我が家に、めっちゃきれいな、ツヤツヤの、ピカピカの、プルプルの、ふんわりの、生き生きとした絹糸がやってきました。
ね、すごいでしょ。
めっちゃきれいでしょ。それに生きものって感じします。
この糸は、熊本県山鹿市の養蚕農家、花井雅美さんが育てた蚕を、埼玉県で座繰りをしている中島愛さんが生繭から糸にしてくれたものです。
花井さんの養蚕も、中島さんの座繰りも、ひとつひとつの工程への誠心誠意さが素晴らしくて、深すぎて、面白すぎて、ここにうまいこと書けません。
着物ライターの安達絵里子さんが、丁寧に取材してくださってますので、いずれ安達さんによる文章をご紹介できると思います。それをお待ちくださいね。
今は、ただただ、美しい糸がやってきたよってことをここに記します。
私はこれから、この糸で、着物を一反織ります。
4月に開催される「白からはじめる染めしごと」展に出品します。どうか観にきてくださいね。
会期:2021年4月9日(金)〜11日(日)
会場:大塚文庫(東京・自由が丘)
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おはようございます。
昨日の昼下がり、近所を歩いていたら、ベランダにサンタさんの服を干しているうちがありました。
家族でパーティーでもした衣装でしょうか?(それとも、こちらがサンタさんのご自宅?!)
ちゃんと洗って片付けて来年に備える。晴れが続く、南関東の冬の太陽をさんさんと浴びて。いいなぁ。いいもの見たなぁ。
その先の公園では、梅が咲きはじめてました。まあ、なんとお正月らしい。
が、もうすぐやってくるのは新暦のお正月。梅さん、ちょっと早すぎませんか?
新暦のお正月は、天気予報によると寒波到来とのこと。心配です。
《 目次 》
1. 今年もありがとうございました
2. お襦袢のONLY ONLY
3. 渡邊志乃さん
4. 通販サイト更新
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1. 今年もありがとうございました
今年も暮れようとしています。
今年は誰にとっても大変な年でしたね。大丈夫でしたか?
感染症も心配でしたし、ふるさと熊本では大雨の大災害。夏も猛暑で、不安やストレスも多かったですよね。ご無事に乗り切られましたでしょうか?
私自身は、少々の体調不良などもありましたが、おかげさまで、おおむね良好でありがたい年でした。
気にかけてくださり、応援してくださる皆さまのおかげです。本当にどうもありがとうございました。
春の「白からはじめる染しごと」、秋の「あわせ」では、チームで展示会を盛り上げるという経験をし、創作の幅も、人との繋がりも広がり、とても勉強になりました。
来年からも、この繋がりをエクスパンドさせ、もっと自由にいいものを作って、ご期待に応えたいです。どうか楽しみになさってください。
来る年が、世界中の人にとりまして、穏やかで健やかな、よい年でありますように。
2. お襦袢のONLY ONLY
「アートなお襦袢キャンディ・キャンディ」と名付けて襦袢の制作にチャレンジしましたが、初めてご注文をいただきました。
作りながら、中に着るものって、究極のおしゃれだなあと改めて思いました。
下着といっても袖口からチラリと見える前提ですよ。ニクいな~。これだから着物は。もぅ。
ブログに注文制作の工程をまとめてありますので、よかったらご覧ください。
https://www.someoriyoshida.com/category/only-only-注文制作/まるさま
3. 渡邊志乃さん
札幌で葛布の帯を織っていらっしゃる渡邊志乃さんをご紹介させてください。今年、とても仲良しになれた作家さんです。
私がインスタで呼びかけたのに応えてくださったってのが、お近づきのきっかけですが、なんだか、急接近でいろいろ話し、その素晴らしい作品と人柄にノックアウトされています。
モノを作るのはどこでもできますが、首都圏が有利というのは私のこれまでの実感なのですが、北海道の渡邊さん、私のその思いをひっくり返してくれました。
いろいろ発信されてますので、ぜひチェックなさってください。
4. 通販サイト更新
染織吉田の通販サイトを更新しました。年末年始、案外ぽこっと時間できるかも!?
そんなおり、ぜひのぞいてください。
ご説明文、コーディネート例写真、紹介動画、載せています。
展示会などで直に観ていただくのはもちろんいいのですが、あまりうまくお話しできなかったりもします。
ですので、もしかしたら、こっちの方が伝わるかもしれません。
もし、もうちょっと「ここが知りたい」「この角度の写真、みたい」などあれば、お気軽におっしゃってください。
お正月は帰省もしませんので、すぐに対応します。
https://www.someoriyoshida.com/store
*写真は先日観てきた「大山エンリコイサムー夜光雲」展より。すごくよかったです。2枚目と3枚目の写真の作品、糞掃衣 ( ふんぞうえ )を思いました。作家さん、ニューヨーク在住とのことですが、日本的だと思いました。それに、神奈川県民ホール、激疎(激混みの反対語のつもり)でした!
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ご感想、ご意見ございましたら、このメールに返信する形でお送りください。
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これからも、some ori や、きものや、モノ作りを通して、あなたさまとご縁を育んでいきたいと思っております。
どうかよろしくお願いします。
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きものと帯の注文制作
染織吉田 吉田美保子
まるさまのお襦袢、蒸しと水元、湯のしをしてもらって、すっかりべっぴんさんになって戻ってきました。
発色がよくなり、ツヤも出て、触った感触もしっとり柔らかです。
しましまのお袖部分と、レモン色の身頃部分、相性もよさそう。よかった。
さて、最終の検反で、しっかりチェック。
丹後ちりめんのネームのところ。
検反終わったら、お納めのためにきっちり巻きます。今回のお仕立ては、まるさまの方でなさるので、反物のままお納めです。
さあ、行っておいで。まるさまを優しく守る、襦袢になるのだよ。
お受け取りになったまるさま、さっそくメールくださいました。お喜びのようでほっとしました。仕立て上がって、お召しになったら、またメールくださるとのこと。それをとっても楽しみにしています。
地入れも乾いて、色も納得いったら、さあいよいよ、染めの本番です。仕事場をいっぱいいっぱい使って、のびのび染めます。
下の動画は、はじめにお袖を染めてます。キャンディ・キャンディの様子をタイムラプスで。あっという間ですが、実際は、じっくりゆっくり全集中の呼吸で染めてます。
その後、無地場をリアルタイムで。そっちには音も入ってます。
袖の出来上がりはこんな感じ。(下の画像)
これらが乾いたら、蒸しと水元と湯のしは、専門業者さんに頼んでますので、発送です。ふぅ。
アートなお襦袢キャンディ・キャンディ、まるさまのONLY ONLY、お話しの続きです。
白生地を発注している間に、まるさまとメールでやりとりを何回か。
そこで、まるさまより、びっくりのご提案が!
なんと、今回のお襦袢、お袖はキャンディ・キャンディの縞模様だけど、身頃は無地ではどうだろうと。身頃の部分は見えないのにすべてを縞にするの手間だろうと私をおもんぱかってくださってのご提案。
なるほど。それもそうですし、加えて、身頃の部分の色を淡い単色にしておけば、胴抜きのお着物の時などでも襦袢の映りを気にすることもありません。お袖は印象的な濃いめのしましまで、身頃は淡色一色というのはとても理にかなってます。
それで、お袖に使う三色から一色を選んで、さらにそれを薄めにしたお色で身頃を染めることになり、、、、
さらに、せっかくだから、お手持ちのお襦袢の色にない色にしようということになり、、、、
まるさま、お袖の色の中から、イエローをチョイス。山吹色やカラシ色のお襦袢はお持ちだそうですので、さわやかなレモンイエローを希望とのことになりました。
下の動画は、染料を調合しているところです。この中でも言ってますが、この段階が何より大事。本当に納得できるのか、自分に問いながら、「OK」と言い切れるまで、やります。
自分なりにやり切ったら、まるさまに画像を送ってご確認いただきます。今回、一発OKいただきましたよ。
トップの写真は、染料の調合をして色出しをした布。下部に写っているのはもともとあった色見本。上部に写っているのが今回のために調合した染料の色。右の薄いレモンイエローが身頃用。黄、橙、空がお袖のしましま。
染織吉田の「アートなお襦袢キャンディ・キャンディ」の白生地は、丹後の機屋さんで特別に織っていただいている襦袢地として最適な綸子(りんず)です。
キャンディ・キャンディをやりたくて、このために作っていただきました。私のような小さい規模の作り手に、特別に織っていただけるとは思ってもみませんでした。つないでくれた丹後の師匠と、受けてくださり希望をかなえてくださった機屋さんに大感謝です。
この生地、機屋さんと何回もやりとりをして、地紋のななめ線の角度や幅を話し合い、型を起こしていただいて作ったんです。
布の厚みも選べるようにしてまして、今回まるさまのご希望は、「厚」です。絹特有の持ち重りがして、ぴたりと決まります。無双袖のお襦袢にバッチリです。
上の写真の、右側のちょっと大きめの反物が「厚」ですよ。きれいな、しっとりとしたいい反物です。
さあ、新たなONLY ONLY のストーリーをはじめましょう。今回のヒロインは「まるさま」。かがやく笑顔が、まわりも明るくするキラキラの美しい方です。
このかたのためにお作りするのは、初の「アートなお襦袢キャンディ・キャンディ」。新しい試みが受け入れられて、とってもうれしいのです。
まるさまには、「八寸帯 イエローフラワー」を、まるさま仕様にしてお作りしまして、この秋の「あわせ」展に締めてお越しいただきました→☆。
あ、アルバム見てたら帯の制作中の写真出てきました。こういう風に、お着物のお写真をプリントアウトして、それにあわせて作って行ったんですよ。
初めてゆっくりお会いしたまるさまに、あわせの会場で、「キャンディ・キャンディ」のお襦袢のお話をいただいたのです。
14種類の襦袢の色サンプルを持って行ってました。
その中からまるさまがお選びになったのは。。。。
なんと、上の写真の右。パッキリ、ハッキリ。黄、橙、空。インパクトある〜〜
こんなお襦袢、特注じゃないとぜったいないと思います。やりがいまんまんです。
ONLY ONLY で作らせていただいたももさまの帯あげ「エヴァ」。デビューさせていただきました。
うふふ。こちらの取あわせで先日の「あわせ」展にお越しくださったのです。感激でした!
ほらっ!右と左の出方がちがう!ハーフハーフでこれがしたかったわけですが、さすがバッチリです。
その秘密はこちら。ほぅ〜技だわ〜。
こちらはももさまの別の日の装いで、帯あげは「大人ピンク」のみを出してくださってます。
「はんなり小紋にもなじんでました。これ万能ですね~♪ 作っていただいてよかったです。」とメッセージいただいて、ふぅーっと心から安堵。私も作らせていただいて本当によかったです。
あわせ展の会場でパチリ。中央は着物ブロガーの神奈川絵美さんです。3人とも帯あげは「キャンディ・キャンディ」。うれし♪
神奈川さんもこの日のことを書いてくださってます。ラストの写真はこちらからお借りしてます。
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染織吉田のメルマガ、《 some ori 通信 》にご登録いただき、ありがとうございます。
67通目のメルマガ【あわせ御礼号】をお届けいたします。
おはようございます。
いったん寒くなったのに、小春日和を通り越し、暑いくらいの気候です。
体調など、大丈夫でしょうか?
あわせ展では、いろんな形でエールをいただき、本当にどうもありがとうございました。
片付けごとと次なる仕込みに追われ、メルマガでのお礼が遅くなりました。
制作に集中していると、それ以外の全てが後まわしになりますが、今回は特にため込んでいたようで、今なおツケを払っている状態です。自分でも呆れるぐらい、織りしかしてなかったんだなあ。。。ためすぎたと反省しております。
《 目次 》
1. お礼
2. イエローフラワー
3. アイヌ展、後藤克芳展、クワバラマキコ展
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1. お礼
あわせー鈴木和美の染・吉田美保子の織ー、おかげさまで無事終えることができました。
本当にいい展示会をすることができました。どうもありがとうございました。
下に、ブログに書きましたお礼を転載いたします。リンクに飛んでいただきますと、写真もたくさん載せているので、よかったら、そちらからもご覧ください。
https://www.someoriyoshida.com/8882
「あわせ」展、お礼
「あわせ」-鈴木和美の染・吉田美保子の織-、おかげさまで、感謝のうちに幕をおろすことができました。多くの方に支えていただきましたこと、本当にどうもありがとうございました。きもの の似合う大人の街「神楽坂」で二人展ができたことは、私たちの大きなよろこびです。
今回の展示会は、コロナ禍の中の企画開催でしたので、作ることも、宣伝することも、お客様にお越しいただくことも、手探りしながらのチャレンジでした。
初トライとなった動画配信には発見が多く、インスタライブ、FBの三連続ライブ、会場からの中継ライブと、機械オンチの二人はシャカリキのがんばりでした。
この4日間、132名のお客様とのありがたい出会い、うれしい再会、歓喜の日々でした。いたらぬ点も多かったこと、どうかお許しください。またの機会を作ろうって話しておりますので、これにこりずにお付き合いくださいませ。
二人とも今は達成感の中で、皆様からいただいた次なる制作への灯火を見つめています。鈴木和美、吉田美保子の新作を楽しみにしていただければと思います。
どうか今後ともよろしくお願いします。
鈴木和美・吉田美保子
2. イエローフラワー
今回のあわせ展にも、私が織ったものをお召しでお越しくださった方がいてくださり、本当に励まされました。あの方とあの方とあの方と、、、、、、。今もしっかり目に浮かびます。どうもありがとうございました。展示会にあわせ、拙作を身に付けてくださること、何よりの応援と感謝しています。
それなのに、ああ、、タイミング逃して写真を撮れなかったり、、、ああ、不覚、、、。どうかまたの機会にぜひお願いします。
写真を撮らせていただいた方のうち、初お披露目の「イエローフラワー」のことをブログに書きましたので、よかったらご覧ください。
https://www.someoriyoshida.com/8919
3. アイヌ展、後藤克芳展、クワバラマキコ展
水曜日に、久しぶりに出かけました。いい天気で、素晴らしいものたくさんで、大満足の一日でした。おすすめですので、ご紹介します。
まずは、「アイヌの美しき手仕事」展を拝見しに、駒場の日本民藝館へ。民族衣装の力強い意匠に圧倒される。個性とかセンスとか、そんなのがヘナチョコに思える。首飾りもすごい存在感。すべてが生きることそのものなんだろうな。23日まで。
https://www.mingeikan.or.jp
実は、民藝館に行く前に、駒場東大前駅からの道すがらにあるパン屋さん「ル・ルソール」でサンドイッチやらを買っていた。歩いてすぐの旧前田侯爵邸の素晴らしいお庭でほおばる。うわー、都会のパンだわ~。
https://tabelog.com/tokyo/A1318/A131801/13026653/
それからスマホのマップを頼りに歩く。目指すは松濤美術館。後藤克芳展。こちらも23日まで。
https://shoto-museum.jp
松濤から渋谷までは迷わず歩けたが、ついてから迷子。銀座線の乗り場がわからない。イケメンのお兄さんに親切に教えてもらう。おのぼりさんのおばちゃん丸出しとなる。
外苑前で降りて、目指すはイトノサキさん。クワバラマキコ展の初日。にぎわってたので、密にならないように、ささっと、でもしっかり拝見。クールで都会的。繊細で優しい、クワバラさんの世界観が広がっていて、とてもすてきでした。こちらは22日まで。
http://itonosaki.sblo.jp/article/188103264.html
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染織吉田のメルマガ、《 some ori 通信 》67通目のメルマガ【あわせ御礼号】をお読みいただき、どうもありがとうございました。
ご感想、ご意見ございましたら、このメールに返信する形でお送りください。
配信停止をご希望の方は、タイトルを「配信停止」として、このメールをそのまま返信してください。
これからも、some ori や、きものや、モノ作りを通して、あなたさまとご縁を育んでいきたいと思っております。
どうかよろしくお願いします。
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きものと帯の注文制作
染織吉田 吉田美保子
「あわせ」展の三日目に、黄色い可憐なお花が咲きました。
八寸帯「イエローフラワー」を締めて、とあるお客さま、お越しくださいました。うれしいな。このお方、ちゃんとお会いするのは初めてなんだ。Facebookではつながらせていただいていて、以前、ちょっとすれ違ったことはあるのだけどね。パーッとお花が咲いたように輝いて、周りも明るくしてくださる方でした。
上のお写真、帯あげもヨシダ作「アートな帯あげキャンディ・キャンディ」です。うふっ。となりにいるのは私めですが、同じくキャンディ・キャンディ締めてます。
このイエローフラワー、去年の織和展に出していたのを、ネット上で見つけてくださって、欲しいってメールいただいたのです。
お話をうかがうと、あわせたいお着物があるとのこと。その着物っているのは、この日お召しのこちら。めっそうもない超一級品です。が、少々お地味だと思っていらして、この着物を華やかに着こなすための帯が欲しいと。
ふむふむ。
なるほど。それなら今ある帯は平織りでキチッとした感じだから、綾織にしてゆらぎを出して、もうちょっと甘めにした方がより合うんじゃないか。
それに、新しく織れば、筋にいれる色糸も着物に合うように染められる。
お花もちょっとふっくらさせて、少しフェミニンよりにした方が、お客様のイメージにもこのお着物にも合いそう。織の着物はどうしてもかたい印象もあるからね。
で、新たに作らせていただいたのです。
この春のお花の季節に間に合うようにお納めしたのですが、ご存知のとおりの感染症でお披露目がこの日とのこと、わざわざお越しくださったのです。こういうの、本当に作り手冥利につきます!どうもありがとうございました。
着物を変えてのお写真いただきました。お手持ちのどの着物にも合うとのことで、お得感アップ!出番の多い帯になれました。こういうの大事ですよね。
ほぅぅ、後ろ姿もなんともすてき。