吉田美保子の some ori ノート

福田喜重の世界、ディオールの世界

2014.12.06

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青空がきれいな空気が冷たい朝、ちょいと銀座までお出かけしてきました。
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まず、「福田喜重の世界展」を拝見しに、銀座もとじさんに伺いました。今日はギャラリートークで、人間国宝、福田喜重先生のお話を直にお聞きできるというありがたい機会でした。
福田喜重先生の作品は、とてもとても美しい正統派の日本刺繍で、ひれ伏したいほど、いいお着物、素晴らしい帯、感服しきりです。
お話の中で心に残ったのは、正倉院御物とクリスマスツリーの意外な共通点でした。両者とも、補色で成り立ってると。そっか、クリスマスは赤と緑だもんね。正倉院の時代も大陸からの文化だから、補色が多いのだとか。それに引き換え、平安以降の日本の文化は、気の文化、水蒸気の文化で、あいまいな色、ぼかしの世界だとか。
なるほどー。福田先生の世界は、水蒸気が立ち上る幽玄な世界を、染めと刺繍で現したものなんだ。まさにその通りだと思った。
「福田喜重の世界」展は、銀座もとじさんにて、12月7日まで。
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それから、「エスプリディオール ディオールの世界」展に行きました。ディオールブランドに興味がある訳ではないのだけど、あちこちで評判だったので、こりゃー観とかなくちゃと思って。
で、一歩入るなり、クラクラしました。今日の午前は晴天で、寒いけど太陽さんさんの元から、いきなり、暗幕に仕切られた別世界に迷い込んでしまったものですから。
心をどこに置いたら分からないまま観て回って、ますますクラクラ。すごいレベルの、すごい量のエネルギーです。うわーー。
その上、急いで帰らなくちゃと思って、サクサク観ようと思ったら、そのエネルギーにあてられて、軽くめまい。地下1階から地上3階までの展示を、階段の手すりにつかまりながら行き来しました。そうしないとへたり込みそうだった。
会場もものすごく美しかった。すみずみまで構築されてる。すごい。これが一流ブランドの力か。
「ディオールの世界」展は、銀座のアップルストアの隣りのビルにて、1月4日まで。入場無料。すごいから、まだの方は観てビックリなさるといいかもよ。
*写真はすべて、ディオール展にて。一番上の写真は、フランスからやって来て、製造の実演されてるところ。なんかね、最後の晩餐を想った。神々しかった。

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