吉田美保子の some ori ノート

128通目のメルマガ【繭から糸づくりイベント号】

2024.09.02

          

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*写真は、1~8枚目をイベント主催者さま、10,11枚目を花井雅美さまからいただきました。それ以外は、ヨシダ撮影です。

 

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おはようございます。

台風10号の影響は大丈夫でしたか?

私の住む神奈川県でも警報がなり、土砂崩れなどもあったようで、緊張しました。

それから数日経った今も、大地に、そして空気中にも、水がたぷたぷに充満しています。

まだ止まったままの鉄道路線もあって、相当量が広範囲に降り続いたことに怖くなります。

鉄道は止まってしまうと、手も足も出なくほとほと困りますね。

みなさま方に被害がないことを祈ります。

《 目次 》

1.   繭から糸づくりイベント

2.   夢の企画

3.   郷土民家園

4.   藁の灰汁

 

1.   繭から糸づくりイベント

この夏の私の一番の出来事は、小学生を対象としたワークショップの講師をしたことでした。

繭を真綿にして、糸にして、機織りまでするのです。

お話いただいたのはまだ寒い頃で、自分がやるだけでも精一杯なのに、小学生に教えるなんてとてもじゃないけどできないと思っていましたが、なんだかんだ話しているうちに、これは私にとってもありがたい機会だと、参加させていただきました。

一緒に講師を務めた(蚕の自由研究で有名な)あけみとりん親子さんやイベントの主催者さんと素晴らしいチームが組め、実りあるものになりました。暑い中、みんな頑張りました。

 

2.   夢の企画

今回は、繭を真綿にしたもの(一部は草木染めしたもの)からずり出して、太ももなどでよって糸にする。それを、まず牛乳パックの織機で織ってみる。フライヤーで真綿つむぎをしてみる。ペットボトルの座繰り機を回して、座繰りをしてみる。高機で織ってみる。と盛りだくさん。

資料もいっぱい用意され、実際の野蚕も登場して、芋虫好きさん、もの作り好きさんにとっては、夢のような企画だったのではないかと思います。

機織り体験している男の子が使っている糸が細かったので、変えたほうが織りやすいよというと、いや、僕はこれで織りたいと言ったのには、日本の未来は明るいと思いました。

真綿から糸を作るのは、小学生も親御さんも夢中になってました。何かを作るというのは、人間の本能なのでしょうね。

 

3.   郷土民家園

イベントの会場は、郷土民家園に移築された江戸時代の茅葺き屋根の民家でした。

黒くて太い柱、梁。土間、縁側。中にいると、なんだか落ち着くのはDNAゆえだからでしょうか?

風が通れば涼しいですが、この日はまだまだ猛暑で、皆さんの熱気もあって、なかなか大変でした。

敷地を出たところの桑畑には、美味しそうな葉が茂っています。

近くに湧き水もあり、夏休みにぴったりの場所です。

4.   藁の灰汁

 今回使った繭は、講師陣があらかじめ煮て、真綿にしておいたのですが、繭を煮る時に使うアルカリの液を、藁の灰汁から取りました。

藁の灰汁はマイルドで、昔から絹の精練には最適と言われていますが、実は私、初めてでした。(これまでは、木灰、マルセル石鹸、重曹を使ってきました)

今回は、熊本県山鹿市の養蚕農家、花井雅美さんが藁を燃やして作ってくださった灰をいただいて、灰汁を取りました。

灰汁の出来は上々で、繭はふっくら柔らかくなり、サナギもぽろっと取りだせ、良い真綿にできました。

その作業中に実感したのですが、何より大事なのは繭ですね。繭の状態が良ければ、良い真綿になる。良い真綿になれば、糸もひきやすく、結果的に良い糸になり、良い布になる。

今回、養蚕農家さんの繭、民家園で育てた繭、野生の蚕の繭など、いろいろ煮てみたところ、養蚕農家さんの繭の優秀さは圧倒的でした。

それぞれに良さがあるのですが、さすが、プロの技術と長年の知恵と知識はすごいものだとうなりました。

      

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