吉田美保子の some ori ノート

きおさま、その後。

2015.04.14

スクリーンショット 2015-04-14 9.30.54.png
きおさまとの第一回ミーティングのあと、私は糸使いに悩んでしまって、進めずにいた。他の仕事も滞っていた。あるとき、いい糸に出会ったと興奮して、とにかく経糸にするまでやってみたのだが、どうも違う。このままでは、帯として、格もあり、面白みもある布地にならないぞ。
一度踏みとどまろう。それで、きおさまに、「たいへん申し訳ないが、納得いく物作りをしたいので、今しばらくお時間いただけないか」とメールした。
きおさまからは、「いつまでもお待ちいたします」というありがたいお返事がきた。
その後一年くらい、私は水面下で、糸のこと、曜変天目のこと、ウジウジグジグジ研究しながら、別の仕事のを織っていた。
ひとつ、大きな発見は、静嘉堂文庫の曜変天目茶碗は、超ド級の宝だということだ。
曜変天目は、この世に3点あり、3点ともが日本に存在し、3点ともが国宝に指定されている。また、復元もチャレンジされていて画像検索するといろいろ出てくる。
私は、帯のデザインに発展させるには、これら、静嘉堂以外のからもアイディア拾えるかもしれないと、画像検索を繰り返した。まあまあ気に入ったのもあったので、プリントアウトしてみた。
そこで愕然。力がない。張りがない。みなぎるものがない、、、、静嘉堂のとまったく違う、、、、ああ、きおさまが、「静嘉堂文庫の曜変天目茶碗」と指定されたのが、やっと分かった。
それから、曜変天目の「曜」の字は、星の意味があることを知った。そっか、星ね。宇宙の星を目指せばいいのか。
静嘉堂文庫が、数年前に曜変天目を公開したときに、馳せ参じなかったことが、返す返すも悔やまれる。超ド級が出た時には、多忙とか疲れたとか心の余裕とか、そういうこっちの理由はかなぐり捨てて、行かなきゃダメだ。
*画像は検索画面のスクリーンショット

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