吉田美保子の some ori ノート

再来のめとさま

2013.10.22

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約束の時間は正午。打ち合わせ開始の時刻にしては、ちょっと中途半端だが、めとさま関東滞在時間を最大限に使うため。めとさまは移動中に、私は早めにお昼を済ませて。さあ、準備万端。
正午ちょうど頃、ピンポンが鳴った。ドアを開けたら、ふんわりとした風。ちょっとはにかんだような笑顔。この人はやっぱり透明な風だなあ。
めとさま、着物本を数冊ご持参。その中の一冊の見返しの色こそが、めとさまの「紅」なのだった。ちなみに「紅」は「くれない」と発音する。「べに」ではなく。ってもちろん、今回のめとさまと私の間だけの話ですがね。
この色を芯のところに偲ばせて「くれないにほふ」着物を目指しましょう。
風がそよいで、いい匂いがして、ふと振り返る。そこにめとさま。どこに行くのか、ふんわり通り過ぎた。
そんなイメージね。その余韻がリフレインするような。
いろいろ話をした。顔を突き合わせて、ああでもない、こうでもない。色鉛筆やたくさんの資料。帰りの電車に乗り遅れないように時計をたまに気にしながら。
最終的に決まったのは、ぐっと経糸の色数を押さえて、それも強い色は入れないのです。ただひとつ、こっそり偲ばせる「紅」をのぞいては。緯糸は段にして、しっかりした色を入れる。
写真は私のおめざ。何を見ても、めとさま色を探してしまいます〜〜。

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