吉田美保子の some ori ノート

めとさま、1回目の打ち合わせ

2017.04.12

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めとさまのお着物を織らさせていただくことになったものの、全てお任せというのは、荷が重い。せめて、「ヒアリング」はさせていただきたい。「取材」と言ってもいいかもしれない。
めとさまのお住まいは遠方なのだが、ありがたいことに、関東方面に時々おいでになる。そのタイミングに時間を作っていただいて、ぜひお会いしたいと申し出る。それで、1月の中頃に、我が家にお越しくださることになった。
お久しぶりのめとさまは、昨日アップした写真のような、一つ乗り越えたような清々しい笑顔で、お見えになりました。
で、早速、次のお着物の話。いろいろいろいろ。キーワード、たくさんいただきました。
風のような。
風をあらわす。
空気感。
かすみのような。
枯風。
紅葉が枯れる。
枯れたものにこそ、色がある。彩に満ちている。
落ち葉が風に舞い、スローモーションで落ちてくる。
散り際こそ美しい。
秋のイメージ、それも晩秋。
colored wind とつながりがあるといい。
はっきりしないような感じがいい。
グラデーションか、ブラッシングカラーズ。かすれた感じがいい。
境目がはっきりしないようなのがいい。
ぱっと見が、強くないほうがいい。
軽やかで透明感がある。
茶色ベースがいいかもだけど、土っぽくならないように。
山ではなく、山の木々をあらわしたい。
ミルクティーの色。
こっくりしててほしいけど、薄い色がいい。
全部が濃いのは違うけど、一部はぜひ。
みじん格子は?または、ブラッシングカラーズ?
雨絣は?
不規則に交わる感じ。ランダムな感じ。
緯段だけでなく、経にも入れたい。
何色と言えないような色。
空気になってほしい。
小さめの格子。無地に見えるほどの。
緯より経が目立ったほうがいい。
透明感。
などなどなど。
以上のようなお話をして、見えそうで見えない、見えなさそうで見えそうな、新しいお着物が浮かびました。
そして、具体的にはどんな色かと思い、めとさまに、色見本の束を渡して選んでいただきました。真剣なめとさま。集中力すごい。
選ばれたものを、ちょっと切り取って、それが第一選抜。第一選抜から、もう一度選んでいただいて、第二選抜。上の写真は、2回の激戦をくぐり抜けた色を紙に貼り付けたもの。左下の貼られてないのは、第一選抜は通過したものの、第二選抜に落ちボツになった色見本。

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