吉田美保子の some ori ノート

ななさま物語 2

2024.07.03

ななさまの半幅帯とタブローを制作する今回のONLY ONLY。

ななさまが求めていらっしゃるのは、以下の5つ。

・変化上等
・静と動
・寒色と暖色
・浴衣生地の茄子紺色に映える
・ラッキーナンバー7 

なるほど、これを同時に表現するのが私のミッションなのだな。承知。それぞれじっくり考える。

「変化上等」ななさまのキャッチフレーズ。変化って望んでなくても、ある日突然あらわれる。押し寄せる。人はそれを拒否することはできない。流される。しかし、それを「変化上等」と捉えるななさま。受け入れるのも、流されるのも強さなのだ。

「静と動」これは、ななさまそのものと思う。ななさま、静謐な面影を持った品の良い方なのだ。同時に情熱的でもある。フラメンコを踊るとおっしゃってたな。両方持っている方。
普段のオシャレは、どちらかというとコンサバティブなエレガント系と拝察したが、どっこいその反対も似合われると踏んだ。しかし、いつもと違いすぎるのを作ると、似合っても落ち着かないということになりかねない。その静と動を両方取り入れ、ギリギリのラインを狙わねば。ずらし技法を入れるか?

   

「寒色と暖色」これは、そうしておいた方が、帯としての使い勝手も増す。浴衣には涼しげな寒色が素敵だし、凛としたななさまに合う。暖色でチャーミングさを出したい。

 

「浴衣生地の茄子紺色に映える」浴衣は、おあつらえになるとのことだったので、一緒に懇意のギャラリー「イトノサキ」さんに行って選んだ。茄子紺のおしゃれな生地がとても似合われた。その端切れをいただいて来た。着る人と長着が決まっている状態なので、私としては一点集中して臨めて大変ありがたい。

「ラッキーナンバー7 」ななさまのななは数字の「7」。7を織り込もう。そのやり方はいくらでもある。7つにずらす。7色に染め分ける。柄を7回繰り返す。

出来上がってしまえば「7」は目立たなくなるだろう。しかし、そこに「7」がある。そのことはとても大事なのだ。

普段は、私一人で粛々と進める作業だが、ななさまが打ち合わせに来てくれた。伴奏してくださるトシさんと一緒に。それで、一挙に楽しくなった。

*写真提供はトシさん(1,2枚目)、ななさま(5,7枚目)、私(3,4,6枚目)

カテゴリー