さて、なずさま物語の最終章です。
上の動画は、完成してすぐの時に撮りました。一仕事終わった安堵感が出てますね。3分です。ぜひご覧ください。
なずさまには、つい先日お会いして、お納めいたしました。
ドキドキのご対面。なずさまのお顔がパッと明るくなって、ホッとしました。よかった。
なずさまの地球がここに完成したと思うと感無量です。
あ、完成はしてないね。これから仕立てたり、取り合わせをして、なずさまが完成されていくんだね。
八掛どうしようかなって話題になりました。楽しい悩みですね。
なずさまとの対話、糸との対話、織や染という具体的な作業との対話、一つ一つ取り組んで、やっと形になりました。
着物を作るのは、やはり長い道のりですので、無事にお渡しして、喜んでいただけ、肩の荷がおりました。心底安堵しています。
これから、このこが、なずさまと共にどんなに成長していくだろうと思うと、ジーン。がんばれよ〜
いい人生(着物生)をな。なずさまと一緒なら大丈夫。太鼓判です。
さてさて、なずさま物語も終盤です。
本日は、織っている時に起こってしまう数々のミスのうちから「目とび」についてお話しします。動画をご覧くださいね。約6分です。
手織り紬の最大の特徴は、風合いと布の表情だと考えます。
その風合いがどこから来るかというと、それは糸なんですね。座繰り糸や真綿紬糸を使い、さらに柔らかさとほっこり感を出すために撚りは甘く、、、、
そういう糸って実は大変、織りにくいんです。
毛羽が立つし、節が多いから。
それを織りやすくするのが糊。今回の糊付けが最適だったかどうかは、毎回データを取って検証します。
それと、織り手の糸に対する世話とたゆまぬ努力です。
ひゅー。今回もいい糸すぎて織りにくいよ。その分、風合いはプリプリ最高です!
なずさま物語第6話、いよいよ織りです。
なずさまの壮大な希望は、苔色をメインにした緑豊かな「地球のような着物」。
さあ、織りますよ。
苔色は、濃淡、鮮やかめ、渋め、など取り混ぜ、5種類。それに、山吹色、赤みの茶色、焦茶色と白の網代などを織り込みます。
糸は、ほっこりした真綿紬糸と座繰りの節糸を混ぜて使います。全部で16種類です。
エネルギーに満ちる、地球のような着物を目指します。
さて、なずさま物語の5話目です。
今回は、緯糸(よこいと)の話。
経糸(たていと)が背骨としたら、緯糸は筋肉(?)。丈夫でしなやかで美しい体のために、どちらもとても大事。バランスよく、しっかり噛み合うように。
上の写真が、今回の使った糸です。ねじってあるのが、ぐんま200(繭の種類)の座繰り節糸。色が白くて艶があって、プリプリです。
その下に広げてあるのが、秘蔵の手びきの真綿紬糸。ふっわふっわで弾力があります。これがシワになりにくい着物の秘密なんだよね。一旦シワになっても戻るのです。こっちは、もうひける人がいませんので、幻です。
私も久しぶりに使いました。糸の感触を味わいながら、ありがたく楽しく、織らせていただいています。
さて、なずさま物語の4話目です。
前回、なずさまが我が家にお越しくださって、デザインと色が決定した話までしましたので、その続きです。
その決まったデザインをどう具体化していくか?それには、まず経糸(たていと)の作り方を決めます。
いろいろやり方はあります。今回はどの方法が最適でしょうか?
私は、40本ずつのパターンを6つ作り、その組み合わせで、整経することにしました。
図面をバチっと作り、本数を割り出し、長さを決め、必要糸量を計算し、確認を繰り返し、自分を納得させながら進めます。丁寧に確実にこなしていくことが大事です。
糸が機に上がると、大きな山を越えた気分がします。
ふー。
なずさまのONLY ONLY 物語の3話目です。
前回は、5月の連休中に、なずさまが我が家にお越しくださって、色を決めたところまででした。
その後、デザインを整理して図面を作り直し、本数を割り出し、メインとなる色をごく一部だけ染めました。全部染めてしまう前の段階で、なずさまにお見せし、お互いに合意の上、次に進みたかったからです。
なずさま、2度目の来訪。満を持してのお出迎え。7月初旬のことでした。
私は、苔のこともにわか勉強。なずさまが求める苔色とは、若草色とどう違うか分かりたくて。多分、湿度や重さが違うのだろうな。
2ヶ月ぶりのなずさま、そよ風のように登場。暑い頃だったけど、その日はそれほどでもなく、お迎えする方としては安堵でした。
世間話もそこそこに、なずさまによって、準備していた糸は、どんどん選別され決定されていきました。
やっぱ、実物を目の前にすると進みますね。概念論や抽象論でなく、これから織られ、着物となる、実物の糸が目の前にあるので進みます。
この時のこと、動画でしゃべってます。4分30秒です。よかったら見てね。
なずさま物語の2回目です。前回からの続きの動画を撮りました。3分58秒、よかったら見てくださいね。(4分以下に編集、がんばりました☆)
なずさまが、5月4日の緑の日に、我が家にお越しくださったこと話しています。
どんな着物が欲しいかって話で、「地球みたいな着物」っていうパワーワードが出ました!いいですね〜、地球みたいな着物。おおらかに大地と一緒に呼吸するみたいな、そんな着物、目指したいですね。
それから、私が作っていたデザイン画を見て、感想やご希望を伺って、その場で修正して、プリントアウトして。色見本からベストな色を見つけて切り取ったり。
新しいデザイン画をボディに着せたり、ご自分の体にあててもらって鏡で見てみたり。
やっぱ、直接お会いすると進みます!ありがたい、なずなの日でした。
さあ、新しいONLY ONLY 物語をはじめましょう。今回のヒロインは「なずさま」です。
今回から、物語をひとり語り形式で、お伝えしていきますね。動画を撮りましたので、ぜひご覧ください。3分45秒です。
動画で話している「清正公の陣羽織」展のについての過去ログです。なずさまも写ってます!
今回の製作は、6年越しのご注文です。長いようですが、ONLY ONLYでは、よくあります。お互いにとって、機が熟するのをのんびりと待つみたいな。
物語の続きをどうか楽しみになさってください。