睦月さまのONLY ONLY の帯、織り終わりましたよ。さっそく、仕上げます。不織布にくるんで、蒸し器で蒸します。25分蒸したら、上下をひっくり返して、また25分。まんべんなく、蒸気がいきわたるように。
蒸しが終われば、水元です。たっぷりの水に汚染防止剤を入れた浴槽に帯を入れて、糊成分や余分な染料を取り除きます。色がでなくなるまで水を変えてね。今回は3度変えました。愛用の白い長靴履いてやってます。
そして、張り手で張って、伸子をピーンと張っていきます。そのまま8割くらい乾くまで放置。乾いたら伸子を取ってもうちょっと乾かして、湯のしに出します。
写真に写っているのは、手伝ってくれてるmoyuさん。カメラマンが私。なんか、すっごくピンボケよね。いつものちゃんと撮れてるのは、iphone 渡して撮ってもらってます。カメラは同じなのに、私が撮るとピンボケになる。どうして?不思議です。
ONLY ONLY 睦月さまの帯の制作、織りはじめましたよ。ここまで、いくと織るだけですね。
全面を綾織りで、織っていきます。
タテ糸は光沢がある絹糸で、ヨコ糸はマットなキビソ糸です。睦月さまは、ヨコ糸が見える方を表とされますので、光沢がなく、一見すると、絹とは思えないです。おしゃれな睦月さまならではの選択です。絹っていろんな表情が出せて、本当に面白い素材です。
上の写真の、白いテープをつけている方が表です。その下の段に見えているのが裏ですよ。
末長く可愛がっていただけますよう、しっかり織っていきます。
睦月さまのONLY ONLY 、さあいよいよ本番です。すでに何回も色の調合を試してきましたが、ささ、もう一度。これで最終章。今ままでのデータを踏まえて、新たに調合し直します。
で、えいやっと本番。睦月さまは、試し織りより、色がはっきり見えた方がいいとのご希望でしたので、太めの刷毛を選びます。
納得いくまで、ブラッシングを続けます。
ONLY ONLY 睦月さまの帯の制作、1枚目、2枚目、3枚目の試し織りをお送りしたところまで、話は進んでいましたね。
見比べていただき、お返事いただきました。
「色は1枚目が好き」
「1枚目のヨコ糸が見える面をもう少しはっきりした色にする」
「茶系、紺系ももう少しはっきり」
「ヨコ糸は和紙糸でなくキビソ糸に」
了解です!これでクリアになりました。よかった。腑に落ちた。ちょっと回り道したけど、合意できてよかったです。これで、清々しく取り組めます。
それで、早速、染料を調合し直し、4枚目の試し織りをしました。そのアップが上の写真。睦月さまにお見せすると、「好きな色合いです。これでお願いします。」とうれしいお返事が。それでは、いそいそと本番に移ります。
ONLY ONY 睦月さまストーリー、2回目の試し織りをしたところまで話が進んでいましたね。では、その続きを。
はい、その2回目の試し織り、お送りして見ていただきました。
で、メールいただき、試し織りをいろいろお着物に乗せてご覧になったとのこと。これ、ナイスアイディアですね。さすがです。実際の感じがわかりますものね。
で、「もう少し、色が濃くて、色の差があった方がいい」と。そこまでは良かったのだけど、ここで問題発生。写真が添付されていて、「こちらを見ての感想です」と。
えっ?
写真に写っていたのは、タテ糸が見えるツヤがある方。私としては、裏と想定して織った方です。
むむ、、、ちょっと混乱。睦月さまはマットな方をお好みだったはず。どこかで掛け間違ったな。どこだろう???
しかし分かったことは、このままではダメだってこと。核心を掴めてないってこと。では、もう一度試し織りをしましょう。3回目の試し織りをして、具体的な提案をしましょう。一つほどいて、一つ前進さえすればいい。もうちょっとだ。
上の写真、3枚の試し織りが写っています。3枚ともお送りして、見比べていただくことにしました。右に写っているのが新たに織った3回目の試し。1回目と2回目の差をクリアにして、睦月さまのお望みを逃さないように腐心しました。
さあ、睦月さまのONLY ONLY の八寸帯、2回目の試し織りができましたよ。前回お送りした試し織りでは、私が表と想定して織った方でない、ヨコ糸が見える裏面の方を面白がってくださいました。両面とも表として行けるのでお好みで選べるのです。
今回は、タテ糸のブラッシングカラーズは、前回と同じ染料の配合で染めて、ヨコ糸は、新たに染めたキビソ糸で、織りました。
キビソ、いい感じです。セリシンが程よく落ちたおかげで、打ち込みも入ります。色もよかったね。心配したけどね。幅もぴったり8寸2分です。
上の写真が今回、新たに織った2枚目の試し織りなのですが、左側に来ているのが、ヨコ糸のキビソ糸が「3」見えている面です。タテ糸は「1」見えてます。右側の方は、タテ糸が「3」、ヨコ糸が「1」見えています。
ちなみに平織りだと「2:2」で、タテとヨコの力関係は同等です。
今回は、左に来ている、ヨコが勝ってる方が表のつもりで織ってます。
これも、睦月さまのご自宅にお送りして、みていただくことになりました。早速発送です。
ONLY ONLY でご注文いただいている睦月さまの八寸帯。試し織りを観ていただいてから、ブログ上では時間が空いてしまいました。実作業は水面下で進んでおります。さあ、ブログも再開しますよ。
1回目の試し織りをみていただいて(記事はこちら→☆)、まずは、ヨコ糸を考え直さねば。和紙の糸を想定していましたが、きびそ糸に変更です。手元になかなかいいきびそ糸があるのですよ(上の写真)。これ、使いましょう。
きびそ糸っていうのは、蚕さんがはじめに吐く糸です。蚕さんが、我が身を守るためにシェルターとして吐く糸ですので、硬く丈夫で、紫外線なども寄せ付けない特殊な絹糸です。ツルツルピカピカの絹らしさはありませんが、そこがかえって魅力です。
キビソ糸、私のお気に入りのタイプは大きな綛で流通していますので、まずは小綛に分けます。扱いやすくするのです。
染めました。染める段階で、セリシンがけっこう落ちます。少々落ちるくらいだと、打ち込みが入りやすくなり、ハリも抑えられ、かえっていい感じです。でも落ちすぎると、腰が抜けたように、ふにゃふにゃになってしまいます。これをコントロールするのが、腕の見せどころ。温度と時間が勝負です。
小管に巻いたところ。今回の練り減り率は、9%でした。まあ、いいとこでしょう。本当によかったかどうかは、織ってみて、帯になって締めてみないとわからないのだけど、9%はいい数字と言えましょう。
織り見本をお送りした睦月さま、すぐにメッセージを下さいました。
やはり、実物見ていただいて、よかった!いろいろ分かってきました。
まず、織り幅、見本は8寸ちょうど(30.3cm)でしたが、ご希望は8寸2分(31cm)とのこと。八寸帯ですから、これは大事です。
緯糸は、未精練のきびそ糸、精練済みのきびそ糸、和紙の糸でご提案しましたが、そのうち未精錬のきびそ糸が、風合いが好きでご希望とのこと。しかし、張りがあるからおタイコの形がふんわりしてしまうかしら、、、、とも。
それから、実はびっくりしたのですが、何と、裏の色合いがお好きだと。
えっ!
それで、メッセージをやり取りし、
まず、布幅を8寸2分にすること、
緯糸には未精錬のきびそ糸を使うけど、張りが出過ぎないように、できるだけ細めの糸を選ぶなどすることで対処すること、
をお伝えする。
布の裏と表については、実はこれ、表も裏も決まりはなく、私が裏と紹介した方を表にしてくださって、全く構わないこと。実は私自身も、試しの試しをやってる時は、逆のつもりだったのですが、今表としている方が、ツヤがあるし、色も出るので、お好きかと思ってご提案したにすぎないことをお伝えする。
そうしたら、裏となってる方の、ざらっとした光沢のない方の風合いがいいとのこと。
そっかーー。ツヤがある方が好まれるに違いないって、思い込みだったなあ。固定概念、打ち破ってくださって、ありがとうございました。
では未精錬のきびそ糸で、裏表を逆にして、もう一度試し織りをやって見て、またご相談しますね。ちょっとお時間いただきます。乞うご期待!
ちょっとブログ状では時間があいてしまいましたが、睦月さまの帯、バッチリ進行中です。
1回目の打ち合わせで、「黒と青と茶色とベージュ」の、「布の表情」があり、かつ、「きちんと感」がある帯、というご希望は承ってます。
それで、上のようなデザイン画を作り、実際に織ってみました(一番上の写真)。うーん、どうだろうな?
この段階で、一度みていただいた方がいいだろうなと思ったけど、睦月さまの上京のタイミングと私のスケジュールがなかなかあいません。
そうこうしているうちに、ちょっとひらめきましたので、もう一つやってみました。これは、全面にドットをしていく方法で染めています。
睦月さまに、これらの画像をお送りすると、下のいいですね、とのことでした。どう発展させるかは、観ていただいた方がいいなと思いましたし、睦月さまも、実際に厚みや硬さ、柄ゆきを見てみたいとのことでしたので、実物に説明書をつけて、お送りいたしました。
睦月さまと、「三角・吉田」で再会しご注文をいただいてから、1年と2ヶ月ほど経ちました。やっと当方のスケジュールも見えてきたので、睦月さまにご連絡。お忙しく飛び回っていらっしゃるのをキャッチすることができました。今年の1月の末のことです。
青山一丁目のカフェで待ち合わせです。私は、事前のメールのやり取りで、睦月さまがお好きだと言ってくださった過去作品の資料を持参しています。お作りするのは、帯となりましたので、織見本とか、プリントアウトとか。(上の写真です)
一年数ヶ月振りの睦月さま、いきいきしたきれいなパワーが伝わってきます。いいなあ。
で、早速に仕事の話。
睦月さま、一枚のきれいな布を示されました。使われている色は、黒と青と茶色とベージュです。この色使いがお好きだと。この色味で作ってくれないかと。なるほど、なるほど。
無地っぽいお着物に合わせて、普段使いとしてバンバン締めたいと。
布の表情はあったほうがよく、かつ、「きちんと感」は欲しいと。
了解しました。さあ、それではどうしましょう。悩む時間はたっぷりあります。2回めの打ち合わせはずいぶん先になりそう。遠方にすむ睦月さまのご上京のタイミングをキャッチしなくちゃなのでね。
睦月さまと出会って十数年、その間、直接的なご縁はありませんでしたが、ご活躍はお聞きしてました。フェイスブックで繋がったりもしてました。
で、睦月さま、2015年秋に南青山のitonosakiさんで開催した、拙個展「三角・吉田」にお越しくださったのです。
お久しぶりです!
お久しぶりだけど、ネットで拝見してるので、久しぶりの感じはなく。しかし、お着物姿はさすがです。こればっかりは画像で見るより格段いいです。身についたカッコよさ。本物が馴染んだ感じ。くぅー。
それで、いろいろお話しして、なんと睦月さま、私に、着物を織って欲しいとおっしゃるのです。まあ!
それは、大変ありがたく光栄で、心して取り組ませていただきますが、お時間はかかります。そうですね、再来年になるかと思います。それでよければ、喜んで。
今、取り組んでいるonly only をご紹介しましょう。実はここんとこ複数同時進行しています。書くタイミングを逃しておりましたが、お一人お一人、ご紹介していければと思っております。
まずは「きもの 睦月」の横山てる美さま。名古屋で和装のお店と着付け教室となさっています。着物のプロ、審美眼が光る方ですので、緊張もひとしお。このブログでは、「睦月さま」と呼ばせていただきますね。
睦月さまと私の出会いは、ずーっとずーっと昔になります。睦月さまが、まだお店を始める前のこと、私が織りで独立する前のことです。15、16年前?もっとかな。私が勤めていた「ゆうど」にお越し下さったのです。睦月さまご自身が織りをなさったことや、お住まいが私の親戚がいる所のお近くだという話をした記憶があります。睦月さま、この時のこと、よく覚えてくださっているそうです。
それから幾年月。睦月さまは、森田空美先生の元で研鑽を積まれ、ご自身のお店を持たれました。私はまだ伺えてないのですが、サイトを拝見するととても素敵(上の貼ったのは、睦月さんのサイトのスクリーンショットです)。ご自身の写真も、睦月さんのブログやフェイスブックなどで拝見していますが、とても、とても、とても素敵です。