吉田美保子の some ori ノート

ヤマモモの皮

2016.04.03

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これは、ヤマモモの樹皮をチップしたもの。草木染めの染材としてすごく状態がいいです。きれいでしょう。いい色出そう。
これね、いただいたのだ。宅急便で送ってもらった。箱を開けたとき、心底から感動した。
先頃、大変お世話になった、大好きな植木職人の親方がなくなられた。私、親方にも奥様にもとても可愛がっていただいていた。亡くなったと聞いて愕然とした。
出会いは、まだ勤め人の頃。担当した東南アジアの染織家たちをお呼びするプロジェクトに、ものすごく協力してくださって、盛り立ててくれた。会場に竹林とか橋とか作ってくれたんだよ!「一生懸命やれば誰かが助けてくれるものだなあ。それって神さま?」って実感した。
時は流れ、私は退職し、染織で独立した。その後も、交流はつづき、京都で奥様と二人展されたときなど、観に行った。
で、写真のヤマモモは、植木職人のお弟子の方が、奥様にって持ってきたののお裾分け。奥様も染織なさるのだ。ウールの手紡ぎ。
ヤマモモの樹皮をここまで丁寧にはがして、煮出しやすいようにチップにするの、ものすごく大変。これ、お弟子さんの、親方と奥様への愛だなあ。愛、あふれてるもんね。親方、そのものでもあるな。とても大事なことがここにあるように思うのだ。分けていただいて、ありがとうございます。

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