吉田美保子の some ori ノート

2回目の試し織り

2018.09.13

けむさまの、のしめのお着物、2回目の試し織りです。こんな感じ?

写真を撮って、けむさまにメールします。

ご返信、だいたいオッケーでホッとする。ご希望も少々。

「ターコイズの一番濃い色を少し薄めに」、「水色を感じながら白に向かっていく感じに」、「黄色はさえた薄いレモン色」で「避けたいのは着物によくあるウコン色と、くすんだ感じ。」

了解しました。

その後、お仕立てのことやデザインのことなどで、メールをやり取りしておりましたら、けむさま、「どこかに薄いピンクを忍ばせられないか」とのご質問くださいました。

ああ、ピンク。

思えば、けむさま、いっとう最初は、「黄色とピンク」ののしめをご希望だったのだ。ピンク、お好きなのだ。うーん、それは入れたいなあ。ちょっと難しいが、とりあえず可能性を探ろう。

ごく少量、ピンクを染めることにした。レモンとターコイズと相性がいいように、パープル系のピンクを染めた。

はい、もいっちょ。太さと濃さを変えて、計4種、染めました。

早速、織り込んでみます。うーむ。可能性を探れないこともないが、紬調になる。訪問着調にしたいのだがな。

けむさまに写真をメールすると、

「ピンクが入ると、米沢の紬みたいになり、面白みより、あたり前になるのですね。よくばらない方がいいのだと思いました。」

とお返事くださった。なるほど、「あたり前」は却下ね。

でも、ピンクをご提案いただいたということは、何かちょっと物足りないってことなんだろうな。

けむさまは、今、人生の大輪の華を咲かせていらっしゃるのだ。お年的にも、社会の役割的にも。だから、控えめな着物にする必要はない。むしろ、大胆な思い切った着物を求めておられる、、、、

じゃあどうする?

「水色を感じながら白に向かっていく感じに」を、精一杯やりきることが、それに充当するのではないか?

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