ONLY ONLYで取り組んでいるさとさまの帯、デザインが決まりましたので、早速本番に取り掛かります。
これまで試しで小さなピースを、染めて、織って、蒸して、仕上げてを繰り返しておりましたので、本番をやりたくてうずうずします。やはりバーンとした緊張感は特別です。
大事なのは、まずは糸。
糸は、さとさまのご希望の、「きれいめ、上品、シャイニー」を実現するために吟味します。色については冒険要素も入れるので、ここは、ご希望通りに手堅く押えます。
張りのある銀河シルクと、絹らしく光り輝く糸を選びました。(上の写真、右が銀河シルク)
(その後の幾多の作業の記載は長くなりますので割愛します。)
それから、色。ここが勝負どころ。試しでOKとなった染料から慎重に選び取り、たっぷり用意します。
(染料の調合にかかる幾多の作業も記載割愛です。)
そして、デザイン画をもとに織り縮み率を割り出して、あたりをつけて、ブラッシング開始です。
筆で何度も何度も何度も何度も、ブラッシングしていきます。
染料の濃淡は色々です。ごくごく薄いものから、パキッとしたものまで。メリハリをつけて。
タレとか手先とか、ちょっとしか見えないところは、ごく薄い色ながら、しっかり手をかけて。一本の帯の全体が、さとさまのこれからを守るように。
ここがおタイコ。この後ずらしを施して、真っ直ぐな線を曲線にしていきます。
さとさまの帯、どんなふうにしようか、、、、。どうすれば、さとさまの望みを叶えられるのだろう?
50歳の記念の帯、これまで頑張ってきた自分をねぎらい、これからの人生を鼓舞するような。
実はとっても悩みました。
織の仕事は、デザインを決めるまでが第一の山場です。こここそが産みの苦しみで、粘って粘って粘り抜いて、突破口を見つける。光を見つけたら、そこを目指して突き進む。
この一本、私を出し尽くして、さとさまの人生のこれからを応援する帯にしたいと思った。
希望や好みを伺ったとき、幾何学模様の小さい柄が使いやすいなどとおっしゃっていたが、、、、
私はさとさま、案外大胆なのも似合わせるのではないかと踏んでいた。LINEでのやり取りで、柚木沙弥郎の、好きな数点の写真を送ってくれた。透明で躍動感がある。ほら大胆なのお好きなんだ。
直線は苦手、曲線が好きというのも外せないご要望。って織は基本、タテとヨコなんです。カーブをどう表現しようか。
好きな色は、ピンクと茶色。洋服はベージュを着るとのこと。暖色系がお好きとのことだが、インスタを拝見してたら、洋服でお出かけ時に、爽やかな青い布を肩に掛け、真っ青な紐のようなものを手に持って写っている写真発見。わ!すっごく似合う!
この色を提案してみようか?
いや、ブルーのみだと居心地悪いだろうから、ピンクベースで、アイキャッチに茶色。で、ブルーをその上にしっかり目に。
経糸にずらしを入れれば、カーブを描ける。それを大胆に入れたら?
こんな感じでどうだろう?
最終確認ににさとさまとLINEビデオで繋がった。お久しぶりです!同じ時間を共有できるの、いいですね。何より笑顔がうれしい。
ご提案を話すと、お任せしますとの一言。信頼していただけたのだなあ。ますます頑張らないと。
さあ、実作業だ!
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おはようございます。
春がやってきましたね。寒い日もありますが、陽のしっかりとした光が春です。お住まいの辺りはいかがでしょうか?
私は先日、浅草に出かけてきました。
隅田川、アサヒビールの金斗雲、間近に見えるスカイツリー、雷門の大提灯。
新旧こもごも、お江戸やな~~~!関東平野の西側に住んでいる私からしたら、別世界です。
それにほんと着物が似合う街です。私ももちろん着物でお出かけしましたよ。
目的地は、「世界カバン博物館」(鞄メーカーace.の私設博物館)と、「白からはじめる~」の仲間が出品している「染芸展」でした。
どちらもとても見応えあって、改めてモノを作り出す情熱を感じました。
帰りに寄った、地元民に愛されてそうな喫茶店も面白かった。今どき珍しいほど煙草の染みついた昭和なお店で、体に悪そうな鮮やかな緑色の甘ったるいソーダ水をおいしくいただきました。
《 目次 》
1. さとさま物語
2. 着姿ギャラリー
3. きものSalon春夏号
4. e-tax、done!
1. さとさま物語
新しいONLY ONLYに取り組んでいます。お客様を「さとさま」とお呼びさせていただいています。
制作に取り組んでいる間は、私、さとさま一色です。
さとさまは春生まれということもあり、春が大好きとのこと。
今回の帯、春に織ることになって、よかったなあ。きっと春らしい、始まりのときを彷彿とさせる帯になると思います。
私も楽しみに取り組みます。【さとさま物語】、ブログに綴っていきますので、伴走いただければ嬉しいです。
https://www.someoriyoshida.com/12112
2. 着姿ギャラリー
私のサイトの【着姿ギャラリー】のページに、新しくお二人の写真を加えることができました。
ぜひご覧ください。
https://www.someoriyoshida.com/style
3. きものSalon春夏号
ただいま発売中の「きものSalon春夏号」に、半幅帯を載せていただいてます。131ページです。
載った作品は以下の2点です。その下の写真は、一年前の「きものSalon」に載った分です。ブログに紹介してなかったので、すでにご縁いただいているのですが載せます。
半幅帯「シャイニングフォールド」
4. e-tax、done!
今年も無事に、青色申告確定申告、終わりました。
e-taxが使いやすくなっててびっくり。準備までは大変でしたが、電子提出は滞りなくできました。
あー、やれやれ。
これを提出し終わると、やっと春がやってきたと実感できます。
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きものと帯の注文制作
染織吉田 吉田美保子
春ですね。新しいONLY ONLYがはじまります。
今回のヒロインは「さとさま」。さとさまとのお出会いは、ちょうど一年前、京都のラソワさんででした。
ラソワさんでの個展にお越し下さったのですが、その3ヶ月ほど前にラソワさん主宰のオンラインセミナーで私が講師をした時に、受講してくださっていたそうなのです。その時「この人に頼みたい」って思ってくださって、実際に個展に会いに来てくださったとは、とてもうれしく胸が震える思いでした。
その場で、ONLY ONLY のお話しになり、ご希望をお聞きしました。お好きな色やデザインの方向性はしっかり持っていらっしゃるけど、具体的なことは未知数で、一緒に考えていくことなりました。
ラソワの吉澤さんによると、さとさまは、「気骨がある」「迷わない」「ちゃんと歩いている人」とのこと。なるほど。さすが吉澤さん、見えている方です。客観的で冴えたご意見はとても参考になります。
さとさま、その後、お手持ちの着物の端切れを郵送してくださいました。綺麗な手書きのお手紙を添えて。ご自分のこともいろいろ教えてくださったけど、私は、おっしゃっていること以上の可能性を感じました。
50歳の記念の一本にしたいともあり、それならばこそ、今までとは違うものでもいいのかもしれないなどとも思いました。
それから、時は流れ、、、、。昨秋から、試し織を始めました。いくつもいくつも。さとさまとはLINEで繋がって、試作を写真に撮って、どんどんお送りしました。
そうすることによって、私も頭の整理、方向性の整理しつつなのですが、、、実は結構悩んでしまいました。
動画も撮りました。約3分です。よかったらご覧ください。
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*上の写真は森田さん。ご本人の写真、初めて撮らせていただきました。
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109通目のメルマガ【八王子にて号】をお届けいたします。
おはようございます。このところ暖かな日が続きますね。日も伸びて春らしさを感じます。お元気でお過ごしですか?
先日、八王子に行ってきました。東京の西側の、元は「糸へん」産業で大変に賑わい、日本のシルクロードの交差点だった街です。
八王子から、北に行くと養蚕が盛んだった群馬県や埼玉県、西に行くと製糸の岡谷、南に行くと貿易港の横浜、東に行くと大消費地の東京です。
「糸へん」は衰退の一途なのですが、まだまだこの街は魅力的なのです。
今日のメルマガは、この日のことです。よかったらお付き合いください。
《 目次 》
1. 久しぶりに森田さん
2. 見せてもらった!
3. 情熱だよ
4. 支えられて
___
1. 久しぶりに森田さん
八王子に行った目的は、森田撚糸さんへ、先日宮坂製糸さんでひいてもらった生糸を持っていき、撚糸をお願いすることでした。
いつもは、撚りのタイプが決まっているので、宮坂さんから森田さんへ直送してもらって、撚糸してもらって、うちに送ってもらっていましたが、今回は、特別に作ってもらった糸があるので、直接相談したいと思ってのことでした。
___
2. 見せてもらった!
森田さんに今回の糸をお見せして、宮坂製糸さんをお訪ねした話など、しばらく話し込んでいたら、「見ていく?」と言われ、工場内見せていただきました。えー!本当に!!やったー!
先代が、仕事場はむやみに見せるもんじゃないとおっしゃったそうで、今までは見せていただけなかったのでした。
感激しました。
古い木造の仕事場。四方がガラス窓で裸電球。自らよじ登って反動をつけて、モーターを回すと、天井のベルトが回り出し、あちこち連動して、音がしだして共鳴する。
なんか、うまく説明できないけど、宮崎駿の世界でした。
色々説明もしていただき、製糸された糸が、ここで、ボビンに巻かれ、合糸され、撚りがかけられ、やっとやっと使える糸になるんだと実感しました。
___
3. 情熱だよ
今回の持っていた糸は、上州式の60中と300中と、銀河シルクの3種類。
60中は3種類に分けて撚りをかけていただくことは電話で依頼済みだったのだけど、300中と銀河シルクに対しては、一種類だけの撚り方でお願いしようと思っていました。
本当は試したい撚り方があるけど、あまり煩雑になると申し訳ないから。そんな量もないし。お支払いする代金が大した額ではないのは分かっているし(それでも私にしたら大きなお金だけど)。
モジモジしてたら、森田さんが、人を動かすのは情熱だよって言われて、、、、。
うわー、情熱だったら人一倍ありますけどいいのですか?。
で、情熱を込めてお願いし、結局、7種類の撚り方にしていただくことに。
感動した。こんな面倒なこと引き受けてもらって。撚ってもらった糸、最大限生かして、いい織物にしないと申し訳が立たない。
___
4. 支えられて
今回、すごく思ったのだけど、今、機織りして着物を作ることができるのは、仕事として携わってくださるプロの方々のおかげ。養蚕農家さん、製糸屋さん、撚糸屋さん。仕上げを託すのもみんなプロ。
森田さんは、「自分は死ぬまで糸繋いで撚っているよ」っておっしゃってた。「仕事に対する自負はある」とも。仕事見てて、そうだと思う。頼りになるし、任せられるし、信じられる。
で、その糸を受け取った織り手が生きていられるのは、織った着物をお金を出して買って、着てくださる方々が居てくださるから。
着る方に、頼りになる、任せられる、信じられると思ってもらえるようなプロであらねばと思いました。
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きものと帯の注文制作
染織吉田 吉田美保子
(上の写真は、左から宮坂製糸所の高橋社長、私、安達さん、花井さん)
*こちらは、メルマガ《 some ori 通信 》の配信記録です。
↑(宮坂製糸所を見学。これは銀河シルクを引く機械)
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108通目のメルマガ【GO TO 岡谷号】をお届けいたします。
先日、約20年ぶりに長野県の岡谷市に行ってきました。目的地は宮坂製糸所さんです。
この旅のそもそもは、一昨年に「山鹿の蚕で着物と帯を作ってほしい」というONLY ONLYをいただいたことが始まりです。養蚕農家の花井雅美さんにお願いして、春繭をキープしてもらっていました。
その後、どんな着物と帯にするかをお客様と話し合い(都合3回お会いしました)、そのご希望を叶えるためには、どんな糸にしたらいいのか見えてきたので、いよいよ繭を宮坂さんに送って糸にすることになり、その様子を見学させていただきに行ったというわけです。
初めは一人でと思ってましたが、花井さんが一緒に行きたいと申し出られ、着物ライターの安達絵里子さんにお声がけするとすぐ調整されました。
現地在住の佐々木千玲さんに大変お世話になり、濃密な日程をスムーズに楽しく過ごすことができました。
↑(左端、佐々木さん)
《 目次 》
1. 蚕糸博物館と宮坂製糸さん
2. 花井さんの繭
3. 一部変更
4. 岡谷という町
↑(真ん中が宮坂会長)
↑(高林館長を囲んで)
1. 蚕糸博物館と宮坂製糸さん
宮坂製糸さんは、今は蚕糸博物館に併設されていて、入館者は誰でも見学できます。公の博物館に、民間の株式会社が併設されているなんてすごい。生きた展示とはこのことですね。
蚕糸博物館では高林館長さんが詳しく説明と実演をしてくださって、製糸の仕組みがやっと飲み込めた感じします。とてもありがたかったです。
私が宮坂さんを見学させていただくのは実は2回目です。
前回はまだ今の形態ではない頃で、古い木造の工場で、床をミシミシ言わせながら歩いた記憶があります。繭が糸になる現場をすぐ間近で見せてくださり本当に感動しました。
まだ独立して間がない頃で、知識も浅く無知同然だったのですが、その時受けた「これだ!」っていう感動が私の染織人生を支えてくれたように思います。
移転され、博物館とくっついて規模も大きくなられましたが、今も、絹糸を織る者にとってとても頼りになる存在であることは全く変わりありません。
今回、20年前にお世話になった現会長の宮坂前社長さんが、お元気そうなお姿で現役でいらっしゃったのも嬉しかったです。
2. 花井さんの繭
花井さんは今回、自分が育てた繭が、宮坂製糸さんでどう思われたかと、緊張の思いもあったといいます。
宮坂製糸所の皆さんは、長年に渡り、品種も多様な多くの繭を見て、触って、糸にしてきた方々ですから。
社長の高橋耕一さんは、花井さんの繭は白くて大きくて、繰りやすいと太鼓判を押されました。新鮮な桑葉をお腹いっぱい食べて元気に育ったのがわかると。
私の目から見ても、花井さんの繭は、ピカピカツヤツヤプリプリしていて、抜群に輝いてました。
これを、生かすのは私の責任。今度は私が緊張する番です。
↑(花井さんの繭を上州式で60中に製糸してもらう)
↑(製糸された糸。これから綛にします)
↑(花井さんの繭の銀河シルクが綛になった。左端は引いてくれた高橋栄子さん。2番目は綛にしてくれた方)
3. 一部変更
今回の製糸は、着物には上州式(という引き方)で60中(という太さ)、帯には銀河シルク(という引き方)で行くことは、お客さまとの打ち合わせで決まってました。
しかし私としては、お客様のご希望の、ふっくらした節や少々の凹凸が入った表情のある反物にするために、もう一捻りいると感じてました。
そこで、持参したサンプル布で説明しながら高橋さんに相談すると、いろいろと可能性を探ってくださり、繭の一部を300中くらいの太さで引いてみようとなりました。そして、なんとその場で早速それをやってくださいました。
同じ上州式の繰り方ですが、繭の粒数を増やし、接緒(せっちょ)のやり方を変えます。こうやって引いた糸を所々に織り込めば、お客様のお望みの、100%山鹿の蚕であることと、糸の表情のある織物であることという二つの希望を叶えることができます。
↑(節多めの太めの糸を引いてくださってます)
4. 岡谷という町
今回、大変お世話になった佐々木千玲さんは、元は、東京でバリバリ第一線で働いていた方です。
それが、地域おこし協力隊で岡谷に引っ越し、その後現地で起業され、地域の方々に頼りにされ活躍していらっしゃいます。
岡谷絹工房のみなさんと一緒に、絹製品を企画製造して、世に出していく。手織りは生産性は低く、世の中の流れは早く、なかなかハードル高いです。いろんなことを飲み込みながらコツコツ頑張っておられる姿に感動しました。
岡谷には、製糸の歴史と今も作り続けている現場あり、佐々木さんのように外から吹き込んでかき混ぜて新たなものを作り出すセンスとエンジンがあり、すごい可能性を感じるところでした。
ご苦労も多いでしょうが、きっと大丈夫と思いました。
↑(佐々木さんプロデュースのノート。表紙に宮坂製糸所さんで手引きした生糸を使っています)
〈今回お世話になった方々〉
TINTt(佐々木千玲さんの会社)
蚕糸博物館の高林館長(佐々木さんが取材執筆した記事でとても読み応えがありました)
花井雅美さんのお蚕ファーム
安達絵里子さんの婦人画報Web版での連載(会員登録が必要です・有料)
↑(諏訪湖のほとりで)
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きものと帯の注文制作
染織吉田 吉田美保子
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遅ればせながら、あけましておめでとうございます。今年もどうかよろしくお願いします。
今年が、みなさまにとって、健康で幸せないい一年でありますように。
私は元旦に帰省し、熊本でお正月を過ごしました。
お正月こそ着物を着るぞと、元日の朝に着物を着て、スーツケースを転がしながら駅まで歩き、電車を3本乗り継いで、羽田空港へ。飛行機で熊本空港へ。父に迎えに来てもらって我が家へ。
途中、着物の人は見なかったなぁ。
お正月に晴れ着を着なくなったのかな。それともおしゃれした人、車移動で目につかないだけかな。
私も帰りは洋服でした。
《 目次 》
1. 抱負
2. 20周年
3. 20000日目
4. 大竹伸朗展へ行った
1. 抱負
年末年始に、ポッドキャストやYouTubeなどで、特に若い人に多いのだけど、2023年の抱負を高らかに、でっかい夢を語っていて、すごくいいなと思った。
ミドルエイジになると、なかなか見果てぬ夢みたいなことは、口にしにくい。
が、いいじゃないか。
50代でもでっかい夢を語ろう。
よし!
2. 20周年
染織吉田は、今年の5月に創立20周年を迎えます。
もう20年もたったのかと、呆然とします。
お求めいただいているお客様方、お付き合いいただいているお店様や業者様、切磋琢磨できる仲間のおかげです。
本当にどうもありがとうございます。
いつかご恩返しができるよう、地道にしっかり作り続けようと思います。
3. 20000日目
1月10日は、私の生まれてこの方20000日目でした。
54年と9ヶ月と2日です。
2万日も生きていると、人生のベテランのようだけど、まだまだそんなことはありません。
やっと世の中の仕組みがほんのり分かってきた頃かな。
1万日目は、27歳と4ヶ月と17日でした。この頃はまだまだ泥の中を暗中模索してました。
3万日目は、82歳と1ヶ月と20日です。現役でノリノリでモノ作り、できてますよう。鍛えよう。
4. 大竹伸朗展へ行った
東京・竹橋の東京国立近代美術館で開催中の大竹伸朗展へ行ってきました。
私は昔からの、大竹ファンで、これは観なくちゃと意気込んで行ってきました。
その、圧倒的とも言える手数。過剰なほどの貼り重ね。積み重ね。湧き出すように作り続けてる。
やっぱいいのだわ。うまく説明できないけど。
大竹伸朗展は、東京国立近代美術館で、2月5日まで。その後、愛媛と富山に巡回。
https://www.momat.go.jp/am/exhibition/shinro-ohtake/
トークの様子が、YouTubeでアップされてて、それもとても面白かったです。
ただし2時間以上と長いので何かしながらがいいかもしれません。画面にスライドが映ったりするので、スマホより、タブレットやパソコンなど大きな画面がいいと思います。
私は大晦日に、織り機やテーブルにオイル塗り込んだり、換気扇掃除しながらチラチラ見つつ聴いてて、たいへん満足しました。
(上、2枚の写真は、大竹伸朗展にて撮影。その他は帰省中に撮影。)
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きものと帯の注文制作
染織吉田 吉田美保子
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(写真は、帯あげにもなるショールです。こちらにあります。)
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こんばんは。暮れの晩、いかがお過ごしですか?
明日は晦日(みそか)、晦(つごもり)という言い方もいいですね。
いいことも、よくなかったことも、、、
一年を振り返る時期ですね。
今年最後のメルマガ、お付き合いくだされば幸いです。
《 目次 》
1. お年頃かな
2. おかげさまで
3. 年賀状はパス
4. 帯あげにもなるショール
1. お年頃かな
思い起こせば、今年は体の調子の悪い一年でした。めまいなどで寝込んでしまい、仕事に穴を開けたり、スケジュール変更をせざるを得なくなったり、各方面にご迷惑おかけしました。
一年中、ずっと薬を飲んでましたし、よく病院にも行きました。
こんなこと、初めてだなあ~~。
ま、お年頃ってことなんでしょう。そのうちきっと良くなると思ってます。
2. おかげさまで
そういうわけだったのですが、取引先や仕事仲間にフォローしていただき、本当に救われました。仲間のありがたさが身に染みた、感謝してもしきれない一年でした。
作品の制作数は落ちましたが、ONLY ONLYや、展示会でのお買い上げなどで、売上もまあまあでした。
ダウンしている時にお金が入ってこないのはキツイことですが、奇跡的にその心配はなく過ごせました。
3. 年賀状はパス
本来なら、今頃は、遅ればせながら年賀状を投函し終わった頃なのですが、今年はどうしてもそんな気分にならず、勝手に欠礼させていただきます。
この一年は昨年の暮れに亡くなった叔母の弔いばかりしていました。人を悼む期間はそれぞれだと思いますので、忌明けを伸ばします。
あしからずご了承ください。
4. 帯あげにもなるショール
なんだかんだと調子悪そうなこと書きましたが、制作の方は、新しいチャレンジや発見なども入れながら進めています。とにかく糸と糸を出会わせれば布になるというのは、ものすごく面白いことです。
一楽織という組織で、ショールを織りました。着物に使う最高級の糸で織りましたのでとても贅沢です。大きさを帯あげサイズにしてます。綾織の柔らかさがあるので、帯あげとしても使いやすいと思います。
よかったら通販サイト、覗いてください。今年中のご注文で即日発送します。来年は11日からの発送です。
https://www.someoriyoshida.com/store
今年も本当にありがとうございました。皆様に支えられて織って生きてられていることを実感した一年でした。
いいものを織り続けるぞとの決心だけは固いですので、これに懲りず、来年もどうかよろしくお願いします。
あなた様と地球にとりまして、2023年が健康で明るい希望に満ちた一年でありますように。
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きものと帯の注文制作
染織吉田 吉田美保子
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*画像は、1枚目が、「白からはじめる染しごと」展の案内状から。
2~6枚目が、八寸帯「まずめ時」。7~11枚目が一楽織ショール。
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105通目のメルマガ【白からはじめる染しごと~空の巻~号】をお届けいたします。
おはようございます。
あっという間に12月ですね。それに急に寒くなりました。
地球は回り、季節はめぐる。
当たり前のことですが、、、体と頭がついて行けません。困ったものです。
さて、12月は第3回となりました「白からはじめる染しごと」展です。
今回のテーマは「空」、ぜひお楽しみにお出かけください。
《 目次 》
1. 白からはじめる染しごと
2. プロモーションビデオ
3. 私の空
4. 一楽織のショールも
1. 白からはじめる染しごと
「白からはじめる染しごと」展は、9人の染め仕事を生業にする作り手が、自分達が作ったものを自分達の手によってお客様に届けようと、自ら企画運営する展示会です。
月に一回zoomで会議をして、みんなで頭をひねり、意見を出し合い、何度かはリアルでも会って、準備してきました。
さあ本番です。我々の成果をご覧いただきたく、ぜひお運びいただけますよう、ご案内いたします。
「白からはじめる染しごと~空の巻~」
会期| 2022年12月10日(土)~12日(月)
時間| 10時~17時30分
出品品目|着物 帯 帯締め 小物(帯揚げ・ストール・バッグ・財布 etc.)
会 場 |イチマス田源 きものクリニック&呉服問屋ミュージアム
東京都中央区日本橋堀留町2-3-8 田源ビル2階
参加作家|小林知久佐(引き染め)、鷹取麻利子、鈴木和美、水橋さおり、大橋さやか、大地佐和子、桑原牧子(手描友禅)、中村航太(組紐)、吉田美保子(染め織り)
2. プロモーションビデオ
白からはじめる染しごと展のプロモーションビデオを作りました。コーディネート勉強会をした1日をビデオに撮り、作品紹介ビデオとしてまとめました。
撮影と編集、がんばりました。ぜひご覧ください。
コロナ禍中、ウェブのビデオジャーナリズム講座で勉強しまして、つたないですが本気の作です。
3. 私の空
白からのテーマ作品、私は、まずめ時の空を帯にしました。夜が終わりそうで、でもまだ朝は始まってない。ちょうど境目。薄ぼんやりとした空が、だんだんと色彩を帯びていく。そんなイメージ。
4. 一楽織のショールも
「白から展」に向けてショールも織っております。一楽織りという組織です。
これ、初めての挑戦でして、何かに導かれるようにチャレンジしたのです。面白いストーリーがあるののですが、長くなるのでここでは割愛。「白から展」でお話ししますよ。お声かけて下さいね。
___________
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きものと帯の注文制作
染織吉田 吉田美保子
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*上の写真は、対談の会場で撮影したもの。下の写真は、戸田吉三郎の画集と回顧展のフライヤー。
染織吉田のメルマガ、《 some ori 通信 》にご登録いただき、ありがとうございます。
104通目のメルマガ【戸田吉三郎号】をお届けいたします。
おはようございます。
先日、銀座に、戸田吉三郎 回顧展 特別対談に行ってきました。
戸田吉三郎氏とは、2016年に88歳で亡くなった画家で、今ちょうど「画布と裸婦:戸田吉三郎が遺したもの」というタイトルで回顧展が企画されているのです。
対談の冒頭で、「戸田吉三郎という画家を知っている人はおそらく誰もいないでしょう」と切り出されてましたが、実は私、小学生の頃から知っているのです。
今日のメルマガでは、そのことを書きたいと思います。また染織から話が逸れてしまいますが、よかったらお付き合いください。
《 目次 》
1. 戸田吉三郎と画廊梵と私
2. 絵をめぐる話
3. ただいま
___________
1. 戸田吉三郎と画廊梵と私
戸田吉三郎のことをなぜ私が知っていたかというと、叔父ちゃんと叔母とがやっていた画廊で、長年作品を扱っていたからです。特に、35~45年くらい前は、イチオシ作家だったと思います。
当時私は、熊本の田舎に住む小学生~高校生で、年に一度長い休みに梵に遊びに行くのを、何より楽しみにしていました。
夏などは画廊は比較的のんびりした時期で常設展をやっていて、おすすめの絵を10~15点くらい飾ってました。
そこに必ず戸田吉三郎の絵はありました。
先日の対談では、戸田吉三郎は、裸婦の画家と紹介されてましたが、梵では、母子や子どもを描いた絵も多かったです。
the 油絵って感じで、描きたいものだけを画面いっぱいにストレートに描いてあって、伝わってくるものがありました。
叔父ちゃんがポツポツと、アトリエを訪問した時のことなど話してくれました。その話を聞くのが好きでした。
戸田氏のアトリエは逗子で、東京に仕入れに行った帰りによく寄っていたようです。画家と話をして、作品を数点選ばせていただいていたのでしょう。
戸田家で大きなアイリッシュセッターを飼っているのに憧れて、その仔を譲っていただいてもいるです。アミーゴという名前で、長く画廊で可愛がられておりました。
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2. 絵をめぐる話
先日の対談は、森岡書店 店主の森岡督行さんと、 キュレーターの宮本武典さんによるものでした。
戸田吉三郎は自作の絵について何も語らなかったそうで、制作意図などはわからないのだけど、画家が亡くなって数年経った今、残された絵を囲み、それぞれが思ったことを自由に話をしている不思議。面白さ。解説などしなくても、それでいいんじゃないかというような話が出ました。
私は思った。それは、岐阜でも起こっているぞ。
叔父ちゃんが、40年前に惚れた戸田吉三郎の絵は、きっと今も、画廊梵からそう遠くない東海地方のどこかのお宅のリビングか、会社の応接室か、病院の待合室かに掛けられているに違いない。
買った人は、掛けっぱなしかもしれないし、時々掛け替えて、しばらくぶりにその絵を見たかもしれない。
そして、ああ、これ、あの時梵さんで、あんな話を聞かせれて、それにほだされて買っちゃったよな、10回目の結婚記念日だったな、月賦で払って結構大変だったっけ。この絵を見た小さかった息子があんなこと言ったな、、、、とか、、、、
そんな思いがふと頭をよぎるかもしれない。
今はもう、画家も叔父ちゃんも叔母も亡く、画廊も閉まったけれど、絵はあるし、思い出もあるし、絵を見ながら新しい話もできる。
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3. ただいま
昨年末、急に叔母が亡くなって、私が画廊を閉めざるを得なくなり、ストックルームいっぱいの絵や陶器をどうしたらいいのだろうと頭を抱えることになりました。
作家さんに戻すのが一番いいだろうということになって、叔母の手書きの古い住所録から、電話番号を見つけて片っ端から電話をかけて行きました。
引っ越されたのか、亡くなったのか、繋がらない番号も結構ありました。お出になっても返却がスムーズにいかなかったり、、、
その中で、戸田吉三郎さん宅は、お電話かけたらすぐ奥様が出てくださり、叔母の逝去と梵の閉廊をいたんでくださり、かつ、作品の返却の申し出を喜んでくださり。。。
そして、なんと、遠いのに取りに来てくださったのです。夏の暑い日、ご子息と甥御さんと一緒に。車で、日帰りで。私はその時はもう関東に戻っていて、お会いできなかったのだけど。
後日、メールでお礼をいただき、「絵を並べてみますと、子どもが帰ったような不思議な思いです。」と書かれてました。
そうか、、、奥様は我が子を迎えに来てくれたのか。40年ぶりの「ただいま」だね。
*戸田吉三郎回顧展は、以下の2会場で開催されます。
東京銀座・森岡書店 11月15日(火)~20日(日)
神田神保町・文房堂ギャラリー 11月24日(木)~29日(火)
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きものと帯の注文制作
染織吉田 吉田美保子