吉田美保子の some ori ノート

一度目の対話

2013.07.15

P1060073.JPG
ほどなくして、アトリエ森繍の佐藤未知さんから、封書が届きました。A4サイズがすっぽり入る大きな封筒です。中に、お手紙と、これから作るお着物のひな形と、色見本と、寸法が入っていました。どれも、とても丁寧で、佐藤さんのお人柄やお仕事に対するまっすぐな姿勢を偲ばせるものでした。
さあ、私はこれらから何を感じ、何を掬い取れるだろうか。お手紙の行間から、色見本の向こう側から、ひな形の色鉛筆のタッチから。
私はメールをお送りしました。
お聞きしたいことはつぎつぎ出てくるのですが、まずは概観を固定するというか、、、大きく見て方向性に間違いがないか確認するというか、、、そのためのメールでした。
2日おいて、佐藤さんはまたまた丁寧なお返事を下さいました。この返信のおかげで、ピントが合ってきたと実感。もうちょっとフォーカス絞り込みたいですが、まずはここまでで、頭の中を整理整頓です。
下に、私がお送りしたメールを貼付けます。いただいたお返事は内緒です♡
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佐藤未知さま
こんにちは。
夏至の頃、いかがお過ごしですか。
こちらは今日は一日中雨のようです。
佐藤さん、今日は、お着物の件で、少し詳しく伺いたいと思い、メールさせていただきます。
ゆっくり読んでいただいて、佐藤さんがお時間ある時に、ご返信いただければと思います。
どうかよろしくお願いします。
佐藤未知さん
1、以前にもとじさんでお会いした時、私が受けた印象は、「すらっと、明るい、まっすぐ」ですが、佐藤さんのお着物を織る時に、私が頭に持っておくイメージはこんな感じでいいですか?
もしかして、もっと「はんなり」などをイメージとしてお持ちですか?
2、大変、失礼ながら、画像検索させていただきました。
この写真の表情、生き生きして、とてもすてきです。
http://◯◯◯
もう一枚ありました。こちらはちょっと以前のもののようです。こちらは色がきちんと出てます。
http://◯◯◯
私が、佐藤さんのお顔や印象などを思う時、この2枚の写真を頼りにしていいですか?
もし、この写真はイメージと違うなどあれば、大変お手数ですが、写メでもいいので、一枚お送りいただけませんか?
3、またまた大変失礼ながら、お年を伺っていいですか?(ちなみに私は1968年生まれ、申年、45歳です)
また、もしも、今回の着物に関して、年より若いイメージでとか、大人っぽいイメージでなどあれば教えて下さい。
4、それから、今回のお着物は、お召しでお出かけになる場所など、ある程度でも決めてらっしゃいますか?
どのくらい、フォーマル成分を入れるかってことを知りたいのです。正式な場所にもお召しになるものをお望みですか?
5、お送りいただいたひな形、色見本を拝見しますと、おとなし目に、遊び成分などは押さえ、きれいに作るって風に感じますが、その認識に間違いありませんか?
6、佐藤さんは刺繍の作家さんなので、もしかしたら、この着物に刺繍をなさるのかなと思いましたが、もしもその場合は、織り手が気をつけることなどあれば教えておいて下さい。
7、袷になさるか、お単衣かは、決めてらっしゃいますか?
8、もしも袷でしたら、布の風合いは、「ほっこり」に寄せるか「つるつる」に寄せるかは、どういたしましょう?
真綿紬糸を多用すると「ほっこり」成分が増し、座繰り糸、玉糸などで織ると「つるつる」します。
「ほっこり」ですと、いわゆる「紬」になります。(紬糸で織った着物という意味で)
冬にお召しでしたら、「ほっこり」もいいですね。
最近の流行は、「つるつる」目で、軽いというのみたいです。
あと、もしも正式な場所にもということでしたら、「つるつる」目の方が、よりフォーマル感が出るかもしれません。
真綿紬糸と玉糸、座繰り糸をまぜて使うのもいいですし、私も好きですが、まぜるとカジュアル感が出るので、場合によっては押さえますね。
お単衣でしたら、さらっとがいいかと思います。
(後略)

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