吉田美保子の some ori ノート

only only きおさまの赤いショール

2016.12.26

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さて、新たなonly only は、お久しぶりの「きおさま」です。きおさまとは、曜変天目を仰いで作った、「Little Cosmos」(リトル・コスモス)以来です。
今年、10月終わりに「清正公の陣羽織ー吉田美保子展」の案内状をさし上げました。きおさまは関東の方なので、お越しいただくには難しいだろうなって思いながらも。そうしましたら、メールくださいました。お書きいただいていることには、
「案内状に写っている赤いショールがとても欲しいのですが、いただけないでしょうか?でも展示会に出展されるので無理でしょうね。それでしたら作って下さい。と言ってもヨシダさん予約で一杯でしょうね。」
まあ、なんとありがたい。
そして展示会後にご連絡するとお返事しました。(ヨシダ、予約、複数いただいてますが、糸とか機とか、他の承ってるものとか、いろんなタイミングがありまして、前後します。それに何と言っても、きおさまにもお着物のご注文、いただいていてお待たせしてます、、、、)
約1ヶ月後、展示会は終わりまして、なんと首尾よく(?)、件のショールは売れませんでした。実は自信作だったのでショック(笑)。
早速きおさまにメールして、このショールについて、使った糸、染料、それによって得られた結果、サイズなど、詳しく詳しく説明して、写真も何カットもお送りしました。
お返事が来て、「長さが、着物を着た時のショールとしては少々短いと思います。新しく作っていただけますか?こちらは洋服用にいただこうと思います。」
え?作り直すのはいいけれど、こっちもいるの?同じようなの2枚になるけど?
作り直す旨をメールすると、とりあえず今あるものが欲しいので、振込先を教えてくれと。まあ、本当なの?
それで、またメールします。
一枚目の特徴と、二枚目の予想を説明します。それによってどんな差異がでるのか、お伝えしたい。
一枚目の緯糸は手紡ぎ木綿のアカネ染め。かっちり下準備してあるので、植物繊維である木綿に植物染料であるアカネが濃く染まっている。その糸を二本取りで入れてます。経糸にはブラッシングカラーズの刷毛目も見え隠れ。しっかりした布味が特徴。
二枚目は、経糸は同じ種類の絹を使うけど、緯糸は変えて真綿紬にする。染めは酸性染料。こちらは絹100%。絹の中でも空気をはらむ手引き糸や紬糸を使っているので、柔らかくホッコリします。
2枚ともになさいますか?
とメールしましたら、説明を読んでますます両方とも欲しくなったと。まあ!それで、一枚お送りしたあと、二枚目に取り組むことにいたしました。

あおさま!

2016.12.18

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さあ、お待たせしました。こちら、どなたかお分かりですか?
そうです。
じゃーん!
あおさまです!
あおさま、「my first kimono」をお召しで、熊本で開催した拙個展「清正公の陣羽織」にお越しくださったのです!
すっごくお似合いで、心から安堵しました。
いやはや、感無量です。地震が起こった今年4月中旬、私は、あおさまとメールでこのお着物についてのやり取りをしていました。それからいろいろありました。わが故郷はどうなってしまうのだろう?熊本が心配でなりませんでした。心を強くもって来られたのは、このお着物に取り組んでいたおかげです。
それが、7ヶ月後、こんなに立派になって!熊本に連れて来てもらって!ひょー!
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「碧」という色について、いろいろ悩みながら進めてきましたが、この日、このお姿を拝見して、ああこれでよかったと思えました。あおさまの、気品があってボーダレスな自由な感じとよく添っていると思います。
あおさま、着姿を見せてくださって、本当にどうもありがとうございました。それも熊本で!個展という晴れ舞台で!前日には天草を旅行され、熊本を楽しんでくださったのもとてもうれしかったです。

ちょっと前進!

2016.12.16

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毎度、当ブログをおよみいただいて、ありがとうございます!ほんの少々前進しましたので、ご報告いたします。
さあさあ、どこが変わったでしょう?なーんにも変わってないように見えるでしょ?うふっ、このまま、ずーっと下にスクロールしていください。下に、下に。左側、ご注目ください。
見つかりました?(上のスクリーンショット見てすぐ分かった方、すごい!)
えへへ、ツイッターを見られるようにしてもらいました。ブログはそれなりにまとまってないと書きにくかったり、仕事のことは振り返って書くことが多いのですが、ツイッターはほぼ毎日2回、リアルタイムのヨシダを発信しています。たまにのぞいてくださいね。
それから、当サイトの「業界の方へ、プレスの方へ」のページに、今年掲載された記事をアップしました。「美しいキモノ」と「熊本日日新聞」と「多士東京」。見て〜。
今後とも、どうかよろしくお願いします♡

お知らせ

タブローたち

2016.12.15

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「清正公の陣羽織展」では、タブローも出品しました。タブローってのは、額に入れた作品のこと。わたし的にそう呼んでるってことだけどね。
私、タブロー作るの好きなんです。その額の中で世界を完結できるし、またいくらでも広がりそうな気もするし。
たくさん紹介させていただきますね。気になるものあれば、お気軽にお問い合わせください。詳しい説明や別カットの写真をお送りします。
上の写真は、金箔を貼った蛇の目紋。加藤清正の家紋です。額の大きさ、幅31cm、高さ59cm。

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上の写真、濃紺の蛇の目紋。のびのびしてるイメージ。これは織りではなく、染め作品です。額の大きさ、幅32cm、高さ26cm。

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上の写真、濃い茶色の蛇の目紋。染め作品です。額の大きさ、幅27.5cm、高さ20cm。

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上の写真。「蛇の目コパー」。染め作品です。銅箔を貼ってます。額の大きさ、幅22cm、高さ27cm。

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上の写真、「蛇の目ゴールド」。これは日本画の技法で描きました。額の大きさ、幅31cm、高さ28cm。

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上の写真、「清正フラッグ」。日本画の技法で描きました。清正の旗を探してください。戦国の屏風絵を元に描きました。額の大きさ、幅31cm、高さ28cm。

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上の写真、木枠にペインティングして、織り布を貼り込みました。銀糸が織り込まれ、銀箔も貼ってあるので、キラキラします。シャボン玉のようです。
左 額の大きさ、幅18cm、高さ14cm。
右 額の大きさ、幅18cm、高さ18cm。

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上の写真、マークロスコを目標に織った布を貼り込みました。背景も織り布です。しぶ豪華!額の大きさ、幅38cm、高さ27.5cm。

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上の写真、地球ぽいイメージです。額の大きさ、幅17cm、高さ12.5cm。

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上の写真、大きく写ってますけど、実物は小さくてほっそりすっきりです。額の大きさ、幅11.8cm、高さ22cm。

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上の写真、「Colored Buds」。染めの色見本を額に入れました。額の大きさ、幅33.3cm、高さ24.7cm。

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上の写真、おもちゃ箱ひっくり返したイメージです。額の大きさ、幅53.8cm、高さ38.6cm。

「清正公の陣羽織展」の出品作のご紹介は以上です。お付き合い、ありがとうございました。気になるもの、ぜひお問い合わせください。
帯たちは(ショールも!)、和の國さんのネットショップにありますので、そちらをぜひご覧くさい。
売り上げの10%を熊本城復旧支援金に寄附いたします。年末にはまとめて寄附したいと思っています。どうかよろしくお願いします。

大麻のストール

2016.12.14

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ひきつづき「清正公の陣羽織展」に出品した作品を紹介させていただきます。今日は大麻のストールです。男性にも女性にも、さりげないおしゃれに活躍します。
2枚ありまして、上の写真は、藍色バージョン。(追記、藍色バージョンはご縁いただきました。ありがとうございました。)
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こちらが茶色バージョン。似てるでしょ。それはそうです。2枚とも同じ経糸なんですもの。経糸は藍と茶の一本交互です。
違いは緯糸です。藍バージョンは緯糸が全部本藍の藍染め。茶色バージョンは緯糸が全部草木染めの茶色です。
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これは、藍色バージョンのアップ。
糸の良さ、分かってくれますか?使った糸は、経も緯もすべて、大麻の単糸です。普通、糸って単糸を二本かそれ以上の本数で、合わせて撚りを掛けているのです。そうすることで、扱いやすく、丈夫になります。しかしこれはもともとの糸、一本のみ。だから、経糸が抜けるように切れたりして、とても扱いにくいのだけど、織ってしまえば、薄く、しなやかで柔らかな布になります。
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茶色バージョンのアップ。ちょっと色が明るく写ってしまったな。
そしてこのストールの最大の楽しみは経年変化です。単糸だからってこともあり、使えば使うほど、やわやわになります。はじめの感触はちょっと固いと感じるかもしれませんが、使い込むと化けますよ!
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藍バージョンと茶色バージョンを、2枚を一緒に巻くとこんな感じ。色の違い、分かってくださいます?
大きさは、2枚とも、幅が約39cm、長さが130cmです。お値段は、税込みで、1枚32,400円です。よかったら、お気軽にご連絡ください。ご不明点、もっと詳しい説明いたします。
売り上げの10%を熊本城復旧支援金に寄附いたします。
(追記、藍バージョンはご縁いただきましたがが、茶色バージョンはございます。よろしくお願いします)

陣羽織プチマフラー

2016.12.12

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今回の「清正公の陣羽織展」では、プチマフラーも作りました。が、ネット上ではまったくご紹介してなかった!ということは、ご覧いただいたのは、個展にお越しいただいたごくごく一部の方のみってことか。これはいかん。ぜひぜひみなさまにご覧いただきたく、手元にある4枚、ご紹介いたします。
もしご興味の方、おられましたら、お問い合わせください。ぜひお首元に、気軽に巻いていただきたいです。絹のあたたかさはほっとしますよ。お値段は税込みで、24,840円です。
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一枚目、これは、賤ヶ岳の七本槍をデザインソースにしました。6本の小さい槍と、1本大きい槍。この1本が清正のつもり。(一番上の写真を見てくださーい)
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大きさは、幅約22cm、長さ約110cm 。ハッキリした紫みのピンクです。今回の個展のテーマカラーは猩々緋という赤なのですが、もしかしたら、戦国時代の猩々緋、こんな色もあったんじゃないかなと思って。というのは、猩々緋の染料は、コチニールやラックダイとのことなのですが、こんな色に染まるのです。今回は、酸性染料で染めたのだけど。
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2枚目は、こちら。朱色ベースで、モスグリーンや薄茶などが入ってます。朱の一部は、真綿を染めて紡いだ糸を入れてますので特に表情豊かです。
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大きさは、幅約20cm、長さ125cm。朱ってやっぱり日本の赤だなあって思います。なじみやすい、使いやすい一本だと思います。
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3枚目はこちら。緯糸は絣くくりした真綿紬糸です。それが、ランダムに全面に入ります。
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大きさは幅約21cm、長さ約124cm。ほっぺにすりすりしたい感じ。とても柔らかいです。首の周りにちょこっと巻いていただきたいです。
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ラスト4枚目です。赤と黒のコントラストが面白い一本です。赤の部分には真綿から手引きした紡ぎ糸も使ってます。黒の部分は黒とマロンを一緒に織り込んでいるので、優しい黒です。
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大きさは、幅約21cm、長さ約132cmです。赤と黒、巻き方でどっちをどこに持ってくるか楽しめます。
気になる方、どうかお気軽にお問い合わせください。→
お値段は、24,840円です。売り上げの10%を預からせていただいて、熊本城復旧支援金に寄附いたします。このお金、どうなるのかな。石垣つむのになるのかな。小さくても熊本にちょっとの風を吹かせられればなと思っています。みなさまのお気持ち、心より感謝いたします。

その後の話しのつづきの話し。

2016.12.08

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先日、個展のその後の話しとして、メールを介して、いくつかご縁をいただいたという話しを書きましたら、反響いただき、またいくつか新たなご縁をいただきました。なんとまあ、驚きであり、感謝であります。
そのお一人が、上の写真のお方です。すぐに身につけて、写真を撮って送ってくださいました。めちゃカッコイイよね!
メールのやり取りをさせていただき、詳しい説明をさせていただいて、お決めいただいたことも、とてもうれしかったです。感激のご返信もいただいてます。うるうる。ショールの写真、別カットなど数枚お送りしたあと、
「気に入りました。もしたくさん並んでいたとしても、これを選んだと思います。」
とお返事くださり、さらには、お納めしたあと
「思った通り、この陣羽織は私のために残っていたんだと思います。これで名古屋を闊歩しますね。」
とメールくださいました。きゃー!最高!
このお方、清正公の生まれ故郷、名古屋にお住まいなのです。清正公の陣羽織、里帰りデビュー!どうもありがとうございます!
もしよかったら、下の3点の陣羽織ショール、手元にございます。お問い合わせいただければ、詳しくご説明いたします。お値段は、45,000円から55,000円(税別)です。売り上げの10%を熊本城復旧支援金に寄附いたします。
(追記、一番上のオレンジのショール、ご約定となりました。ありがとうございます!)
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また、この他に、和の國さんのネットショップにもございますので、あわせてよろしくお願いします。

その後のはなし

2016.12.06

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先日のブログで、「個展の話しはこれでおしまい」などとと書きましたが、ちょっと待った!
実は、あれから、トントントンと旧知のお客樣方からメールをいただきました。内容は、砕いて書かせていただきますと、「個展お疲れさまでした。行けなかったけど応援していたよ。お嫁に行かなかったのあれば紹介して。」っていうものでした。
あらま!なんとまあ。
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それで、写真を撮り直して、ご説明も書いてメールして、なんとおのおのご縁いただきました。
会場でお求めいただくのももちろんうれしいですが、こうやって会期後に、思ってもみないメールが来て、買っていただくって、本当にじわーーっときます。しみいるわ〜。
見ていて下さる方がいるんだなあ。真面目にやって来てよかったなあ。人って優しいなあ。生きててよかったなあ。
よし!この分の売り上げも、10%を熊本城復旧支援金に寄附するぞ!せいしょこさーん、待っとって〜〜。
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もしよかったら、あなたもいかがですか?今回作ったショールは、陣羽織ショールと銘打たせていただいてます。身を守り、心を鼓舞する現代の陣羽織、あなたも巻いていただけませんか?
お値段は、上の写真お大判のもので、45,000円から55,000円です。ご紹介しますので、お問い合わせください。詳しい説明や写真などお送りします。

寄附してきました。

2016.12.02

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今回の「清正公の陣羽織ー吉田美保子展ー」、開催目的のひとつは、売上金の10%を熊本城災害復旧支援金に寄附することでした。熊本のためになにかしたいと思ったとき、私ができること、それはお金だと思いました。
復興に必要なものはいろいろある。例えば知恵や行動力や統率力など。しかし私はなんのパワーもない。それならお金だ。
お金を必要としている所もいろいろある。しかしここは分かりやすくシンボルである熊本城だ。
それで、出来るだけ多くの福沢諭吉を、熊本城に上らせるべく、がんばろうと思った。それで、あがくだけあがきました。多くの方にご協力いただき、個展はおおぜいのお客様でにぎわいました。お買い上げもいただきました。
関東や関西からのお客様にお求めいただきましたが、実は地元熊本のお客様にも、思った以上にお買い上げいただきました。熊本県民は多かれ少なかれみんな被災者だと思いますが、そんな中、これは身につけたい、手元に置きたいってお求めいただけ、とてもうれしかったです。
和の國さんの絶大なるお力のおかげでもあります。会期中の販売でご尽力いただいたはもちろん、実は個展が終わった次の日にこちらに戻る前ご挨拶にお寄りした時に、売上金の一部を現金でいただきました。まだ数字が確定する前のことです。残りの売り上げも、伝票送ってあっという間に振り込んで下さいました。(まだ個展終わって一週間ですよ!)これって、ご商売されている方はおわかりでしょうが、ものすごいことなんです。和の國さんも地震でそうとうな目にあってらっしゃるのに有難いことです。
それで早速、寄附の仕方を調べました。そうしましたら「熊本城災害復旧支援金」が、「復興城主」という制度に変わってたことが分かりました。で、振込用紙を取り寄せて、郵便局から振り込むんだって。
えー、めんどくさーい。カード決済できないのー。PDFでダウンロードすらできないのー。郵便局に行かなっちゃいけないのーって思いましたが、おとなしく従います。用紙はほどなくやって来て、本日郵便局のATMに行ってきました。(金額表示はご勘弁くださーい。この3ヶ月の全収入バレちゃうからね。)
おほほ、これで私も熊本城の城主ですわ。城主手形をいただけ、デジタル芳名板に名前が映り、10万円以上の寄附でしたので感謝状もいただけるそうです。加藤清正公にもおよろこびいただけたかな。売り上げをたてさせてくださったみなさま方のおかげですけどね。
熊本の復興ははじまったばかりですが、明るく強い熊本人はきっと大丈夫って確信する次第です。県外の方、県内の方、このたびは、本当にどうもありがとうございました。
ブログ上での個展のお話もこれできっと終わりになると思います。夏から秋はこれ一色でしたね。おつきあいいただき、ありがとうございました。

なんと、石井ゆかりさんが!

2016.11.30

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「清正公の陣羽織ー吉田美保子展」の会期2日目に、事件が起こりました。なんと、石井ゆかりさんがお越し下さったのだ。石井さんて、「あの」石井さんですよ。本物です。「えっ!」でしょ。「んまー」でしょ。「どびっくり」でしょ。私だってびっくりしたよ。お越しになるのはもちろん知ってたけどね。
ゆかりさん、拙作のお着物「モルダウ・ミスト」をお召しになってお越しくださったのだ。それも知ってたから、その日は朝からむずむずしていた。手塩にかけ、旅立たせた子との再会だものね。それにあの子は、私の手をあっというまに離れて行った。
2010年の個展直前ギリギリに織り上がった。売れるか売れないか、実は自信がなかった。だって、真っ白なんだもの。水が湧き出るその瞬間を織ったもので、ごくごく微妙に染め分けた何種類ものアイボリーホワイトに、ところどころ、薄いグレーや水色の筋が入ってる。ただそれだけの、ほぼ無地に近い白い着尺。白すぎてちょっと着づらいかも。でもこのピュアな感じを織りたかったし、織る必要があった。
それをお買い上げ下さったのがゆかりさんだ。
あれから6年か。
昼過ぎごろ、ちょうど和の國さんの入り口あたりに立っていたとき、どこからかふわっと、お蚕さんが現れた気がした。ら、ゆかりさんだった。ほう、って思った。すごく自然で、似合ってて、満ち足りた感じを受けた。まあ、いいお召し物って思った。瞬間、あら、これ織ったの私じゃん!(ってすみません、自画自賛。いや、自織自賛か。)
モルダウ・ミストがいいお召し物であるのは、糸の力と着る方の力だ。お蚕ぐるみって言葉があるけど、うん、文字通り、ゆかりさん、お蚕さんにくるまれて、大事に守られてる感じした。かつ、独特な感じもした。モルダウ・ミストは、完全に、お召しくださるゆかりさんの世界の一部になっている。ああ、よかった。この子のこの姿を見せてもらえて本当によかった。
石井ゆかりさん、「モルダウ・ミスト」をお召しでお越しくださり、本当にどうもありがとうございました。
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そしてなんと!!!実は、この日、ゆかりさん、帯をお求めくださったのだ。選んでくださったのは、八寸帯「清正Red」。猩々緋の真っ赤な帯。タイコ裏以外は全面真っ赤で、全部綾織りで織ってる。ちょっとビロードのような感じもする。戦国時代にポルトガルあたりからやってきた南蛮渡来の織物をイメージしたのだ。その上この帯はそうとう立体的だ。太いキビソ糸をところどころに入れている。ブラッシングカラーズも全面に斜めに走る。うねりのある、勢いのある帯だ。
この「清正Red」もモルダウ・ミスト同様、この展示会になくてはならない帯として織った。展示会に出す新作はすべてそういう気持ちで織ってるけど、売れにくいかもって思ってたのはこれがピカイチ。それでも織った。だって清正公の陣羽織、こんな感じではなかったかと思ったから。覚悟を決めた色なのだ。覚悟を決めて織ったのものを選んでいただけて大変光栄です。
・石井ゆかりさんのサイト→筋トレ
・ゆかりさん、こんな感じのコーディネートでお求めくださいました→和の國ブログ
・石井NP日記に書いてくださいました。熊本ツアーinRed・その1 ここから3部作、ぜひお読みください〜。

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