吉田美保子の some ori ノート

きおさまの赤いショール

2017.01.04

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深紅のショール、実は2枚、作りました。どこまで深くするか悩み、解決せず、だったら2枚作って選んでいただこうと。(案ずるより織るが早し)
経糸は同じです。深く赤く染めた上に、鮮やかな赤のブラッシング。
緯糸が、一枚目は深紅のみで、真綿紬糸の2種類の太さを染めて、細い方は2本取りにします。
二枚目は、緯糸は細めの真綿紬糸3本取りにしますが、そのうち一本を、濃い紫みの茶色にします。微妙な違いですけどね。真綿紬糸は、絹の中でも空気をより含んでふんわり軽い表情になります。それにあったかいね。
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織り上がったら、きおさまにメール。
「よかったら2枚とも実物お送りしますので、選んでください」と申し上げる。
きおさまとは、もうずっとお付き合いさせていただいているので、安心してお互いに最適と思われる方法を探れます。(掲載した写真、上2枚が深紅のみ、下2枚が茶色入り)
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結果、きおさま、一枚目の赤いショールをお選びになりました。うふふ。ただもっと明るくてもよかったとのことで、私も考えることも多々です。
きおさま、ひと月前にお納めしたショールとの風合いの違いを面白がってくださってます。
最大の違いは、緯糸で、前回が木綿、今回が絹(真綿紬糸)。大きさの違いは、今回の方が20cm長い。色の違いは、前回が経糸がピンクに赤いブラッシングカラーズ。緯はアカネ染め。今回は経糸が深紅に染めた上に鮮やかな赤のブラッシングカラーズ。緯は酸性染料で深紅。
きおさま、両方ともヘビロテ間違いなしとおっしゃってくださって、心から安堵しました。
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「きおさま2」の、only only ストーリーはこれでおしまいです。どうもありがとうございました。
染織吉田は、お着物や帯だけでなく、ショールなども承っております。ご依頼はこちらから!→(ただ、ものずごーく時間がかかることもあります。案外早いこともあります。)
今、こっそり進行中なのは、「合切袋」です。男性物よ、おほほ。仕立ては、最強のお方に依頼しています。また報告します!楽しみにお待ちください。

きおさま、織ってます。

2017.01.03

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きおさまのショール、経糸をしっかり深紅に染めて、機こしらえをしました。試し織りをします。そうしましたら、思ったほど、深くないのです。もっと赤くしたい。もっと強くしたい。
きおさま、とても華がある方なのです。ゴージャスな感じもお持ちです。おとなしいショールはきっとお望みでないと思うのです。
うーむ、ではどうするか?
よし、ここはやはりブラッシングカラーズだ。深紅の経糸の上に、鮮やかな赤をブラッシングで染めよう。それで早速、染料を調合します。ねらいをきっちり定めて。
ブラッシングの試しを蒸してみて、やっと納得いきまして、本番を染め、織ります。
*写真は本番織ってるところ。

きおさま、染めて、織る

2016.12.30

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きおさまの2枚目の赤いショール、まず染めに取りかかります。さあどうしましょう?経糸の種類は同じ糸です。1枚目の経糸の先染めは実はピンクです。その上にブラッシングカラーズで真っ赤にしています。そこにアカネ染めの緯糸が入るので、濃い朱色に見えるのです。
同じにする?それもつまらないかな?それに、同じをめざしても同じにはならない。そのことはきおさま、ご了解ずみ。
それだったら、どのポイントを目標にするかだ。そこでお伺いメールする。
「朱色と真っ赤と深紅だったら、どの色を目標にしますか?そこに近づけるよう出来る限りの努力をします。」
返信には、「深紅」とあった。そっか、深紅ね。
よっしゃ、そこをめざして染めましょう。今回は経糸も、しっかり深紅にしよう。そうすれば、一枚目のとの違いも顕著だしね。さあ、がんばりましょう。
*上の写真は、手伝いにきてくれたmoyuさん。小管巻きをしてくれています。

only only きおさまの赤いショール

2016.12.26

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さて、新たなonly only は、お久しぶりの「きおさま」です。きおさまとは、曜変天目を仰いで作った、「Little Cosmos」(リトル・コスモス)以来です。
今年、10月終わりに「清正公の陣羽織ー吉田美保子展」の案内状をさし上げました。きおさまは関東の方なので、お越しいただくには難しいだろうなって思いながらも。そうしましたら、メールくださいました。お書きいただいていることには、
「案内状に写っている赤いショールがとても欲しいのですが、いただけないでしょうか?でも展示会に出展されるので無理でしょうね。それでしたら作って下さい。と言ってもヨシダさん予約で一杯でしょうね。」
まあ、なんとありがたい。
そして展示会後にご連絡するとお返事しました。(ヨシダ、予約、複数いただいてますが、糸とか機とか、他の承ってるものとか、いろんなタイミングがありまして、前後します。それに何と言っても、きおさまにもお着物のご注文、いただいていてお待たせしてます、、、、)
約1ヶ月後、展示会は終わりまして、なんと首尾よく(?)、件のショールは売れませんでした。実は自信作だったのでショック(笑)。
早速きおさまにメールして、このショールについて、使った糸、染料、それによって得られた結果、サイズなど、詳しく詳しく説明して、写真も何カットもお送りしました。
お返事が来て、「長さが、着物を着た時のショールとしては少々短いと思います。新しく作っていただけますか?こちらは洋服用にいただこうと思います。」
え?作り直すのはいいけれど、こっちもいるの?同じようなの2枚になるけど?
作り直す旨をメールすると、とりあえず今あるものが欲しいので、振込先を教えてくれと。まあ、本当なの?
それで、またメールします。
一枚目の特徴と、二枚目の予想を説明します。それによってどんな差異がでるのか、お伝えしたい。
一枚目の緯糸は手紡ぎ木綿のアカネ染め。かっちり下準備してあるので、植物繊維である木綿に植物染料であるアカネが濃く染まっている。その糸を二本取りで入れてます。経糸にはブラッシングカラーズの刷毛目も見え隠れ。しっかりした布味が特徴。
二枚目は、経糸は同じ種類の絹を使うけど、緯糸は変えて真綿紬にする。染めは酸性染料。こちらは絹100%。絹の中でも空気をはらむ手引き糸や紬糸を使っているので、柔らかくホッコリします。
2枚ともになさいますか?
とメールしましたら、説明を読んでますます両方とも欲しくなったと。まあ!それで、一枚お送りしたあと、二枚目に取り組むことにいたしました。

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