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あおさまの経糸が決まってから、私は、帯を織り、着物を織り、大麻の布を織りました。その間、水面下で、あおさまのお着物の準備をちゃくちゃくと進めていました。
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写真は綜絖通し。別に、準備の中で綜絖通しが一番重要ってことではないです。たんたんとやる作業です。もちろんすごく大事にかわりはないですが。
たまたま写真を撮ったので載せます。動画も撮ったのよ〜。編集もしたのよ〜。見てね〜。
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あおさまの糸、こんな感じです。下に写っている糸が経糸。上に乗ってる糸が、あおさまお気に入りの「試し染めB」です。
いくらなんでもBでは鮮やかすぎる、、、ではどうすればいいのか?悩みに悩んだ結果、経糸のトーンを落としました。
ご実家にお送りした見本をご覧になったあおさまから、ストライクゾーンに入っているとのお返事いただき、完成形で碧を感じられればよいとのことに落ち着きました。
最終的にさまざまな碧の入れ具合はどうやって決めるのだとのご質問がきましたので、それはもう試し織りを重ねて、すり合わせましょうと答えました。土台を作って、その上で試行錯誤を重ねましょう。
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あおさまの経糸、染まりました。いろいろ悩みましたが、これで行きましょう。鮮やかなクラインブルーの土台になることと、着物としての落ち着いた感じを両方考えておさえたつもりです。
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完成はこんな感じか。糸見本もつけて、あおさまに見ていただきましょう。
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これ去年の暮れの話しです。染めの様子はメールで、クリスマスホリデー中の、遠ーく地球の反対側にいらっしゃるあおさまにご報告。
完成予想図と糸見本は、お正月に帰省されるというあおさまのご実家にお送りしてみていただきました。
バリバリビジネスウーマンでいらっしゃるあおさま、どこにいらっしゃるのか、神出鬼没〜、面白い〜。
私はずっと関東の片隅の仕事場におりまして、メールや郵便で繋がらせていただいております。
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あおさまの経糸、まず染める前に、しっかり洗って、油分や汚れを落とします。糸の様子もチェックしながら。
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ほら、こんなにふっくら。さすが、ぐんま200の生繭座繰り糸です。
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染めは、酸性染料です。ねらう色は、クラインブルーの土台となる色。碧の引き立て役となる色です。
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これでどうだ。乾けば3割減くらいの鮮やかさになっちゃうんだけど。
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待ちに待った、「美しいキモノ」秋号が発売になりました!
今回なんと、「ありがとうの言葉に代えて 熊本から元気な姿でこんにちは」という、特別応援企画を組んで下さったんです。我が熊本は、地震で痛手を受けましたが、へこたれません。そんな熊本をご紹介くださっているページです。そこに、熊本ゆかり染織作家展のご縁で、なんとワタクシめも載せていただきました。P245です。見てね!
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それから、もうひとつ、誌上ギャラリーのページにも帯の写真を載せていただいたのですよ。八寸帯「おもちゃのチャチャチャ」です。P136にご注目。
さらに写真の下の告知欄をご覧ください!
次回の熊本ゆかりの染織作家展のご案内を載せていただいています。
そしてなんとその下には〜〜〜!本邦初公開、ワタクシめの個展の告知も載せていただいています。うっわー、まじ〜〜?がまださんとーーー!(この展示会については、後日、イヤというほど書かせていただきます。笑)
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えっとーーー、情報を整理させていただきますね。ヨシダ、熊本で、今後ふたつの展示会があります。
-1-. 熊本ゆかりの染織作家展 9月9日〜12日、和の國さんにて。ヨシダは全力で出品しますが、帰熊はしません。
-2-. 染織吉田・吉田美保子展 11月20日〜23日、同じく和の國さんにて。ヨシダ、全日、滞在します。
美しいキモノの表紙は美しい吉田羊さんです。ぜひ手に取って下さいね。
*この場を借りて、お詫びいたします。
本誌P245の私のプロフィールのところに、個展の情報はP76参照とありますが、正しくは、P136参照のあやまりでした。
また一部の方に、美しいキモノ秋号に載ることをご連絡いたしましたが、その際、P76とP245に載るとお伝えいたしました。正しくは、P136とP245でした。お詫びして訂正いたします。
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あおさまの経糸の色は、メールでやり取りして、「B」で行くのはやめました。「B」はあまりにも強すぎるように私には思えました。全身クラインブルーという着物は、人にも街にもなじまないのではないか。(へたをすると浮くし、もっとへたをするとケバくなる。)
あおさまも、「B」が好きだけど、全身「B」にしたい訳ではなく、感じられればとおっしゃいます。では、少し、トーンを落として、落ち着いたブルーを経糸にしましょう。クラインブルーは別の方法で入れましょう。それで行くしかないね。
糸は、とてもいいのが手に入った。「ぐんま200生繭座繰り糸」。
これ、群馬県で作ってる「ぐんま200」という品種の繭を、乾燥させず生のまま、手で引いた糸です。あおさま、民芸風はNGとのことだったので、ちょっと細目にしました。スタイリッシュな感じになります。
つやつやでふかふか。コシもあるのよ。うふふ。うっとり。
さあ染めよう。
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あおさまのonly only、経糸の見本で染めた糸を、厚紙に巻いて、カラーチップを作って、AからEまで記号を振って、郵送して見ていただいた。
直感でどれがお好きですか?
すぐに返事のメールが来て、
断然、Bです。
と。
一瞬ギクリ。あちゃーーー、、、よりによってBですか。それも「断然」、、、、、。
実はこの染め見本、違いが出るように、少々極端に染めている。しかしBだけは、「少々」極端でなく、「とっても」極端に染めたのだ。
どういうことかと言うと、Bの糸は、染料を2種類しか混ぜていない。赤みのある青を染めるために、青に少々の赤を混ぜただけだ。他の染め見本は、少々の黒とか、茶色とか、補色成分を持つ色とかを混ぜて染めている。
それが何が問題かというと、2色を混合するだけでは、単調な感じになって、色に深さが出ないのだ。
単調な色って、どんな色かと言えば、、、そうだなあ、、、例えば、地方の市立中学の、部活動のユニホームの色。判別されやすいことが価値だ。地方の中学校でも、私立だと、ユニホームは学校の宣伝にもなるから、吟味した、凝った色だと思う。
(変なたとえで失礼。地方の市立中学校の部活動のみなさん、ごめんなさい。)
着物に限らず、また衣服に限らず、人間が作ったものはモノは、たいてい何でも色がつけてある。作った人が、使う人の用途や希望に合わせ、色をつけるのだ。鮮やかに見える色も、たいてい少々の補色などで、色を殺してある。その方が、なじむのだ。草木染めは鮮やかな色が染まる植物でも、いろんな成分がまじっているから、一種類の染料でなじむ色になるのだ。
さあ、困った。どうしよう。
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あおさまとのメールのやり取りはつづき、ひとつの合意点まで行き着いた。それは、経糸は無地で行こうってことだ。
たて縞はあまりお好きでないとのことだし、海がモチーフなら、緯糸で表現するのがいい。経が無地だと、表現の幅が無限大なのもいい。たて縞の経糸をたてると、変更の余地が少ないからね。
よし、では、さっそく試しに染めてみよう。酸性染料で染めてみよう。
今のところ、あおさまが、色のご希望としめして下さったのは、クラインブルーの粉(たぶん顔料の粉)と、牛革の切れ端だ。絹糸でこの色が出せるのか?出たとして、着物としてどうなのか?碧いスーツの写真も拝見しているが、これは、色的には好きだが、今回求めるものではないという、逆の見本としてだ。
それで、染料を少しずつ変えて、5種類の色を染めてみた。
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あおさまとメールのやり取りを続ける。実際にお召しになったところのイメージが欲しいとのことだったので、写真があるものは写真を、ないものはスケッチをしてスキャンを添付してメールする。
あおさまからは、「正直言うと完成予想図が描けない」というお返事がきた。私は、なんと正直な方だろうと思った。申し訳ない。
実を言うと、私だって完全に分かっているわけではぜんぜんない。経験と知識と想像力を総動員して、着姿を思い描く。それは雲をつかむような感じ。手を振り回して、必死につかむけど、てのひらを開いてみたら、そこには何もない。その繰り返し。
それでもどうにか、紙に落とすけど、さらに難しいのは、あおさまにお伝えすること。うまく伝わるスケッチもできないし、言葉で説明することもなんか、ウソっぽくなるようで、難しい。
あー、私ってこんなに表現力がないんだと落ち込む日々。
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昨年の9月の終わりの日曜日、伝統工芸展を拝見しに三越本店へ行きました。こういう展覧会に行くのは、私としては勉強であり、またこう言ってはなんですが、偵察でもあります。
染織のコーナーをひとつひとつ観ていましたら、目の端に、いかにも展示会を楽しんでいる風の、ご機嫌良さげな女の人が写りました。その方、ものすごくおしゃれ。休日らしいカジュアルな恰好で、楽そうなのだけど、完璧だわ〜。
あ!あれは、あおさまだ!
あーいい感じだなー。好きだから見にきたって感じ。自分の目的が偵察なのがちょっと恥ずかしくなりました。
お一人で、ご自分のペースで見ていらっしゃるようなので、声をかけるのをとまどっていましたら、向こうも気づかれましたのでご挨拶。
しばらく一緒に観て回りました。これから織る、まだデザインも未定のお着物のことがお互い念頭にあるのは言うまでもありません。意思疎通の絶好のチャンスです。
展示されている着物に、「こういうのは着物ばかり目立ちます」とか「出番が多いのはこういうのかな」などなど言いたい放題。あおさまはたて縞よりよこ段の方がお好き、民芸的な土っぽさはNGなど分かったのは収穫でした。
*写真は碧い着物を探しまくって見つけた、吉永さゆりさん。すてきだけど、やっぱちょっと衣装チックと思うのよね〜。