吉田美保子の some ori ノート

さとさま物語3

2023.03.18

ONLY ONLYで取り組んでいるさとさまの帯、デザインが決まりましたので、早速本番に取り掛かります。

これまで試しで小さなピースを、染めて、織って、蒸して、仕上げてを繰り返しておりましたので、本番をやりたくてうずうずします。やはりバーンとした緊張感は特別です。

大事なのは、まずは糸。

糸は、さとさまのご希望の、「きれいめ、上品、シャイニー」を実現するために吟味します。色については冒険要素も入れるので、ここは、ご希望通りに手堅く押えます。

張りのある銀河シルクと、絹らしく光り輝く糸を選びました。(上の写真、右が銀河シルク)

(その後の幾多の作業の記載は長くなりますので割愛します。)

それから、色。ここが勝負どころ。試しでOKとなった染料から慎重に選び取り、たっぷり用意します。

(染料の調合にかかる幾多の作業も記載割愛です。)

そして、デザイン画をもとに織り縮み率を割り出して、あたりをつけて、ブラッシング開始です。

筆で何度も何度も何度も何度も、ブラッシングしていきます。

染料の濃淡は色々です。ごくごく薄いものから、パキッとしたものまで。メリハリをつけて。

タレとか手先とか、ちょっとしか見えないところは、ごく薄い色ながら、しっかり手をかけて。一本の帯の全体が、さとさまのこれからを守るように。

ここがおタイコ。この後ずらしを施して、真っ直ぐな線を曲線にしていきます。

 

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