というわけで、肩をゴリゴリ言わせながら、わださまのフンゾウエ、どうにか形にしました。
上の写真は、ひっくり返したところ。こっちの方がスッキリしてよいかもなあ。裏ってエゴが出ないからいいのです。
さっそく、宅配便でお納めすると、次の次の日には、お代の現金書留がつきました。ありがたや。
丁寧なお手紙も添えてくださいました。気に入っていただいた様子で、まずは安堵。そこに書いてくださった文章。ちょっとだけ引用します。最後の一文、しびれました。
—私が望んでいた感じの敷き布に出来上がっていて、とても良いです。袈裟とか袱紗とか書いてしまったので、ヨシダさんが必要以上に律儀に作られたらと不安に想っていたのですが、フンゾウエ寄りに作ってあったので、安心しました。言端でなくても意が通じている、わかってもらえると云うのはまことにありがたいことです。—
—それにしても、フンゾウエのこの抽象的な表現の仕立て具合い、良いと思いませんか!面白いでしょう。ヨシダさんに勝手気儘に作ってもらえればと単純に考えていたのですが結構調べられた様子が伺え、唯々お気遣いに感謝いたします。出来具合が私の思い通りでしたので、満足致しております。—
—この数日梅雨のはしりのような天気にコロナ籠りの気持ちが寄りいっそう滅入ってしまいます。それでも何となく明日が見えてきたような具合なので、もう少しだと信じて耐えましょう。何といっても、「明るい楕円の中に」私たちは生きているのですからね。では又。—
(先日のつづきの投稿です)
それで、ためこんでいる山盛りの端裂をああでもない、こうでもないと組み合わせていく。
「とらわれずに、好き勝手にヨシダさんのセンスにまかせ作ってください」とのご希望だけど、やはり、方向性というものはいる。それも、確固たるものとして。それさえあればという感じで。特にそのことに触れられてはいないので、わださまのことを想って、考えをめぐらす。
で、今回の方向性は。。。。
このご依頼は、供物敷。仏さまにおそなえする、お花やお菓子などを受けとめるもの。きよらかで、柔らかい光に包まれているようなそんな感じでいきたいな。
仏さまには性別はないのかもしれないけど、私はちょっと女性的なものにしたかった。わださま、ずーっと前にお会いしたとき、大往生されたお母さまの話をされてたから。
そんなことを思いながら、布を決めていく。やっぱ、白ベースよね。あとピンク。その補色で緑系。
ミシンもあるけど、ここは手縫いで。糸もカタン糸とかではなく、織りに使う絹糸の残りでチクチク行こう。糞掃衣だもんね。残糸でなきゃ。(当工房、残糸もたっくさんあります、上の写真の何百倍あります)
使う布を吟味、配置を吟味。大きさのご指定は、35cm×15cm 。これがけっこうクセもの。案外小さいのです。せっかくだから好みの布をあれもこれもとたくさん使いたいと思うと、すぐはみ出す。大きい方がつくりやすいなあ。ここはぐっとがまん。小さく、小さく。
暴露)私は縫い物は大の苦手。織るのと縫うのは大違い!案の定、肩と首がガチガチです。
糞掃衣(ふんぞうえ)というお袈裟と、カンディンスキー の「明るい楕円の中に」という絵を胸に、一枚の供物敷(くもつじき)を作ったお話をします。お付き合いいただければ幸いです。
先日のこと、旧知の「わださま」からお手紙をいただきました。わださまは、以前、合切袋を、善林英恵さんとのコラボONLY ONLYでお作りした方です。その時の経緯はこちらに。(力作です。ぜひ見てね)
さて、お手紙。何かしら?古呂奈お見舞いを出したので、そのお返事かな?とじこもっている時に、手書きの文字を読むのはうれしいものです。
読みすすめて、あら、ご依頼だわ。
カンディンスキー の「明るい楕円の中に」という絵を見ていたら、ひらめきました、と。
その絵の左にモンドリアン風の四角い図形が配置されてますが、こういう感じで仏壇の供物敷きを作れないものか、と。
フンゾウエ(わださまはカタカナで書かれます)のように、ヨシダさんの端裂を縫い合わせて。囚われず、勝手に縫い合わせて作ってください。と。
ひゃー。カンディンスキー 、糞掃衣、モンドリアン風。なんだか、クラクラくる取り合わせです。
カンディンスキー の「明るい楕円の中に」がぱっと浮かばず検索。あー、この絵か。なんか、不思議な絵だ。(スクショさせていただきました)
で、そのモンドリアン風の図形って?左側?
こ、こ、これかー。なかなかいいなあ。さすが、わださまの目だなあ。
糞掃衣は、私の解釈では、塵芥(ちりあくた)にまみれた端裂を洗い清め、チクチク縫い合わせれ作ったお袈裟。一切のエゴを手放した高僧が身につけた究極の布。
有名なのを失礼してスクショ。東京国立博物館にある分です。
そりゃー、そういうものが作れたら最高だけどね。
たいそうイレギュラーなご依頼ではありますが、やりがい充分。いわんや、わださまからの依頼です。受けてたたねば。
まあ、エゴにまみれた私ですのでどうなることやらですが、とりあえず織り布の端裂が入っている引き出しを、机にぶちまけました。