吉田美保子の some ori ノート

さとさま物語9

2023.04.30

さとさまのONLY ONLY、「50歳のハッピーセレブレーション」の八寸帯、お手元に届きました!

お写真をいただき、満ち足りた感じのお顔を拝見でき、とても安心しました。

帯とのご対面は京都のラソワさんで、師匠の吉澤暁子さんもご同席の上のハッピーな時間だったとのこと。

さとさまからは、丁寧なラインをいただきました。うれしかった!苦労も吹き飛びました。
一部抜粋でご紹介させていただきます。

ピカピカツヤツヤの可愛いこ、上品な銀河シルクの綺麗さに見惚れてしまいました。
写真や動画では、地色はもう少し白っぽく見えていましたが、薄い大人ピンク〜赤紫でとても私好みでした!

私の知らない(うちに秘めた)部分を上手く引き出していただいたのだと、とても有り難く思っています。
経斜文織り(たてしゃもんおり)の柄の出方がとても独特でより魅力的に見せてくれますね。

丁寧に仕様書を付けていただいたので、糸見本を眺めては、うっとりニヤニヤしています。

着物は手持ちのものに大体合う気がしていて、帯揚げや帯締めはどんなものが合うのか、手持ちのものではどうか…など、妄想コーデをしています。 いつ、どこに着て行ってあげようか、楽しみで仕方ありません。

仕立てに関しては、吉澤先生にもご相談しましたが、仕立て屋さんにも帯を見ていただいてから、決めることになりました。
一生モノの素敵な帯、綺麗に永く使いたいので、慎重に決めたいと思います。   

ふう、よかった。 仕立て上がって、コーディネートして、実際にお出かけして、、、 その日が私もすごく楽しみです。    

次のお誕生日で50歳になられるということで、人生の節目、ご自分を鼓舞する意味もあり注文くださいましたが、お写真の表情を見てると、もうすっかり次のステージに上がられている印象で、さすがだなあと思いました。

大切な帯を織らせていただくことで、私の方こそ鼓舞されました。 本当にどうもありがとうございました。 

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2023.04.23

   

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*上の写真は高尾山にて。下の写真は、昨年の写真を整理していたら出てきた、ラソワさんでの個展「ボンジュール」に向けて作った限定帯あげです。

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こんにちは。

初夏を思わせる日差しの日々になったかと思えば、肌寒い日があったり。春の天気は定まりませんね。お元気でいらっしゃいますか?

私は先日、運転免許の更新に、横浜の二俣川に行ってきました。

暑い中、ふうふう言いながら上り坂を歩いて、大きな箱型の建物にたどりつき、システマチックな流れ作業に身を任せていると、新しい免許証を受け取ることが出来ました。

前回までは警察署に行っていたので、大きな免許センターに行ったのはしばらくぶりのことでした。

久しぶりに相鉄線に乗ったら、新しく線路が伸びていて、いろんなところに繋がってます。

世の中、いろいろ便利になっていくものだなあと思いました。

《 目次 》

1.   さとさまお納め

2.   作品ギャラリー

3.   高尾でうぐいす

1.   さとさまお納め

完全注文制作ONLY ONLYで取り組んできたさとさまの八寸帯、発送しました。

と言っても、まださとさまのお手元には届いてないのですけどね。

発送直前に動画を撮って、ブログをアップしました。

さとさまを寿ぐ帯、もうすぐお手元に届きます。

https://www.someoriyoshida.com/category/only-only-注文制作/sato

2.   作品ギャラリー

私のサイトに「作品ギャラリー」というページがあります。「年代別ギャラリー」と「着姿ギャラリーに」に分かれいて、ときどき更新しています。

年代別ギャラリーの方、やっと2022年をアップしました。

2022年のことを振り返りながら作業をしていて、あら、素敵な写真なのにお披露目してないじゃないってのが結構たくさんありました。

着姿ギャラリーに、新しくお写真を加えました。

ぜひご覧ください。

(作品ギャラリーのトップページ)
https://www.someoriyoshida.com/gallery_top

(年代別ギャラリーの2022年のページ)
https://www.someoriyoshida.com/gallery/2022年

(着姿ギャラリーの最新ページ)
https://www.someoriyoshida.com/style

3.   高尾でうぐいす

おととい、高尾山にハイキングに行きました。

高尾山に行ったのは、実に35年ぶりでした。私は、10代終わりの頃、高尾にあった美術大学に通っていたのです。

ふー。懐かしい。

高尾山では、うぐいすがなき、遠くに山藤が咲いていて、新緑が眩しく、いい時間を過ごしました。歩いて登りましたが、下りはリフトに乗りました。マイナスイオンを全身に浴びて、最高でした。

都心から近く、外国人旅行者にも人気で、子供からお年寄りまで気軽に登山できると評判なので、ひょいひょい登れるかと思っていたら、左にあらず。

自分の足では登っただけだったにもかかわらず、二日経った今も、けっこうな筋肉疲労の中にいます。

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きものと帯の注文制作

染織吉田 吉田美保子

メルマガ

さとさま物語8

2023.04.19

完全注文制作ONLY ONLY、さとさまの帯、蒸し、水元、湯のしから、戻ってきました。

染料が発色し、糊が落とされ、蒸気にあたって艶が出て、ますますべっぴんさんです。一度手を離れたこが可愛さ倍増で帰ってくると、愛しさが増しますね。

これでどこに出しても恥ずかしくない姿になりました。どこに出してもって、行く先はさとさまと初めから決まっているのですけどね。

「さとさまのこれからを、しっかりお守りするんだよ。長く可愛がってもらって、どこにでも連れて行ってもらいなさいね。」

そんな思いで送り出しました。

(完成画像は、さとさまのもとに届いてから、御了承を得られたら、載せたいと思います。)

 

さとさま物語7

2023.04.13

さとさまの八寸帯、織り上がりました。

ふう、走り切った。それなりに長かった。

山や谷や、見晴らしの良い草原や、街中の雑踏や、ありとあらゆるところを、さとさまと一緒に二人で走った気分です。

さて、機から下ろした帯は、早速仕上げ作業に入ります。

机に広げ、隅から隅まで、目を皿のようにして詳細にチェックしていきます。絹は自然のものだから、毛羽だったり、切れて結び目があったりするのだけど、それらを見た目につかないように、処理していきます。

この後、高温の蒸しを2回(染料を繊維に定着させる)、水元(みずもと・流水で洗って、余分な染料と糊を落とす)、湯のし(絹糸につやを出す)を専門業者さんに外注して、いよいよ完成です。

 

織り終わったことをいの一番にさとさまにお知らせすると、さとさまらしい、じんわりうれしい返事が来ました。うわー、まさに〜〜。ちょっと引用させていただきます。

_____

マラソン大会ではゴール後、フィニッシャータオルを肩に掛けてもらい、メダルも掛けてもらいます。
それから、スポーツドリンクやパンなどの捕食をもらい、預けた手荷物をもらいに行きます。
荷物をもらった後、更衣スペースに移動して、着替えます。
更衣スペースまで、結構な道のりでフラフラ状態で歩きます。
着替えて、ようやく応援に来てくれていた家族や仲間と再会します。
吉田さんは、今、そんな感じなのかなぁと想像したりしています。

さとさま物語6

2023.04.08

 

さとさまの八寸帯、いよいよ織りです。織りは、計画通りに、淡々と進めていきます。

繰り返し、繰り返し、同じように。

無事故で当然なのですが、、、、、なんと途中で糸が一本抜けてしまいました。20センチほどそのまま織り進んで発見しました。

見つけた瞬間、サーっと血の気が引いていきます。

ガーーーン、、、ショック。

一瞬だけ、どうしようかと思ったけど、次の瞬間、「戻ろう」と心を決めて織った糸を解いていきます。半日くらいその作業に没頭です。

戻るのは織るのより100倍くらい時間もかかるし気も使うけど、時間をかけて丁寧に作業すれば、布が糸に戻り、また織り直すことによって完全な布にすることができます。

これはさとさまの大事な帯だから、できることは全部して少しでもいいものにするのです。

 

 

さ、仕切り直しで淡々と織り進めます。

さとさま物語5

2023.04.02

ONLY ONLY、さとさまの帯、緯糸(よこいと)を準備します。

経斜文織り(たてしゃもんおり)で織りますので、実は緯糸はほとんど見えなくなります。

それでも色は命。命を吹き込む9色をしっかりと力を込めて染めるのだ。

続いて、染めた糸にごく薄く糊をつけて、乾かして、小管(こくだ)に巻きます。糸を巻いていると、万感の思いが込み上げてきます。蚕を育ててくれた人や、糸を作ってくれた人や、これを織る機会を下さったさとさまや。

そんな思いにつき動かせれながら黙々と巻きます。

さあ、これで準備万端。あとは織りです。

さとさま物語4

2023.03.28

ブラッシングカラーズが終わった、さとさまの経糸(たていと)、上の写真は、機から外して鎖あみにしたところです。

この糸と道具一式ををかかえて、静岡県富士宮市の影山工房へ伺いました。

さとさまのご希望の「曲線」、これを表現するために、どうしてもこちらで仕事させていただきたく、特別にお願いしました。我が家では、帯の長さで糸をしっかりと張る道具だてが設置できないのです。

仕事はなんでも、段取り八分とはよく言いますが、織りこそまさにその通りで、段取りがそのまま仕事に現れます。

影山さんが実践しておられる方法は、その極みだと思っています。

その高度な技術と完璧な道具立てと工房を惜しげもなく提供してくださる影山さんには、本当に感謝しています。

ほら、ずらしで曲線が出てきましたよ。

影山工房では巻き取りまでやらせていただき、再び我が家で仕事再開。

綜絖通し。

筬通し。

これで、ほぼほぼ織るための段取りは終わりです。いよいよ織りにかかります。

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2023.03.22

  

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*写真は、新宿高島屋のヘラルボニー展のライブペインティングにて。すごくいい絵で感動しました。

 

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こんばんは。春の宵、いかがお過ごしですか?

私は先ごろ、新しくできたネット上のコミュニティに入れていただき、楽しく交流しています。

人付き合いも、ネットで出会いリアルに移行するのが、普通になって来ましたね。

私などは、まだまだ慣れず、不思議な感覚がしてしまいます。

みなさまはネットのお付き合い、いかがされていますか?

《 目次 》

1.   五十立志

2.   さとさま

3.   ヘラルボニー

4.   新しい風

1.   五十立志

そのコミュニティで紹介されていた「中年の本棚」(萩原魚雷著)をいう本を読みました。

今どきの中年についての考察本なのですが、そこに興味深いことが書いてありました。

四十初惑(四十にして初めて惑う)
五十立志(五十にして志を立て)
六十精励(六十にして事に励み)
七十成就(七十にして事を成し遂げ)
八十にして熄む(八十にしてやっと引退する)

ふむー。なるほど、そうかもしれない。

 

2.   さとさま

完全注文制作ONLY ONLY、「さとさま」の帯、制作中です。

この帯は、さとさまが、五十歳になるご自分を祝い、記念し、新しいチャレンジの決意表明としてご注文くださったもの。

そうか、確かに「五十立志」だなあ。

その伴走ができること、心からうれしく思います。

ブログに制作工程を連載しています。

https://www.someoriyoshida.com/category/only-only-注文制作/sato

3.   ヘラルボニー

ヘラルボニーという福祉ユニットをご存知でしょうか?私は「コテンラジオ」の番外編で知りました。

主に知的障がい者と言われる方々が描いた絵を元に、ファッションやおしゃれグッズを製造販売している会社です。

新宿高島屋デパートで、ポップアップをしてましたので、行ってきました。

すごく賑わってて、可愛いものがたくさんあって、迷いに迷って、ポーチとエコバッグを買って大満足。

新宿高島屋でのポップアップは、終わってしまいましたが、銀座、八重洲ではやっているようです。大阪の高島屋でもやるようです。

ご興味ある方、おすすめです。

コテンラジオ https://youtu.be/_t3shaSkVtQ(前編)、https://youtu.be/l-udkWiLl5Y(後編)

ヘラルボニー https://www.heralbony.jp

4.   新しい風

ヘラルボニーは新しい動きですが、障がいがある方々が作るアートは、ずっと以前から注目されています。

私が最初に意識したのは、宮城まり子さんの、ねむの木学園かな。グッズもたくさんあって、ハンドタオル持ってたなぁ。

有名なところでは、私が以前勤めていたさをり織も、鹿児島のしょうぶ学園も、とても素敵な動きをされています。

が、このヘラルボニーは、すごく勢いがあって、新しい感じがします。

何が違うのか、、、

ビジネスとして成り立たせ、アーティストに原画使用料を還元しているところでしょうか?

これからも目が離せません。

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きものと帯の注文制作

染織吉田 吉田美保子

メルマガ

さとさま物語3

2023.03.18

ONLY ONLYで取り組んでいるさとさまの帯、デザインが決まりましたので、早速本番に取り掛かります。

これまで試しで小さなピースを、染めて、織って、蒸して、仕上げてを繰り返しておりましたので、本番をやりたくてうずうずします。やはりバーンとした緊張感は特別です。

大事なのは、まずは糸。

糸は、さとさまのご希望の、「きれいめ、上品、シャイニー」を実現するために吟味します。色については冒険要素も入れるので、ここは、ご希望通りに手堅く押えます。

張りのある銀河シルクと、絹らしく光り輝く糸を選びました。(上の写真、右が銀河シルク)

(その後の幾多の作業の記載は長くなりますので割愛します。)

それから、色。ここが勝負どころ。試しでOKとなった染料から慎重に選び取り、たっぷり用意します。

(染料の調合にかかる幾多の作業も記載割愛です。)

そして、デザイン画をもとに織り縮み率を割り出して、あたりをつけて、ブラッシング開始です。

筆で何度も何度も何度も何度も、ブラッシングしていきます。

染料の濃淡は色々です。ごくごく薄いものから、パキッとしたものまで。メリハリをつけて。

タレとか手先とか、ちょっとしか見えないところは、ごく薄い色ながら、しっかり手をかけて。一本の帯の全体が、さとさまのこれからを守るように。

ここがおタイコ。この後ずらしを施して、真っ直ぐな線を曲線にしていきます。

 

さとさま物語2

2023.03.09

さとさまの帯、どんなふうにしようか、、、、。どうすれば、さとさまの望みを叶えられるのだろう?

50歳の記念の帯、これまで頑張ってきた自分をねぎらい、これからの人生を鼓舞するような。

実はとっても悩みました。

織の仕事は、デザインを決めるまでが第一の山場です。こここそが産みの苦しみで、粘って粘って粘り抜いて、突破口を見つける。光を見つけたら、そこを目指して突き進む。

この一本、私を出し尽くして、さとさまの人生のこれからを応援する帯にしたいと思った。

希望や好みを伺ったとき、幾何学模様の小さい柄が使いやすいなどとおっしゃっていたが、、、、
私はさとさま、案外大胆なのも似合わせるのではないかと踏んでいた。LINEでのやり取りで、柚木沙弥郎の、好きな数点の写真を送ってくれた。透明で躍動感がある。ほら大胆なのお好きなんだ。

直線は苦手、曲線が好きというのも外せないご要望。って織は基本、タテとヨコなんです。カーブをどう表現しようか。

好きな色は、ピンクと茶色。洋服はベージュを着るとのこと。暖色系がお好きとのことだが、インスタを拝見してたら、洋服でお出かけ時に、爽やかな青い布を肩に掛け、真っ青な紐のようなものを手に持って写っている写真発見。わ!すっごく似合う!

この色を提案してみようか?

いや、ブルーのみだと居心地悪いだろうから、ピンクベースで、アイキャッチに茶色。で、ブルーをその上にしっかり目に。

経糸にずらしを入れれば、カーブを描ける。それを大胆に入れたら?

こんな感じでどうだろう?

最終確認ににさとさまとLINEビデオで繋がった。お久しぶりです!同じ時間を共有できるの、いいですね。何より笑顔がうれしい。

ご提案を話すと、お任せしますとの一言。信頼していただけたのだなあ。ますます頑張らないと。

さあ、実作業だ!

 

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