吉田美保子の some ori ノート

ふふさま、経糸、絣にする

2014.02.07

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ふふさまの帯、経糸は、ほんの少々ニュアンスをつけることにしました。真っ白な雪にも、微妙な陰影がありますものね。ふふさまとお会いして、自然界すべての中の、あるかないかの、微妙なエッセンス、楽しんでいただける方だと思いました。
経糸に少々細工をして、のっぺりした印象を避けるという手段は、私はよく使います。ちょうどキャンバスに下地を塗っているイメージで。土台を作って、そこにどんなイメージを遊ばせようかと思うのです。
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その、経糸にニュアンスをつける方法の、私の常とう手段は、糸を綛のまま三つ編みにして染めると言うものです。そうすると、染まるところと染まらないところがランダムに現れて、面白い表情がつけられます。
しかし!!!!
今回の ONLY ONLY は、シャープでキリッとした帯をお望みのふふさまです。ぼわぼわした印象は御法度です。そこで、染め上がりが予測できない三つ編みでなく、きっちり絣くくりして、染まるところ、染まらないところを意図的につくりました。
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ほら、これが染まり上がったところ。もともと極薄のブルーグレーが染まってますが、糸が出ているところは、一段濃い色のブルーグレーになりました。これから、ビニールテープをほどいて、綛に戻します。そうすると、染めたところ、くくって染まらなかったところがパキッと分かれてるのが現れて面白い。
でもこれ、ほんのちょっぴりの差よ。ぱっと見は、分からないくらい。ぱっと見では気付かなくても、なんだか深い印象ねって思ってもらえて、じっくり見ると、ああ、手が込んでるなって仕事、したいのです。

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