吉田美保子の some ori ノート

出た!「大人の着物 コーディネートブック」(主婦と生活社)

2015.10.18

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5月にお話をいただき、7月に取材を受けました本が、とうとう出版されました!!!タイトルは、「大人の着物 コーディネートブック」。私の所には、昨日送られてきましたが、世間的には明日発売(10月19日)です!
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ヨシダの小特集は5ページで、「世界に一本、私だけの帯を作ってみたら、、、」と題されてます。47ページから。ぜひみて!
完全注文制作 only only 「リズミカル・ニコ」の制作過程を追って載せていただきました。拙ブログのにこさまです(下にスクロールしてご覧下さい)。詳細な取材をしていただきました。読みやすくよくまとまってます。
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にこさま、いい笑顔。この帯、織らせてもらって、よかったなあとしみじみ。撮影は大変だったけど、今となっては、いい思い出ね。
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個展「三角・吉田」のご案内も載せていただいています。この本は、イトノサキさんでも、取り扱いますので、そちらでお求めくださっても!
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そして、そして、もうひとつ!巻頭特集のピックアップのお一人が、小野里秀美さまで、素敵な着姿で写られているのですが、、、お手持ちの着物や帯を置きで撮影されているののひとつが、ヨシダ作の帯、「シトラス」です!
(カッコイイご主人さまも2枚載ってます。要チェック!)
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私関係はこの二つだなって思って読ませていただいてたのだけど、、、、見つけてしまった!本の表紙カバーを外すと、本体が現れますが、、、、その裏表紙!これ、うちの織機。織ってるのはもちろん私。織ってる作品は、「限りなく白に近いピンク」。靴下は縞縞、by ユニクロ。
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表紙は、鶴田真由さん。すっきりしてて、素敵です。ぜひ、お手に取ってみて下さい。
本体価格は1350円。売価はプラス税です。

取材!

2015.07.02

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秋に発売される着物の本の取材を受けました。
ご登場いただくのは、このお方、にこさまです!八寸帯、Rhythmical Niko(リズミカル・ニコ)を締めて下さっています!
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今回の取材、本の中でね、「世界に一本、自分だけのオリジナル帯を作ってみたら、、、」という小特集になるらしい。
まずは我が家にお越しいただいて、打ち合わせ風景なども撮りました。その後、移動して着姿の撮影。丁寧に取材していただいて、出版が楽しみです。うふー。
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にこさま、「えー、なんで私???」とおっしゃいながらも、こころよく協力して下さいました。Rhythmical Niko(リズミカル・ニコ)、晴れ舞台で、とてもイキイキと活躍してくれました。再会できてよかった。
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カメラマンは、なんと、武藤奈緒美さんです!着物好きで、プライベートで仲良くさせていただいています。武藤さんの仕事姿、はじめてみたけど、カッコよかったー。プロだねーー。
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編集のミヤマさんも着物大好きなお方。着物談義で大盛り上がりの一日でした。
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出版は、この秋、10月中旬、主婦と生活社からです。着物ライフをより楽しむための、大人の女性に向けたムック本らしいよ!乞うご期待。また追ってこちらでもご紹介しますね。
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私もあわてて着物に着替えてご一緒に。撮影場所は、東林間のバートンです。

にこさま、登場!

2015.05.30

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うれしいメールが届きました。うふふ、にこさまからです。
この冬、一番寒い頃に取り組んでいた 完全注文制作 only only、「Rhythmical Niko(リズミカル・ニコ)」、締めていただいたお写真を送ってくださったのです。
いやはやー、すごくすてきじゃないですか!!!!さすが、にこさま、決めて下さってます。布の時より、1000倍いいね!命、吹き込まれました。
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心配していた前帯もよかった。おタイコとは、パッとみ違うのだけど、呼応してるよね。
お顔、トリミングしちゃったけど、すごくいい表情されているのですよ。自然で、チャーミング。にこさまらしい感じで。
にこさま、どうもありがとうございます!
*にこさまストーリーをお読みになりたい方は、ブログのカテゴリー「にこさま」を、時間をさかのぼってご覧ください。こちらです→

Rhythmical Niko

2015.03.05

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にこさまの八寸帯、完成しました!やったー!
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タイトルを「Rhythmical Niko (リズミカル ニコ)」と命名させていただきました。リズミカルななのは、にこさま自身。リズムに乗って、軽快に、森を散歩するのです。
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これは前帯部分です。タイコと違って、一見無地。でも表情豊かでしょ。ここにもリズムがある。
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タイコと前帯が違うのは、にこさまのご要望です。ここまで違うのは初めて織った。おかげさまで新しいチャレンジができました。なかなかいいね!手先までずっとこんな感じ。タイコ裏もこんな感じです。
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実は本日、にこさまにお会いして、お納めしてきました。某駅改札で待ち合わせしましたら、にこさま、この帯に合わせるおつもりのお着物をお召しでいらしてくれました。まあすてき。端切れはお預かりしてますが、やっぱ、全身となると違うね。明るくて、力のあるお着物です。
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駅からちょっと離れたところのお洒落なカフェで、「Rhythmical Niko」を観ていただきました。箱を開けたとき、パッとにこさまの表情が明るくなったの、うれしかった。
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にこさまに喜んでいただくことが、onlyonly の全てです。達成できたと安堵してます。ありがとうございました。
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*左がお腹から手先、右がタレから手先です。

できた!

2015.02.27

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はい、にこさま、計画通り、織り上がりました。さあ、仕上げです。検反して、切れた糸の処理などして、不織布に巻いて蒸します。
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染織は、やっぱ、火と水ですね。原始的なの〜。蒸すことによって、染料が繊維に定着します。
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蒸したら水元して、余分な染料や糊を洗い落とします。そして、部屋から部屋を余すとこなく使って、伸子でぴーんと、張ります。
写真は、お腹から手先の部分。にこさまの、濃い青緑のお着物に合うように、色味とバランス、よくよく吟味しました。
Flare and water are very important for dyeing since ancient times. So primitive! Don’t you think so ?

織ってます

2015.02.23

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にこさまの帯、さあ織りましょう。今回、打ち込みを少々変えてみました。いままでより、もっと、密度高くなるように、入るように、筬を打ちます。そうすることで、地がしっかりとした、キリッとした感じの帯になる。
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織っていたら、手伝いにきてくれていた miwa さんが、「ヨシダさん!とってもきれいです!」と教えてくれました。タイコのところ、経糸が上と下に分かれる様子が、美しいと。ほら、写真撮らないと!
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こちらは、前帯。こんな感じ。タイコと呼応する、シンプルな織柄が入る予定。

緯糸もオッケー

2015.02.20

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にこさまの帯、ブラッシングカラーをほどこした経糸を巻き取った後は、緯糸の最終チェックです。必要な糸が、必要な分量、確保されてるか。試し織りをしている時に、緯の染めはほとんど終わってるのだけど、念を入れて。あと、新たな糸も加える。響き合う感じにしたいので。
うるさくなっちゃいけないけど、遠慮しすぎると、詰まらない織物になる。攻めるか、守るか。ギリギリの選択。
あ、ちなみに、上の写真の、右端の大きい綛と、左から2番目の小さい綛が、試しのとき変色したので、直接染料で染め直した分です。手間はかかったけど、かえってにこさま好みの色になったんじゃないかな。結果オーライ〜。
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緯糸は、試行錯誤の上、9種類にした。あ、写真には、8種しか写ってないね。もうひとつは、いかにも絹糸って感じの、光沢のある白い糸です。光沢は絹の最大の強みのひとつなので、ピカピカの織布をねらってない時も、控えめに使う。すると、マットなのに、心躍る織物になる。
にこさまは、相当、控えめな方だと思う。だから、最大限、控えめに。でも、輝くように。
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織りはじめました!

ブラッシングカラーズ

2015.02.19

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にこさまの帯、いよいよブラッシングカラーズ。経糸に、刷毛を使って、染料を刷り込んで行きます。もうここまで来たら、計画通り実行するのみ。慎重に、慎重に。余計なことは考えず、頭を真っ白に。遂行する。
あ、仕上がったらこんなにまん丸にはならないよ。自然な感じにずれるはず。
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タイコ以外は、きほん無地です。無地だけど、色は3色作りました。その染め重なりで、タイコに負けない、豊かな無地にしなきゃね。

整ってきた

2015.02.18

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にこさまの帯、本番に向けての準備がちゃくちゃくです。
色は本当に悩みます。今、調合して出ている色をもし本番に採用したとして、仕上がりでそのまま出る可能性は、とても低いです。濃度でも、配合でも、蒸しによっても変わってきます。
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人事を尽くして天命を待つの境地。望むらくは、にこさまのテイスト側に振れること。
気合いと念。あと覚悟。(データと経験は、もちろんのこと)
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経糸の準備は万端よ。実は、筬目は3回変えた。ほんのちょっとの密度にこだわる。布の厚さが微妙に変わってくるので、八寸帯の場合は特に重要だと思ってます。
糸、けっこう暴れる。赤城の節糸、節ありすぎ〜。

本番に向けて

2015.02.17

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にこさまにお送りして観ていただいてた3回目の試し織り、ほどなく送り返されてきました。新たなご要望はほとんどなく。方向性は間違ってなかったってことか。このまま続行ね。
ほんのちょっとの変更点。そこを基軸に、全体を少々修正。そのほんのちょっとのところに、にこさまのアンテナが反応したのだから、超重要だ。
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さあさあ、本番の準備。ブラッシングの色を作ってしまう。ひとつひとつの色。全体の色。バランスも大事。濃さを調整。前帯の地の色は難しいね。ある程度、主張のある色でないと、タイコと釣り合わない。糊を混ぜて、さあ、もう一度、確認だ。

3回目の試し織り

2015.02.12

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にこさまの緯糸、新しく染まりました。デザインも整えた。さあ、3回目の試し織りをしましょう。新しく染めた糸の調子を見るためだけど、同時に、ブラッシングの色味の再確認と、緯糸の入れ方を考えたい。即本番に持って行けるように。
緯糸は和紙の糸だけだと、単調なのよね。単調が悪いわけではぜんぜんないけど、「リズミカルな森のラクダ」の絵は、背景も決して単調ではない。もちろん、和の世界にもってくるのだから、クレーの絵の調子そのままって言うわけには行かないけど。如何にミックスするか、悩みに悩む。
にこさまがこの帯に合わせる予定のお着物は、色は個性的だけど、テクスチャーはさらっとしてる。だったら帯は、手の跡が残るような、印象に残るような、そんな深い風合いでもいいのかも、、、、、。
さあ、3回目の試し、織り終わりましたよ。ドキドキの蒸し。難なくクリア。想定外の変色はありません。水元もオッケー。
それでは、にこさまに観ていただきましょう。説明書を書いて、デザインの実物大と縮小版とともに、発送です。

デザインの詰め

2015.02.10

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にこさまの帯、緯糸を新たに染めているうちに、デザインも詰めましょう。完成形に近づけて行こう。
この段階では、私はパソコンを使います。イラストレーターってソフトです。これで、ジリジリと場所を変えたり、大きさを変えたり、配色を変えたり。微調整に微調整を重ねます。手描きより、非情な感じがすきよ。ニュアンスに流されないと言うか。
ま、こんなもんかなって思ったら、すかさずプリントアウト。実物大です。それで、タイコの形にしてみて、鏡の前で、ああでもないこうでもない。この時ね、にこさまが合わせる予定のお着物の色「青緑」になるべく近い服を着て合わせるの。何となく、空気が近くなるというか、、、分かるのです。
そして修正。納得いくまで、落とし所をみつけるまで、何回も何回も。

緯糸、染め直し

2015.02.08

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にこさまの二回目の試し織り、ブラッシングカラーズをして、緯糸を染めて、織って、蒸したら、、、、なななんと、色が変わった、、、、ガーーン!ショッーーーク!体の力が抜けて行く、、、、
蒸すことによって、温度を加えると、色が微妙に変わる。それは分かっているのだけど、今回は想定外だった、、、緯糸が変わった、、、。(今までブラッシングカラーの色が変わって、ショックでずたぼろになった経験は多々。それを突破した話しは涙なしでは話せないほど。)蒸しは本当に怖い。
この色も決して悪くないけど、にこさまの色じゃない。
前日までの意気揚々がいきなりショボーン。でも仕方ない。がっかりしている暇はない。巻き直しじゃ。こういう場合は、同じ種類の染料でいろいろ調整するより、元から変えてしまおう。緯糸を新たに別の染料で染めよう。直接染料、行ってみよう!
写真は、使用前使用後。光が違う写真だから参考にならないけど、こんなに違うんだよ。ちなみに、左が蒸し前。右が蒸し後。
Oh my goodness! I dyed weft thread into lemon yellow for Niko’s Obi. But beyond my expectation it changed into cream-yellow when I steamed them up.

にこさまの緯糸、goodのはずが、、、、

2015.02.07

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にこさまの緯糸、メインは和紙の糸にすることに。弾力あって、適度な張りで、八寸の緯糸に最適と思い、にこさまに提案してたんだ。
試しでは、この糸を以前使った分で織って、風合いをみて、オッケーであった。
さあ、本番を染めましょう。和紙だから植物繊維です。ふだんは動物繊維である絹を使ってますのでね、染料も違います。いつもと違う染料を出して来た。染料によるのだけど、植物繊維には、動物繊維の染料はまったく染まらないのだよ。染めは化学反応だなあと実感する。
合わせてシャリ感のある細目の絹も使おう。一種類だと単調になるしね。こちらは、草木染めで福木の銅媒染。彩度の低いレモン色が完成形で求める色だから。
写真は染まったあとの、和紙糸と絹糸。よしよし、いい感じ。早速ブラッシングした経糸に織ってみる。よしよしよし。さあ、蒸しましょう。
ここで、ガーーーーーン!!!ショックなことが、、、、、、(続きはまた)

2度目のブラッシングカラーズ

2015.02.06

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にこさまの帯、色味のご要望に答えるため、二度目の試しのブラッシングカラーズ、やってます。
青にはね、暗くして紫みを増やすのです。染料の配合的には、紫にちょっと青を加えるくらいにしてみた。
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緑は渋みを増やした。そうね、合わせるお着物が渋めの青緑だものね。ここは相通じさせるのが吉だね。
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だ円の大きさも問題だけど、マキシマムがこの位ではどうだろうか。
ブラッシングカラーズの試しが出来たら、織ってみます。緯糸も本番と同じのをこれから準備。

ラフのデザイン画、実物大

2015.02.04

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にこさまに、試し織りをお送りしたら、わずか数日で、丁寧なお手紙とともに、感想やご希望がやってきた。
さあ、エンジン吹かして行きましょう!
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にこさまの新たなご希望を元に、今度は、実物大でラフのデザイン画を描きます。あまり詰めずに。たのしくのびのび。こんな帯を締めて欲しいなって願いをこめて。
で、これは、写真を撮って、メールに添付してにこさまに観てもらった。(上の写真より、もちょっと整頓した形で撮って送ってますよ。)すぐに、「真ん中の」って返信がきた。
さあ、それでは、最終の詰め。本番用の糸の準備をしつつ。

にこさま、さあ試し織り

2015.02.03

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にこさま、さあ、試し織りです。試し織りの段階では、あまり深く考えず、いいと思った色を染め、織ります。とは言っても、比較するため、染料のチョイスを変えたり。ひらめきを探る感じ。「ピン!」
同寸の紙に、意図したところを書き記し、にこさまに説明できるように。
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全体像は小さい方が分かりやすい。タイコの辺りは、こんな感じ。タレを黄色にするか、タイコの続き柄にするか、はたまた、、、、、。にこさまも、私も、双方納得のポイントを探る。
前柄と手先は、黄色に内定してる。ベタはイヤとのことだったから、刷毛目を残す?オキーフの絵のような感じもいいね。紙の上ではいくらでも悩めます。
まだぜんぜん詰まってないけど、この段階で、一度にこさまに観ていただこう。方向性を確認したい。早速お送りする。

にこさま、少しすすむ

2015.02.02

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経糸の準備は、紆余曲折と膨大な時間がかかるのですが、今回、写真撮り忘れ。一枚もない。でも、ほら!いい感じ。
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それと同時に、デザインを詰めていきます。にこさまとお話したことや、メールのやり取りしたこと、すべて書き出して、検証し、大事な点をピックアップしていきます。
過去のメールに宝物が埋もれてたりする。ずっと前いただいてたメール。貼付けてくれてたアドレスを開くと、にこさまお気に入りのラブソング!これ聴きながら、がんばろう!
I weave the Kimono and Obi free from old rules. I have been keeping the full-custom kimono and Obi production (I named “ONLY ONLY” means from thread selection, original design, individual dyeing, special method weaving).
This time, I am doing ONLY ONLY for my client Niko. Niko-sama gave me the theme, the picture “Camel in a Rhythmic Landscape of Trees” by Paul Klee.
I am working harder to satisfy her and me!

苦悩の糸選び

2015.01.30

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にこさまとお話して、だいたいのイメージは頭の中で形になってきた。(一年以上前の話しです。)さあ、あとは実践あるのみ。
なのだったが、このあと私は、八寸帯糸選び困惑スパイラルに落ち入ってしまい、なかなか這い出て来られなかった。もちろん、日々機織りはしている。この間、他の八寸も織った。しかし、にこさまに最適な糸がどうしても判断できなかった。
「この糸とこの糸を、こういう密度で出会わせれば、こういう風合いの八寸帯になる。」と言う、一番大事なところに確信が持てない。仕事しながら這い出るしかないので、これぞという糸はどんどん織り、布になった。なかなかいいものも出来た。しかし、これは、にこさまじゃない。
九寸も織ったし、着物も織った。他のに取りかかってしまうと、なかなか次に行けないから、時間ばかりが飛んでいく。ようやく、光が見え始めたのは、昨年も暮れに近づいた頃だった。
11種類の糸を用意して、精練はごくごく軽く、糊を薄めにつけ、経糸を作った。
ふむ、これなら、にこさまに合うかもしれない。
*写真は、整経後に残った糸を巻いた小管。きっちり計算して整経するので、あまり残らない。

にこさま、オキーフと端布と。

2015.01.29

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にこさまとミーティングができたのは、実に最初のメールをいただいてから、半年たった一昨年の秋だった。
夏に会えそうだったのだけど、いろいろな都合から、延期になっていた。
その日のお昼頃、にこさまは、鯵の押し寿司と崎陽軒のシュウマイを持参で、我が家にお越しくださった。まあ、何とうれしいミーティング。わーい!ごちそうになりながら、いろいろお話。
にこさまの八寸帯、用途はカジュアル。タイコ柄は、クレーの絵のラクダなし。前柄から手先は無地で、彩度を落としたレモンイエロー。タイコに入れたい色は、ハッキリした黄色。グリーン。青紫。
ふむふむ。
にこさま、この帯に主に合わせる予定のお着物の端切れをお持ちくださった。深い青緑。この色、現代的な色だよね。昭和の着物には無い色じゃないか?洋服の中に一人着物でも、違和感ない、大活躍しそうな着物だ。いいなあ、私、好きだわ〜。
それから、ジョージア・オキーフのポストカード。この色味、この青緑の着物に合うんじゃないかと。そうね、そうね、バッチリですね。この強めの黄色と、それを引き立てる緑と、紫が入ったブルー。参考にさせていただきます。
それから、もうひとつ、にこさまがお持ちくださったのは、私が以前さし上げていた染織吉田の特製カード。織りの端布を貼付けて、お送りしていたもの。その布の色の感じがいいと。
布をなつかしく観る私。これは、帯の手先か返しの余剰部分を切ったものだな。力が抜けて楽に織ってる。色も気に入られたかもしれないけど、この脱力感もいいのかも。あまりギンギンに作り込まないほうがいいのかも、、、
素直なあっけらかんとした帯がいいのかも。

にこさまのらくだ

2015.01.28

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さあ、新しいONLYONLY、スタートだよ!
今回のヒロインは、「にこさま」です。にこさまストーリー、はじまりはじまり〜。
にこさまとは、もうずいぶん長いおつきあいのような気がします。私が、独立して間もないころはじめたブログ「some origin」を初期の頃からずっと読んで下さっていたのではないかな。だとしたら、もう10年以上になります。
おりにふれ、メールいただいたり、展示会におこしくださったり、ワインやお花をいただいたり、、、、新聞に志村ふくみさんの連載が載ってたとコピーを送ってくださったり、、、、とても良くしていただいてた。
すらっとした、シャープでカッコいい、印象的な方。
メールはいつも短く、お会いしたときもあまり自分のことなど話されるタイプでなかったし、ダラダラしないスピーディな感じを受けていたので、私のにこさまに対するイメージは、キリッと江戸前と言った感じだった。
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2年前のある春の日、にこさまが、メールを下さった。帯を注文したいと。写真が二枚添付されてた。
一枚は、クレーの描いた「リズミカルな森のらくだ」。もう一枚には、にこさまが、青緑のお着物をお召しで写ってた。
「リズミカルな森のらくだ」のらくだを抜きにしたのをモチーフに、この着物にあう八寸帯が欲しいと。
私はこの絵を観て、ああ、私、にこさまのこと、分かってなかったと思った。イメージが違うのだもの。絵を例にするのなら、ミニマムアートというのか、シンプルでガツン系がお好みかと勝手に思ってた。
にこさまは、もっとほんわか、のんびり、春の日だまりのような、そんな一面もお持ちだったんだ。表面のカッコよさに引っ張られて、そちらの一面をちっともみてなかったよ。
「リズミカルな森のらくだ」の「らくだ抜き」がご希望だけど、優しい眼をしたらくだが、のんびりとリズムに乗って歩く姿こそが真のモチーフかなあと思った。
写真上は、クレーの絵のらくだアップ。下の写真は、「リズミカルな森のらくだ」で検索した結果いろいろ。

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