉倉ますみさんの工房を訪ねました。
吉倉さんは、ご自分で作った独自の絹糸なども使って、主に着尺を織っていらっしゃる作家さんです。
最近私もモーター付きの鋳物の紡ぎ機を手に入れ、見よう見まねで紡ぎ糸を作るのですが、なかなか思うようにいかず、一度吉倉さんに教えていただきたいとお願いしての訪問でした。
染織にまつわることをいろいろお話ししながら、楽しい1日を過ごさせていただきました。
吉倉ますみさんのブログ http://breeze-09.cocolog-nifty.com/blog/
2. 糸を紡ぐ
「真綿紡ぎ糸」をどうやって作るか、ご存知でしょうか?
定義や作り方は産地によっていろいろなのですが、基本的には、繭を柔らかくして広げたもの(=真綿)から繊維を引き出して糸にします。
つむぎ機を使うと、軽い撚りがかかり、かつ、完全な手作業よりはハカがいっていいのですが、これが手に入らないのです。
昭和の一時期出回っていたものですが(新しくはずっと製造されてません)、私はそれを25年探していて、やっと昨年ご縁があって、修理をしてもらって、晴れて我が家にやってきたのでした。
それでおっかなびっくり、興味津々で使っているところなのです。
私がやっていたのと吉倉さんのやり方は似ているようで、細かく見ると、いろいろ違いました。
紡ぎ機を置く台の高さとか、目線とか、真綿を押さえる場所とか、糸を送り出すタイミングとか。
安定して長時間、淡々と続けることが大事なのだなあ。
これが、ものづくりの基本と思いました。
(紡いだ糸たち。一番上のはずり出し糸)
3. ずり出しの着物
「ずり出し」という糸の作り方があります。真綿紡ぎと似ているのですが、違いは真綿にせず、煮たままの濡れた繭から糸を引き出して作ること。(これも地域によって定義や作り方は違うと思います。)
最も原始的な絹糸の作り方と言ってもいいのではないでしょうか。
ずっと気になってましたが、今までやったことはありませんでした。
吉倉さんは着物一反の緯糸、全てずり出しで織ったことがあるそうで、そのお着物を見せていただきました。
いい着物だなあ!ふっくらして、上品さとワイルドさが共存している感じ。さすがです。
(水分を含ませた繭。白いのが自分で育てた繭。緑色のは天蚕)
4. ずり出しにチャレンジ
手元にあった、たった5粒の繭をw吉倉さんの工房へ持って行ってました。これを使って、ずり出しもやらせてもらいました。
繭をお湯につけて浸透させて、重曹を入れたお湯で煮て、柔らかくなったら、濡れたままの状態で軽くほぐします。
そうすると、一本一本の繊維の形が見えます。蚕が首振ったままの細かいウェーブがそのままなのです。
ほうっ!これが3デニールの蚕が吐いたままの絹糸か!
その繊維を引っ張るとズリっと引き出されてきます。
ウェーブした極細の糸がくっつきあい、ある程度の太さにまとまってくるので、それを太ももの上で、手のひらでこねるように撚りをかけ、そのまま床に置いたザルに落としていきます。
ザルには、豆やおはじきなどを入れて、絡まるのを防ぎます。
糸になった~
お蚕さんが作った繭が糸になる。そして布になる。
原始的なやり方になればなるほど、興味と面白みが深まります。
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