南青山のイトノサキさんで、個展「三角・吉田」を開催しました。カラフルな三角が高らかに歌うような八寸帯を15本と、角帯を3本作りました。
おかげさまで、明るく元気な展覧会になりました。プレオープンに開催したレセプションと食事会にも、4日間の会期中にも、ビックリするほどたくさんのお客様におこしいただき、楽しんでいただきました。本当にどうもありがとうございました。
課題や反省点や気付きもドーンと。感謝です。さあ次だ。どんどん作るよ。まだまだ先は長いのだ。
『「泉鏡花」の世界観を着物にしたい。それをまとって、秦勝寺の苔むしたお庭に佇みたい。』という、ご注文主「いずさま」のご希望でした。私としては、こんなあっさりした着物でいいの?ってはじめは思いましたが、お話を進めるうちに、余計なことは望まれてない、って分かってきました。
ぱっと見は、素っ気ないほどのお着物ですが、「こういう生き方をしたい」という「いずさま」そのものの、芯のある強く美しいお着物です。たぶん、それが泉鏡花の世界でもあるんだろうなー。
私としても、「着るものはその人のアイデンティティなんだ」ってまじまじ思えた一作で、いずさまには、とても大事なことを教えていただきました。本当にどうもありがとうございました。
ブログのカテゴリー、「only only いずさま」にメイキングがまとまってます。ぜひご覧ください。
「曜変天目」という大きすぎるお題をいただいて、いどんだ作品です。
ご注文主の「きおさま」に曜変天目をテーマにした帯が欲しいというお話をいただいた当初、どうしていいか全く見当もつかず、頭の中は真っ白になりました。「そんなのムリだよ、、、、」
しかし、きおさまとお話を重ねるにつれ、「曜変天目」は大宇宙を体現しているけど、私は、きおさまと二人三脚で、小さな宇宙を見つけて行ければいいと開き直れ、道が開けました。
「リトル・コスモス」と名付けましたが、けっして小さくまとめたつもりはありません。ここから広がる宇宙のつもりです。それに、きおさまのイメージピッタリに出来上がったのもうれしい。宇宙を持ってる方なのよ。
こちらのメイキングストーリーは、ブログのカテゴリーonly only「きおさま」のページにまとまっています。時間をさかのぼってどうぞ!
only only でご注文いただいて作った八寸帯です。イメージソースは、クレーの絵画「リズミカルな森のらくだ」です。
タイトルは、「リズミカル にこ」とさせていただきました。にこと言うのは、ご注文主さまにつけさせていただいた愛称です。クレーの絵のらくだのように、にこさまに、自由に楽しく、世界中を歩いていただきたいなと思って、この帯に「リズミカル にこ」命名させていただきました。
クレーの絵に丸がたくさん描かれてるので、すごく久しぶりにドットを染めました。丸はなかなか難しいです。緊張しましたが、ズレ具合もいい感じに出て、よかったかなと思っています。
にこさまのご希望で、この帯は、タイコと前柄が、まるで違います。タイコとタレは、白ベースにドット、お腹と手先とタイコ裏は黄色ベースの無地です。うしろ姿と正面のお姿が、ガラッと違うのも、面白いなあと思うし、こういうの、特別注文ならではです。
緯糸の一部は、和紙の糸です。絹の和紙の割合もよかったかな。軽くて、張りもあります。
この帯の制作過程は、ブログの「にこさま」というカテゴリーにまとまってます。よかったら、時系列をさかのぼってお読みください。→☆
おかげで、私もいいリズムつかめたかな。ありがとうございます。
わお!なんとカッコイ締め姿!もうっ、目が離せなく、ついて行きたくなるわ。最高にすてきに締めこなしてくださっていて、とても光栄です
この帯には黄色い三角を何万回も描いてます。きれいな色が前面ですが、深い渋い色もかくれてます。パッと花が咲いたような華やかさもあります。遊びもあり、端正な所もあり。一筋縄じゃ行かないよって帯です。
締めて下さっているこのお方、そのものような帯です。
「わんぱくな三角」(八寸帯) 大きな三角、小さな三角が、勝手気ままに飛び回ります。緯の筋は、オレンジとブルーの金糸です。軽快に締めていただきたい。
「ピタゴラス」(八寸帯) 三角をたくさん、たくさん。ブラシのタッチを生かしました。渋さと派手さの狭間です。
「おもちゃのチャチャチャ・ちょっと渋め」(八寸帯) 元おてんばが、ちょっとだけおすましした三角たちです。色数を押えているので、お着物に合わせやすいかもしれません。
「おもちゃのチャチャチャ・元祖」(八寸帯) これ、個展「三角・吉田」の案内状に使った写真です。締めている帯、実は経巻きしている時に、大事故してしまった記念すべき(?)帯です。いやー、2015、一番の大反省です。戒めのために(売り物にならないし)締めているのは私です。
「おもちゃのチャチャチャ・いろいろ」(八寸帯) おもちゃのチャチャチャシリーズで、一番の元気モンです。はっきりとした色、形。はつらつと、高らかに歌っています。
「おもちゃのチャチャチャ・すっきり」(八寸帯) これはおもちゃのチャチャチャ・シリーズの中で「すっきり」と名付けましたが、実はタレ先にも柄があり、けっこう凝ってます。絣の足が面白く出た一本です。
「ブラック・トライアングルズ」(八寸帯) 筆のタッチを生かした三角。描くことによって、色を乗せたかった。白場もうまく生きたなって思っています。
「三角・グラフティ」(八寸帯) パステルでのびのび落描きしたような、、、、。私としては、オレンジとブルーのガチンコのぶつかり合いを現したかったのだ。
「パープル・トライアングルズ」(八寸帯) パープルと、焦茶色と、黄緑。これらでどんどん三角を描いて行きました。緯に金糸も入れて、あやしくも豪華です。
「カントリーな三角」(八寸帯) 赤い三角が、なんだか田舎娘のようで、そばかすが目に浮かびます。それが愛らしいのだ。緯に入る筋は、赤い金糸と藍色です。
「スタイリッシュな三角」(八寸帯) これは、色も三角の数を厳選しました。余計なことをしないと固い決心のもと進めました。精一杯突っ張ってるところがチャームかな。
「ブラッシング・イエロー」(角帯) ここまでポップな角帯が未だかつてあったでしょうか?ってあるかもしれませんが、こちらもカブいてます。どなたか、きれいな帯をキリッと締めるイケテル男子、いませんか〜?
「スモールバード・ロングバーバージョン」(八寸帯) 小鳥のさえずりが聴こえてきそうな一本です。ロングバーが、タレからタイコ、前帯まで続きます。締めると見えなくなりますが、持ち主さまだけのお楽しみです。
「スモールバード・ロングバーバージョン」(八寸帯) 左の帯の前帯柄です。いい感じに締めていただき、うれしいです。さわやかね。
ラブ・ロスコシリーズ「ピンク&グリーン2」(八寸帯)去年織ったの、パワーアップして、もう一度織りました。経糸は細目の絹、セリシンの硬さを生かしてます。緯糸には和紙の糸も使ってます。和紙のおかげで弾力のある、締めやすい帯になったと思っています。