吉田美保子の some ori ノート

けむさまと平山さんの工房で。

2018.09.22

さて、けむさま と一緒に「着物仕立てひらやま」さんをお訪ねした時のお話です。

けむさまは、大の着物好きで、着付けの先生もされていらっしゃり、長年、ありとあらゆる着物を着てこられた通の方ですが、仕立て師さんに直接お会いして、着方や好みを相談し、採寸して、仕立ててもらうのは初めてだそうです。普通は、呉服屋さんを介しますので、スタンダードでいらしゃいます。
いつもお願いしている寸法を一旦リセットするいい機会だと喜んでくださっています。

一方の平山さんも、仕立て師としての長いキャリアの前半は、呉服屋さんなどから頼まれる反物を、渡された寸法表どおりに仕立てて納めるのが仕事の仕方だったそう。この当時は、自分が仕立てた着物がどこの誰に、どんな風に着られるかなど、全く知らなかったと。
そしてそれを、ある日、ガラッと変えたのだそう。お客様と直に会い、相談を受けて採寸し、仕立てるスタイルに。

けむさま と平山さんの話を聞いている私は、その細かさに驚かされました。着るときに腰紐をどこに締めるか(ウエストか、または腰骨の上か)というのはよく聞きますが、地衿の先をどこに持ってくるかといういことも話題にされています。それによって、寸法もちょっと変わるみたい。私、そんなこと気にしたこともなかったよ!

私にとっても、素晴らしい恵みがありました。

なんと平山さん、新モスで作った、着物の実物大のひな型を作っておいてくださったのです!それも、繰越などは、けむさま サイズで!(名称は「ひな型」でいいのかな?着物の世界でも「トワル」って言う?まさに洋裁のトワルみたいなものですわ。)

それをけむさま に、美容衿をつけた上に着装していただいて、衿合わせのポイントにフリクションペンで印をつけました。そのポイントの6分下で色を変えたいわけです。ここが一番のアイキャッチですから狙います。

そして衿につけた印を伸ばして、身頃と袖につけ、そしてトワルを解体して、反物にしたときにどこが柄かを確認します。そうすると、ピシッと段があった熨斗目(のしめ)になるという計画。

すごーい!画期的!まさにこれがほしかった!平山さん、どうもありがとうございます!

説明が下手で伝わってないかもしれませんが、これぞ、ONLY ONLY。お召しになる方と、仕立てる方と、布を織る私が一緒に作るONLY ONLYです

*今回は写真は取らなかったので、一番上の写真は、以前に私が一人で平山さんをお訪ねしたときのもの。いまとはメガネが違うわ〜。下の2枚の写真は、うちに帰って、トワルをトルソに着せて、最終確認しているところです。

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