八寸帯
Pythagoras
ピタゴラス

|価格| ¥ 216,000 (税込) |品番|  J-5-4
SOLD OUT


私はモノを作る時、よく計画して吟味して作る時と、衝動的にとにかく作らなきゃって時があるのだけど、これは、典型的な後者で、ただただ衝動で作りました。


「作りたいのっ」っていう、抑えきれないエネルギーを注ぎ込んで作ったのです。自分勝手と言われれば、確かにその通り。


しかし、これは、その「自分勝手なエネルギー」がなかったら、できなかったと思う。


どなたかに締めていただけた時が、「私の勝手なエネルギー」が昇華する時。自分勝手が自分勝手で無くなる時。

エネルギーの源泉は自分勝手であってもいいけど、できたものは自分勝手ではダメだと思う。作品としては、どなたかの、何かの役に立つこと。愛さること。これが存在意義です。

そのために、きっちりとした仕事を重ねるぞ、という所存です。


これは前帯部分。

ブラッシングの染料は5色作りました。
メインで使った色はボルドー。それから、グリーン。強いブラック。引き立て役にグレー。効かせ色はオペラピンク。
その5色で、三角をたくさんたくさん、描いていった。


前帯を筒状にして撮ってみた。


前帯のアップ。

織りは、地の部分は平織り。ピンク紫と緑の縞がみて取れるけど、そこは綾織り。織り方が違うから目立ちます。


手先も柄が入ってます。

上の写真だと、三角が下向きですが、いわゆる関東巻きだと、上向になります。関西巻きだと下向きね。


ルーペでのぞいてみましょう。

 
こんな感じ。ヨコ糸(上の写真では、タテに見えますが)が、3種類入っているの、わかりますね。糸の説明、後でしますね。

 
小さいルーペもあるんですよ。


アップ。


渋札にタイトルと署名してます。


緯糸(よこいと)に使った糸の見本もつけてます。

緯糸のご紹介です、上から。

一番上の焦げ茶色の糸。ごつごつして全く絹っぽくないけど、絹なのです。カンボウジュっていうタイとカンボジアの国境あたりにいる、野生に近い蚕です。キビソと言って、その繭の外側の層を糸にしたもの。その大変貴重な糸を、椎で草木染めにしたものです。

二番目は、上と一緒で、カンボウジュの椎染です。より細い部分使いました。キビソなので硬いです。いい糸なのですが、この糸も、もう手に入らないと思います。手持ちの分を全てこの一作に使いました。

三番目は、同じくカンボウジュ種の絹ですが、精練してあり、柔らかいです。渋木で草木染めした上に、酸性染料で染めています。

【念のためお伝えします】
この3種類がヨコの地の糸で、八寸帯のヨコ糸としては、ちょっと細目です。それによって、薄い布になりました。カンボウジュの野趣を生かしたいと思って、八寸帯にしましたが、芯なしの八寸には、薄すぎるかもしれません。お好みによりますが、芯を入れることも、ご検討ください。

四番目と五番目の糸は、アクセントに綾織りで入れた糸です。柔らかい絹糸です。

タテ糸も、すべて絹糸です。


帯のサイズなどのスペックです。

図で、「こんな帯です」ってこと、ご説明できればと思います。おタイコ、前帯、タレ、手先と、見えるところは、すべてブラッシングカラーズで染めています。なんとなく柄がつながっているような感じです。おタイコの裏や、胴に巻く所などは染めていません。


それが分かりやすいのがこの写真。おタイコの右側、白地になってますね。ここ、前帯から回った、脇腹から背中あたりに来るところです。締めれば見えません。

品番 J-5-4
商品名 八寸帯
Pythagoras
ピタゴラス
素材 絹100%(ヨコ糸はカンボウジュ種がほとんど)
染料 植物染料(椎、渋木)
長さ 1丈3尺3寸(5m3cm)、タイコ裏を除いた、帯本体の長さは、1丈1寸(3m82cm)までです。お好みの長さに仕立ててください。
8寸1分5厘(約30.8cm)
重さ 262g
こんな時に カジュアルなお出かけなど。
価格 ¥216,000(税込) 帯地のお値段です。仕立ては含まれません。
注意事項 帯地のままでのお納めとなります。染織吉田では、お仕立ては承っておりませんので、ご面倒をおかけしますが、仕立て屋さんにご依頼ください。「お仕立てについてのご説明」を添えますので、あなたのサイズ、あなたの好みで仕立ててもらってください。ご存知の仕立屋さんがいらっしゃらない場合は、頼りになるところをご紹介いたします。ご遠慮なくご相談ください。

特に、この作品は、八寸帯ですが、芯を入れた方がいいかもしれません。張りはありますが、薄いですので、そのことも仕立屋さんとご相談になってください。