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さあ、きいさま、デザインは決まりましたので、色をつくります。ここは踏ん張りどころです。妥協なく、ある一点を見つける感じで、合わせて行きます。
試し織りの時のデータはあるけど、その通りにはいかないのが泣きどころ。がんばります。
ひとつ、きいさまと話していて面白かったのは、私が「ブルー」のカテゴリーのつもりで染めている部分を、「グリーン」とおっしゃいます。このグリーンがいいと。え?これ、緑に見えます?え?え?
私は舌を巻きました。確かに、その部分、青い染料に、黄色の染料を相当量混ぜています。だから、緑成分はあるのです。しかし、ぱっと見には分からないと思うのだけどな。色に敏感な方だな、きいさま。
私の方に、これは青だって思い込みがあるのもあるだろな。思い込みはいかんぜよ。本番にも黄色成分、こっそりしっかり入れますよ。
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*お詫び 申し訳ございません。きいさまストーリー、ページが前後しており、時間軸が狂っておりました。話が通じなくて、読みづらかったと思います。申し訳ありませんでした。理由は、保存しておいた原稿を、時間軸を合わせないまま、アップしたことによります。すでに差し直しましたが、きいさま、お読みくださっている方々、ご迷惑をおかけいたしました。以後気をつけます。ごめんなさい。
では、気を取り直して、青い銀糸に「待った」が掛かったのちの話から再開しましょう。
青い銀糸が却下になった数日後、きいさま、5回目の打ち合わせにお越しくださいました。「お忙しい中、ミホコさんの手を止めて申し訳なかった」と急いでくださったようで、こちらも恐縮。
構いません、構いませんよ。お互いに納得したものを作りましょう。なんでもおっしゃってください。
この日は、デザイン的に大どんでん返しがありました。最後の最後にひっくり返りました。
まず、くだんの青銀はやめて、ブラッシングの入れ方も変えて、タイコに切り替えが2回入ります。タレの茶色のグラデーションもなくし、タレと手先は同じ色にします。お腹の柄もだいたい同じです。
うん、決まったね。
きいさまと、いろいろと腹を割った感じで、お話ができよかったです。
きいさま、「ちまちましないでくれ」と何度もおっしゃいます。「世の中、ちまちましたものばかり。思い切りよくやってほしい」と。
私、「そうは言っても、、、」「話し合ったことを、全部指定された通りに入れるとなると、どうしても狙ってやりますよ。実は狙いすぎになるのを私も警戒しています。ちまちまは私も嫌いだけど、思い切りよくすると外れる可能性も出て来ます」
きいさま、「それは、この帯をミホコさんに頼んだ時点で、責任の半分は私にあると思っている。だから思い切りよくやってほしい。」
わー、そういわれると、ますますがんばります。きいさま、かっこいいなあ。きれいで優しげでふんわりした印象の、いいところの奥様って感じのきいさまですが、漢の部分もお持ちだわ〜〜。ギャップに萌えます。
*写真は何度も描き直している図面たち。
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今、東京は織物が熱い!
今日は午後遅くからお出かけしました。
まず、青山八木さんで小島秀子さんの個展へ伺って、次に、南青山のイトノサキさんでの企画展拝見し、さらにギャラリーcomo さんで開催中の下地康子さんの個展へお邪魔してきました。熱い熱い、それぞれすごかったよ!
書いた順は、回った順。布好きの方には、ああ、あの青山墓地突っ切るコースで回ったわねってお分かりの方もおいででしょう。
気持ちの良い雨上がりの夕方、都心の緑の中や、都会なのにホッとする空間を歩き回り、力強い布たちを見ました。なんで、糸を染めて、布を織るだけで、こんなに強いものが生まれるかな?すごいね、織り手の力量だね。素晴らしかった。
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小島さんと下地さんのお作品は、先日出かけた、国展でも拝見しました。国立新美術館のでかい部屋で、清々しさを、放っていました。
写真は、その時新美術館でもう一つ観た、草間彌生展で撮ったもの。織の展示会は撮りにくかったので、こちらを掲載。
草間彌生展、よかったわー。混みすぎて唖然としたけど、ここまですごいとは。どの時代も、とにかく、とにかく、やりきってる。私はニューヨーク時代の、白いでかい絵がすごく好きだった。
小島秀子展は、5月20日まで、青山八木さんにて。
「自然布と大人の半幅・夏衣」は、5月27日まで、イトノサキさんにて。
下地康子展「ウブスナ」は、5月23日まで、comoさんにて。
国展は、すでに終了しています。
草間彌生展は、5月22日まで、国立新美術館にて。
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先日、おたすけくらぶさんのオフ会に参加したおり、楽しいイベントがありました。カメラマンの山中順子さんに写真を撮っていただいたいのです。私はTさまと一緒にパチリ。その写真が送られて来ましたよ。
楽しそうね〜〜〜
私が手に持っている合財袋、ご記憶ある方いらっしゃいますかーー?
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そうです、これです。善林英恵さんに、私のイメージで作っていただいた合財袋です。
うふふ、この写真だと帯がちょっと隠れてますね。帯と一緒に見て欲しいんだけどな。
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ほら、合財袋と帯、お揃いなのよ。
帯を作るときは、相当量の試し織りをしますので、資料として残す分以外は、合財袋やタブローやトートバッグの材料となります。
もし、帯のonly only でご注文いただいた際、ご相談いただければ、お揃いで作ることも可能です。お揃いって、なんか、気分上がりますよ(実証済み)笑。よかったら、お気軽にお問い合わせくださいね。
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4回目の打ち合わせの2日後、きいさまからメールが入った。恐縮しつつといった感じで、、、、
読んでびっくり。なんと!
「撮ってきた画像を見ていて思ったのですが、おタイコに入れるブルーグレーの横線ですが、色を変更してみたいと思うのですが、間に合いますか?
写メを見ると、すごく沈んだ感じなのです。そこでなぜか三本の金色の横線を入れたらどうかなと思い立ちました。三本の太さは変えるのです。ミホコさんはどう思われますか?」
おー!ペンディングですね。ギリギリですが間に合います。とにかく一旦中止します。セーフです、
しかし、金色の横線となるとどうだろうな。ミホコさんはどう思うかって問いにはどう答えるか、、、、
うーん、そうだなあ。どんな金にもよるけど、案外、変化に乏しくなるかもな。うーむ。あと、まとまりという点ではどうだろうなあ。バラバラすぎないか?
まあとにかく、作業は一旦止めて、きいさまからの次のご連絡を待ちましょう。お互いに納得できる着地点を探りましょう。
*写真は却下になったブルーの銀糸。出番がなくてがっかりという面持ちか。
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きいさまとの4回目の打ち合わせは、3回目の3日後。連休初日。私は、くだんの青緑の糸を織り込んだ4枚目の試し織りを間に合わせました。今回の試し織りは、短いのでブラッシングカラーズは大変やりにくく、本番のような刷毛目は出ません。しかし染料や糸は本番と同じですから、色味はわかるはず。
この日、我が家は人の出入りが多い日で、朝からワタワタしておりました。(前の晩にiphoneが壊れるという衝撃を引きずっていたこともあり、、、いつも鳴らない電話がバンバンということもあり)きいさまは、いつもと同じ、にこやかで涼やかな感じで登場されました。
4枚目の試し織りをお見せすると、これは違うとハッキリ。こんなにパッキリさせたいのではなく、音楽で言えば、ちょっと変調したいだけだと。ガラッと違う曲にするのではないのよと。
なるほど、そうか。やりすぎた。
ではどうしましょう。
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私はふと、青い銀糸を入れたらどうかと思いついた。おさえた色味の細い青銀なので、紬の織物にも合う。糸棚から出して試し織りの上に置いてみた。お?
きいさまも乗り気なご様子。ほっとされた表情になられます。奏でる音楽の調子、いい感じで変わるかな?これ、普通の絹糸と一本置きに入れましょうか?テンションが合いますしね。
金糸や銀糸をちょっと入れると、表情変わるし、角度によってキラリと光って華やかになる。きいさまは劇場にも締めて出かけたいとのご希望なので、華やかさはウェルカムだ。
よしよし。いいぞ。ではこれで決定ですね。
きいさまは、写メして帰られました。
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きいさまのonly only、染め直すことになった色の目標はこの色。打ち合わせの最中に、二人で決めて切り取って貼った。ピンポイントでめざすのだ。青とも緑ともつかないきれいな色。
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その日、きいさまお帰りになった後、さっそく染めたよ。うーん、ちょっと鮮やかすぎかな?強すぎたか?タイコや前柄に、一本、目立つ色が入るのはいいと思うのだけど。それに経糸に消される分もあるし。やってみらんと分からんわ。織るっきゃないね。もうそんなに経糸使えないけど、ちょっと織ってみよう。
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きいさまとの3回目の打ち合わせに向けて、私は3枚目の試し織りをした。2回目の打ち合わせで決まったことと、先日いただいたメールを鑑みて、本番に使う染料も糸も全て入れ込んで、ぎゅっと圧縮して織って見た。こんな感じだよな。
さあ、準備オッケーだ。
4月後半のゴールデンウィークの直前に、きいさま、3回目の打ち合わせにお越し下さった。この日もお着物で。すっきり美しい着姿で、とてもお似合いです。きいさま、とてもきれいな方です。
さっそく試し織りを見ていただく。タイコの形にして、体にあてて鏡に映すきいさま。タイコを少しずらしたり。だいたいは良いようだが、さらに詳しく検証。
私としては、タレ先からの茶色のグラデーションが気がかり。たった2寸(8cm)のところにグラデーションを入れたいとのことなのだが、これって怖いのよ。織り縮みの計算がちょっとでも狂うとずれるから。
「これ、リスクです〜。」ということは、もちろんお伝えする。その上でやるならやります。
きいさま、タイコのところに入れている、青い緯糸を見て、「この色が違う気がする」とのこと。
おお、そうか!そうですね。この色は2枚目の試し織りの時、きいさま用でない部分に使った糸です。流れでそのまま使ってました。染め直しましょうか?タイコの中心ですものね。要となるので、しっかり納得した色でないとね。
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2回めの打ち合わせからしばらくたった頃、きいさまからメールをちょうだいしました。
帯について、いろいろイメージが浮かんで、それがまとまってきたから、伝えたいとのこと。
曰く、、
「帯に一つのストーリー性をもたせたらどうかなと思っています。
手先は人の出発点で水のイメージ(まあ、羊水です)。ブルーグレーで静かに始まり、人が成長して活動的になると、緯糸に和紙やカンボウジュを使って変化を持たせ、タレ(人生の終末)に近づくと再び静かになり、最後は水と土のイメージで終わる。それが先日も希望したブルーグレーと茶のグラデーションです。まあ、土に帰るという感じかな。
なので、手先とタレの質感は静かで端正なイメージ。おタイコと前帯は、緯糸の種類や織り方を変えてテイストを変えたり、横線を入れたりして変化を持たせるというのが、今、浮かんでいるイメージです。」
なるほど、なるほど。
では、このきいさまのイメージと、2回めの打ち合わせで決まったことを踏まえて、もう一度整理しましょう。
まずは図面に落とし込もう。タイコや前帯部分の実物大と、全体像の縮小版と2種類。(写真は小さい方の図面です)
作りながら私は思いました。
なんで手先が生まれた方なの?返しの部分から始まって、タレくらいから活動的になって、タイコが大輪で、いろいろあって、前帯でもう一花咲かせて、だんだん静かになるって方が、自然じゃん?
と思ったのだけど、ハッとした。
そっか、作る方からしたら、タレの方から始まって手先がラストだけど、お召しになる方からすれば、まず、手先の方から締め始めるよね。お腹にも近いから、まさに身を守るしね。
手先をちょいと置いといて、一巻き、二巻き、お腹を決めて、ぎゅっと締めて、タイコを背負って、タレを整えて。
そっか。帯の一生は手先からだわな。私、作り手目線に凝り固まってたな。締める方に寄り添おう。着付け下手だけど、着物きててよかったな。じゃなきゃ気づけなかったと思う。
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*今日のブログ、お着物をお召しでない方には分かり難かったかもしれません。ごめんなさい。
何が言いたいかというと、帯というのは、一枚の布でできていまして、それが、それが、織り手は(私はと言った方がいいか)、タレ→タイコ→前帯→手先の順に織り進むのですが、締めるときは逆で、お腹の側から、手先→前帯→タイコ→タレの順に締めていくということです。
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4月の半ばのある日、爽やかな青空の日、きいさまと2回目の打ち合わせをしました。第一回目からは2ヶ月以上たっています。この日は、きいさまのご友人で、私も仲良くしていただいている神奈川絵美さまもご一緒くださいました。(こちらに書いてくださってます!→☆)
いらっしゃい!
きいさまも絵美さまも、さすがの着こなしのお着物姿。春まっさかりといった感じで、こちらまでウキウキと明るくなります。一方、私はねずみ色の作業着〜〜。
きいさまは、これから作る帯に合わせるおつもりのお着物をお召しです。とても素敵な、パープルベースの白い花咲く帯を締めて。春にはこの帯があるけど、秋の帯がないというのが、今回のご注文の大きな要因です。
試し織りは、先日ブログに載せた、丸々一本織ったあと、経糸を掛け替えて、またある程度の分量の試し織りをしました。とにかく織ってみたい。織って見ないと自分でも自信を持ってはわからないし、勧められない。
で、実は、きいさま用に織った試しに続けて、他で使えるかなと別の試しも、合体させて織りました。その方が長くなって、帯となった時を想像しやすいから。
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お見せしたとたん、きいさまのお顔がパーっと明るく、なったのを見逃しません。素敵素敵と。よかった。ツボだ。
で、驚くことには!
きいさま、きいさま用の試しと、別の試しを合体させたいと。ここがおタイコね。って、二つの試しの境目をさしておっしゃる。
えっ!はぁ?くっつけるの??染料も糸も全く違うんだけど。一本の帯に、両方入れちゃうの???それもど真ん中に?え?え?え?
私、そんなのやったことないけど、オモシローーイ!
only only はいつもエキサイティング。何が起こるか分かりません。