
こちらは、工房移転を決めてから織り上げた一枚。
関東での29年にわたる染織の集大成ともいえる着物です。

これまで、やりたくても技術や知識が追いつかず、形にできなかったこと。
それが、潮が満ちるように、さまざまな条件が整い、ようやく手がけることができました。
本作では、ずらしの技と摺染(すりぞめ)を組み合わせた新しい試みをしています。
経糸の準備段階で“ずらし”を施し、摺染で染め、そして再びずらしを戻す。
その工程により、同じ染めの位置が微妙にずれたり、ぴたりと重なったりする、独特の揺らぎが生まれます。

経糸は二つに分けて整経し、それぞれを輪にしてずらし、摺染で染色。
二種類の経糸を縞割で合わせ、機ごしらえをして、畝織(うねおり)で織り上げました。

畝織の特徴は、平織りの丈夫さの中に、畝の部分では糸のきらめきがほのかに現れること。絹糸の力を味わえます。

色は、落ち着いたブルーとグレー。
光の加減でごく淡く紫が立ち上がります。
静かな奥行きのある色合いです。

同じ模様が重なり、ずれ、また重なる——
その繰り返しが生む、静かな位相の揺らぎ。
この技法を「位摺(IZURI)」と名づけました。

他にはない個性を持ちながら、決して奇抜ではありません。
気品があり、清楚な佇まいの一枚です。

お値段につきましては、お手数ですがお問い合わせください。

以下は織りの現場より。

| 品番 | K-5-1 |
|---|---|
| 商品名 | IZURI きもの Blue Gray ブルーグレー |
| 素材 | 絹 (100%) |
| 染料 | 酸性染料 |
| 長さ | 3丈6尺(13.64m) |
| 幅 | 1尺(37.88cm) |
| 重さ | 709g |
| こんな時に | 観劇、お食事、お集まりなど、カジュアルなお出かけに。 |