吉田美保子の some ori ノート

こうさま、スタート

2016.06.01

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さあ、新たなonly only のはじまりです。今回の主人公を「こうさま」とお呼びさせていただきましょう。こうさま、男性です。
こうさまとの、出会いというか、再会なのですが、、、正しくはお会いしてはいないのですが、、、それは、今から、ちょうど1年前の、2015年5月31日、日曜日の夕方のことでした。
我が家の固定電話がなりました。
うちの電話がなるというのは、けっこうめずらしいことです。最近は、友だちも、お取り引き先さまも、携帯に電話くださいます。名刺には、固定電話の番号を載せてますが、サイトや年賀状などには載せてないので、商売上もあまり使っているとは言えません。
ですから、うちの固定電話に掛かってくるのは、営業目的か、はたまた間違い電話が多いのです。どうもどこかの工務店さんと番号、酷似しているようなのです。
電話を取った第一声の「もしもし」という声が男性でしたので、私はすっかり工務店さんへの間違い電話と思い込みました。次の言葉を待って、「お掛け間違いですよ」と言う気まんまんでした。それが、
「あー、ヨシダさんですか?私、もう15年ほど前になりますけど、大麻ののれんを織ってもらった、〇〇の〇〇です。」
!!!!!
一瞬声を失います。うっっわーー、心底ビックリです。走馬灯とはこのことか。いろんな思い出が駆け巡ります。15年前ってまだ勤めながら機織りしていた頃のことです。
あの時もビックリしたな。出張中に出会った私にいきなりご注文を下さった。条件は素材が「大麻」ってことと、大きさだけだった。とにかく、誠心誠意、織ったなあ。ビクビクしながらお納めしたら、すぐに、ヒノキのまな板贈ってくださった。そのまな板、いまでも愛用しています。
それから、こうさまとは、年賀状だけのお付き合いとなった。毎年、宛名面に、私の住所氏名をものすごい丁寧な達筆で書いて下さる。裏は印刷で、毎年同じ。他には何も書いてない。
10年くらい前、年末押し詰まってから、喪中ハガキが届いた。私はすでに年賀状を出してしまっていたから、重ねてお悔やみのハガキを書いた。そうしたら、明けてから、そのお礼ハガキを下さった。心が通い合ったような気がしてうれしかった。なんか、よく覚えてる。
そのこうさまが、今回は、こうおっしゃいます。
「大麻の作務衣が欲しいんだけど、あんた、織ってくれんだろうか?」

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