吉田美保子の some ori ノート

伊勢丹でのよきこと

2018.04.13

伊勢丹での1週間は、悲喜こもごも、いろんなことがありました。素敵なこともいっぱい。ふたつ、ご紹介しますね。

初日のこと。お昼頃だったと思います。まだ始まったばかりで、緊張気味。お客様とお話ししていたら、ふと感じる視線。「?」と振り返ると、なんと、高校の同級生の「あこちゃん!」。一挙に緊張がほどける不思議。幸せ度が上がって元気が出てくる不思議。お仕事場が近いこともあり、会期中、5回くらい会いました(笑)。おかげで楽しい日々でした。

あこちゃんのブログにご紹介いただきました♪→

そして、このページの写真は、あこちゃんからいただいたお花です。黄色なのは、我らがスクールカラーだから。一輪のピンクが可愛いね。

「じつはさー、昨日で半世紀だったんだー。でもボロボロに疲れて帰って料理したくなくて、焼そばとビールだったんだー」なんて、同級生だからこぼせる軽口をつい口にしたら、数時間後に届けてくれた。本当に驚いた。優しいなあ。

その晩は、お花を飾って、いただいた獺祭純米大吟醸のスパークリングを開けて、同じくいただいた阿蘇高菜の新漬けきざんて、一日遅れの、じんわりうれしい宴でした。人生、なかなか悪くないぜよ、って思ったよ。

そして、もう一つの素敵なこと。これは、最終日の遅い時間。そろそろ終わりかって頃。お若い方が、ずっと私の作品を見ている。目が合う。ん?

– ヨシダさんですよね。私、ずっと前におじゃまして、話しを聞いていただいた〇〇です。

– あ!ああー、覚えてますよ!

– 藍染の工房に就職したので、ご報告に来ました。ずっと、ヨシダさんにお礼を言いたくて。

うわあ、感激。こんなの初めてだ。ぐっと大人っぽくなった表情。仕事を楽しんでいらっしゃる様子。がっぷり取り組んで、いろんなこと、受け止めてらっしゃる感じ。

その上、この時売っていた、レターカードを買ってくださった。2千円なり。これも本当に感激した。売ってるものの中では一番お安いものだけど、私の売っているものは、生活必需品では全くなく、なくても困らないものばかり。それなのに。就職したって言っても、まだ2年目くらい?一人暮らしを始めたそうだし、そんなに余裕ないよね。それなのになあ。

モノを作って売ってる人間にとっては、「買っていただく」ってものすごく大きいことなのです。何よりも、絶対的に大きいです。金額の大きさじゃなくて、「買っていただく」そのもの。生きることに直結なのだし。

若い方に相談されること、たまにあります。私は、決してこの道にくることをおすすめしません。あまりにも大変だから。もう来ちゃってる人には、どう生き残るかってこと話すけど。マイナス向きだからこそ、真摯に話しているつもり。

でも、大抵の場合、それきりとか、メールだと返信もくれないとか。がっかりすること多いけど、こうやって成長なさった姿を見ることできて、すごくうれしかったです。

お互い、美しいもの、豊かなもの、作り出し続けましょうね。

カテゴリー