
今日は夏至、梅雨入り直前のしっとり雨の1日です。新しい物語を語り出すのにうってつけの日のように思います。
今回のヒロインは「ななさま」。

ななさまと私は、とあるコミュニティで知り合いました。そのコミュニティ上のブログで、美しくも悲しい、そして強い日記を書き連ねていらっしゃったのがななさまで、私は目が離せず、惹きつけられて毎回読んでいました。圧倒され、コメントはできませんでしたが。

私の方にも色々あって、理不尽なことが起こっても、それを飲み込みつつ、自分らしさを探しつつ、誠実に、一生懸命生きていらっしゃるななさまの姿に憧れのようなものを覚えていました。

程なく、ななさま、そのコミュニティで知り合った方と我が家に見学にお越しくださり、ちょっと糸紡ぎの体験もして、だんだんと仲良くなっていきました。
そして、ご自分のマンションに飾るタブローを私に注文してくださったのです。

これは大変。思いがたくさん詰まった「変化上等」というななさまのキャッチフレーズにいかに応えるか、、、。

連休明けには、ななさまのマンションに伺って、ななさまが大切にされている空間に身を置かせていただきました。

時を同じくして、そのコミュニティ内のグループで、この夏、浴衣でクルーズしようという企画が持ち上がり(幹事は私です)、ななさまも申し込まれ、、、
若い頃にお茶をされていて、着物には馴染みがあるとのことですが、浴衣ははじめて。帯もないということで、浴衣用の帯も注文いただきました。
*写真は全て、このコミュニティで知り合った「トシさん」が撮ってくださったもの。今回、ななさまとの物語に伴走していただけることになりました。トシさんは音楽の方なので、伴走でなくて伴奏かな?このトシさんの物語も、深くて面白いのです。


「たたさまの吉澤暁子先生を想う帯 吉澤先生と一緒!」の全景を載せておきます。
吉澤暁子さんを表すロイヤルブルー、まわりをたたさまや着物仲間の方々を表すイエローやグリーンが楽しげに囲みます。吉澤さんのロイヤルブルーはおタイコから前帯までスクッと貫き、みんなと楽しく語らったり、励ましたりしてくださったり。きっと守ってもくださるでしょう。

たたさま、早速ご自身のインスタグラムに、この帯のことを書いてくださっています。吉澤暁子先生との思い出など、ほろりとします。このような大事な帯を織らせていただき、感謝しかありません。
たたさまのご了解を得て、一部抜粋でご紹介させていただきます。

「この帯は何だか私一人だけのものじゃない気がしていて、ずっと一緒に頑張って来た岡山教室のみんなの前で受け取りたいと大久保先生にお願いをしていました。」
「ずっと以前に美しいキモノに掲載されていた吉田さんの帯に心を撃ち抜かれ、いつの日かご縁がいただけたらいいなと、心の中でそっと願っていました。」

「2022年に吉澤先生の主宰されるサロン・ド・ラソワで吉田さんの個展をされるとお聞きし、地区の婦人会の会合と同じ日で行きたいけど行けないとお伝えすると、吉澤先生が、高田さんこんな機会は無いからzoomで参加したら?と言って下さり、(中略)
楽しくお話しさせていただき、思い切って一番最後でいいのでと帯をお願いすることにしました。ちょうど結婚30年になる年が少し先に控えていて、その記念にしようと思って。」

「先生は本当に繊細な方でした。すごくパワフルな方でしたが、それとは裏腹に私達生徒に駅まで迎えに来させてしまう事、送らせる事にも、ものすごく気を遣う方で、(後略)」
「帰りのホームに入られるといつも、たたさんは遠いんだから早よ帰り!!とおっしゃって、私ははーいと返事をして、いつも先生から見えない場所で、先生が駅員さんに車椅子を押して行かれるのを見ていました。」

「最後にレッスンに来られた日も、車椅子でじっと駅員さんを待たれていました。そしてやっと駅員さんに車椅子を押してもらって見えなくなった背中が、今も目に焼きついて離れません。」

「本当に最後の方のレッスンは、いつもニコニコと笑って女神様の様でした。」

「強くて美しくて繊細な、とても素敵な師匠でした。いつも矢面に立つ、そう決められていた人でした。」

「今日は、その素敵な師匠からご縁をいただいた、ずっと続く素敵な帯が届いた日でした。本当にありがとうございました。」
たたさまの帯、ずいぶん前に仕上げっていたのですが、本日、お手元に届けることができました。
たたさまにいの一番にご覧入れたくて、仕上げの様子などもここにアップするのを控えていました。
帯のタイトルは「吉澤先生と一緒!」。この帯は、まさにそういう帯なのです。
感激していただけたようで、よかった。
上にあげたのは、織り上がって、蒸しと湯のしに出し、戻ってきて、最終の検反をしているところの動画です。
この作業は祈りの時間としか言いようがありません。丁寧に気持ちを鎮めて、心を込めて、小さい糸屑も見逃さず、少しずつ少しずつ進んでいきます。全てが終わりましたら、反物を固くしっかりと巻いて、紙に包み、箱に収めます。そして、帯の仕様書と心を込めてお手紙を書きます。
これが、私のできる全てです。この後はもうたたさまにお任せするしかありません。どうかよろしくお願いしますと願いを込めながら淡々と作業していきます。


うれしいLINEが届きました。素敵な写真が三枚、添付されてます。
昨年のONLY ONLY「さとさま」から、お納めした八寸帯「ハッピーセレブレーション」(愛称・ハッピーちゃん)をお締めいただいたという、お知らせでした。
師匠の吉澤暁子さんのお教室の集まりで、吉澤さんを想うものを身に付けてというドレスコードの日の装いだそうです。
写真拝見して、深く感じ入りました。いやはや、素晴らしい。さとさま、すでにこの帯をしっかり我がものとして使いこなしていただいてます。
帯も、この方がご主人様だと信頼し、喜び、懐いているようです。良かった。

それに、さとさまの表情がキリリとしてとても素敵です。
さとさま、この春、満を持して、ご自分の着付け教室「華園(かえん)」をオープンなさったのです。ずっと丁寧に着実に準備されていたのを知ってますので、私もすごく嬉しいです。
そして、本日、50歳の誕生日を迎えられました。おめでとうございます。帯の制作は、50歳の記念にということと、着付け教室を始められることの心の支えにということでのご注文でした。
だから、このお写真を今日、こうやって見せていただくことは、私にとってもとても嬉しく、ありがたいことなのです。

さとさまからのラインをお許しを得て、一部抜粋でご紹介します。
「依頼させていただく際に、手持ちの大島紬(身内から譲り受けた)にも合わせやすく、今っぽく、上品になる帯をリクエストさせていただきました。
正にその通りに!!!
糸や色選びはもちろん、織りにもこだわっていただき、唯一無二の素敵な帯。
吉澤先生のアドバイスもあり、お太鼓部分に芯を入れていただいたので適度なハリがあって、しなやかで締めやすい。
緻密に計算されたデザインで、本人は柄行きをあまり考えずに結んでも、決まってくれるとても賢い子(帯)です。
当日はいろいろな方に褒めていただき、ハッピーな一日になりました。
4月19日で50歳を迎えます。
それまでに着付け教室を開業したいという思いがあり、ハッピーちゃんに(吉田さん)に随分と背中を押していただきました。
4月1日に、何とか着付け屋「華園」を開業することができました。
まだまだ未熟者ですが、ハッピーちゃんと共に頑張って参ります。
またいつの日か、リアルハッピーちゃんで、吉田さんとお会いできる日を楽しみにしています。
ありがとうございました。」
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おはようございます。
昨日は暖かい春の日でした。お住まいのあたりはいかがでしたか?
急に暑くなって、樹木や生き物が、一気に勢いを増したように感じます。
気配が濃くなったというか、、、、、
自然はすごいなあ。
それに引き換え、ダメ人間の私は、「あちー」と陽を避けて、タジタジとなっております。
今日のメルマガは、まだ暑さもそれほどでもなかった先週の月曜(桜満開の日)のお出かけのことを書いてます。
お付き合いください。

《 目次 》
1. ワイルドシルクミュージアム
2. 館長さん
3. 深川蚕(ふかがわさん)
4. イモムシ

1. ワイルドシルクミュージアム
東京の深川に、ワイルドシルクミュージアムという私設のミュージアムがあります。
存在はずっと知ってましたが、一体どんなミュージアムなのかも知らなかったし、開館日が週に二日のみなのもあって、未知の場所のままになっていました。
誘っていただいて初めて訪れたそこは、小さなビルの一階で、ミュージアム自体も可愛い感じで、小洒落た路面店の様相。
が、一歩踏み入れるとと、その小さな空間に、目一杯の展示物とともに、蚕への愛、豊富な知識、実行力、なんでもチャレンジしてみる精神が、ぎゅっと詰まっていました。

2. 館長さん
ワイルドシルクミュージアムの館長さんは、坪川佳子さんとおっしゃる、素敵な雰囲気の今どきのスマートな女性なのですが、淡々としていらっしゃる印象なのに、実は、濃くて、熱くて、広くて、大きく、深かった。
世の中にはすごい人がいるものだ。

3. 深川蚕(ふかがわさん)
野蚕(やさん・家蚕以外の蚕)の名前は、「@@蚕(さん)」とつけられていることが多いです。例えば「天蚕」「柞蚕」「ムガ蚕」「与那国蚕」「タサール蚕」「エリ蚕」「神樹蚕」など。
それらは、野生か、または人間が繭を利用するために、餌になる樹木に網などを張り飼育しているのがほとんどと思うのですが、なんと、坪川さんは自宅マンションの部屋で飼っていらっしゃるのです。
そして、なななんと、別種の野蚕同士を自分で交配して、何代も育て続け、新たな品種を作り、地名にちなみ「深川蚕」と名付けられたのです。
「エリ蚕」と「神樹蚕」のハイブリッドだそうで、彼らが吐く糸はきれいなオレンジ色。オレンジ色のふわふわした繭も見せていただきました。(エリ蚕は白、神樹蚕は薄茶の糸を吐きます。オレンジ色ではありません)
びっくり!すごすぎです。

4. イモムシ
坪川館長は、この日、ご自宅マンションから、深川蚕のイモムシ2頭を自転車に乗せて、連れてきてくださいました。
家蚕とは全く違って、ツンツンしているし、緑色をおびた白色です。
餌のネズミモチの葉をたくさん食べてるのか、ムチムチと健康そう。
ネズミモチの葉は、ご友人の造園家さんから分けてもらうほか、マンションの屋上で育てていらっしゃるとのこと。
深川蚕を育てているのはマンション室内だそうで、繭から蛾が出てきて飛びだすと、部屋に鱗粉が舞うそうです。
へーーーー!
私は家蚕のことはほんの少々の机上の知見はあるのですが、蚕の種(卵のことを種と言います)の取ることは、とても難しく、専門の業者が厳しく管理して行なっていると聞いているものですから、野蚕とはいえ、個人が交配させて、種を取って、孵化させて、幼虫を育て、繭にして、蛾にして、交配させて、、、を繰り返していることに心底驚きました。
人間てすごいなあ。蚕の可能性を広げているのは人間だな。思い込みを外さねばなあと思いました。
*ワイルドシルクミュージアムのサイト
https://wildsilk.jp/index.html

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きものと帯の注文制作
染織吉田 吉田美保子
完全注文制作ONLY ONLY、たたさまの帯、とうとう織りに辿り着きました。
今回は経糸と緯糸を、あえて同じにしました。今回は糸がとっても面白いので、その良さを出すには、同じにしようという判断です。バランスを見て変える時もあるのですが、今回は全てが同じです。直球勝負なのも、吉澤さんとたたさまのイメージです。
その糸を、小管に巻いて、杼にセットして、準備万端。姿勢をただし、同じ力で打ち込みを重ねていきます。
ただただ、淡々と。
完全注文制作ONLY ONLY、たたさまの八寸帯、デザインが決まりましたので、実物大の図面に落とし込んでいきます。織り縮み率を何%で計算するのかが考え所です。
染料も本番用に整えます。今回は悩みに悩んで、結局、ロイヤルブルー、レモンイエロー、エメラルドグリーン、イエローグリーン、ビリジアン、ライトグレーの6色にしました。全てがキリッと冴え渡るような、吉澤カラーです。
ここまできたら、後はもうやるしかない。いよいよ本番。計算して出た場所の経糸に、染料を含ませた筆や刷毛を下ろして染めていきます。

まずは、キーカラーのロイヤルブルーから。
たたさまが吉澤さんのお別れ会でもらわれたリボンの色です。この色が、おタイコから前帯部分までスックと貫きます。

そしてロイヤルブルーの周りを、吟味した色たちが楽しげに囲みます。

ブラッシングカラーズが終わって、しっかり乾いたら、巻き取ります。テンションを揃えてしっかり固く巻いていくのがミソです。
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*写真は楽しかった館林ツアーから。同行のお仲間が撮ってくださったものも混じってます。
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おはようございます。
先日、群馬県の館林(たてばやし)に行ってきました。天気は良かったのにすごい風で、さすが空っ風の本場を実感しました。
車に乗せてもらっての移動だったのですが、駐車場から建物に入るまでの短い間に吹き飛ばされそうに、、、。
髪の毛が乱れまくりで、この土地ではきっとヘアセットの技術が特化しているに違いないと思いました。
もし私が住んだら、ベリーショートにするかもです。

《 目次 》
1. たたさま、進んでます
2. 館林に行った
3. メノキさんのクラファン
4. 彫刻家の三輪さんと着付け師の吉澤さん

1. たたさま、進んでます
完全注文制作ONLY ONLY、たたさまの八寸帯、少しずつ進んでおります。
ブログに制作工程の物語を書いて、SNSにリンクしますと、ポツポツと感想などいただけ嬉しいです。
一話目を X(Twitter)に投稿しましたら、
「いい話だなぁ。誰かを想うための帯っていいですね。今後の流れが楽しみです。」
といただけ、我が意を得たりととても嬉しかったです。
誰かのために装ったり、誰かを想うために装ったり、そういうこと、着物だと結構あります。
着物は人と人との優しいつながりでもあるんだなあ。
たたさまの「お師匠さんを想う帯」、ただいま4話目まで進んでおります。ぜひご覧ください。
https://www.someoriyoshida.com/category/only-only-注文制作/たたさま

2. 館林に行った
館林でのお目当ては、群馬県立館林美術館で開催中の「ヒューマンビーイング」展でした。
とあるコミュニティで一緒の方が、この展示に参加されている盲目の彫刻家三輪途道(みわみちよ)さんが代表の一般社団法人メノキのメンバーで、お誘いくださったのです。
こんな機会でもないと、館林市なんて、行くことないだろうなと思って。久喜から東武線に乗り換えた途端に、なんだか空気が変わって旅気分になります。
北関東、なかなか縁がなく、訪ねたことは数えるほどなのですが、それでも層が分厚いというか、豊かで面白い土地柄だなと行くたび思います。

(北関東は外国の方も多く、エスニックなお店がたくさんあります。パキスタン料理のビリヤニをいただきました。美味しかった!)

3. メノキさんのクラファン
そのメノキさんが「みんなとつながる上毛かるた」の改良版を制作したいということで、クラウドファンディングをされています。
私、2月に少々ながら支援したのです。
そうしたら、【活動報告】がたびたびメールで届いて、なんだかとても嬉しいのです。
そのメールの文面が、とても優しく丁寧で、まっすぐで、かつ長すぎず読みやすい。
自分が応援した方々が、一生懸命活動されているという姿に触れられるのは、なんだかほっこり温かい気持ちになります。
この活動報告受け取るだけでも、クラファンしてよかったなあーって思うのです。
クラファンは、3/31までの開催のようです。ラジオも配信されていて、そちらもとても良いです。
https://camp-fire.jp/projects/view/734721?list=watched

4. 彫刻家の三輪さんと着付け師の吉澤さん
彫刻家の三輪途道さんのことは、お名前を知ったのもつい半年ほど前のことなのですが、作品を拝見したりビデオや人伝のお話などを聞いて、目のご病気でだんだんと見えなくなるという状況下で、また完全に失明されてからも彫刻を続け、新たな境地を切り拓いておられることに感銘を受けてます。
目が見えていた頃の作品、見えなくなってからの作品、どちらもいいのです。
一方で、たたさまの帯に取り組むことで、たたさまの師匠である吉澤暁子さんのことを思っています。吉澤さんは、活躍の真っ只中で、ご病気で亡くなられてしまったけど、生き生きと生き抜かれ、今なお多くの方に慕われ、輝いておられます。
お二方、それぞれの生き方、強さ、美しさに触れられて、身が引き締まります。憧れますし、ありがたいです。

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きものと帯の注文制作
染織吉田 吉田美保子

完全注文制作ONLY ONLY、たたさまの帯、そろそろデザインを詰める時となりました。
まずはスケッチ。
今までに色々お話ししたことを反芻しながら、自由に描いていきます。私の過去作品で一番お好きだとおっしゃってくださったのの発展系や、吉澤さんをイメージしたカラーでまとめたもの、太子間道がお好きとおっしゃっていたのでそのイメージのもの。
なんでも自由に。可能性はどんどん広げようと思って。
それをたたさまにお見せしたら、速攻でお返事が来て、「吉澤先生のイメージのもので」とおっしゃいました。

では、吉澤さんが求めてくださった帯の色を再現してみよう。(吉澤さん、この帯を求めてくださいました。→⭐︎)

パソコン上で、吉澤カラー、白地ベース、たたさまがお好きなデザインで、色々やってみます。プリントアウトして、帯の形にしてみます。
うーん、もう一歩なんだよなあ、吉澤さんに辿り着かない。

ふと、我が家の壁に目が行きました。青い細めのリボンをひと結びして留めて飾っています。
これ、吉澤さんのお別れ会の時に、参加者に色別で配られてみんなが身につけていたのです。吉澤さんのお好きな色ばかり。リボンを身につけると言うのも着付けの先生らしく。吉澤さんを支えてこられた近しい方々のお心配りにもジーンとしたのでした。
私は濃い青色をいただき、お別れ会が終わっても手首に結んだまま新幹線に乗って、帰り着いてうちの壁に飾ったのでした。
たたさまはどうしていらっしゃるかな?
早速お尋ねすると、車のミラーに結んでいるとのこと。やはり身近に、大事にされてたんですね。お色は紫がかった青だそう。ロイヤルブルーといってもいいかも。吉澤さんドンピシャのお色です。

これだな、吉澤さんを想う帯にふさわしいモチーフは。このリボンをデザインの核にしよう。
今も吉澤さんと繋がっている。吉澤さんが作らせてくださる。
さらに色の調合を重ねて、試し織りをしてみました。
たたさまのONLY ONLY、経糸(たていと)の準備をしています。
整経から機(はた)に掛けるまでは、地道な作業の積み重ねです。
今回使った糸は、節や毛羽が多い面白みのある暴れん坊の糸です。こんな糸、手織りでもなかなか扱えないぞ。
無謀と思えることでも、一つ一つを丁寧にこなすことで、想定を超えた織物ができると思っています。
今回使っている糸は一種類なのですが、重さを測って太さに分けて木枠に巻き、整経の時は、太い糸同士、細い糸同士が並ばないように配置しています。全体的に整った印象になるし、小さなリズムになる。
こんなことは布になってしまえば分からないのですが、きっと、たたさまと吉澤さんは感じてくれるのではないかなって思っています。