吉田美保子の some ori ノート

きよさま の写真、すてき。

2018.09.17

この5月にONLY ONLY で取り組んでおりました、きよさま の八寸帯「Yellow triangle(イエロートライアングル)」、締めたお姿の写真を送っていただきました!

遠く鹿児島で、この帯がきよさま に可愛がっていただけてると思うと、ほっこりうれしいです。

「やっぱりいいですね〜」って!ご満足いただけているようで、ますますうれしいです。

柄の出方も、ちょうどよかったかな。ひと安心です。

メイキングは、こちらにまとまっています。トップにはこのエントリーが来ますので、スクロールして、ご覧ください。→ONLY ONLY きよさま

きよさま の「Yellow triangle」

2018.07.09

5月に取り組んでおりました、きよさま の八寸帯、ブログ掲載オッケーが出ましたので、お披露目させていただきます。

じゃーん!今、全貌があきらかに!

作品名は、ズバリそのまま、「Yellow triangle(イエロートライアングル)」です。

イエローは、どストライクの黄色。しっかりした鮮やかな黄色です。よく発色しました。明るくはっきりされたきよさま に似合いそう!

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上の写真は前帯部分。地色は薄いクリーム色なんですよ。

この写真だと分かりやすいかな?左側がおタイコで地色はホワイト。右側が前帯で地色はクリームです。

こっちの写真の方が分かりやすい?手前が前帯。奥がおタイコです。ちょっとした違いだけど、きっとお顔映りが違ってくると思います。きよさま のご希望を叶えられてよかったです。

タテ糸とヨコ糸のバランスもよかったみたい。しっかり打ち込みました。

耳もまあまあ揃いました。糸を変えて筋を入れたところは織り縮み率が違いますので、ビクビクなのですが、これはいい感じの表情のうちで収まったと思います。

耳はこの写真が分かりやすいかな。糸を変えるときは、余計な糸が出ないよう、端を前の段に織り込みながら、進みました。

おタイコと前帯。

おタイコと前帯と手先。

手先には黄色い三角柄は入らないけど、色糸の筋は入ります。これはまり子さんのアドバイス。端々まで仕事がしてあっていい感じになったと思います。

今回は、本当に三人で意見を出し合い、力を合わせて作りました。ご意見を取り入れることで、もうひとランク出番の多い、使いやすい帯になったと思います。ありがたいことです。

細部をのぞいてみましょう。

地の部分。タテもヨコもさすがの光沢。光るね。絹の持ち味だね。

三角のとこ。イエローの染料がしっかり繊維に食い込んでます。

銀糸のところ。細く控えめに光ります。

帯は、すでに仕立て上がって、納品を待つばかりという状況みたい。きよさま も、ワクワクして待たれていると、まり子さんから伺ってます。

こちら、夏物向けではないので、着用はもうちょっと先かな。今回は、ブログで楽しみにされてる方もおいでだろうから、載せてオッケーとなりました。ご配慮、ありがとうございます。

こちらは、きよさま にお渡しした糸見本。

きっと遠くない将来、締めていただいたお姿を拝見できることでしょう。その日を心から楽しみにしています。

きよさま 、仕上げ

2018.05.29

きよさま の帯、織り上がりましたよ。

早速仕上げをば。

まず蒸します。温度を与えることで、発色と定着するんですよ。その後、たっぷりの水で洗って、余計な染料などを洗い落とします。そして、仕事場いっぱいに張って、乾燥させます。

上の写真、手前がお腹の部分です。地色がクリーム色なのお分りいただけると思います。その先、地色の色がごく薄いグレーになります。三角が三つあるところがおタイコで、その先にちょこんと一個だけある三角がタレです。

こういうおタイコと前帯で、地色が違うのって、ONLY ONLY ならではです。オリジナル制作ではまずしません。きよさま とお話しした時、パッとご希望おっしゃられたのです。きっと、潜在的にこういうのがあればいいなって思ってらしたんじゃないかなあ。ご希望を叶えられてよかったです。

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下から覗くとこんな感じです。伸子を張って、織り幅を整えます。

上の写真は手前がおタイコ。

さあ、ここまで行ったら湯のしに出して、検反してお納めです。今回は、まり子さんが、お仕立て、ガード加工などをして下さって、きよさまのところに届けて下さいます。

ですので、完成したお写真は、そのあと、お披露目させていただきますね。仕上がりはやっぱりまずONLY ONLY の主人公であるきよさま にいっとう最初に見ていただきたいものね。

というわけで、きよさま ストーリー、中締めさせていただきまして、完成形はまた後日載せますね。乞うご期待!

きよさま 、織ってます

2018.05.21

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ONLY ONLY、きよさま の八寸帯、織ってますよ。もろもろ準備を整えましたので、あとはGO!GO!

しっかり打ち込みながら、織り進めます。

ほら、ここに織った部分が巻かれて行きます。だんだん太くなって行きます。

きよさま 、糸の準備

2018.05.20

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きよさま のONLY ONLY、もろもろ決定しましたので、あとは実行あるのみです。

まず、糸。

糸は上の写真のものがヨコ糸です。この糸、懇意にしている糸屋さんが、ヨシダ用に作ってくれたのですよ。ちょうどいい太さと質のものが売られてなく困っていたら、作ってくれました。ま、ロットも多いし、お値段もそれなりなのですけどね。

その糸屋さん曰く、「絹糸は、安かろう悪かろうだから、人様に売っていくなら高いの買いな。そうすれば、質がいいものできるし、お客さんにも信用される。」

うぐっ。確かにそうだ。この糸屋さんとは、かれこれ、15年くらいのお付き合い。毎度お高い糸を買って、やりくりにヒーヒー言っております。

染めは、薄いグレーとクリーム色に。グレーの方は、後ろ姿担当で、タイコ、タレ、手先に使います。クリーム色は、前帯部分担当です。グレーの方は銀色、クリーム色の方は金色の印象です。

きよさま 、デザイン最終決定

2018.05.19

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きよさま のONLY ONLY、ヨコ糸の太さ、まり子さんがすぐ返事くださり、ご自分ももうちょっとしっかりさせた方がいいのではないかと思っていたとのこと。八寸帯は芯を入れない前提で作りますので、大事なのです。よかった、合意した。太くしましょう。

さて、では最終稿を決着させて行きましょう。

タレには、色の筋は入れないつもりですけど、いいですね?あと、手先はどうしよう?スッキリ無地でいいかしら?

これは、完全にお好みなのです。今までの経験からいうと、関東の方はスッキリ系を好まれるので、タレと手先は柄がない方が人気で、関西と中部の方は隅々まで仕事がしてある方がお好みかな。

きよさま とまり子さんに連絡しました。

そうしましたら、手先には色の筋が入っていた方がいいとのこと。華やかな方をお好みなんですね。了解。じゃ、紙で、小型帯を作ってみますね。縮尺は合ってますから、こんな感じの帯になります。

きよさま 、2回目の試し織り

2018.05.18

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きよさま のONLY ONLY、ご希望が出そろったところで、2回目の試し織りをしましょう。糸づかいは、本番と同じで、、、、染料も本番を見すえた調合で、、、、

まあ、2回目もとにかくやってみるのです。糸を準備して、染料を作って、ブラッシングして、織って、蒸して、水元して、、、、

と、一通り、全部やって見ました。こうすると、本番の帯とほぼ同じ、布になります。ためつすがめつ、ながめます。引っ張ったり、折り曲げたりもします。(上の写真の手前が2回目の試し織り。奥は1回目の試し織り)

ふと思いました。タテヨコ、バランスいまいちだな。ヨコ糸、もうちょっと太いほうがいいのではないか?それで、計算を入れます。今織っている糸の太さは、前回のと比べてどうだろう?糸の種類が違うから一概には言えないけど。精練済みだから、セリシン落ちて練り減りしてるし。

うむ。これは、太くしたほうがいい。よし、きよさま とまり子さんに相談してみよう。

きよさま 、デザインのし直し

2018.05.17

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きよさま のONLY ONLY、1回目の試し織りをお送りしましたら、きよさま とまり子さん、お二人でご覧になって、あーでも無い、こーでも無いと、楽しい時間を過ごしてくださったようです。こういう時間が一番楽しいね。

試し織りといっても、布感は本番とほぼ同じですので、実感わかれたことと思います。

それで、きよさま のご要望によると、「ヨコ糸は座繰り糸の太めでいく」「三角の黄色は落ちついたイエローにする」「筋に入る色糸は、黄色、深緑、空色、銀色の4色にする」「タレにも三角の柄を入れる」などでした。

オッケーっす。ではデザインをし直ししますね。

まず、三角の位置と大きさを整えて、次に筋の色糸の入り方を決めましょう。4色のバランスをどうするかな?黄色を多くして黄色の帯の印象にするか(上の画像の左)、深緑を多くして、大人っぽい感じにするかだな(上の画像の右)。イラストレーターでふた通り作って、画像を添付して、メッセージします。

まり子さんがきよさま と相談してくださって、深緑多めの右の画像となりました。落ち着いた感じですね。汎用性ある帯になりそうね。

 

 

きよさま 、1回目の試し織り

2018.05.13

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きよさま の「急がなくていいのよ」という優しいお言葉に甘えて、私はその後、別の仕事にせっせと邁進しておりました。そしてこの春になって、さあいよいよ、きよさまの番 !

私は、まず「やってみる派」です。やってみて、お客様と一緒に「見つける派」です。今回は、きよさま とまり子さんがいてくれるから、三人よれば百人力です。

さあ集中して。長くなるので、説明は端折らせていただきますが、まずタテ糸の準備。ブラッシングの染料の調合、提案できるよう数種類。ヨコ糸の準備数種類。これは本番用とは別に。デザイン起こし。ささ、試し織りをしましょう。

その中で何を見つけるか?きよさま は、拙作「スタイリッシュな三角」をお気に召してくださってるのだけど、私としてはただの色違いではなくて、もっときよさま にぴったりのものを作りたいのだ。

そして、思いの丈を説明したお手紙を添えて、遠く鹿児島に向けて、レターパックで発送します。実物を見ていただくのが一番ですものね。

ご希望を書き出す

2018.05.10

さて、この日、きよさまとまり子さんと、話したことは、、、、

私がまずお聞きしたかったこととは、、、、

今回の帯、1番のミソは、ブラッシングカラーズで入れる、黄色の三角の色だと思うんです。

黄色と言ってもいろいろあります。レモン色、山吹色、クリーム色、濃い黄色、ペールな黄色、パステルの黄色、濁らせた黄色、、、、いかようにもなるし、ここで、その帯の特徴が決まります。特徴って、いまの言葉でいうと、キャラと言ってもいいかもね。

どんな黄色をお望みですか?

きよさまにお聞きすると、ほとんど偏りのない、どストライクの黄色をお望みです。強くてきれいな黄色です。ちょうど、この日、まり子さん、私の織った帯を締めてきてくださったのですが、その黄色。たんぽぽ色とも言えるかなあ。

筋に入れる糸の色も大事です。どうしましょう?すると、くるっと部屋中を眺めるきよさま。「こんな色がいいわ」とおっしゃったのは、我が家にあったすでに染まってる、空色とダークグリーンの糸。まあ、これがもしそのものズバリだったら、これ使いましょうか?

あと、銀糸をお望みです。銀を入れて華やかさを出しましょう。

そして、もう一つのお望みが、地の色をおタイコと前帯部分で、少々変えることです。こっちは、私が持っている色見本をお見せして選んでいただきました。おタイコは薄いベージュ。前帯は薄いクリーム色。ふむ。面白いね。

よっしゃ、一旦ノートに書いたご要望を、まとめて紙に落とし込みますね(上の写真)。後日、まり子さんにお送りしますので、一緒に確認してくださいね。

 

きよさま、お越しになる

2018.05.08

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昨年の9月22日の午後、きよさまと、まり子さんと、まり子さんの妹のMさんが、我が家を訪ねてくださいました。

きよさまとは、お初にお目にかかります。まり子さんとMさんとは久しぶり。我が家にお越しくださるのは初めてです。女性が4人ですから、話は絶えることなく。とても盛り上がったのを覚えています。

せっかくだからと、私が織ったものを見ていただきました。

きよさま、角帯に興味を持たれました。ご主人様もおきものをお召しになるんですね。まり子さんとなにやら相談なさってます。そしてすぐにこれが欲しいと。

それから、ショールも。5枚ほどあったのですが、「これ」っとすぐ決められます。すごいなあ。決断が早い。それも的確。私はダラダラ悩むタイプなので尊敬です。

そして、「八寸帯 スタイリッシュな三角」をご覧になるやいなや、これが好きだけど、青は私の色じゃないのよ、黄色がいいのよと。だったら作っていただけばとまり子さん。あ、よかったらよろこんでと私。

じゃあお願いします。とそこで話が終わりそうになるので、「ちょっと待ったー!」

あ、いえ、せっかくONLY ONLY でお作りするなら、ただの色違いでなく、きよさまにとって最高に一本になるようにしたいです。ひと口に「黄色」と言ってもいろんな黄色があるわけですし。地の白もこの「スタイリッシュな三角」では、極薄のブルーグレーで染めて、シャープな感じを出しているんですよ。三角の大きさや配置もいかようにでも変えられますよ。

そうしましたら、きよさま、さすが決断力がありますね。バシバシご希望おっしゃいます。お好きなものが明確なのですね。それにまり子さんが、的確なアドバイス。私はしっかりとノートを取ります。

急ぎませんよというありがたいお言葉いただいてホッと安堵。では後日、ご希望をもとに簡単なデザインをお越し、お見積もりと共に郵送しますと申し上げました。

ONLY ONLY きよさま、スタート!

2018.05.07

さあ、新しいONLY ONLY ストーリーをはじめましょう。今回のヒロインは、「きよさま」です。きよさまは、ここから遠く離れた鹿児島の方。さて、どうやって、きよさまと私が巡り合ったか?それも今回の「きよさまストーリー」の大きなポイントです。

さあ、お話のはじまりはじまり〜〜〜。

きよさまストーリーは、今までとちょっとだけ違うのですけど、それが何かと申しますと、きよさまと私の間を取り持って、一緒にもっといいものを作りましょうという、力強いパートナーがいてくださるってことです。

その方は、鹿児島でM’s HEARTという会社をされている林まり子さん。まり子さんは、お母さまの代からきものに大変お詳しく、着付け教室や着物の展示会もされていて、鹿児島の着物好きの方々に、とても頼りにされている方なのです。

大島紬の本場の鹿児島にいて「大島紬もいいけれど、それ以外にもいっぱいいいものがあるよ、もっと着物で楽しもうよ」って、広めていらっしゃる方です。

そのまり子さんが、昨年秋に、ご連絡くださいました。懇意にしている着物好きの方が今度上京されるので、ご自分と妹さんも予定を合わせて上京する。その時、ミホコさんのお仕事場にお邪魔できないか?

まあ、もちろん、ウェルカムです。

で、秋のある日、まり子さんご姉妹と一緒に我が家を訪ねてくださったのが、きよさまというわけです。

*写真はこの春。ちょっと遠出した時。今回のストーリーもこんな感じに進めるぞー。

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