こちらは、元NHKアナウンサーの、草野満代さんのにご注文いただいて作った ONLY ONLY です。この帯締めて、テレビも出て下さったんですよ!感激!!
テレビは持っていない私ですが、草野満代さんが、この帯を締めて出て下さった回は、友人の協力で観ることができました。ああ、よかった、、、似合ってらっしゃるし、華があるし、隣りの鶴太郎さんにも負けてない!!
この帯は、草野さんに、3回お会いして、しっかりご希望を伺って、作りました。色も相談の上、考え抜きました。黄色とパープルが効かせ色ですが、支えているのは、緑色とたくさん織り込んでいる銀糸です。
パーティーにも締めて行かれるとのことで、華やかさがあって、しゃきっとしたクールな帯をめざしました。
タイトルを、「Sun Kissed Green(サンキストグリーン)」とさせていただいたのは、太陽にキスされた緑たちをイメージしたからです。小さな緑、濃い緑、たくさんの緑たちが、のびのびと放し飼いに。太陽を銀の糸に織り込んで、逃げないように。
「Sun Kissed Green」よ、草野さんを優しく包んで、あたたかく支えるんだよ。そしてずーっと可愛がってもらいなね。
草野満代さんの ONLYONLY ストーリーはこちら!→☆
大胆だけれども、気品があって清楚な帯を作りたかった。
刷毛目を六通部分に走らせ、緯糸でチェックを作った。着物の世界では、チェックと言わず、格子と言うが、これはあえて、チェック。なぜならば、アーティストのルイーズ・ブルジョアの、赤いチェックの作品に感化されたから。大胆で、上品で、アートしてる。それが、ルイーズ・ブルジョア。
緯糸は、白と空色。そこにかなめの藍色。キラッと銀糸がタイコと前に各一ヶ所。それ以外は白の無地です。
イメージぴったりのお方に締めていただけて、大変光栄です。
男性ものの ONLY ONLY にはじめて取り組ませていただきました。ご注文主は、この方の奥様です。だんなさまの50歳の記念に、お着物と羽織りを作らせていただきました。
このメイキングストーリーは、長大です。話しは小学校のときから始まって、染料にする栗の木を調達したり、古い蚕の神社に連れて行っていただいたり、、、着物に加え、少々色を変えて羽織も織らせていただき、羽裏も染めました。その後、角帯も合わせていただき、長着、羽織り、角帯の、三部作となりました。私にとっても、すばらしい得難い経験でした。ありがとうございました。
ものすごく長いけど、もしよかったら、ブログにまとまってますので、読んでみて下さい。大河ドラマのようよ。こちら→☆
タイトルの「クリエ」はこのファミリーのペットのワンちゃんです。(クリエはクリエイションの意味もあるそう!)
クリちゃんだから、染料は栗がメインで糸染めし、着物と羽織りを織りました。もう一匹のペットはカキジロウ君。その後織った角帯は、柿渋で染めです。4人ファミリーの、家族のシンボルであり、記念のお着物。織らせてもらって幸せだった。
ONLY ONLY で作らせていただいたお着物です。ご注文主さまを「めと」さまという愛称で呼ばせていただき、何回も何回も、対話を重ね、頭を悩ませ、風を感じ、三歩進んでは二歩下がり、じっくりじっくり作りました。
やり取りの様子は、ブログのカテゴリー「めとさま」にまとまってます。どんな着物にするかのはじめのご希望は、「袷にすること」「時期も長く、年代も長く着られること」というふたつのみでした。ほとんど真っ白の状態から、どうやってこの着物を生み出して行ったか書き綴ってますので、時系列をさかのぼってお読みいただければ、幸いです。→こちらです
仕立て上がってからにめとさまが、「もう何も要らなくなりました。やり切った感もあるし、これ以上に求めるものなんてあり得ません。」とメール下さいました。
もうひとつ、思い出深いのは、めとさまが、この着物に取り組んでらっしゃる最中に、人生の大きな決断をされたことです。私が何か出来た訳じゃないけど、その大事な時期に近しくさせていただいていたことは、私としてもうれしく、身の引き締まる思いがしました。私も、めとさまに恥じぬ人生を送ろう。
colored wind をお納めしたあと、丁寧なお手紙いただきました。一部割愛して、ここに掲載させていただきます。
めとさま、本当にありがとうございました!
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吉田美保子 様
今朝、無事に受け取りました!
明らかにピンクと分かりつつ、決して主張し過ぎないピンク。こっくりと色付き始めた紅葉の朱と黄色。所々に見え隠れする、匂い立つ紅。
デザインや濃淡など、全ては真っ白なところから始まって「自由」だったのに、それぞれの色が、あるべき所に整然と納まっているようにさえ見えました。
あれだけ色々と悩んだのに、自然に、成るべくして成ったような、、、作り上げたというより、辿り着いたような心地です。
荒れるというわけではないですが、右へ左へ、ちょっと強まったり、停滞したり、小さく渦を巻いたりした風が、広い、明るい場所に
すーっと吹き抜けていったような。澄み切って舞い上がって行ったような。そんな気分です。
・・・要するに、清々しい、ってことでしょうか(笑)。(美保子さんのご尽力は、もちろん、「作り上げる」作業そのものですので、語弊があったらすみません。)
鏡の前で反物を当ててみて、自分で言うのも何ですが、似合ってる!と思いました。私らしい、と言った方がいいかもしれません。
4カ月半もの間、私のためにお力を注いでくださって、本当にありがとうございました!!美保子さんとのやりとりは、とても楽しく、心強いものでした。着物の件のみならず、進路の面でも、支えていただきました。colored windは大事に、ガンガン着させていただきます!
明日からは寒さも少し和らぐとのことで、どうかご自愛ください。ますますのご活躍をお祈りいたしております!
めと 拝
ONLY ONLY でお作りした九寸名古屋帯です。ふふさまという愛称で、ブログに掲載させていただいてます。こちらから、時系列をさかのぼってお読みいただければ幸いです。
はじめてメールでお問い合わせいただいてから完成まで、なんと5年。メールでやり取りしていた時間が長かったのですが、お会いでき、求める方向のすり合せをして、実働を開始してからも9ヶ月くらいかかりました。
その間、ずっと頭の中で、ふふさまの求めるものを、思い巡らせてました。つかみきれず焦っていた時期もありました。時には、どの方向に進んでいいか迷い、暗闇のほふく前進だなあと思ったり。苦しくも楽しい時間でした。
ふふさまとはどんな方だろう、どんな生き方をされているのだろうってことが実感できれば、きっとこの帯は完成させられる。そう思って、冷たく、厳しい冬の中に、春の目覚めを探すように、ふふさまのイメージを探し続け、作り続けました。
ふふさまは、静謐で透明な印象の美しい方ですが、その中に、豊かさや優しさをたっぷり内包されてます。ちょうど、雪景色を注意深くみると、わずかずつ異なる豊かな色や表情が、たくさん入っているように。
そんな思いを込めて織った、ふふさまの ONLY ONLY です。
「チャーミング・ボックス」(八寸帯) 13種類の糸を組み合わせて織りました。糸のコンポーズ。これこそ、織りでなくては出来ないこと!カラフルで軽快、楽しい帯です。
「ピンク&グリーン」(八寸帯) ラブ・ロスコシリーズです。軽量でざっくり。糸の面白さが出たと思ってます。8種類の糸のコンポーズです。
「カラーズ」(角帯) どんどん色が変わっていく角帯です。落ち着いた色味だけど、同じところは二度とない。少々カブいてるかもね。
「ピエト」(九寸帯) ピエト・モンドリアンに感化されて作った一本。
「ピエトの前柄部分」格子になってるのは、六通部分のみ。タレや手先は、すっきりした縞です。
「ピエトのディテール」しっかりした格子らしい格子を織りたかった。要所要所の緯糸は綾織りになってます。強く色を出したかったから。
「ナチュラルアース」(八寸帯) 自然の強さにフォーカスしました。生成りのように見えるけど、きっちり染めてます。タイ産のキビソ糸です。
「ナチュラルアースウィズブロックス」(八寸帯) 思い切り自然派の帯。素材はキビソ。染めは、草木染め。矢車節と栗です。
「ナチュラルアースウィズブロックスの前柄あたり」草木染めのブラッシングカラーズ。
「ブラウン&ブラウン」(八寸帯) これは、ONLYONLY でご注文いただいて織りました。ご注文主の方を「もまさま」と呼ばせていただいて、こちらに制作ストーリーがまとまってます。
「ブラウン&ブラウンの詳細」 経糸は12種類の糸のコンポーズ。緯糸はキビソ糸です。
「ブラウン&ブラウンの全体像」これは、赤味の茶色と青味の茶色が繰り返されます。もまさまのお望みは、無地か無地に近いものってことでしたので、柄や模様を入れないで、すっきりと仕上げました。
「パーシモンノワール」(角帯) これは半分に折って角帯になるように織りました。茶色は柿渋染め、黒は柿渋の鉄媒染です。緯糸も柿渋染めです。
「パーシモン&チェスナッツ」これは、半分に折って半幅帯にするつもりで織りました。なかなかの存在感。タピストリーにもいいかもなあ。結局、お客様のご希望で、八寸帯として、締めていただくことになりました。
染料は、植物染料。柿渋、栗、矢車節、クチナシ。
「ペアルック」実は、左の二つの帯は、お対です。カップルで締めていただけたらいいなって思って作りました。同じ染料、同じ糸使いです。そうしましたら、なんと、心に描いていたナイスなカップルの元に行けることになりました!うれしい☆
「緑あふるる楠若葉」これは onlyonly でご注文いただいて作ったタブローです。注文主のこずさまは、小学校から高校までの学友です。彼女の都会暮らしをそっと見守る存在でありたい。こちらに詳しいメイキングがありますので、ぜひご覧下さい。
「静かな色の羅列」ブラッシングカラーズの色見本で作ったタブロー。帯を織るとき、染料の濃さを変えたり、複数の染料を混ぜたりして様子を見てます。色の横のメモ書きは染料の名前です。何気ないのが面白くなりました。(額の大きさ 210x297mm)
「スプリングカラーズ」額にいれて引き締まった。マットの切り口の白が効いてます。
「リトルブロックス」小さな、アンティークのかけらのよう。
「イエローロード」明るい、真っ直ぐな道。直角に交差する。
「フローティングブルー」歴史あるアジアの街。大昔、都があったところ。水の都かな。そんなイメージ。
「Spring Block スプリングブロック」 爽やかな光です。お部屋を明るく!(額の大きさ W294xH264mm)
もう一点連作で作ってます。並べて飾っていただいても、すてきです。
「Rosetta Stone ロゼッタストーン」 エジプトの石を連想させる、墨染めの布。妙な存在感あります。(額の大きさ W120xH120mm)
「Four Green Stamps フォーグリーンスタンプス」 小さな作品です。ちょっとしたところに飾ってほしい。(額の大きさ W152xH115mm)
「Old Spanish オールドスパニッシュ」スペインのアンティークの額に入れました。 (額の大きさ 200×225 mm)
「Purple Water Fall パープルウォーターフォール」余白の美しさを追求しました。 (額の大きさ 265x220mm)
「Pink Crossing ピンククロッシング」明るい光があふれています。背景には某本屋さんのブックカバー。いい色なのだ。(額の大きさ 220×220 mm)
「ピン!ピン!ピン!」ピンピンしてる、おひげのバランスが絶妙。(額の大きさ 414×414 mm)
「Pink Stream ピンクストリーム」ピンク色の流れに乗って、プカプカただよう可愛いしずく。(額の大きさW316xH230mm)
「Colored Buds カラードバッズ」並んだ並んだ、可愛いつぼみだち。 (額の大きさW333xH247mm)
「マフラー」小さなマフラーの連作です。これは赤い部分が真綿の手紡ぎ。
「マフラー」緯糸には、8種類の青い糸を入れてます。海の底みたい。
「マフラー」先っぽだけが赤いのです。
「マフラー」茜と藍。
「マフラー」左のを前から見たところ。経糸は絹。緯糸は手紡ぎ木綿。
「マフラー」色をおさえたシックなタイプ。
「マフラー」これも赤い部分は真綿の手紡ぎです。
「マフラー」赤から青になって黄色になります。
「マフラー」左の角度違い。ふっくらしてるでしょ。
「マフラー」これは地厚になるように、太目の緯で、しっかり織りました。
「マフラー」糸のよさ、ご覧ください。真綿紡ぎです。
「マフラー」黒ベースであっさりしています。スーツの下にも。
「マフラー」黒とパープル。おしゃれさんです。
「マフラー」左のを正面からみたところ。
「マフラー」黒ベースだけど、鮮やかな細目の赤がしっかり入ってます。華やぎのある一本。