吉田美保子の some ori ノート

1回目のミーティング

2016.03.09

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その日、暖かい日だったと記憶しているけど、みるさま、我が家にお越しくださいました。それもこの帯を合わせるご予定のお着物で。うれしいなあ。
お会いするの2回目で、じっくりお話するのははじめてですが、すぐに打ち解けることができました。みるさまは思った通り、明るくまっすぐな方でした。いろいろ大変なことを乗り越えて、今ちょっとホッとしておられるの、よく分かりました。人生をみるさまなりに、謳歌してらっしゃててすてきです。
早速、試し織りをみていただきました。まずまずいけてるようです。ひとつひとつの色と柄を、説明と検証していきます。「ここはもう少し黄色みがあっても。」とみるさま。すぱすぱと好みを伝えてくださるので、私も飲みこいやすいです。
「だいたいこんな感じですね」と、帯のタイコ部分、前柄部分、全体像をシャシャっと色鉛筆で描いてみます。稚拙だけど可視化するとつかめるよね。
軽いこと、元気がいいこと。これ大事。緯糸は和紙の糸は使わず、きびそのみで行く。
地の色はごくごく薄いグリーンで、タレは深いグリーン。手先は薄いグリーン。
私は、つい「手先もタレと同じで、濃いグリーンでもいいのでは?その方がまとまりがいいかも、、」などと申し上げましたけど、みるさま、「この帯、白大島にも合わせるつもりだから薄い方がいい」のだとおっしゃいました。
ギクッとしました。帯だけ見てちゃダメなんだ。みるさま、いっとうはじめに、この帯に合わせるつもりのお着物の着用写真、送ってくださったじゃないか。ちゃんと頭に入れ直せ。
この帯を締めてくださるご本人が目の前にいらして、合わせる着物をお召しになっている。そのありがたさ。それも我が家でだもんなあ。作り手として、これ以上は望めないってくらい恵まれてます。これで、いいもの作らなかったらバチが当たるってもんです。がんばります!

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