吉田美保子の some ori ノート

only only きいさま、スタート!

2017.04.28

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さあ、新しいonly only ストーリーをはじめましょう。今回のヒロインは、「きいさま」です。
きいさまとのお出会いは、いつだったでしょう?もう4、5年前かな?私がオープンハウスをした時に、お友達とご一緒にお越しくださいました。綺麗で、きちんとしていて、朗らかな優しい笑顔。周りをホッとさせてくれるタイプの方です。
お召し物は、素敵な織りのお着物。むむ、作家ものだな。大袈裟な感じは一切ないが確かな個性がある。それを楽に来こなしてらっしゃるのは流石だな。お人柄にもとても合ってる。私の織ったものを、とても熱心にご覧くださった。
二度目は、一昨年の個展「三角・吉田」に、お越し下さった。まあ、お久しぶりです。この時も、とても熱心にご覧くださった。(上の写真は、このとき撮っていただいたもの。左がきいさま、右は着物ブログで有名な神奈川絵美さま。拙作「シスレーがいる風景」をお召しです。おお、この時のこと書いてくださってる→
それが、2回目にお会いしてから一年が経とうとしていた昨年の10月のある日、サイトのお問い合わせページからメールを下さったのです。
そこには、
・4、5年前、我が家にお越し下さった時に見た八寸帯「ブラックパープル」がずっと頭に片隅にあること、
・そのとき着ていた多色の綾織の着物にあう帯をずっと探しているが、なかなか自分のイメージ通りのものに巡り合わないこと、
・「三角・吉田」で見た「パープル・トライアングルズ」も合っているようにも思ったが、何かが違うなという感覚があったこと、
・自分の持つイメージでは、「数色の色(多色ではない)で織られた、ムラのある、無地感覚の帯」。
・「ブラックパープル」はそれに近い感じがした。
・「パープル・トライアングルズ」は、白場の分量が多くて目の粗い感じが自分のイメージとは異なった。もう少し無地に近い感じが良い。
・色味の希望は、パープル、グレー、(黒?)を基調とした、パープルともグレーともつかない曖昧模糊とした色。
・パープルは、赤みが強い方がいいのか、青みが勝つ方がいいのか、わからない。
・時間がある時に相談したい。
などなど書かれていた。
私は、まずもって、きいさまが、私が過去に織った帯のことを、こんなにもつぶさに覚えてくださっていることに、感激した。こうやって、見ててくださる方があるんだなあ。ひとつひとつ一生懸命作ってきてよかったなあ。
私は、今は忙しいが、来年、時間ができたらよろこんで織らせていただきたい旨を返信した。

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