シンプルに、スッキリと、、その二言を目標に織りました。色数を限定して、余計なことはせずに、淡々と。削ぎ落とした感覚を目指して。
それが、現代を生きる大人の女性の、自分らしさ、でもあると思ったから。制約がある方が、かえって自由ってこともあるよね。きちんとしている方が楽ってこともあるし。そんなイメージも持ちながら織りました。
コンセプトはそうなんだけど、この三角のイメージの元々のソースは、何と画家のアンリ・マチス。マチスが晩年、神父様のケープを作ったでしょ。あれにヒントをいただいた。
マチスの画集に、デザインしたケープの写真が載ってて、それがものすごくかっこよかった。しかし、その写真、モノクロなのだ。何色だったんだろうな。青かな?などと思い、この帯を作りました。
そのマチスのデザインしたケープに、現代の女性の生き方と何か通じるものを見た気がするのです。キリッとしてて可愛い、みたいな。
マチスの画集、下に参考文献としてのせますね。
緯糸に和紙の糸も使ってますので、しゃりっとした感覚があります。しかし、夏用というわけではありません。盛夏をのぞいたスリーシーズンに、気軽に締めていただけます。
それに軽いのだ。(325g)
帯に軽さを求められること、多いのです。「帯が軽いと疲れないの。気軽だし。ね、そんなの作って。」って着物通の方に、よく言われます。
そんなご要望にお応えしたく、試行錯誤の日々。この帯はうまくいったと思っています。緯糸に入れた和紙の糸がよかったね。
前帯あたりは、こんな感じ。青の染料は酸性染料。きれいな発色です。
前帯の部分を筒状にしてみました。
前帯のディテールです。
ブラッシングしてないところのディテール。緯糸に入る、藍と、ブルーグレーと、真っ白の筋は、同じリスムの繰り返しです。スッキリとした表情を際立たせていますね。単調なのが心地いい。
地の緯糸は、和紙の糸と、太い真綿紡ぎ糸と、座繰り糸の3種類の糸を使ってます。織るときは、杼(織る道具、シャトルとも言う)を3丁使って、追っかけながら織ってます。
この帯は、タイコとタレと前帯に、ブラッシングカラーズの柄があります。上の写真、手前がおタイコ、向こうに前帯の柄がチラッと見えますね。
手先やおタイコの裏は無地です。
ルーペで、のぞいてみましょう。緯糸に3種類の糸が入っているの、わかりますね。地は平織りですが、青い銀糸のところは、綾織りです。だからそこだけ目立つのです。
小さいルーペでのぞいたところ。
緯糸(よこいと)に使った糸です。
=上から=
-とても薄いブルー(和紙糸)
-とても太い真綿糸、柔らかい(絹糸)
-細くてピカピカ輝く座繰り糸(絹糸)
-ごく細いブルーグレー(銀糸)
-深く濃い藍色(絹糸)
=経糸(たていと)は、すべて絹糸です=
帯のサイズなどのスペックです。こんな帯だってこと、お伝えできれば。お求めくださった方、コピー、プレゼントしますね。
これがイメージソース。マチスの画集。 matisse -his art and his textiles [royal academy of arts]
ね、すっごくイカしてるでしょ。
品番 | J-5-7 |
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商品名 | 八寸帯 スタイリッシュな三角 |
長さ | 1丈3尺2寸5分(約5m) |
幅 | 8寸1分5厘(約30.8cm) |
重さ | 325g |
こんな時に | カジュアルなお出かけなどに。 |
価格 | ¥21,6000(税込) 帯地のお値段です。仕立ては含まれません。 |
注意事項 | 帯地のままでのお納めとなります。染織吉田では、お仕立ては承っておりませんので、ご面倒をおかけしますが、仕立て屋さんにご依頼ください。「お仕立てについてのご説明」を添えますので、あなたのサイズ、あなたの好みで仕立ててもらってください。ご存知の仕立屋さんがいらっしゃらない場合は、頼りになるところをご紹介いたします。 |