吉田美保子の some ori ノート

15年ぶり。電話のつづき

2016.06.02

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「大麻の作務衣が欲しいんだけど、あんた、織ってくれんだろうか?」
うっ。
一瞬つまる私。
えっと、、、、、、大麻の糸を織るんですか?それはやってやれないことはないでしょうけど、、、。私、独立してからは、ほとんど絹ばかり織ってます。麻を織る経験値は、まったく延びておりません。
うーーーん。それでも、、、
すぐに頭に浮かんだのは、大麻の糸のみで織るより、絹か木綿を混ぜた方が、軽くて、しなやかで、着やすい生地が織れるってことだった。
素材をまぜることをグンボウっていうんですけどね、両方の長所を生かせるし、おすすめですよと、こうさまに、お伝えすると、、
「いや、大麻だけがいいんだ。着にくくてもかまへん。」
うーーんんん、、、私としては、はい、それじゃそうしましょう、とは言えません。着やすいってのは、身を包む布を織る身としては、至上命題なのだ。麻が大事ってことかな?
だったら、苧麻(ちょま)は?ラミーと言う扱いやすい麻もあります。大麻よりは軽くて、なじんで、着やすいと思うけど?
その提案にも、こうさまは、
「いや、大麻がいいねん。分厚くて、柔道着みたいなのを思っているのだけど。」
そっか、なーるほど。大麻がキーワードね。
しかし、柔道着、、、、はい、織りますとは即答しかねます。ちょっと調べてみます。
ちなみに織らせていただくとしたら、染めはいかがしましょうか?
「茶色というか、えんじ色というか、、、赤っぽい茶が好きなんだけど、、、」
化学染料でいいですか?その方が、ねらった色を出せますけど。
「いや、せっかくだから、草木染めで。」
ああ、やっぱり、、、、、。
植物繊維は草木染め、大変なんです。染まりにくいので下準備と染め重ねが、、、、、、。
とにかく、調べますから、時間をくださいとお願いし、その日は電話を切りました。

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