吉田美保子の some ori ノート

糸をつくる

2018.06.21

 

たくさま のONLY ONLY、ご注文内容は、実はとてもシンプルです。しかし、シンプルなのが一番むずかしい。これ本当です。ただシンプルに織っただけじゃ、つまらないものになる。

たくさま は、糸味とか、風合いとか、凸凹とか、そういうの大事にされる方。それは、いっとう始めから伺ってる。どう応えるか?

うーむ、では、糸を作ろうかな。ネップとして差し色で入れるために真綿を入手し、12色に染めた。そのうち、4色はごく薄い色だ。それらを紡いで、タイコと前帯部分に、地の絹糸に添わせて織り込もう。

で、早速つむぎます。よかったら、上の動画ごらんください。

八寸帯 お誂え オーダー 注文

ほら、こんな風になるのです。これが表情になる。

ヨシダ、全身を使って、糸を作ります。

ちなみに、染める前の真綿はこれです。→
12色に染めたのはこれ。→  赤や青や紺などの真綿は糸でなくネップになる。

 

たくさま 、2回目の試しの返信

2018.06.20

八寸帯 オーダー 注文 お誂え

2回目の試し織りをたくさま にお送りしたら、到着してすぐ「かなりいい感じ」とのメールが。ちょっとだけ安堵。

しばらくしてメールしてみると、「帯地は素敵に仕上げていただいているので大満足してます。差し色でちょっと悩み中。」との返信が。

お、お悩み中ですね。急がなくていいですよ、焦らずたくさまのペースでお願いしますと返信。しかし、帯地自体は気に入ってくださっているようで、ホッとしました。屋台骨がオッケーということだから、ひとつクリアと言ってもいい。

それからもうしばらくして、たくさま から、お手紙を添えた試し織りが、返信用のレターパックでやって来ました。

ふむふむ。たくさま から提起された問題点は3点。

1、ネップで入れた真綿糸の差し色のうち、青だけが目立って見える。

2、タレには差し色いらない。

3、試し織りに作っていた、「濃いところ」「中間」「白っぽいところ」は、「中間」で行きたい。

まず1は、、、うーむ。そうですね。試し織りでは、確かに青、目立ちますね。それに、登場回数も多かった。無くすのもありか?青のところを伏せてみます。うーむ。ちょっと寂しいなあ。個性的な青だから、入れると、山椒が効くみたいに、締まると思う。それに、たくさま 、「効かせた感じ」とか「にくい感じ」のカッコイイ系が似合われると思うのよね。この青、目立たないように、ごく少量、回数も少なく、例えば、タイコに3箇所、前帯に2箇所くらい入れることにしてはどうでしょう?

2は了解。色は入れないけど、凸凹は作りましょう。手先も同じでいいですか?

3も了解。濃淡を作るのではなく、全体的に統一感を出しましょう。

上記のように、メールすると、ご賛同いただけました。よっしゃ、それではいよいよ本番!

*写真は、試し織りの上に、差し色にした真綿を乗せたところ。この真綿をごくごく少量とって、ヨコ糸に撚り込んでから織るのです。右が出番を減らすことになった青。

地震、清正公

2018.06.19

蛇の目紋 名古屋帯 九寸帯

大阪で大きな地震がおきて、なんだか落ち着かない。亡くなられた方のご冥福を祈るばかり。

震源地の近くは特に、まだまだ大変と思います。これから本震がきたりどうかしませんように。大雨が降ったりして、これ以上の被害が広がりませんように。

今回の地震、「慶長伏見の地震」と断層帯が同じって聞いてふっと思い出した。

熊本地震の後、「清正公の陣羽織」という個展をさせていただくことになり、加藤清正公について、ずいぶん調べたのだけど、そういえば「慶長伏見の地震」というワードが出て来たよ。

この時、伏見城にいて震災にあった豊臣秀吉の元に、いの一番に駆けつけ活躍したのが、清正だったのだそう。さすが、清正公。せいしょこさんは、築城や治水に抜群の腕を持ってる方なのだ。

熊本地震後の個展「清正公の陣羽織」展でやりたかったことは、我々みんながそれぞれ「Petit せいしょこ」さんになって、力を出し合い復旧して行きましょうってことでした。

今回も、大阪に向けて、清正公が駆けつけてくれてることと思います。全国から、ぞくぞくと、道やガスやエレベーターを直しに。近いうちには、心が明るくなることを携えて。

*写真は拙作「九寸帯 清正ゴールド」。蛇の目紋は、加藤家のご紋です。

たくさま 、2回目の試し織り

2018.06.15

八寸帯 名古屋帯 お誂え オーダー 注文

たくさま のONLY ONLY、1回目の改善点を踏まえて、糸や真綿を染め直して、2回目の試し織りをします。

上の写真は、新しく染めた真綿。これをフツフツと織り込んで行く予定。洋服地でいうならツイードがお好みのたくさま 、ツイードチックな感じをこれらの真綿で出していきます。

糸も新たに染めて、糊をつけましたよ。巻いているのは、手伝いに来てくれたmoyu さん。この後、合糸して、小管に巻きます。

さあ、織れた。2回目の試し織りです。

全体像はこんな感じ。あれこれ説明を書き込みます。

ヨコ糸、けっこう色々入れてます。どこまで違いが出てるか分からないけど、そこはかとなく感じられると思います。

図面を書いて、お手紙を書いて、比較のために一回目の試し織りも入れて、今回もレターパックで、高松のたくさま に向け、発送します。

たくさま からお返事

2018.06.14

八寸帯 名古屋帯 お誂え オーダー 注文

1回目の試し織りを高松のたくさま にお送りして程なく、レターパックが送り返されてきました。

たくさま 、感想やご希望を付箋に書いて貼ってくださってて、わかりやすい。ありがとうございます!
私が染めた色にはなかった希望の色も、ご自分で見本を探して、貼り付けてくださってます。こういう時、ものづくりは共同作業って思います。
お手持ちのお着物に合わせてご覧いただいたみたいで、「(数種に織り分けている試し織りの中で)〜〜あたりがしっくりなじんで見えました」などともお書きいただいてます。

こうやって、試し織り段階で、お客様と直接やりとりできるのが、ONLY ONLY の最大のいいところかも。
一般的には、お誂えと言っても、はじめに一度ご希望を伺うのみがほとんどだと思う。だって、そうしないと効率悪いから。
でも私はそれじゃ、本当にお望みのものって作れないと思うのよね。お望みって複雑だし、いっぺんには表現できないと思うのです。お客様もご自分が欲しい着物や帯の詳細を伝えるなんて、慣れてないのも当たり前だし。
こっちだって、お聞きしたことが体現できるのか、できたとしてモノとしてカッコいいのか、それをお客様が本当に望んでいるのか、、、「やってみないとわからない」ってのが、本音です。やってみないとわからないのだったら、やってみればいいじゃん。ねえ。だから、試し織りをして観ていただきます。

たくさま は、そのほかにも、

「この色はちょっと苦手です」

「この2色をこちらくらいにすると暗くなりすぎますか?」

「グレーっぽい、紺のような色はおかしいですか?」

「(真綿が織り込まれた)フツフツとした感じ好きです」

「(手持ちの帯に似てくるので)今回は黄みよりの地色は無しでお願いします」

などなどお書きくださってます。オッケーっす!だいたいの雰囲気的なものは大丈夫ですね。では、糸と真綿をお好みに染めましょう。黄みを入れないようにね。

*写真は染めの途中。

たくさま 、1回目の試し織り

2018.06.11

たくさま のONLY ONLY、よっしゃ、いよいよ本番を視野に入れた、試し織りだ!

タテ糸、ヨコ糸、ネップに入れる真綿を、染めたり、巻いたり、いろいろ話は長くなるので説明は大幅に端折りますが、多々の準備段階をへて、織ってみます。

はい、織れました。さあこれをたくさま に見ていただくのだ。

詳しく説明を書いて、(でも、書きすぎないようにして。どうしてかと言うと、私が自分の思いを書きすぎると、たくさま の判断をじゃましてしまうかもしれないから。)

八寸帯 名古屋帯 オーダー 注文 お誂え

使った糸と、真綿は実物を貼り付けて、(真綿、可愛いでしょ。たくさま にどんな色を入れたいか、お聞きしたら、黄色系、紺系、赤系とのことだったので、それを中心に、地味系の色も入れて、合計8色染めたのですよ。)

お手紙を書いて、(達筆のお手紙をくださったたくさま に対して、パソコンの字で申し訳ない、、、、)

返送用のレターパックを添えて、高松のたくさま の元へお送りします!

さあ、どのような反応が返ってくるかな?

たくさまから、お手紙

2018.06.10

この春のある日、たくさま がお手紙くださいました。

美しく、丁寧な優しい筆跡で、悪筆の私は見とれるばかりです。色見本も貼り付けて下さってるぞ。どれどれ。

おー、たくさま らしい、お地味な色だなあ。笑。

色のイメージはこんな感じと。生成りの糸と重なって、織り上がりはもう一段薄い仕上がりかなと思ってらっしゃると。淡い色目が良いなあ〜と、書いて下さってます。

これはまさに「たくさま ワールド」だなあ。ふむふむ、これをもっと薄くした色ね。よし、了解しました。

その後、たくさま 、お持ちのお着物の写メを送ってくださいました。

メールも行き交います。

たくさま 、毎回メールに、「思ったままを伝えておりますが、、、、」「あれこれと無理難題を好き勝手に申し上げますが、、、」などと少々恐縮した感じで添えて下さいますが、それは全く構いません。むしろウェルカムです。その方が、ご希望がダイレクトに伝わります。なんでも書いてください。

次のメールにまたまた大事なキーワードが!

「着物を始めたころから約20年がたち、手持ちの着物も帯も濃い色目が多く、今は『淡い優しい色目が欲しい』と思っております。(でも『パステル調ではない』です。笑)」(カギ括弧、ヨシダ)

む、これは、思ったより、ぐっと薄めで行っていいかもしれません。

着姿ギャラリー、更新しました。

2018.06.08

着物 帯 着用

当サイトの名物コーナー、「着姿ギャラリー」を更新しました。私の織った、着物や帯などをお召しいただいているところの写真ギャラリーです。みなさん、とても美しく、自然で、楽しそうに、また自慢そうに(?)お召しくださっていて、ほんとーーにうれしいです。どうもありがとうございます。

今回、新たにお写真3枚、アップいたしましたので、ぜひぜひご覧くださいね。こちら→

3年前の個展「三角・吉田」の時の楽しそうなグループ写真も発掘されましたよ。

そしておまけのもう一枚は、、、、

 

着物 帯 着用 くまモン

じゃーーん!愛するくまモンとツーショット!

真綿、入手

2018.06.07

八寸帯 オーダー 注文 お誂え 織り 

前回のブログの続きです。(よかったら、前回の写真ご覧になってくださいね)

たくさまに3枚の写真を送って、どれがイメージに近いですかとお聞きすると、、、

「1番が好きです!」

と即答される 。

「色の感じはもっと薄いのがいいですが、糸の感じは好きです!」と。

「差し色の糸の感じも好きです。もう少し短くてもいいかもです。」と。

そっか、、、、なるほど。1番か〜。それ、もっともシンプルなのだ。

うーむ。

1番の黒糸の代わりにグレーを染めてそれ一色で織ることにして、ところどころ差し色でネップを挟むのだったら、簡単といえば簡単なのだけど、たくさま が求めているのはそれではない気がするんだよな。もう一つ、何か見つけたい、、、

うーーむ。悩むなあ。考えても埒あかんから、では、まず外堀から埋めよう。

たくさまが気に入られているネップにする真綿を用意しよう。

真綿ってご存知ですか?綿っていうと木綿を想像される方いらっしゃいますけど、真綿は絹です。繭を煮て、拡げたものです。ふわふわしています。

ロットの関係で、たくさま の分だけを買うのは無理なので困っていたら、上の写真のような上等な真綿を、染織仲間が、譲ってくれました。なんとありがたい。

たくさま 、試し織り以前

2018.06.05

たくさま のONLY ONLY、ご希望は地味めなのはよく分かりましたが、イマイチ、私、つかめてません。こういう時は、体、動かしたいな。ちょっと織ってみよう。たくさま のの試し織りというより、やってみたいという好奇心から。ちょうど、一本織り終わって、機が空いたのもあり。いろいろ実験をして模索をしてみよう。

まず、上の写真。タテ糸は白っぽく。ヨコに黒を。たくさま のお好みはもっと淡いとわかってるのだけど、杢っぽくするにはある程度色の違いがあったほうがいいのよね。ちょうど黒のキビソがあるから、それで織ってみた。画面上のストライプになっているところは違います。また別の実験。

上の写真だとピンクしか見えないけど、何色か真綿をネップ状にして織り込んでみた。

むー、こんな感じでいいの?ひねりが足りなくない?

八寸帯 注文 オーダー お誂え

よし、じゃあ、タテ糸にブラッシングカラーズ やってみよう。淡めのグレーにしたつもりが、結構濃いな。

ブラッシングカラーズ を淡いベージュにしてみた。

これらの写メをたくさま に送ってみよう。

こんなことをしていた頃、メルマガ上で、横浜のそごう美術館で開催される「池田重子展」のご案内をさせていただきました。そしたらなんと、たくさま 、高松からお越しくださったのですよ。私は都合つかず、お会いできなかったのが残念でしたが。

この行動力に「ブラボー!」と喝采をあげたくなりました。観たい、行きたいと思えば、少々遠くても、スケジュールをやりくりして体を移動させる。できそうでできません。思い起こせば、たくさま 、熊本にもお越し下さいましたものねえ、、、。行動力というか、瞬発力というか、好奇心というか、、、すばらしい。大好きです。

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