さあ、きいさま、本番織ってます。あとはもう決めたことを完遂するだけ。
緯糸の地の部分は和紙の糸です。
メインのところは、「カンボウジュ」。カンボジアにいる野生に近いお蚕さんの吐いた絹です。それから、「キビソ」。繭の外側のシェルターになる硬い部分を糸にしたもの。
染めにはちょっとだけ秘密があります。それは染料に「オペラ」をほんのちょっぴり加えたってこと。色で言うところの「オペラ」って、とても華やかな濃いピンク。ちょっと派手すぎるくらいの色。
きいさま、そそとした華やかさをお持ちになのです。そして、オペラを愛してらっしゃる。だから、「オペラ」の華やかさのエッセンスをこっそり加えました。ごくごくちょっぴり。魔法をかけるつもりでね。