吉田美保子の some ori ノート

たたさま物語 4

2024.03.11

完全注文制作ONLY ONLY、たたさまの帯、そろそろデザインを詰める時となりました。

まずはスケッチ。

今までに色々お話ししたことを反芻しながら、自由に描いていきます。私の過去作品で一番お好きだとおっしゃってくださったのの発展系や、吉澤さんをイメージしたカラーでまとめたもの、太子間道がお好きとおっしゃっていたのでそのイメージのもの。

なんでも自由に。可能性はどんどん広げようと思って。

それをたたさまにお見せしたら、速攻でお返事が来て、「吉澤先生のイメージのもので」とおっしゃいました。

では、吉澤さんが求めてくださった帯の色を再現してみよう。(吉澤さん、この帯を求めてくださいました。→⭐︎

パソコン上で、吉澤カラー、白地ベース、たたさまがお好きなデザインで、色々やってみます。プリントアウトして、帯の形にしてみます。

 

うーん、もう一歩なんだよなあ、吉澤さんに辿り着かない。

ふと、我が家の壁に目が行きました。青い細めのリボンをひと結びして留めて飾っています。

これ、吉澤さんのお別れ会の時に、参加者に色別で配られてみんなが身につけていたのです。吉澤さんのお好きな色ばかり。リボンを身につけると言うのも着付けの先生らしく。吉澤さんを支えてこられた近しい方々のお心配りにもジーンとしたのでした。

私は濃い青色をいただき、お別れ会が終わっても手首に結んだまま新幹線に乗って、帰り着いてうちの壁に飾ったのでした。

たたさまはどうしていらっしゃるかな?
早速お尋ねすると、車のミラーに結んでいるとのこと。やはり身近に、大事にされてたんですね。お色は紫がかった青だそう。ロイヤルブルーといってもいいかも。吉澤さんドンピシャのお色です。

これだな、吉澤さんを想う帯にふさわしいモチーフは。このリボンをデザインの核にしよう。

今も吉澤さんと繋がっている。吉澤さんが作らせてくださる。

さらに色の調合を重ねて、試し織りをしてみました。

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