「ヨシダさんが思う、吉澤先生を織ってほしい。」
難題ですが、たたさまのお気持ち、シカと受け止めます。
吉澤さんは抜群のセンスで、なんでもカッコよく着こなす方でした。「吉澤カラー」というのもお有りでした。
初めは、色から考えこんなものもいいなと、突っ走って試し織りまで行きましたが、ちょっと違ったみたい。
3人でズームで話したことをひとつひとつ反芻して、そうだ、今回、白地にしようと思いました。白地のものはあまり持っていないとおっしゃっていたので。
「なんで、白地を避けてきたかというと、着物や帯は、綺麗に着て、次の方に受け継いでもらうものと思っているから、白は汚れてそれができなくなる。でも、最近、大事にすれば白もいいなと思うようになってきた。やっと白を締める責任感を持てたように感じるというか、、、」と。
さすが、着物を広める立場の方です。
たたさまもすごいけど、たたさまが師匠と仰ぐ吉澤さんもすごい。愛情が受け継がれているなあ。
よし、今回、たたさまに、白地に吉澤さんカラーが飛ぶ帯をお作りしたい。糸の準備とデザインを並行して進めよう。
今回は群馬県の碓氷製糸さんから低張力で引き出した糸を取り寄せることにしました。使い辛く一筋縄ではいかない糸ですが、味があって面白みがあります。
動画で、糸の下準備をしているところ、ご覧ください。
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*写真は最近の東京散歩から。月に一回、神保町の漢方内科に通ってます。帰りにフラフラと、江戸や明治の香りを嗅ぎながら写真を撮っています。
*最後の写真はこれまた月に一回通っているパーソナルトレーニング。生まれて初めてベンチプレスを上げる私。
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123通目のメルマガ【たたさまスタート号】をお届けいたします。
こんばんは。いかがお過ごしですか?
暖かくなったと思えば、急に寒くなったり。雨が降ったり、風が吹いたり。体も心もびっくり状態ですね。
お体、大丈夫でしょうか?
もうすぐ3月、本格的な春もすぐそこ。楽しみに待ちましょう。
《 目次 》
1. たたさまスタート
2. 大地をまとう「自然布」講座
3. 大井川葛布さんのZOOM
1. たたさまスタート
完全注文制作ONLY ONLY、新たな物語をスタートさせています。
今回のヒロインは「たたさま」。たたさまの大事な人を想う帯を作ります。
誰かを想うために装う。着物の醍醐味と思います。それをお任せいただけるとは、なんとありがたいことでしょう。心して取り組みます。
伴走をお願いします。
ブログ《たたさま物語1》
https://www.someoriyoshida.com/12959
2. 大地をまとう「自然布」講座
宵衣堂の小野健太さんが講師のZOOMレクチャーを受けています。
このレクチャーは「大地をまとう 自然布」というタイトルで、さまざまな素材・技法について、小野さん独自の切り口で解説していくものです。
先日は第一回で、木綿にフォーカスした回だったのですが、めっぽう面白かったです。
知っているようで知らないことばかりで、引き込まれて視聴しました。
講義の要旨はあらかじめPDFで配布されますので、プリントアウトしておいて、それに書き込みをしながら受講できるようにしてくださってます。おかげで、木綿のことについては、相当飲みこめたぞと自信になりました。
準備万端整えて講義への臨んでくださっていることに感じ入りました。
この講座は全12回で、2か月1回の開催です。最終回は、2025年の12月。なんと、長丁場でしょう!その頃、世の中は、皆様は、私は、どうなっているでしょう?
講義で歴史の話も多く出ますが、2か月に一度、過去を学びながら、現在を見つめ、未来を見据える貴重で楽しみな時間になりそうです。
この講座は、今からでも申し込めるみたいですので、興味をお持ちの方にはおすすめです。
https://kuzufu.net/corner854803/pg5187897.html
12回一括でも一回ずつでも申し込めるようです。わからないことは大井川葛布さんにお問い合わせになるといいと思います。
https://kuzufu.net/corner854803/pg4414151.html
3. 大井川葛布さんのZOOM
今回私が受けている自然布レクチャーは、大井川葛布さんが主催する染織ZOOMレクチャーの一環です。
大井川葛布さんのZOOMレクチャーは、コロナ禍の外出自粛期間に始められたのではなかったと思うのですが、染織マニア(染織オタク?)に支持されて、いろんなシリーズが開催され続いています。
それぞれすごくマニアックなので、講義をする方も受ける方も、大概だなと思うのです。
始まってすぐは、ZOOMを使っての講義が根付くかなと思っていたけど、すっかり普通のことになりました。
こんな深い話、他では聞けないと思います。対面の講座などより、よっぽどピンポイントだと思うことも。
大井川葛布の村井親方、時代を切り拓いて、さらに深く、また裾野を広げていらっしゃいます。
なんでもそうかと思うのですが、長く続けていると、すごい人とかすごい動きとかに遭遇できてうれしくなります。
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きものと帯の注文制作
染織吉田 吉田美保子
さて、新しい物語のスタートさせるといたしましょう。
今回のヒロインはたたさまです。
たたさまと初めてお会いしたのは、2022年に京都のラソワさんで開催していただいた「吉田美保子展 ボンジュール」の会場で繋がったズームの画面越しでした。
ラソワ主宰の吉澤暁子さんと3人で、楽しく、ONLY ONLYのご相談をさせていただいたのです。
たたさまは、着物歴も長く、知識も経験も豊富で、あふれる着物愛が伝わってきました。
吉澤さんの着付けのお弟子さんですが、ご自身でも着付け教室を主宰され(この時は準備中でしたが)、たくさんの人に愛されるお人柄が伝わってきました。
吉澤さんもたたさまのことを「軸がしっかりしていて正くて強い人。」と評されてました。
基本的に任せていただけるとのことで、「ヨシダさんが思う、私に似合う帯を作ってほしい」とのこと、それは、自分で好みを言うと似た感じばかりになるからという理由でした。
急がないという言葉にゆっくり目に計画させていただくことにしました。
それからたった一年と数ヶ月後、、、、
なんたることか、、、、、青天の霹靂とでもいうのでしょうか、吉澤さんが逝去されてしまうという、まさに青空が落っこちてきてしまうようなことが起こりました。
たたさまも大変なお悲しみようで、すぐに連絡をくださり、このONLY ONLYを、
「ヨシダさんが思う吉澤先生を表現する帯に変更してほしい。そして私はこの帯を吉澤先生と思って、着物を着れる限り大切に大切に締め続けたい」とおっしゃいました。
それで、計画を変更して、私にとっての吉澤さんを探る旅に出ることになりました。
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122通目のメルマガ【糸つむぎ号】をお届けいたします。
2024年が始まりました。
いかがお過ごしでいらっしゃいますか?
年明けから大変なことが続きますね。
このメルマガを読んでくださっている方の中にも、大変な目にあわれた方もいらっしゃるかもしれません。
まだまだお辛い状況と思います。心よりお見舞い申し上げます。
もう30年以上になりますが、能登半島をドライブしたことあります。
砂浜にハンドルを取られていたら地元の人が押してくれて助かったり。朝市でぶらぶら散歩したり。
宿のお膳の輪島塗りの素晴らしさに目を見張り、手に持つ感触や、唇が触れる柔らかさに驚いたり。
懐かしいいい思い出です。
多くの人が思いを寄せて、忘れずにいることが、復興につながると思っています。
2024年が、世界中のみんなにとって、平和で、健康で、優しい年でありますように。
《 目次 》
1. 吉倉ますみさん
2. 糸を紡ぐ
3. ずり出しの着物
4. ずり出しにチャレンジ
1. 吉倉ますみさん
松が取れない頃に、染織家の吉倉ますみさんの工房を訪ねました。
吉倉さんは、ご自分で作った独自の絹糸なども使って、主に着尺を織っていらっしゃる作家さんです。
最近私もモーター付きの鋳物の紡ぎ機を手に入れ、見よう見まねで紡ぎ糸を作るのですが、なかなか思うようにいかず、一度吉倉さんに教えていただきたいとお願いしての訪問でした。
染織にまつわることをいろいろお話ししながら、楽しい1日を過ごさせていただきました。
吉倉ますみさんのブログ http://breeze-09.cocolog-nifty.com/blog/
2. 糸を紡ぐ
「真綿紡ぎ糸」をどうやって作るか、ご存知でしょうか?
定義や作り方は産地によっていろいろなのですが、基本的には、繭を柔らかくして広げたもの(=真綿)から繊維を引き出して糸にします。
つむぎ機を使うと、軽い撚りがかかり、かつ、完全な手作業よりはハカがいっていいのですが、これが手に入らないのです。
昭和の一時期出回っていたものですが(新しくはずっと製造されてません)、私はそれを25年探していて、やっと昨年ご縁があって、修理をしてもらって、晴れて我が家にやってきたのでした。
それでおっかなびっくり、興味津々で使っているところなのです。
私がやっていたのと吉倉さんのやり方は似ているようで、細かく見ると、いろいろ違いました。
紡ぎ機を置く台の高さとか、目線とか、真綿を押さえる場所とか、糸を送り出すタイミングとか。
安定して長時間、淡々と続けることが大事なのだなあ。
これが、ものづくりの基本と思いました。
(紡いだ糸たち。一番上のはずり出し糸)
3. ずり出しの着物
「ずり出し」という糸の作り方があります。真綿紡ぎと似ているのですが、違いは真綿にせず、煮たままの濡れた繭から糸を引き出して作ること。(これも地域によって定義や作り方は違うと思います。)
最も原始的な絹糸の作り方と言ってもいいのではないでしょうか。
ずっと気になってましたが、今までやったことはありませんでした。
吉倉さんは着物一反の緯糸、全てずり出しで織ったことがあるそうで、そのお着物を見せていただきました。
いい着物だなあ!ふっくらして、上品さとワイルドさが共存している感じ。さすがです。
(水分を含ませた繭。白いのが自分で育てた繭。緑色のは天蚕)
4. ずり出しにチャレンジ
手元にあった、たった5粒の繭をw吉倉さんの工房へ持って行ってました。これを使って、ずり出しもやらせてもらいました。
繭をお湯につけて浸透させて、重曹を入れたお湯で煮て、柔らかくなったら、濡れたままの状態で軽くほぐします。
そうすると、一本一本の繊維の形が見えます。蚕が首振ったままの細かいウェーブがそのままなのです。
ほうっ!これが3デニールの蚕が吐いたままの絹糸か!
その繊維を引っ張るとズリっと引き出されてきます。
ウェーブした極細の糸がくっつきあい、ある程度の太さにまとまってくるので、それを太ももの上で、手のひらでこねるように撚りをかけ、そのまま床に置いたザルに落としていきます。
ザルには、豆やおはじきなどを入れて、絡まるのを防ぎます。
糸になった~
お蚕さんが作った繭が糸になる。そして布になる。
原始的なやり方になればなるほど、興味と面白みが深まります。
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きものと帯の注文制作
染織吉田 吉田美保子
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121通目のメルマガ【振り返り号】をお届けいたします。
あっという間に今年も暮れていきますね。
この一年、メルマガ《 some ori 通信 》にお付き合いくださいまして、ありがとうございました。
ぼちぼち続けている不定期配信ですが、織り続けることの支えにもなっています。
読んでくださるあなたが居てくださるからこそです。
本当にどうもありがとうございます。
《 目次 》
1. 2023 振り返り
2. 偲ぶ
3. わかってきた
4. 続・わかってきた
___________
1. 2023 振り返り
今年は、染織吉田20周年の節目を無事迎えたことと、日々せっせと作り続けられたことが、良い出来事でした。
淡々と続けていることこそが何よりの勲章という感じです。
プライベートではネット上のコミュニティに自ら門をたたき入れていただいて、視野がぐんと広がったことがよかったです。
ネットの凄さを再確認。
一方、体調はヘロヘロでした。猛暑の中、2度ほど倒れ込んだこともありました。
体調が悪い自分との出会いが新鮮でした。あとはV字回復あるのみだ。
2. 偲ぶ
年末は、亡くなった方を偲ぶ時間でもあると思います。
個人的にも今年は、身近で若く亡くなった方々がいて、今も心がぽっかり空いた感じがしています。
著名人でも、えっ!という訃報が多々ありました。
YMOの二人が相次いで亡くなったのは衝撃でした。彼らが出てきたのが私が小学生の頃で、その後、時代をグイグイ引っ張る姿を目の当たりにしてきました。
彼らの活躍を仰ぎ見ながらの人生でしたので、時代をリードする光がなくなった感覚があります。
高橋幸宏さん、坂本龍一さん、今年亡くなられた方々、本当にお疲れさまでした。安らかにお眠りください。
3. わかってきた
私はずっと、「大創業祭」とか「〇〇周年記念ディナーショー」とか、なんの意味があるのだろうと思ってきました。それって祝うべきことなの?
めでたいとしても、自らセットアップしてイベントするようなことなの?と。
何でもやっていれば、1年過ぎれば1周年で、3年過ぎれば3周年、50年過ぎれば50周年。当たり前のことじゃんと。
が、自分が20周年を迎え、これは奇跡だし、周りの助けがあってこそ続けられたことだし、感謝と御礼をお伝えせねばとやっと分かりました。
遅かりし、、、、(その上、20周年のイベントは何もなし)
こんな私ではありますが、これからもよろしくお願いします。
4. 続・わかってきた
それと、著名人が亡くなると、それをニュースで速報するのもよく分かってませんでした。
人はみんな死ぬんだし、それを急いで広めることの意味は何なんだと。
死因とか年とかも、知らせる意味があるのだろうか?
が、私自身としを重ね、逝去のお知らせをもらったり、芸能人などの亡くなったとのニュースを見ると「ああ」と思うし、しばし沈黙するし、その生きてきた時を思います。
彼らと私は同時代を生きて、同じ空気を分け合った同志であると。
先に駆け抜けて行かれた方々に哀悼を思うのは自然なことかなと。
そして、願わくは、みんなができるだけ、平和で健康で、幸せに生きていて欲しいと言うこと。
来る年が、あなたさまと地球上のみんなにとって、平和で健康な、幸せな一年でありますように。
2024も、染織吉田をどうかよろしくお願いします。
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きものと帯の注文制作
染織吉田 吉田美保子
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こんにちは。お元気ですか?
日中の太陽がぐっと低くなりましたね。ああ冬が来るなあって感じています。
我が家は集合住宅の一階なのですが、南向きのベランダで、庭があって、その先は向かいのマンションの広い駐車場なので、日当たりはとてもいいのです。
寒くなってから、陽の光が部屋の奥まで届いてくれるのはとてもありがたいですよね。
ですが、この冬至の前後1ヶ月くらい、昼すぎの数時間、そのマンションの影になってしまうのです。
一番太陽が欲しい頃なんだけどなあ~。残念~~。
《 目次 》
1. ねじまき鳥クロニクル
2. 着物で
3. ゆる学徒カフェ
4. その先に住んでた
___________
1. ねじまき鳥クロニクル
村上春樹原作「舞台ねじまき鳥クロニクル」を観に、池袋の東京芸術劇場に行ってきました。
音楽劇と言ってもいいのか、歌って踊って、舞台装置もどんどん変わって、話の展開も目まぐるしく、観るものを惹きつけます。
主人公の「岡田トオル」が二人で演じられていて、そうかー、そういう解釈かと面白く思いました。
トオルの妻のクミコの方が、二重性を持っているのだと思うけど、トオルの二面性を描くのかー。
村上春樹の原作は大昔に読んだけど、ほとんど忘れていて、最近オーディブル(朗読サービス)で聴いて、引き込まれていたのです。
村上春樹、若い頃はそんなに好きでもなかったのだけど、やっぱりすごいと最近すごく思います。
時代を作った、大きな人なのだなあと。
2. 着物で
観劇にはおしゃれせねばと私は着物で行ったけど、劇場に着物姿の人は見られず、そんなもんだろうなあと思いました。
コートは無しで、羽織姿で歩くのが好きです。
11月はそれが一番似合う時期かなと思います。
3. ゆる学徒カフェ
池袋の西口に行くので、これはいいチャンスと思って、「ゆる学徒カフェ」に行ってきました。
私、ゆる言語ラジオのファンなのです。
「ゆる学徒カフェ」は、ゆる言語ラジオの収録スタジオ兼カフェで、ミーハー心を抑えられず、、、、、
関わっている方々は、多分、20代~30代で、若くて、才能あって、今まさに、自分の人生を切り拓いている最中で、とても素敵です。
時代を作っている人たちをそっと見ておきたいと思っています。
ご存知ない方は、YouTubeかPodcastで聞けますので探してみてください。
4. その先に住んでた
池袋は、、、私がここ(神奈川県大和市)に引っ越す前は、自転車圏内でした。
池袋から地下鉄で二駅、自転車でも15分くらいのところに住んでて、どこに行くにも乗り回してました。
越してからは池袋の駅までは来ることはあっても、外に出たのは15年ぶりです。変わってないなあ~~~。
この時のアパートは、窓の目の前に隣の家があって、陽がささなかった。でも、三方に窓があり、明るい部屋だった。
私は30代のほとんどをその部屋で過ごしたのでした。
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きものと帯の注文制作
染織吉田 吉田美保子
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119通目のメルマガ【GO TO 山鹿号】をお届けいたします。
おはようございます。
すっかり秋も深まって参りました。
先日はきれいな満月でしたね。丸い月のすぐそばに大きな星が一つ光っていました。(木星なのだそうですね。)
ちょうど半月前の新月の晩、私は熊本県の山鹿市の平山温泉に浸かっていました。
闇の中の露天風呂で、星空を眺めていました。
今日のメルマガは山鹿と阿蘇に旅行したことを書きたいと思います。
お付き合いください。
《 目次 》
1. さえさま、お納め
2. 山鹿へ
3. シンポジウム
4. 阿蘇のススキ野原
1. さえさま、お納め
完全注文制作ONLY ONLYで取り組んでいたさえさまの着物と帯が出来上がり、お納めしました。
着物サロンゆき和さんの、トータルコーディネートも流石で、本当に素晴らしい一揃えとなりました。
今回の旅は、そのさえさまと、ゆき和さんと、私の3人旅でした。
お納めと旅のことは、「さえさま物語10」にまとめました。さえさま物語の最終章となります。
ぜひご覧ください。
2. 山鹿へ
今回の旅は、言ってみれば着物のお里帰りとなりました。さえさまの着物と帯は、山鹿で育った蚕の糸、100%で作っています。
養蚕農家の花井さんにとっても、自分が育てた蚕の着物と帯をお召しになって訪ねてくれるのは、初めてのことと大感激されてました。
上にリンクした「さえさま物語10」の動画に映っている花井さん、とても嬉しそうですものね。
さえさまはお顔出しNGとのことで表情は映ってませんが、それでも喜んでいらっしゃるのが見てとれます。
私もとっても嬉しかったです。
3. シンポジウム
山鹿ではちょうど養蚕のシンポジウムが開催されて、このさえさまの着物と帯の制作工程のショートフィルムが上映されました。
真面目なシンポジウムに彩りを加えた感じになったとしたら嬉しいです。
花井さんと私で、登壇してご挨拶もしました。
フィルム、なかなか評判が良かったのですよ。良かったらご覧ください。(約10分)
4. 阿蘇のススキ野原
我々にはもう1箇所、行きたい場所がありました。
それは、阿蘇のススキ野原。
さえさまに着物の注文をもらった2年前に、「作りたいお着物のイメージありますか?」とお聞きしたら、「阿蘇のススキ野原」というお答え。
そこは、さえさまが青春時代を過ごされた思い出の場所。
しかし、着物にするには難しいお題で切り口を探っていたのですが、、、
その後、ゆき和さんでカラー診断をお願いし、導き出された色が「苅安色」。
そこでつながりました。そっか、素直に苅安色の着物を作ればいいんだ。
「苅安」と「ススキ」は同じ稲科の植物で、生態もそっくりで同じように山野に広がります。
今回のプロジェクトの締めに、3人で阿蘇のススキ野原を訪ねられたことは、何よりのご褒美となりました。
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きものと帯の注文制作
染織吉田 吉田美保子
完全注文制作ONLY ONLYで承りましたさえさまの着物と帯、お仕立て上がってお納めしました。そして、さえさまと、ゆき和さんと私とで、蚕のふるさとである熊本県山鹿市の養蚕農家花井雅美さんを訪ねてきました。
その様子を3分の動画にまとめましたので、上のYouTube、ぜひご覧ください。
さえさまのひと揃い。トータルコーディネートのゆき和さん、冴えてます。
横から。
後ろ姿もいい感じ。 花井さんの桑畑、本当に気持ち良かった!
蚕室にて。
秋蚕さんたちが、ちょうど蔟(まぶし)に上がって、繭を作り終えたところでした。この前日まで、チリチリチリと糸を吐く音がしていたそうです。(私がこの夏、蚕を飼って、3頭が繭になった時は、そんな音全く気づきませんでした。さすが農家さんは違います)
回転蔟(かいてんまぶし)は、一台で約1000頭弱のお蚕さんが入るそうですので、ここに写っている分だけで約6000粒ということです。この分で約10kg、今回譲っていただいた全量となります。
そして、そのほとんど全てを使って、着物一枚、帯一本になりました。お蚕さん、育ててくれた花井さん、ありがとうございます。
熊本日日新聞の取材を受けました。
記者さんと私たち。
さえさまの完全注文制作ONLY ONLYですが、今回、着物と帯の両方を承っております。まずは着物を作りましたので、それに合わせて、最高の一本を作ります。
制作工程は上の動画をご覧ください。下には、織り上がってから撮った写真を載せます。
どんな帯にするかは、さえさまとゆき和さんが我が家にいらっしゃって、織り上がった着物の実物や、私の過去の作品を参考にああでもない、こうでもないと。
私の「パーテーションシリーズ」がお好みであることは、以前から聞いていましたが、色味もよくよく話をして。カラーコーディネートの専門家であるゆき和さんのアドバイス、大いに参考になりました。
糸は、全て山鹿の蚕からいただいたもの。銀河シルクと節糸です。
さえさまは光沢が強すぎない方がお好みなので、製糸の段階で節糸も作ってもらってました。この節糸、木枠に巻く段階で、細い太いに分けておいてました。細めの部分は着尺用。太めの部分は帯用と使い分けるためです。
これが結構手間だったのだけど、やった甲斐あった。着物の方も適度なマット感出たし、帯の方も光はあるけど、フォーマルとは違う感じの、さえさま好みになったと思います。よかった。
節糸は経糸にも緯糸にも入っています。軽さにも繋がったと思います。
山鹿のきれいな空気と水で育った桑を、たくさん食べて大きくなった蚕の糸のみで作りました。メインの糸の区切りに入れた黄色の糸は、銀河シルクを精練したもの。織り方もそこだけ変えて。
この精練した銀河シルクを優しい黄色に染めたもの、さえさまがとても気に入ってくださったので、試し織の時より、太くして、かつ、地のブラッシングカラーズに白場を作っておいて、目立つようにしました。
お太鼓と前柄部分のパーテーション部分は、織り方と染料の濃さや色味を変えて、市松模様にしています。ここが緯糸二丁杼です。
いい感じの艶感。着物がマットな感じですので、きっといい相性と思います。
組み合わせるのが楽しみです。
(こんなに小さかった。我が家に来たての頃のお蚕さん)
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(5頭揃って)
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こんにちは。
いかがお過ごしでいらっしゃいますか?
朝晩はやっと涼しくなりましたね。
私の夏はお蚕さんと共に来て、共に去って行きました。
116通目のメルマガに桑摘みに行ったこと、お蚕さんが我が家にやってきたことを書きましたが、あれから蚕たちはそれぞれの道を進み、つい先日、蛾になった2頭が死んでしまいました。
幼虫が桑を食み、脱皮し、成長して、糸を吐き、繭を作り、蛹になり、蛾になって、産卵して、死ぬまでのことをの書いておきたいと思います。虫が苦手でなければお付き合いください。
《 目次 》
1. 桑を食む
2. 繭になった!
3. 羽化した!
4. そして
1. 桑を食む
この夏我が家にやってきた、白く、小さく、モゾモゾ動き、桑の葉を足でしっかり押さえ、一心不乱に食べていく、5頭の幼虫たちに、私は右往左往させられっぱなしでした。
と言っても、何か労力が必要だったわけでは全くありません。
餌になる桑の葉は、蚕飼いの師匠、あけみとりんが持ってきてくれたので、私がしたことは、桑の葉を一枚一枚キッチンペーパーで拭き、枯れないように茎のところを湿らせたペーパーでくるみ、ビニールにきっちり包んで冷蔵庫で保管して、蚕の様子を観察しつつ、前にやっていた葉がしなびてきたら、新しいのを与えるという、ただそれだけなのです。
蚕は水を嫌うそうなので、水をあげる必要すらないのです。
それなのに、気持ちはとってもビクビクドキドキしていました。
蚕は眠(みん)と言って眠っているような動かない時期があり、脱皮して大きくなるのですが、蚕が動かないと、それが眠なのか、ただの休息なのか、わからなくて不安で、ただただじーっと見守っていました。
張り付いて観察していた割には、脱皮の瞬間は見逃しました。脱ぎ捨てたストッキングのような抜け殻が桑の葉にへばりついてました。
蚕をのびのびと飼ってあげたいと思ったことと、よく観察できるように大きめのプラスチックケースに入れていたのですが、それは蚕にとって良くなかったのですって。蚕は寂しがり屋だから、うじゃうじゃしたほうが心地よいって、後で師匠に教えてもらいました。生態的にそうらしい。知らなかったよ!
他にも、蚕は食べ過ぎに注意しなくていいのかとか、適度に運動させた方がいいのではないかと言う素人質問に師匠は根気よく教えてくれました。(蚕は小さいし短命だから、食べ過ぎとか運動とかは気にしなくていいとのことです)
(脱皮のあと)
2. 繭になった!
繭になる時の足場を蔟(まぶし)というのですが、これもあけみとりんがおすすめのを100円ショップで買って持ってきてくれました。植物を苗を育てる小さな紙製のプランターです。さすが、蚕飼い歴5年のベテランです。(師匠は10歳だから、なんと人生の半分、蚕を飼っていらっしゃいます!)
そろそろかという頃を見計らって、お蚕さんたちを蔟に移しますが、自分が繭を作る場所を決められず、這いまわります。
ちょっと早かったのかなあ。食べ足りなかったのかと再度、桑を与えます。
でも食べない。糸を吐いても桑を食べてもいいように、蔟の近くに桑を置き直したり。一晩たった頃に見てみたらむしゃむしゃ食べてたり。
もうどっちなのよーー!
思い通りにならない蚕さんたちにイラッときたり。(思い通りになるはずないというか、私はそこまで習性を把握してない。)
一頭がようやくようやく糸を吐き始めました。
ほぉ、本当に不思議。神様からの賜り物としか言いようがない。この白い虫が絹糸を吐く。頭を振って綾を取るように、口から出た糸が繭の形になっていくのです。
もう2頭も一日留守にする日に、蔟に入れて、桑で蓋をして出かけ、帰ってきたら繭になってました。
(2頭は幼虫の時に死んでしまいました。胸の潰れる思いをしました)
(蔟の上を這い回るもなかなか糸を吐かないため、桑を与えられているところ)
(やっと糸を吐き、蔟の隅にかけ始めた。)
(繭になった!)
(もう2頭。こちらはトイレットペーパーの芯が蔟)
(近づいてみましょう)
(繭の周りのは毛羽と言って、蚕がまず吐いて、繭作りの足場とします)
(毛羽も紡げば糸になります)
(この子はこれを撮った次の日、死んでしまいました。途中、桑の食べ方が鈍り大きくなれなかった。)
3. 羽化した!
養蚕農家さんは、蚕が糸を吐いて繭になったら数日後に出荷します。その状態の繭だと、製糸した時にスーッと一本の糸になります。
しかし今回は観察が目的ですので、繭になりきり数日待って、蛹を取り出し、羽化する様子を観察することにしました。これもあけみとりんの助言あってのことです。(数日待つのがポイントです。蛹が硬くなるのを待つのですって。)
繭にカッターを斜めに入れるとしっかりした硬さと弾力があります。うわあ、織った布にハサミを入れる時の感触に似てる!
蛹をコロンと取り出します。一緒に黒い塊も出てきました。わ!これ何?
師匠に聞きましたら、中で幼虫が蛹になるとき脱皮した後だそうです。虫というのは脱皮の連続なのだな。
蛹を藁半紙にふんわりキャンディ包みにして、数日放置。しょっちゅう覗いてましたが、羽化する瞬間は見逃しました。
(蛹を取り出した時に一頭は死んでました。真っ黒でした。繭になるのが遅かったひと回り小さな子でした。)
(繭を切りました。右が毛羽。下の繭のお皿に乗っているのが脱皮のあと)
(これが蛹。生きています)
(これが羽化したあとの蛹の殻)
4. そして
まずは一頭が蛾になりました。
二日ほど遅れてもう一頭が蛾になりました。
その数日後、一頭目が産卵したので、お、二頭目はオスだったのか、交尾を見逃したと思っていたのですが、、、、
時をおかず二頭目も産卵し始めました。
びっくりした私は師匠に聞くと、蚕は鶏と一緒で無精卵を産むとのこと。
へー、へー、へー!知らなかったよ!
一頭は藁半紙の上、もう一頭は紙箱の壁にくっついてましたが、そこを這い回って卵を産みつけていくのです。
数えきれないくらいたくさん。多分、500個くらい。
動きはスローでじっとしているように見えるのだけど、次に見たときは移動している。彼女らなりに動いている。
あまりに動きが少ないから死んでしまったかとじーっと見ると動いている。
そんな日々が10日ほど。
彼女たちは飲まず食わず。飛びもしない。
こりゃ死んでも分からないのではないかなって思っていたけど、分かった。
(上の2枚が蛾になってすぐのころ)
幼虫の時に死んだ2頭はすぐ腐ったので土に埋めたが、蛹のときと蛾になってからの死骸は今もここにある。糸を吐き始めたら、後は飲まず食わずだから、腐りようもないのかもしれない。蚕という生き物は全てを出し切って死ぬのだなあと思った。
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