2004年に、ブラッシングカラーズを帯に展開しました。
上の3枚の写真の帯のブラッシングカラーズは植物染料です(ヤマモモ、ロッグウッド、ゴバイシ)。染料の中に媒染剤をまぜてブラッシングし、蒸して、発色、定着しています。緯も植物染料です。
下の2枚の写真は、ブラッシングカラーズに顔料を使ってます。
顔料はドライアイロンで熱を加えて定着させます。顔料の展開の自由さはすごいと思います。
まだ技法も確立してなく、手探りで、無我夢中でつくリました。 お二人の方に、カッコよく締めていただき、とてもうれしいです。
糸は群馬県の赤城まで買いに行きました。赤城でおばちゃんが実際に座繰りをしているところも見せてもらいました。それ以前に群馬県の養蚕試験場がやってる座繰り糸講習も受けていたので、だいたいのことは分かりましたが、農家の納屋で実際に座繰りをしているところを見るのは、講習会とは違う現実味がありました。このころは、糸のことも染めのことも、暗闇で手探りしていたようなもんだったなあ。いい糸を探す執念は変わらないです。
「一滴」(着尺) はじめの一滴ってイメージで織りました。何万年も凍てついていた大地で小さな変化が起こる。空気が動き、氷が溶ける。その最初の一滴。何かを予感させる、そんな着物。始まりの時に着てほしい。染めは植物染料(サクラ、ヤマモモなど)。玉糸、真綿紬糸。
「レモン」(着尺) パァっと覚醒するようなイメージ。ガリリと噛んだトパアズの色。都会の雑踏にそこだけ違う空気が流れてる。染めは植物染料(フクギ、ヤシャブシ、タマネギなど)。玉糸、真綿紬糸
「ガッツポーズ」(九寸帯) 思う色が出たときの嬉しさはたまりません。思わずガッツポーズ。ブラッシングカラーズも地の糸染めも全て植物染料です。
「素材感」(九寸帯) 経糸は赤城の節糸。緯糸は多種多様な自然素材の生成りの糸。きびそ、タッサー、カンボウジュ。糸の生命感。
「勢いで作った」(九寸帯)とにかく作りたかったから作った帯です。気に入ってます。
「蘇芳(スオウ)で染めたショール」 ほぐし絣です。仮織した布をスオウで引き染めして、その上に媒染剤をかけます。赤いところがアルミ媒染、黒っぽいところは鉄媒染です。
「ご愛用いただいてる左のショール」 この方から「いつもは、赤は身につけないんだけど、これだけは」「帯揚げにも使ってるの」「会場で一目見てこれだって思った」って、最高にうれしい言葉いただいた。
「雲のショール」 目に涼しく、さらっとした感触。ほぐし絣のショールです。イメージは、古(いにしえ)のむらさきの雲。
「守るショール」 70×180cmの大きなショール。例えば、ルネッサンスの騎士や安土桃山の武将なんかに巻いて欲しい。何かに命を掛けている人間を、鼓舞し、守り、慈しむ布を織りたい。
「red」 これは染めに最大限に腐心した。ギリギリの赤をって染め重ねた。染というのは本当にもうつかみようがないくらい難しい。だから追うのだけど。赤い大きなショールです。
「ゲジゲジ」 このゲジゲジ加減が絶妙なのよって自負している一品。
「自然布いろいろ」 麻の皮を織ったり、竹を織り込んだり、もちろん絹も。
「おやすみなさい、フランシス」 これは、サム・フランシスのイメージ。森の中で深呼吸して、リラックス。 小さなマットです。
「ディア サム」 サム・フランシスの静謐なイメージを織りたかった。吸い込まれそうな透明感。用途は特に定めない作りたかったから作った布。
「麻皮(マーピー)マット」 この時期織っていたものは、ほとんどが、自然素材、自然染色なのですが、この花瓶敷きはその見本のよう。経糸が絹のヤマモモ染めで、緯糸は麻皮(マーピー)。
「テーブル敷き」 笠井秀郎さんの灯りと。ブラッシングカラーズ、 進化してます。
「ひらめいた!」 布を裂いたり、革を切ったり、、、、、こういうオブジェを織るときは、色と素材感が命と思ってます。ピンッとひらめくと服でも何でも裂いちゃいます。黒い部分は前年まで着ていた革ジャン、ブルーは同じく最近まで現役だった藍染のワンピース。